とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「彼女たちには悪い事をしたな。本来なら明日の準決勝で黄泉川先生のクラスと当たるつもりだったが……」
「それは仕方の無いことですよ木山先生。シスターちゃん達の乱入は予想外だったのですからミスしても仕方ないですよー」
(私は最初から知っていたとは言えないな、これは)

 その頃のとある居酒屋の個室、小萌と木山はハイペースで酒を酌み交わしていた。
 お互い酒に強い2人、常人なら倒れてもおかしくない酒量をすでに召し上がってる状態にも関わらず全く酔わない恐ろしい大人2人である。

「それにしても月詠先生のクラスには驚かされます。まさか全チームが準決勝まで勝ち残り、ともすれば全種目決勝進出の目も見える所まで来るとは」
「私も正直な話、ビックリしてるんです。上条ちゃん達と白雪ちゃん達と吹寄ちゃん達はともかく姫神ちゃん達が残るなんて失礼ですけど思ってませんでした」
「ですがそのお陰で決勝はスペシャルマッチの1試合のみになりそうです。そちらのクラス以外の決勝進出チームの選りすぐりも頼もしい子供ばかり。明日が楽しみですよ」

 酒のペースもおつまみを食べるペースも落とす事無く会話を続ける小萌と木山、そして話題はスペシャルマッチの内容へとうつる。

「そういえばスペシャルマッチはサッカーですよね? どのような感じにするのですか?」
「基本は45分ハーフのいたって普通のサッカーです。能力の相手への直接使用(特に攻撃)を禁じる以外は能力の制限は殆ど無しですけど」

 ただし結標の【座標移動】でのゴール、一方通行の黒いシリーズ(黒翼と黒き悪魔の右腕)、麦野の閃光の左腕は使用禁止という特別措置が決定している(当然かもしれないが)。
 ちなみにステイル、エツァリ、ショチトル、五和に関しては明日、同じ魔術師の闇咲から禁止事項が伝えられる手筈になっている。
 ジョッキになみなみと注がれているビールを淀み一つ無く一気飲みをした小萌がダン!! とジョッキを置いて、

「とにかく! 明日はどんなことになっても私達のクラスが1番になるですよーっ! 上条ちゃん達はやれば出来る子なんです!」

 高らかに上条達を信頼した上での勝利宣言をして見せた。
 月詠先生は本当に子供みたいに元気だな、本人に聞かれたら怒られそうなことを木山は考えつつ熱燗に口を付けるのだった。

――――――――――

「はい、明日の午後にはこちらを発つ予定です。それよりヴィリアン姉さまもキャーリサ姉さまも本当にお仕事大丈夫ですか?」
『勿論です。私も姉上も飾利と目いっぱい遊ぶ為に今日まで頑張ったんですから。心配してくれてありがとう飾利♪』

 場所は再び初春の部屋、既にお風呂も済ませて後は寝るだけの所にヴィリアンからの電話があって今に至る。
 ちなみにステイルのローラによるロンドンでの説教が決まった所でインデックス、ステイル、シェリーは自分の部屋に戻っている。

「いえ、そう言ってもらえるなら私も安心です。でもイギリス清教の実地での勉強もあることを忘れないで下さいね」
『ええそれはもう充分承知してます。それとウィリアムも時間を作ってくれて、飾利の滞在期間中はロンドンで過ごすんです。きっと楽しい思い出が出来るでしょう』

 どうやって神の右席たるアックアことウィリアムが時間を作ったのか気になってしょうがない初春だが、1つの企みを思いつく。
 けどそれはヴィリアンに言えば反対されそうなことなのでロンドンに着いてから直接本人に頼んでみようと決めていた。

「ところでキャーリサ姉さまはどうしてます?」
『姉上ですか? きっと今頃はレッサーとあの子のちょ、ちょっと姉上!』
『よー飾利、元気そうだな♪』

 いきなりヴィリアンからキャーリサに代わったことに最初は驚いた初春だが、度々あった電話でもこんな感じなのでもう慣れっこだ。
 キャーリサに聞きたいことがあったのでちょうどいいと思った初春、内容は番外個体改め美雷のことだ。

「はい。キャーリサ姉さまもお変わりなく。ところで美雷さんは元気ですか?」
『元気も元気、すっげー元気だ。最初は魔術の世界に戸惑いを見せていたがレッサーが居たせいだな、すっかり順応しきってるよ』
「そうですか、それを聞いて一安心しました。私もそっちに着いたら美雷さんと色々お話したいので楽しみです♪」
『あー、それなんだがな……。おそらく飾利がこっちに着く頃には美雷はここには居ないだろー。レッサーと何か企んでるからな』

 キャーリサの言葉に残念な気持ちと同時に、美雷がレッサーと何を仕出かしてくれるのか興味と共に不安になった初春だった。
 それから初春とキャーリサとヴィリアンは日本時間で日付が変わるまで楽しく会話を続けたという。

――――――――――

 日曜日に変わったばかりの頃、上条は今日頑張ったご褒美として美琴に電磁マッサージを受けていた。
 他のバカップルは球技大会の疲れとかいつもの規則正しい生活とかで寝てるにも関わらず、この上琴は本当に元気である。

「当麻、大丈夫?」
「ああ、きく~。気持ちいいぞ美琴」
「そっか、よかったーー!!」

 当麻の体を心配していた美琴だったが、当麻の発言で一気に元気になった。
 しかし、美琴は当麻の右手を見て少し寂しそうな顔をした。

「私の能力じゃ今日一番頑張っていた当麻の右手をマッサージ出来ない……」
「美琴………」

 美琴の寂しそうな顔を見て当麻は少し考えた。
 どうにかして美琴に笑顔になってもらおうかと。
 少し考えた当麻はその方法を思いつき、笑顔で実行し始めた。

「…大丈夫だよ、美琴」
「えっ………?」
「美琴がそう思ってくれるだけで上条さんの元気は100倍だぜ」
「当麻……」

 当麻がとった行動――それは美琴を安心させることだった。
 当然、当麻がとった行動は美琴を寂しそうな表情から満面の笑顔に変えた。
 だから、美琴も考えた。
 同じように今の当麻をもっと元気にする方法を。

「当麻、右手かして」
「ん?どうしたんだよ、美琴。…まあ、いいけど」

 当麻は何も考えずに美琴にそのまま右手を差し出した。
 すると、美琴は差し出された右手をつかみそのままマッサージをし始めた。
「み、美琴っ!?」
「能力が使えないから、…コレで我慢して」
「いや、むしろ上条さん的には嬉しい…」
「…当麻ぁーーー!!」

 当麻の発言でさらに嬉しくなった美琴。
 そのままキスのしあいに突入してしまった。
 なお、これが原因で明日うとうとしてしまい、目を覚まさせる名目のもと、みんなにボッコボコにされてしまうのはまた別の話…

――――――――――

 そして、翌日(上琴的には本日のままだが)
 準決勝まで勝ち進んだチーム全員が友愛高校のグランドに集結した。
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