とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「くぁ……ねむぐおっ!」
「どうしたぜよカミやん、そんな眠そうなツラしや……まさか!」
「いってーな土御門! いきなり殴ることねーだうぎゃっ! また殴った! しかも最初より強いぞ!」

 朝から眠たげにしてる上条に喝を入れた土御門だが、そこからある1つの妄想をしてしまう。
 その妄想は上琴の関係を知ってる者なら怒りを覚えるもので再度上条を殴り飛ばした後で、

「ものどもであえであえーーーーっ! カミやんがとうとう自分の彼女にいけないことやっちまったぞーーーーっ!」
「はあっ! 何でそんな結論に達するんだよ! 俺は美琴と確かにイチャイチャして寝不足だが、Hはしてない! 責任取れるようにあだっ!」
「カミやん、ボクはカミやんを信じとる。せやけどな……球技大会中に寝不足になるまでイチャイチャするのはアカン! よって嫉妬ファミリーによる制裁や、かかれーーっ!」

 青ピや嫉妬ファミリーと共に上条を殴り、蹴り、引きずり回し、踏みつけるなどのお仕置きを敢行した。
 上条は心の中で不幸だーーっ! と叫びながら薄れゆく意識の中で確かに見た、普段は参加しそうに無い一方通行、浜面、半蔵も加わっていたのを。

「テメェは球技大会だってのにナニやってンですかァ! 今日のためにベストコンディションを作るためにこっちは打ち止めにあまり構ってやれてねェンだよォ!」
「滝壺のチームがまさかの敗北で慰めようとしたら球技大会があるから駄目って断られたんだぞ! それなのに上条お前って奴は羨ましいぞチクショーッ!」
「浜面と同じく!」

 普段は参加しそうに無い3人、単に上条が羨ましいだけである。
 その様子をオロオロしながら見てる翔太、その視界を見覚えのある手が遮る。

「あ、淡希? どうして僕の目をふさぐの? 上条くんを助けなくていいの?」
「いいのいいの。翔太があいつらに染まるのは私も困るし。それにあいつらも本気じゃないでしょ、多分」
「そうなの? なら僕が心配するのもはわわわわっ! あ、あわあわあああ淡希っ! む、胸がっ! 僕のこ、こここ後頭部にっ!」
「もー翔太ったら可愛い反応してくれるわねー♪ で・も。本当に嫌なら止めるけど?」

 い、嫌じゃないよ……、翔太がかすかにそう言うと結標はさらに自分の胸の中に居る恋人を強く抱きしめた。
 上条フルボッコの図、月結のいちゃつきを巻き込まれない所から見ているのはポリアモリーカップル。

「みんな朝から元気だね~。ま、これくらいの元気が無いと球技大会は盛り上がらないんだけど」
「そうだな。そんでもって俺達のクラスが全種目ぶえっくしょん! へっくしょん! ふぇっくしょん!」
「真昼さん大丈夫? やっぱり今日は休んでたほうがいいよ」

 マスクをして盛大なクシャミを連発した真昼、実は昨日のスパリゾート安泰泉の混浴で湯冷めしてしまったのが原因だ。
 ちなみに混浴といっても今回は真夜が相手側と真昼と茜川に頼み込んで、水着着用の許可を貰っていたりする。

「へへっあんがとよ真夜♪ けど心配すんな! これは花粉症だからな!」
(花粉症で熱が39度も出るなんて聞いたこと無いよ……。真昼ちゃんって時々思うけど相当……いやいや、それは上条君のデルタフォースの専売特許だし)
「お早うございます井ノ原先輩、お姉様、茜川さん」

 ポリアモリーカップルに礼儀正しく挨拶したのは心理掌握で、ポリアモリーカップルもそれぞれに挨拶をした。

「今日は日頃の恩に報いる為にも私達のクラスが勝たせて頂きますわ。そちらに井ノ原先輩、お姉様、そして白雪さんが居るとしても」
「うん、楽しみにしてるよ。けど俺達だって負けない。心理掌握さんの成長、見せてもらうよ……ってレベル4の俺がレベル5の君に言うことじゃないかもしれないけど」
「能力のレベルは関係有りませんわ。私は井ノ原先輩を純粋に尊敬しているのですから。できることならアク様にも変わりつつある私を見せたかったですわね」
「きっと一方通行にも伝わるよ。じゃあ決勝で」

 心理掌握と穏やかな会話と握手を交わした真夜、2人の会話を邪魔しないように離れていた真昼と茜川の所へと駆け寄った。
 鼻水が垂れそうな真昼の鼻をティッシュでサッと拭ってやる茜川、恥ずかしそうに茜川に礼を言っている真昼、そんな真昼に自分のジャージを羽織わせる真夜、3人を見て心理掌握は思う。

(あの3人、まるで本当の家族のように自然な感じを作りますのね。いつも思いますがとても3人同時交際をしてるようには見えませんわ。……人というのは本当に不思議ですわね)

 心理掌握は学園都市唯一のポリアモリーカップルに妙な癒しと不思議を感じながら、自分たちのクラスへと戻って行った。
 ちょうどその時、上条たちの方で大きな爆発音がした。

――――――――――

「これ以上うちのクラスの恥を晒すのは止めなさーーいっ! というわけで久々の雪の竜巻だよ!」
「たった1人をよってたかって襲うたぁ根性入ってねーなぁ! そんなお前らに根性入れる意味ですごいパーンチ!」
「当麻さんに何ということを! たとえ天が許しても当麻さんの永遠のメイドのこの私が許しませんっ! 七教七刃!」

 白雪、削板、五和の奇跡的にタイミングの合った攻撃でうぎゃー! と叫びながらベクトル変換が間に合った一方通行以外の面々は吹っ飛ばされる(上条も)。
 こういう攻撃が慣れっこな上条はすぐさま復活して一方通行達の所へと戻るが、白学ランの削板と上半身メイドで下半身ブルマーの五和の姿を捉えるとすかさずツッコミを入れた。

「削板に五和!?何でお前たちがここに?つーか、何だその格好!?」
「それはこの姿じゃなければ俺の根性が8割減だからなぁーーー!!」
「ふふふ、前に聞いたのですよ当麻さん!男性は皆、メイドとブルマーに萌えるという事を!」

 2人の発言に対してその場にいた全員が同じ事を思った、もうどうでもいいやと。
 しかし、ふと五和の発言に疑問を抱いた白雪が五和に話しかけた。

「ねえ、五和さん」
「何ですか、白雪さん?」
「別にさ、その2つで全員が萌えるなんてことはないし、その2つを合わせたってもっと萌えるとかはないと思うよ」
「…!まさか、土御門さんとそこの青髪の方の発言は間違っているのですか!?」

 五和のカミングアウトを聞いた瞬間、白雪はそのまま戦いの跡地に向かった。
 そして、そこで横たわっている土御門を発見するとその真横に氷の剣を突き刺した。

「……も―とはるう♪」
「な、なな何のようですかにゃー、月夜?麦野並みにコワいにゃー…」
「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・だ・ぞ♪」

 次の瞬間、土御門を中心に氷の竜巻が発生し、その近くにいた仲間達をものみこんだ。
 ちなみにその時の白雪の笑顔を見て、土御門は思った。
 ああ、もう死んでもいいかもと。
 なお、当然ながら白雪が加減していたため、巻き添えをくらったものも軽傷ですんだので試合への影響はなかった。

――――――――――

 一方、何とか攻撃を逃れた浜面達。
 その逃げた先に現れたのは覆面を被った『歩く教会』チームの面々であった。

「絹旗に麦野…何やってんだ?」
「ちょ、超人違いです!私の名前はシルクです!」
「そ、そうだぞ。私はムギムギだ。決して麦野たる人物とは何の関係もない!」

 バレバレの変装をしている2人に浜面は呆れていると、向こうで姫神と謎の覆面シスター(見るからにインデックス)が口論していた。

「例え、あいさが敵でも負けないんだよ!そして私の名前はピュワシスターなんだよ!」
「バスケの主役は。私。誰にも。負けない。」

 2人はいがみ合いながら火花を散らしていた。
 この後、決勝がサッカーになってしまうが姫神が浜面と半蔵を使い、大活躍するのはまた別の話。

「じゃーな上条。決勝で根性入ったいい勝負しようぜ!」
「私も失礼します。決勝で私、当麻さんと愛の篭ったベースボールが出来るのを楽しみにしてます」

 五和と削板に宣戦布告されて上条は気付いた、あいつらエツァリ達と同じチームなのかと。
 決勝がとんでもないことになりそうだと予感した上条と一方通行がげんなりしていると、

「おはようございます、とクールビューティーは未来のだんな様と学園都市最強ぺドに丁寧に挨拶します」

 友愛高校の体操服に身を包み、覆面の上に軍用ゴーグルを装着した人物が朝の挨拶をしてきた。
 上条も一方通行も最初は本当に誰なのか分からなかったが特徴のある喋り方、こんな所に現れそうな人物をピックアップした結果、

「あ、あの~、もしかしてあなた様は御坂妹さんではないでせうか?」
「はい、確かにその通りなのですが今のクールビューティーはクールビューティーなのです、とクールビューティーは」
「クールビューティークールビューティーうっせェぞ! つーかまず俺に対して謝るのがスジってもンだろうがァ! 誰が学園都市最強ぺドだァ!」
「貴方以外に該当する人物が見当たりません。それに上位個体と週1で一緒にお風呂に入ってる時点で覆りようの無い事実ではとクールむぐっ」

 【妹達】の中で1番関わりの深いミサカ10032号こと御坂妹だと判断できた。
 その後で仲間内でも知りえない一方通行の禁断の事実を御坂妹が口にしたので、慌てて一方通行は彼女の口を塞いだ(手遅れだが)。
 一方通行は目をギラギラさせながら自分と打ち止めの秘密をどうやって知ったのか尋ねると、考えれば妥当な答えが返ってきた。

「ミサカネットワークを通じて上位個体が惚気てくるから仕方ありません、とクールビューティーは聞くこっちの身になれと貴方に愚痴ります」
(あンのクソガキィ……。後で会ったら久々に説教してやらねェとなァ)
「ですがご安心下さい。上位個体もさすがにアホではないらしく番外個体の眠ってる間にミサカネットワークを使用しています、とクールビューティーは安心させてあげます」

 上条は思う、『絶対能力進化』計画で関わりを持ったこの2人がいい意味で変わったなぁと。
 その僅かな隙をついて御坂妹は上条の右手を両手でそっと握って自分の胸へと導こうとしていた。

「ちょ! 何してんだよ御坂妹!」
「何と言われましても同じ競技で参加できない寂しさを埋めようとしてるだけです、とクールビューティーはドキドキしながらあ、貴方に触れられ」
「何だそこに居たのかい、クールビューティー。そろそろ僕たちの試合が始まるから皆が待って……ゲッ! か、上条当麻……」

 上条を救ってくれた(?)のは同じく友愛高校の体操服に身を包み、覆面をした背の大きな少年だった。
 一見すると正体不明に見えるが、その少年は煙草を銜えていたので一発で上条にも正体を看破されることに。

「ステイル? お前まで何やってんだよ! しかも御坂妹と同じような覆面を被りやがっ」
「ち、違う! ぼ、僕は君の知ってるステイル=マグヌスではない! 今日の僕はそう、ピュアシスターの守護者ことシガレットさ! ではそうゆうことで」
「名残惜しいですがまた後でお邪魔させてもらいます、とクールビューティーは当麻さんにだけさよならの挨拶をします」

 シガレットことステイルに連れられて去って行った御坂妹を見送った上条は、インデックスも居るのかと考えると気のせいではなく気疲れを感じ始めていた。
 それは一方通行も同じだが上条が自分達の秘密に触れてこないことを受けて、内心でラッキーと思いながら準決勝前のチーム練習を始めるのだった。

――――――――――

「あっ、来た来た。おーいっ、飾利ー、涙子ー」

 上条を中心とした騒動から少し経った頃、友愛高校正門前では美琴が初春と佐天の2人と合流していた。
 今日はみんなで一緒に球技大会を見に行こうと約束していたのだが、いつも居そうな面子が居ないことに気付いた美琴が初春に尋ねる。

「今日は2人だけ? 黒子はとっくに○○さん、春上さんは土御門さんと白雪さんの所へ向かったのは分かるけどそっちのいつもの人達は?」
「建宮さんはすでに食堂に詰めていて、火織お姉ちゃんは後から合流、シェリーさんは個展会場で作品のチェックで第九学区に。とまあ、こんな感じで」
「あれ? 最愛は?」
「最愛ならいずれ分かりますよ、美琴姉さん♪」

 最愛、球技大会に出てるわね、美琴は佐天が楽しげな笑みを浮かべて答えたのを見て妙な確信を得ていた。
 そのことについて考えてる美琴に突然、初春が抱きついてきたことで絹旗のことは頭の中から綺麗に吹っ飛んでしまう。

「かっ、飾利? きゅ、急に何するのよ!」
「えっとですね、私考えてたんですよ。美琴お姉さんとは義理とはいえ姉妹。だから妹の私がこうやって甘えるのは普通かなって♪ ダメ、ですか?」
「まあ、あんた達なら黒子みたいに邪な気持ちは持ってないものね。分かった、飾利と涙子と最愛ならいいわよ。むしろ歓うわわっ!」
「美琴姉さんに許可貰った記念であたしは後ろからー♪」

 最初は初春、2週間の渡英期間中は美琴と会えないのでちょっと甘えるだけだったが、ついでに今後も義妹トリオのハグの許可をゲットする辺りは抜け目無い。
 その後、初春と佐天とのじゃれ合いもそこそこに、美琴は2人と一緒に友愛高校へと入るのだった。
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