とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-59

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「エツァリさん、超パスです!」
「任せてください、絹旗さん!」

 そう言って絹旗からパスを貰ったエツァリはすぐさまボールを持って敵陣へと駆け上がった。
 一方の上条チームは一方通行が止められた事に驚きながらもすぐさま態勢を立て直し始めた。

「浜面、半蔵、出番よ!」
「分かった吹寄!行くぞ浜面!麦野を止めるぞ!!」
「分かった……って何で麦野行き!?」
「いいから行かんか!」

 麦野を止めに行けと言われて戸惑う浜面。
 しかし吹寄の一喝で恐怖心を捨てて半蔵と共に麦野を止めに行く。

「(ん?このままだと私と浜面の1対1!これはチャンス!)おい、エツァリ!コッチにボールをまわせ!」
「(なんという自信………コレなら!)分かりました!いきますよ!」

 浜面と戦えるという事だけに目をつけて麦野はエツァリからボールを要求。(半蔵はアウトオブ眼中)
 それを見たエツァリはその並々ならぬ自信にかけてあえて2対1の麦野へとパスをだした。

「やっと1対1で戦えるなぁー、はーまづらあ♪」
「いやいやいや、半蔵もいるから2対1だ!」
「そんな奴知らねー、失せろ!」

 そう言って麦野は向かってきている半蔵が通るルートの地面に【原子崩し】を放った。(当然言われたとおり威力は加減したが)
 だがしかしそれでも威力は高く、グラウンドの土が持ち上がりさすがの半蔵も足を止めた。

「すまん、浜面!1対1で頼む!!」
(クソッ!こうなったらやるしかないのか!?)

 浜面は意を決して麦野との1対1へと挑む。

「どーしたどーしたはーまづらぁ。遠慮しないで私からボール奪いに来いよ」

 浜面と麦野の1対1の構図が出来上がって3分、お互いに動く気配を見せずに膠着状態に。
 麦野の場合はこのシチュエーションを楽しんでいるだけなのだが、浜面の方は全く違っていた。

(どうする? ここは素直に麦野の挑発にのるべきなのか? いや、ここで動いたら麦野の思う壺だし……)

 学園都市で一番麦野のことを知っている男子こと浜面仕上、彼の頭に麦野に対する油断はこれっぽっちも存在しない。
 そして本来気の長い方どころか超の付くほどの短気の麦野が行動に移る。

「てめぇ浜面ぁ! さっさと私を攻めろよコラァ! この1対1で私が勝ったら私の右胸、浜面が勝ったら私の左胸を好きにしていいんだぞ!」
「何だよその俺に全く得のねぇふざけた提案は! いや別に麦野の胸がダメ胸ってわけじゃなくてだな、俺には滝壺がうおっ! な、何だぁ!」

 浜面が驚くのも無理は無い、この2人のやり取りを見て観客から物凄い歓声が聞こえてきたのだ。
 とはいえ、男による浜面への嫉妬に塗れた罵声や怒号が半分以上を占めているのだが。
 そして浜面と麦野の1対1の構図を打ち破る者が現れる、青ピの次に上条のクラスの変態こと野原である。

「はーまーづーらー! 俺と代われーーっ! そんでもって俺がその美人のお姉さんの両胸をーっ!」
「また野原君は吹寄さんの男の子のイメージを落とすよーなことを! 衝撃波はもったいないしそれに今のこの状況なら……いけるかも♪」

 野原の欲望まみれの突貫を防ごうとする茜川、今の大歓声(大ブーイングとも言う)に包まれたスタジアムにあることを閃く。
 そして上条、一方通行、白雪に耳をトントンするジェスチャーをした後で、

「野原君ストーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!!!!!!!」

 野原を諌める言葉に紛れて【鼓膜破砕】による超音波の大声を炸裂させた。
 超音波の大声に対処出来なかった麦野は脳を揺さぶられて能力を行使するどころかまともに動くことすら出来ずにいた。
 それは浜面も同じ、というか敵も味方も観客も茜川の大声に目を回していた、3人を除いては。

「やるじゃねェか茜川のヤツ。さすが白雪のマブダチ、能力もすっかり凶悪になってンなァ! ホラよ上条ォ!」
「任せろアクセラ! この逆転シュートを美琴に捧げるぜ!」
「よしアクセラくん後で殴る♪ けど今は上条くんの逆転シュートのフォローをしないとね、とりゃー!」

 茜川からのサインを受け取った上条は【幻想殺し】で、一方通行は超音波の大声をベクトル操作で相殺、白雪は雪の耳栓で事なきを得ていたのだ。
 一方通行が脚力のベクトル変換で麦野の距離を詰めてボールを奪って上がってきた上条に絶妙のパス、パスを受け取った上条はダイレクトシュート、そのシュートに白雪が雪でコーティングするという協力プレイを披露。
 雪でコーティングされた上条の強烈シュートだが立ちはだかる者が居た、超音波のダメージから何とか立ち直って炎剣を構えたステイルである。

「悪いが…………シュートは入れさせない!」
「すっ、すているっ!」
「インデックス、ここは僕に任せてくれ。―――僕は君のために生きて死ぬ!」
「いや、ただシュートを止めるだけだから死なないと思うんだよ」

 そう言ってステイルは颯爽と飛んでくるシュートのもとへと走り出す。(インデックスの呟くは耳に届いてない)
 ぐんぐんステイルとボールの間の距離が縮まっていき、ステイルは炎剣で勢いがころせると確信した。
 しかし、そんな幻想は粉々に壊されてしまった。

「「―――がはっ!!」」
「ビックリなんだよ!倒れていたえつぁりにつまづいてすているが転ぶなんて」
「エツァリ!君は何でこんな所に倒れている!」
「そんな事よりステイルさん!ボールは!?」

 シュートばかり意識していたため、足下を見ていなかったステイルは【鼓膜破砕】で倒れていたエツァリにつまづいてしまった。
 そしてエツァリに言われて上条のダイレクトシュートの事を思い出すステイル。
 振り返ってみるとゴールへと向かって凄い勢いで飛んでいくボールが見えた。

「しっ、しまったーーーぁ!!!」
「大丈夫なんだよ!まだ最後の壁があるんだよ!」
「「最後の壁?」」

 その場にいたエツァリとステイルはインデックスが指している最後の壁たる人物が思いつかなかった。
 しかし、すぐにそれが誰なのか分かった。

「ステイル!インデックス!エツァリ!あとは俺の根性に任せろ!!」
「「「削板(ぐんは)(さん)!!!」」」

 この時一瞬削板軍覇は誰よりも頼もしいと、『歩く教会』チーム全員が思った。
 そう、一瞬である。

「すごいパーンチ」

 そう言いながら削板は飛んできたボールを殴りつけた。
 一瞬にして会場が静まり返った。

「ハンドッ!」
「えっ、何でいきなり試合が止まるんだ?」
「何やってんだ、お前ぇーーー!!!」×10

 次の瞬間、『歩く教会』チーム全員による削板しばきあげタイムに突入した。
ウィキ募集バナー