削板がハンドしたのは上条チームにとっては幸運なことにPA内だったのでPKを獲得。
とりあえず削板しばきあげタイムを終了させた決勝進出連合軍改め【歩く教会】チームが削板に指示を出してるのを見ながら、
とりあえず削板しばきあげタイムを終了させた決勝進出連合軍改め【歩く教会】チームが削板に指示を出してるのを見ながら、
「じゃあPKは情報屋に任せる。みんなもそれでいいよな?」
上条の一言で情報屋がPKを蹴ることを提案、殆どのチームメイトが情報屋の事情を知っているだけにあっさり賛成。
情報屋の事情を知らない東原と野原は一方通行と白雪が黙らせ、吹寄の方は上条自ら説得して納得させた。
情報屋の事情を知らない東原と野原は一方通行と白雪が黙らせ、吹寄の方は上条自ら説得して納得させた。
「ついてますわね。てっきりアク様か白雪さんが蹴るとばかり思ってましたわ。失礼ですが名前を存じ上げないあなたが相手なら止められるかもしれません」
「……さすがにその2人と比べられるのはキツイけど能力が戦闘向きじゃない心理掌握ならいける! ……かも」
「……さすがにその2人と比べられるのはキツイけど能力が戦闘向きじゃない心理掌握ならいける! ……かも」
自分に対する心理掌握の評価の低さに凹みつつも、情報屋は同じ精神系能力者なら運動もさほど得意では無いと前向きに考えた。
そしてPK、情報屋は左上ゴール隅のギリギリの所に奇跡的にシュートを放ち、誰もがゴールを決めたかと思われたが、
そしてPK、情報屋は左上ゴール隅のギリギリの所に奇跡的にシュートを放ち、誰もがゴールを決めたかと思われたが、
「はっ!!」
心理掌握の華麗なダイビングキャッチに阻まれてしまう。
ここで勘違いの無いように言っておくが心理掌握は運動神経が悪いわけではない、むしろいい方である。
しかし今までの自分から手を下さないスタイル=本人は運動出来ない人のイメージが世間では固まっていただけに過ぎないのだ。
ここで勘違いの無いように言っておくが心理掌握は運動神経が悪いわけではない、むしろいい方である。
しかし今までの自分から手を下さないスタイル=本人は運動出来ない人のイメージが世間では固まっていただけに過ぎないのだ。
「ふうっ、能力を使わずに相手のシュートコースを読むのは苦労しますわね。ダイビングキャッチのせいで顔が汚れてしまいましたが……悪くないものですわ」
「やったねめんこ! 逆転されるピンチを防いでくれてとっても感謝してるんだよ!」
「イ、インデックスさん! わ、私のことをそのように呼ぶのは」
「やったねめんこ! 逆転されるピンチを防いでくれてとっても感謝してるんだよ!」
「イ、インデックスさん! わ、私のことをそのように呼ぶのは」
試合開始前に翠嵐が控え室にやって来て心理掌握のことをメン子呼ばわりしたことで、チーム内でも数名がメン子のあだ名が浸透することに。
心理掌握は何度もメン子と呼ぶインデックスに再度注意しようとするが、他の皆もメン子と呼びつつも労ってきたので仕方なく受け入れることにした。
心理掌握は何度もメン子と呼ぶインデックスに再度注意しようとするが、他の皆もメン子と呼びつつも労ってきたので仕方なく受け入れることにした。
「削板さん、あなたのその、すごいパーンチ、でしたか? 直接殴らなくとも衝撃を撃ち出せるのですから今度からはお願いしますわよ」
「任せとけメン子! どんなシュートだろうと俺のすごいパーンチと根性で吹っ飛ばしてやるぜ!」
「他の皆さんはインデックスさんの解析が終わるまで引き続き相手チームのプレーを引き出すように心がけて下さい。麦野さん、今は自制なさって下さいませ。これも勝つためですから」
「任せとけメン子! どんなシュートだろうと俺のすごいパーンチと根性で吹っ飛ばしてやるぜ!」
「他の皆さんはインデックスさんの解析が終わるまで引き続き相手チームのプレーを引き出すように心がけて下さい。麦野さん、今は自制なさって下さいませ。これも勝つためですから」
他の皆がポジションに付く中、麦野が少し渋っていたが解析が終了したらいくらでもと心理掌握が約束してくれたので納得してポジションに付いた。
ダイビングキャッチのせいで付いた汚れを気にする事無く、心理掌握はボールをエツァリへと投げて渡す。
心理掌握の今のプレーで観客が上条チームよりも【歩く教会】チームに好感を持ちつつあるのだが、それが表面化するのは少し先のことである。
ダイビングキャッチのせいで付いた汚れを気にする事無く、心理掌握はボールをエツァリへと投げて渡す。
心理掌握の今のプレーで観客が上条チームよりも【歩く教会】チームに好感を持ちつつあるのだが、それが表面化するのは少し先のことである。
「さて、先ほどは麦野さんに渡しましたが今度は自分たちで攻めましょう、ショチトル」
「分かってる。だが忘れるなよエツァリ、相手チームのプレーを引き出すことも大事ということを」
「分かってる。だが忘れるなよエツァリ、相手チームのプレーを引き出すことも大事ということを」
ショチトルの言葉に返事をする代わりに頷くことで肯定の意を示したエツァリは、浜面と服部のコンビネーション並みに息の合ったパスワークで上条チームゴールへと駆け上がる。
しかも上条チームのディフェンスを引き出すように攻め上がる様子は見事としか言いようが無いほどである。
そしてエツァリは浜面と麦野の間に割って入ろうとした野原がブロック出来るようにシュートを放った、目的は野原の能力を使わせる為である。
しかも上条チームのディフェンスを引き出すように攻め上がる様子は見事としか言いようが無いほどである。
そしてエツァリは浜面と麦野の間に割って入ろうとした野原がブロック出来るようにシュートを放った、目的は野原の能力を使わせる為である。
「はっ!そんぐらい楽勝だぜ!」
そう叫びながら野原はシュートコース内に動いて【襲撃緩和】を発動、ボールの勢いを緩和してボールを手に入れる。
野原はそのまま前線へと駆け上がり始めた。
野原はそのまま前線へと駆け上がり始めた。
「野原!コッチにパスよ!」
「了解だぜ、吹寄!」
「フォローは任せてー」
「了解だぜ、吹寄!」
「フォローは任せてー」
サッカー内で一気に攻め上がり始める元バレー組の吹寄、茜川、野原。
意外とコンビネーションのいい3人にディフェンスの削板と結標は翻弄されていた。
意外とコンビネーションのいい3人にディフェンスの削板と結標は翻弄されていた。
「あー、あそこまでボールが動き回られると【座標移動】の狙いがつけられないじゃないの」
「くっ………なかなかな根性だ……………敵ながら天晴れだ!」
「くっ………なかなかな根性だ……………敵ながら天晴れだ!」
そんな風に2人が惑わされている間に、颯爽と抜き去る3人。
そしてシュートに対し茜川が2人に提案する。
そしてシュートに対し茜川が2人に提案する。
「ねーねー、バレーの練習中にボツにしたさー、アレやらない?」
「えっ………アレって俺がダメージおってしばらく手が使えなくなったアレか?」
「ああ、バレー的には反則のアレね。分かったわ、フォローはするからやるわよ茜川さん」
「えっ!マジでやんの!?俺はまだ――」
「いいから、さっさと配置につきなさい野原」
「は、はい………」
「えっ………アレって俺がダメージおってしばらく手が使えなくなったアレか?」
「ああ、バレー的には反則のアレね。分かったわ、フォローはするからやるわよ茜川さん」
「えっ!マジでやんの!?俺はまだ――」
「いいから、さっさと配置につきなさい野原」
「は、はい………」
あんまりやりたくない、と言いたげながらも野原は仕方なくゴールに背を向けた。
当然、能力を使用してない心理掌握には野原の意図は読めなかった。
しかし、心理掌握の直感が告げた。――あれはマズい。
当然、能力を使用してない心理掌握には野原の意図は読めなかった。
しかし、心理掌握の直感が告げた。――あれはマズい。
『結標さん、今すぐゴール前に絹旗さんと削板さんの転送を!絹旗さんと削板さんはディフェンスの準備を!』
「分かったわ」
「超了解しました!」
「任せろ、俺の根性にかけて!!」
「分かったわ」
「超了解しました!」
「任せろ、俺の根性にかけて!!」
削板達に念話で作戦を伝えて準備を終える心理掌握。
しかしそれと同時に元バレー組も準備を終えた。
しかしそれと同時に元バレー組も準備を終えた。
「よーし、行くよー野原君ー♪」
「あーもうヤケクソだぁー!どんとこい!」
「よし………行くわよ!」
「あーもうヤケクソだぁー!どんとこい!」
「よし………行くわよ!」
そう吹寄が合図をするとともにボールを上へと蹴り上げた。
それと同時に茜川は野原に向かって走り出し、野原はまるでアンダーハンドパスをするかのように手を構えた。
そして茜川は野原の手に足を乗せ、それを野原が茜川の身体を思いっきり上に向かって打ち上げた。
それと同時に茜川は野原に向かって走り出し、野原はまるでアンダーハンドパスをするかのように手を構えた。
そして茜川は野原の手に足を乗せ、それを野原が茜川の身体を思いっきり上に向かって打ち上げた。
「食らえ、必殺のオーバーヘッドシュート!ワッ!」
そのまま空中でのオーバーヘッドキック+【鼓膜破砕】による衝撃波を加えた高速シュートを放つ茜川。
しかしそのゴールとの間には【座標移動】で飛んできた絹旗と削板が立ちふさがっていた。
「2点目は超あげませんよ!」
「絶対に止めてやる………俺の根性で!」
「絶対に止めてやる………俺の根性で!」