とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 茜川の衝撃波が加わった高速シュートを迎え撃つのは絹旗。
 絹旗は考える、この試合を更に盛り上げ、どこかで応援してるであろう美琴、初春、佐天が喜んでくれそうなプレーを。

「(見た目のインパクトやカウンターの威力を超上げることを考えたらこれでしょう!)どっせいっ!!」

 なんと絹旗は向かってくるボールを【窒素装甲】の右ストレートで思いっきり殴りつけたのだ。
 このまま一気にカウンターシュートを決めようとするが茜川のシュートの威力が予想以上に大きく、その場でせめぎ合うことに。

(くうっ! あの人のシュート、アクセラには及ばないにしても超パワーあるじゃないですか! このままでは……)
「最愛さんガンバレー!」
「負けるな最愛ーっ! あたし達が付いてるぞーっ!」
「最愛、あんたは私と当麻の義理でも自慢の妹! 私達が誇れるプレー、見せなさい♪」
「(聞こえた、超聞こえました! 飾利と涙子、そしてお姉ちゃんの超応援が! これで超漲ります!)ぬおおおおおおっ!!」

 自分のプレーで歓声が再び大きくなって普通は聞こえない美琴、初春、佐天の応援が絹旗には聞こえた、決して空耳などではない。
 3人の応援が絹旗に活力を与え、ボールとの互角のせめぎ合いから徐々に絹旗が押し始めると、

「削板さん! 私がボールを超殴り飛ばしたらすごいパーンチを撃って下さい!」
「了解だ! そんな根性あるプレーを見せたんだ、俺も根性入ったシュートくらいは見せねぇとなぁ!」
「じゃあ超いきますよ、ぬおりゃーーっ!!」
「すごいパーンチ!!」

 絹旗が撃ち返したボールを削板が上手くタイミングを合わせて【念動砲弾】を撃ち出した結果、とんでもないカウンターシュートが発生。
 【窒素装甲】のパワー+【念動砲弾】のパワーが加わったシュートが上条チームのゴールへと襲い掛かる。
 型破りにも程がある絹旗と削板のコンビのシュートに上条チームの殆どの者が反応できない中、主人公たる上条がPA内で立ちはだかる。

「やるな最愛、それと削板! けどこのシュートで逆転するって幻想があるならそんな幻想、この俺がブルゥヘ!」
「アッチの根性バカと同じことやろうとすンなバ上条ォ! チッ、体勢が不安定だが何もしねェよりはマシだからなァ! うおりゃっ!!」

 キャプテンになったことでテンションの上がってる上条、考え無しにシュートを右腕で殴り飛ばそうとしていた、【幻想殺し】が発動しないのに。
 それを阻止したのは上条を横から右の飛び膝蹴りでぶっ飛ばした一方通行、その際に左足を出してシュートの軌道を変えることに成功。
 おかげで軌道が逸れてゴールの外へとボールは飛んでいくはずだったのだが、

「さすがです白い人。ですが私をフリーにするのは甘いとしか言いようがありませんよっと!」
「詰めが速いっ! くそっ、届けっ!」

 五和が猛ダッシュで詰めていて、力強い跳躍でヘディングシュートを放った。
 キーパーの東原が反応出来ていたが、五和のヘディングシュートの速度が速くて後一歩の所で間に合わず逆転ゴールを許してしまう。
 前半15分、再びリードをもぎ取った【歩く教会】チームが五和を中心に喜ぶのとは対照的に、上条はさっきやろうとしていたプレーについて吹寄に説教されていた。

「上条!貴様何やっている!!」
「ギャーァッ!ゴメン!吹寄ぇーーっ!」

 まるでついさっきの削板のように吹寄にしばかれていく上条。
 その様子を見て、野原は恐怖におののきながら情報屋に聞いた。

「なあ、紫木………お前一体吹寄のどこに惚れたんだ?やっぱり胸――」
「ちっがーーう!そこじゃない!俺は吹寄の優しさに惚れたんだ!断じて身体じゃない!」

 吹寄の魅力が身体とか言い出す野原に珍しく情報屋はキレ、大声で吹寄の魅力について叫びだした。
 無論、そんな大声では辺りに聞こえるため、ちゃんと吹寄にもその叫びは届いていたりする。

「………あの馬鹿……」
「ふ、吹寄さん?顔赤いでせうよ?もしかして情報屋の事―――」
「―――っ!だっ、黙れー!」

 情報屋の愛の叫び(?)を聞いて、顔を真っ赤にした吹寄。
 その様子にしばかれつつも茶々を入れた上条はそのまま照れ隠しの頭突きをくらうはめに。

「い、いいか、上条!金輪際あんな事はしようとするな!そしてついさっきの件についての話題には触れるな!分かったな!」
「はっ………はいっ!」

 そして試合再開のホイッスル。

「とられたら取り返す………行くぜ翔太!情報屋!」
「うん、行こう!」
「ついさっきのPKが決まっていれば逆転されなかったんだ……俺も行くぜ!」

 先ほどミスを取り返すため、攻めあがる上条とそのフォローにあがる翔太、そして情報屋。
 その3人を警戒してか、心理掌握は絹旗と削板に指示をだした。

『絹旗さん、削板さん。2人は自陣ゴール前で待機を!このまま守りきりますよ!』
「攻めあがれないのは残念ですけど……超わかりました」
「うーん、それが指示ならしょうがねえ……」
『エツァリさんとショチトルさんは2人であの3人のもとへお願いします』
「分かった。……行くぞエツァリ」
「ええ、行きましょう」

 心理掌握の指示に従い絹旗と削板は自陣ゴール前で待機、エツァリとショチトル上条達のもとへ向かった。

「さあ、上条当麻!僕達の因縁に決着を!」
「お前に恨みはない。だがここを通す訳には行かない」
「エツァリにショチトル!例えお前らが強くても俺達3人には勝てないぞ!なあ、情報屋!翔太!」
「ああ、そうだな!上条行くぞ!」
「じゃあ足止めは僕が!それっ!」
「くっ……!足元に火が!」
「コレでは進めん……」

 翔太は【火炎地獄】によってエツァリとショチトルのまわりのグラウンドを燃やす。
 その火によって2人は思うように進めなくなってしまった。

「ナイスだ、翔太!」
「うん、でもまずは同点にしよう!それっ!」
「なっ!超いきなり炎の壁が!」
「まさか……俺の熱い思いが俺達のまわりに炎を―――っ!」
『そんな訳ないでしょう!敵の能力です!』

 今度は【火炎地獄】を使って絹旗、削板のまわりに炎の壁を作り出す。
 2人が呆気にとられている間に一気にゴール前に3人は攻めあがった。

「よしっ!決めてこい、情報屋!」
「おっしゃぁー!行くぜぇ!」
「ついでにコレも!」

 上条からボールを貰った情報屋は渾身のシュートを放つ。
 さらにそのシュートに翔太が【火炎地獄】で炎を纏わせ、即席の炎のシュートへと変わった。

「まっ、マズい!」

 心理掌握はボールを止めようとするも纏われた炎のせいで止めきれず、見事にシュートはゴールに突き刺さった。
 ついに同点となり上条達は喜んだが、しかし彼らは気付かなかった。
 つい先ほどのプレーによってインデックスが全員の癖を見抜いた事に………
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