とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「私だってやる時はやるんだよ(この人、確かもとはるが前に教えてくれた……)」
「こんな小さい子が相手なら何とかなるかも(この子って前に上条と一緒に住んでたシスターだな。……少しくらいなら)」

 ボールを奪おうとするインデックス、ボールをキープしつつインデックスを抜こうとする情報屋の攻防は一進一退。
 しかしながら2人が考えているのはサッカーとはあまり関係の無いことだったりする。
 吹寄との明るい未来の為の勝利を目指していた情報屋、久々に悪い癖がぶり返すがそれが致命的なミスを招く結果に。

「そういえば君ってつい最近、外から来」
「やっぱり聞いてた通りの人なんだね。答えてもいいけど忠告してあげる」
「ちゅ、忠告?」
「もし私が答えることを聞いたらあなたの平穏な日常はおしまい。誰に助けられる事無く殺されるかもね。平穏な日常を犠牲にする勇気あるの?」

 情報屋の特有の欲を出して【思考漏洩】でインデックスから情報を引き出そうとした情報屋、しかし逆にインデックスの忠告めいた脅しに固まってしまう。
 ちなみにインデックスに忠告を教えたのは土御門で彼に言わせれば思いっ切りソフトな部類に入るらしい。
 情報屋が固まってる隙にインデックスはボールを奪い、フリーになっている御坂妹へとパスする。

「当麻さんも学園都市最強ぺドも居ないのならミサカにも追加点が取れます、とミサカはボールに雷を纏わせてシュートします」

 DFでオーバーラップした上条には五和が、攻守の要とも言える一方通行には一方通行がそれぞれマークに付いてディフェンスに参加出来ずにいた。
 そして御坂妹がチャンスとばかりに雷を纏ったシュートを放つが、先ほどの汚名返上を狙って野原がシュートを防ぎにかかった。

「今度こそ観客の女の子にいい所をあばばばばっ! こっ、こここなくそっ!」

 【襲撃緩和】でシュートは受け止めたものの、雷のダメージを受けてしまう。
 しかしモテたい執念が体のダメージと痺れを一瞬だけ凌駕し、ボールをクリアすることに成功した後で野原は立ったまま気絶した。

「テメェにしちゃあ上等だ野原ァ! 後は俺にチッ! 邪魔すンじゃねェエロデレ女ァ!」
「ああ、もう邪魔しねぇから安心しなよ。てめぇの出だしさえ抑えりゃ後は私が攻めるだけだからさぁ」
「攻めるだァ? テメェにそんな手段が……マジかよ」
「ばいばーい♪」

 クリアされたボールをキープしようとした一方通行の飛び出しを阻止したのは麦野の閃光のアームを駆使した巧みなマーク。
 そして麦野は閃光のアームを伸ばして上条チームのクロスバーを壊さないように掴むと縮む勢いでボールへと迫ってキープ、そのままゴールへと突き進む。
 東原の【技術盗賊】を過小も過大もせずに適切な評価をしている麦野は、

(こいつなら右でも左でも反応して防がれる。パワーで潰すには私のシュートじゃあ足りないし絹旗も削板もこっからは遠いし)
「「麦野さんっ!」」

 東原からゴールを奪う為の手段を割り出すも、決定的な答えを導き出せずにいると自分を呼ぶ2人分の声が聞こえた。
 その声を聞いた麦野はすぐさま決断し、閃光のアームをクロスバーから離してPA外からゴール左隅と見せかけて逆方向のゴール右隅へとシュート。
 それを読んでいた東原は横っ飛びで麦野のシュートをパンチングで防ごうとするが、

「これなら防げませんよね!」

 麦野のシュートにダイビングヘッドで合わせてきた五和がシュートコースを逆方向に変えた。
 ところが東原はそんな五和のプレーにも反応し、クロスバーを掴んで思いっ切り足を伸ばしてシュートを防いだ。

「よしっ! このこぼれ球を誰かが拾ってくれれば」
「いえ、残念ながらこれで終わりです」

 ピンチを凌ぎ切ったと思っていた東原の目に映ったもの、それはこぼれ球をヘディングでゴールへ押し込むエツァリの姿だった。
 五和とエツァリの呼びかけが聞こえた麦野の決断が導いた追加点が前半40分に【歩く教会】チームへと入り、4対2と上条チームを引き離す。

「くそっ! 防ぎ切ったと思ったのに痛っ!」
「無理はいけませんよキーパーさん。五和さんのシュートを防ぐ為に随分と無茶をしたのですから」
「あ、ああ、ありがとな。け、けどまさかあんたまで詰めてるとはやられたぜ……」
「これが自分たちのあなたへの評価ですよ。ここまでしないと追加点は取れなかったでしょう。ナイスプレーでした」

 痛めた右腕を心配してくれたエツァリに感動した東原は左腕で握手を求めるとエツァリもそれに応えた。
 その際、どさくさに紛れてショチトルを紹介してくれと頼むもやんわりかつキッパリとエツァリに断られたのだった。

「それにしても驚きましたよ五和さん。てっきり詰めているのは自分だけと思ってましたから本当に助かりました」
「いえいえ。それに当麻さん分をフルチャージしたのでマークに付く必要無くなりましたから♪」
(ああ、五和さんの表情が輝いてる理由はそれですか。上条当麻も苦労してますねぇ)

 何があったのかは知らないが上条が疲れた表情をしているのを見て、エツァリは他人事ではあるが同情した。
 一方の上条チームは負傷した東原に交代を勧めるも前半が終わるまでということで残すことにしたものの、問題は別にあった。
 御坂妹の雷シュートをクリアして立ったまま君り……もとい、気絶してる野原である。
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