とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「何してるんですか皆さん。当麻くんは疲れているんです、更に疲れさせるなんてことは止めて下さい」

 控え室に入ってきた真夜の喋り方に彼のマジ切れを知らない者達は呆気に取られた。

「い、井ノ原弟、だよな? いや、そんなことよりもだな、上条が何したの」
「どうでもいいです。当麻くんに限って悪いことはしないと僕は信じてますから。応援に来てくれた皆さん、嫉妬するくらいなら出て行ってください」
「し、嫉妬くらいって……。お、俺たちは」
「いいから出て行って下さい。選手の皆さんの疲れが取れませんから。気持ちだけ受け取ります、ですから観客席で応援宜しくお願いします」

 必要以上に丁寧な言葉遣いと有無を言わせぬプレッシャーに上条を責めていたクラスメイト達は真夜に抗議すること無く控え室を後にした。
 ようやく静かになった控え室で真夜のマジ切れを知ってる人間代表として浜面が尋ねた。

「な、なぁ井ノ原弟。もしかしてさ、茜川が削板の奴に吹っ飛ばされたことで怒ってるのか?」
「仕上くんにも皆さんにも誤解の無いように言っておきます。僕はそれに関しては試合中のプレーとして捉えてるので怒ってはいません。赤音さんも頑張ってましたし」
「それで怒ってたわけじゃないの? じゃあ一体」
「簡単です、赤音さんを傷付けておいて何の謝罪も無かったからですよ。そんな礼儀知らずの人に赤音さんの愉しみを奪われたと思うだけでまた怒りが込み上げて来ます」

 だから優勝したがっていた赤音さんの頑張りを無駄にしない為にも勝利しましょう、真夜の言葉に選手全員が共感を覚えて頷く。
 真夜の今の状態が初見な吹寄、姫神、翔太、情報屋(立ち直り済)は彼の妥協の無さに驚き、残る者達はマジ切れのベクトルがかなりマシなことに安心していた。
 これで自分達の勝率が上がったと確信した土御門は実はこっそり考えていたあるプランを提示する。

「さー、後半戦に向けて頑張るとするぜい! そこでだ、美琴ちゃんも居ることだしここでオレから1つ提案がある」
「提案?」
「後半戦になって必要になってくるもの、それは応援だ。てなわけで美琴ちゃんにチアリーダーになってもらってオレ達の応援をぐぎゃっ!」
「土御門、貴様バカなの? 大体御坂さんがそんなことに応じて……」

 美琴にチアリーダーになってもらうと宣言した土御門を殴った後で吹寄はてっきり本人が猛反対するかと思っていた。
 しかし吹寄は目を疑った、視線の先に照れくさそうにチアリーダーの件を上条に聞いている美琴の姿があったから。

「ね、ねぇ当麻。当麻はさ、わ、私がチアの格好して応援してくれたら……嬉しい?」
「本音を言えば上条さんは美琴のチアリーダー姿は見たいです。しかし今考えると美琴の可愛い姿を衆目に晒すってのは……。けど美琴の応援は欲しいわけで」
「分かった。ちょっと恥ずかしいけど当麻が望んでくれるなら私、頑張るわ♪」

 美琴が引き受けてくれたことに上条は心の底から喜んだ、何せキャプテンを快くやっている動機がこうやって叶ったのだから。

 少しして、上条チームの控え室に打ち止め、黒子、滝壺、郭が訪れた。
 4人とも、初春のメールで恋人の応援をするようにハッパをかけられてここに来たのだ。

「にゃー♪ こいつはちょうどいいぜよ。美琴ちゃんだけでなく4人のチアリーダー追加決定ですたい」

 そうして土御門が出したのは5人分のチアリーダーの衣装、しかし土御門の趣味が入っているのかメイドを思わせるようなものではあるが。
 しかも最初から図っていたかのようにサイズも5人にピッタリというおまけ付きで。
 医務室に野原を運んでいてここには居ない服部を除いた一方通行、青ピ、浜面の反応はというと実に正直なものだった。

「似合うかな?ってミサカはミサカは少し恥じらいながらあなたに聞いてみたり」
「どうですか、〇〇様!こんな黒子は!!」
「はまづら……………似合う?」

 着替え終わった3人は各々の相手に感想を求めた。
 そして各々の相手はすぐさま土御門の方を向いて叫んだ。

「「「土御門(ォ)(ツッチー)!!!」」」
「ん?どうしたぜい、3人共?」
「「「グッゥゥジョォオォォブッ!!!」」」

 ひとしきり叫び終えると3人はそれぞれの相手の方を再び見始め、誉め始めた。
 そんな様子を寂しそうに眺めていた郭はボソッと愚痴を漏らした。

「ハァ………何でこんな時に半蔵様はいらっしゃらないんですかぁ………」
「ん?半蔵なら野原を医務室に連れて行ったぞ?」
「ほっ、本当ですか上条氏!!?よーし、ちょっと行ってきます!」

 そう言うや否やすぐさま走り去っていく郭。
 その様子を上条は眺めているとふとご立腹な白雪の姿が目に入った。
 当然、白雪がご立腹な理由は馬鹿な上条にも易々と想像できた。

「なーんで、サイズがピッタリな服ばかりなのかなぁー?」
「月夜さん、そんな事は後でどうにでもなりますから今は作戦をたてましょう」
「………まあ、あとでもいっか」

 怒っている白雪を軽く落ち着かせる真夜。
 その2人はすぐさま作戦会議に入った。
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