「あれ? アクセラがベンチに超引っ込んでますね。あれっていいんですか?」
「絹旗、あんた知らなかったの? あっちのチーム、私らみたいな精鋭だけで組んだチームじゃないから1人だけ一度引っ込んでももう一度出られるのよ」
「絹旗、あんた知らなかったの? あっちのチーム、私らみたいな精鋭だけで組んだチームじゃないから1人だけ一度引っ込んでももう一度出られるのよ」
絹旗は麦野からルールを説明されるとは思っていなかったので少し驚いていた、本人に失礼とは思いながら。
【歩く教会】チームは後半から出てきた選手に注目を集める。
【歩く教会】チームは後半から出てきた選手に注目を集める。
「とうとう土御門が出てきたか。あいつのことだ、恐ろしい作戦でも練ってるに違いない」
「自分も同感です。土御門さんならどんなえげつない手でも平気で使いますからね。油断大敵です」
「確かに土御門は脅威だけど私達の結束には敵わないわよ。翔太には悪いけどこの試合、絶対に勝つ」
(メン子の能力で変わった淡希……不思議な感じがするな)
「自分も同感です。土御門さんならどんなえげつない手でも平気で使いますからね。油断大敵です」
「確かに土御門は脅威だけど私達の結束には敵わないわよ。翔太には悪いけどこの試合、絶対に勝つ」
(メン子の能力で変わった淡希……不思議な感じがするな)
土御門をよく知るステイルとエツァリは彼に対する警戒を今まで以上に強めた(結標は心理掌握の影響でそうでもないが)。
「浜面と服部を超下僕のように扱ってストレッチをしてるあの人、神経を超集中させてようやく認識出来るレベルの影の薄さですね」
「そうなの? 私はあいさのことはそんな風に思ってないから平気だよ。大丈夫、あいさは私が何とかするから」
「そうなの? 私はあいさのことはそんな風に思ってないから平気だよ。大丈夫、あいさは私が何とかするから」
姫神という影の薄い女性を平然と認識できるインデックスを絹旗はしょうもない理由と分かっていても尊敬することにした。
レベル5の麦野、心理掌握、削板が注目しているのは意外(?)にも真夜1人だった。
レベル5の麦野、心理掌握、削板が注目しているのは意外(?)にも真夜1人だった。
(ちっ、よりにもよって化け物が後半から登場かよ。一方通行が引っ込んで楽になるかと思ったが前半以上にきつくなりそうね……)
(井ノ原先輩にも私の成長の証を見ていただけるのは嬉しいのですが前半の茜川さんのことで怒ってらっしゃるのなら……これ以上無い脅威ですわ)
(あのにーちゃん、初めて見るツラだな。さっき俺と根性張り合った女の代わりならまたいい根性勝負が出来そうだ)
(井ノ原先輩にも私の成長の証を見ていただけるのは嬉しいのですが前半の茜川さんのことで怒ってらっしゃるのなら……これ以上無い脅威ですわ)
(あのにーちゃん、初めて見るツラだな。さっき俺と根性張り合った女の代わりならまたいい根性勝負が出来そうだ)
交代メンバーに特に注目していない御坂妹と五和はというと、
(後半は当麻さんとスキンシップをとって勝利してミサカをアピールします、とミサカはもっとやる気を出します)
(このまま試合に勝利して当麻さんが私への愛に目覚める、まさに理想通りの展開が待ってるわけですよ♪)
(このまま試合に勝利して当麻さんが私への愛に目覚める、まさに理想通りの展開が待ってるわけですよ♪)
いつも通り上条のことを考えていた、試合のことも忘れずに。
一方、上条チームでは土御門からポジション交代されたメンバーと後半から参加したメンバーと話し合っていた。
一方、上条チームでは土御門からポジション交代されたメンバーと後半から参加したメンバーと話し合っていた。
「後半はオレと月夜の2トップでいく。月夜もそのつもりで動いて欲しいぜよ」
「うん♪」
「カミやんはキーパーだ。これなら右手も使い放題だ、きっちり役目を果たすんだにゃー」
「美琴の応援をゲットした上条さんに全て任せろ! 0点に抑えて勝利を掴んでやるぜ!」
「うん♪」
「カミやんはキーパーだ。これなら右手も使い放題だ、きっちり役目を果たすんだにゃー」
「美琴の応援をゲットした上条さんに全て任せろ! 0点に抑えて勝利を掴んでやるぜ!」
白雪と上条の2人にはアドバイスするべき内容がすぐに湧き出てきたが、姫神と真夜に関してはかなり迷っていた。
仕方ないので土御門は多少無責任と思いながら、2人にアドバイスをする。
仕方ないので土御門は多少無責任と思いながら、2人にアドバイスをする。
「姫神と井ノ原弟は……自由。とはいっても姫神は基本MFだから本分を忘れるなよ。井ノ原弟はリベロだから本当に自由にさせるしかないんだにゃー」
「任せて。私と浜面と半蔵。3人居れば勝利は確実」
「勝ちましょう元春くん。赤音さんが望んでいたクラスの勝利と優勝、そして制理さんと友くんの恋の成就の為に」
「任せて。私と浜面と半蔵。3人居れば勝利は確実」
「勝ちましょう元春くん。赤音さんが望んでいたクラスの勝利と優勝、そして制理さんと友くんの恋の成就の為に」
自分でもすっぱり忘れていた吹寄と情報屋の恋、それをマジ切れしてる真夜の口から聞かされてとても驚いていた。
しかし裏を返せばそこまで頭が回るほどに冷静な真夜という存在がやけに頼もしく思えた。
いよいよ後半戦開始と思われたが、スタジアムにスピーカーから木山からの思いがけないイベントが発表される。
しかし裏を返せばそこまで頭が回るほどに冷静な真夜という存在がやけに頼もしく思えた。
いよいよ後半戦開始と思われたが、スタジアムにスピーカーから木山からの思いがけないイベントが発表される。
『さて、後半開始の前に選手激励の為に各チームへの応援タイムを設ける。まずは【歩く教会】チームからは繚乱家政女学校の有志による応援だ』
木山からの紹介を受けて繚乱家政女学校の生徒達による可憐で華やか、それでいて可愛らしさを残す応援が始まった。
その瞬間、土御門は地面に突っ伏した、何せ舞夏が応援の指揮を楽しそうに執っていたのだから。
その瞬間、土御門は地面に突っ伏した、何せ舞夏が応援の指揮を楽しそうに執っていたのだから。
「フッフッフッ、土御門さんにダメージを与える為に用意したこの計画がここまで効くとは………予想以上です!」
「うわー、えげつねーとミサカは若干この行動に対し引きながら答えます」
「………そんな事してるって当麻お兄ちゃんにバレたら超嫌われますよ」
「えっ……!さ、さすがにバレる筈は――」
「何やら集まっているみたいですよ、とミサカは事実を報告します」
「えっ!何でぇ!!」
「うわー、えげつねーとミサカは若干この行動に対し引きながら答えます」
「………そんな事してるって当麻お兄ちゃんにバレたら超嫌われますよ」
「えっ……!さ、さすがにバレる筈は――」
「何やら集まっているみたいですよ、とミサカは事実を報告します」
「えっ!何でぇ!!」
そう言いながら御坂妹はピシッと指差し、五和もそれにつられるようにその方向を見た。
するとそこにいたのは地に倒れている土御門を心配して集まった上条と白雪、そして情報屋であった。
するとそこにいたのは地に倒れている土御門を心配して集まった上条と白雪、そして情報屋であった。
「………おいおい、大丈夫かよ土御門ぉ!」
「大丈夫だって上条くん。いつものようにシスコンがぶり返しただけだって」
「いやいやいや!なんでシスコンが持病みたいになってんだよ!!さすがにありえねえからな!!」
「いや、実際土御門のシスコンは病気みたいなものだろ。元シスコン軍曹だし。なあ、白雪?」
「うん、しかも不治の病だね。メイド萌えと同クラスの」
「……お前らちゃっかり酷いなー」
「大丈夫だって上条くん。いつものようにシスコンがぶり返しただけだって」
「いやいやいや!なんでシスコンが持病みたいになってんだよ!!さすがにありえねえからな!!」
「いや、実際土御門のシスコンは病気みたいなものだろ。元シスコン軍曹だし。なあ、白雪?」
「うん、しかも不治の病だね。メイド萌えと同クラスの」
「……お前らちゃっかり酷いなー」
2人の土御門に対する容赦ない発言にひいている情報屋。
しかしそのとき彼らの足元に転がっている何かが動き出した。
しかしそのとき彼らの足元に転がっている何かが動き出した。
「……俺は月夜一筋だにゃーぁあ!!」
「うわっ!いきなり蘇りやがった!」
「もとより死んでないにゃー!つーか、カミやんも月夜も酷いぜよ!」
「いや、事実だろ」
「こないだだって私にメイド服着せようとして何言ってんの?」
「うわっ!いきなり蘇りやがった!」
「もとより死んでないにゃー!つーか、カミやんも月夜も酷いぜよ!」
「いや、事実だろ」
「こないだだって私にメイド服着せようとして何言ってんの?」
上条と白雪の同時攻撃にたまらなく再び倒れかける土御門。
それを遠目で見ていた3人は各々呟きはじめる。
それを遠目で見ていた3人は各々呟きはじめる。
「………良かったー、バレてない」
「……もう少し注目すべき点があるのでは?とミサカはさすがに可哀相な元シスコン軍曹に同情します」
「まあ、超土御門さんですからね。しょうがないでしょう」
「……もう少し注目すべき点があるのでは?とミサカはさすがに可哀相な元シスコン軍曹に同情します」
「まあ、超土御門さんですからね。しょうがないでしょう」
上条に土御門にダメージを与える計画がバレてない事に安堵する五和。
その一方で絹旗と御坂妹はみんなから扱いが酷い土御門に多少なり同情した。
そしてちょうど繚乱家政女学校の応援も終わり、次のアナウンスが入った。
その一方で絹旗と御坂妹はみんなから扱いが酷い土御門に多少なり同情した。
そしてちょうど繚乱家政女学校の応援も終わり、次のアナウンスが入った。
『次は上条チームへの応援だ。つ……長いので略すが白雪ファンクラブと上条チームの関係者達による応援だ』
本当なら【月夜様に氷付けにされたい同盟】という名前があるのだが、木山の感性で長いと判断されたことに殆どのファンクラブ会員は納得していなかった。
しかしここで騒いだら白雪に一生氷付けにしてもらえないという推測、前日に注意してきた真夜が居たことを受けて抗議には出なかった。
しかしここで騒いだら白雪に一生氷付けにしてもらえないという推測、前日に注意してきた真夜が居たことを受けて抗議には出なかった。
「L・O・V・E、ラブリー月夜様ーーーーーーーーーーーーーーーーっ♪」×【月夜様に氷付けにされたい同盟】
「とーまーーーーっ! がんばってーーーーーーーー!!」
「○○さっまー、黒子がついてますわよー!!」
「頑張れ一方通行ー、ってミサカはミサカは一生懸命エールを送ってみたり♪」
「半蔵様の勝利の為にこの郭、力の限り応援します!」
「はまづらが無事に戻ってきますように」
「とーまーーーーっ! がんばってーーーーーーーー!!」
「○○さっまー、黒子がついてますわよー!!」
「頑張れ一方通行ー、ってミサカはミサカは一生懸命エールを送ってみたり♪」
「半蔵様の勝利の為にこの郭、力の限り応援します!」
「はまづらが無事に戻ってきますように」
【月夜様に氷付けにされたい同盟】を率いるように先頭で応援している美琴、黒子、打ち止め、郭、滝壺の効果も相俟ってスタジアムは更に盛り上がる。
上条、青ピ、浜面、半蔵は恋人の応援に士気を向上させるが一方通行、白雪、おまけで土御門はそうでもなかった。
上条、青ピ、浜面、半蔵は恋人の応援に士気を向上させるが一方通行、白雪、おまけで土御門はそうでもなかった。
「は、恥ずかしい、恥ずかしすぎるよ……。こうゆう時にちゃんと仕切ってくれる万彬ちゃんと絹保ちゃんが居ないのはやっぱり痛いよ……」
「ク、クソォ……。打ち止めが頑張って応援してくれてるってのに俺はベンチ……すっげェ申し訳ねェ気分だぜェ」
「カミやん達が羨ましいぜい。舞夏は学校の関係上、五和のチームの応援。んでもって月夜はチアメイドに着替えてくんねぇし不幸としか言いようが……月夜?」
「も、もう恥ずかしい体験したからき、着てあげてもいいよ。ベンチに置いてある紙袋の中にあるんでしょ? 私のサイズぴったりのチアメイド衣装」
「ク、クソォ……。打ち止めが頑張って応援してくれてるってのに俺はベンチ……すっげェ申し訳ねェ気分だぜェ」
「カミやん達が羨ましいぜい。舞夏は学校の関係上、五和のチームの応援。んでもって月夜はチアメイドに着替えてくんねぇし不幸としか言いようが……月夜?」
「も、もう恥ずかしい体験したからき、着てあげてもいいよ。ベンチに置いてある紙袋の中にあるんでしょ? 私のサイズぴったりのチアメイド衣装」
衆人環視の中で死ぬほど恥ずかしい思いをした白雪の思考状態は普段なら絶対に受け入れないチアメイドを着るという決意をさせる程に麻痺していた。
即興で雪の更衣室を作って中に入った白雪、上条チームの応援が終わると同時に雪の更衣室を派手に壊してチアメイド姿で現れた。
即興で雪の更衣室を作って中に入った白雪、上条チームの応援が終わると同時に雪の更衣室を派手に壊してチアメイド姿で現れた。
「さ、これで元春も試合に集中できるでしょ? 感想は試合が終わって聞くから後にしてよ。私のファンクラブの皆、騒いだら分かってるよね?」
先手を打つことで周囲を黙らせた白雪、伊達にレベル5に上り詰めたわけではない。
土御門も白雪の先手にやられたと思いながら、自分の恋人の姿を見て何かを閃くと白雪に小声で作戦を指示する。
土御門も白雪の先手にやられたと思いながら、自分の恋人の姿を見て何かを閃くと白雪に小声で作戦を指示する。
「とまあそうゆうわけだから月夜、手筈通りに頼むぜよ」
「オッケー♪ ここは1つ派手に決めてあげるよ」
「オッケー♪ ここは1つ派手に決めてあげるよ」
土白の2人が話しているのを見ていた絹旗、御坂妹、五和、インデックスは相手の出方を予想する。
「きっと前半の私達みたいに奇襲を超仕掛けるんでしょう。白雪さんには超注意が必要です」
「ここに学園都市最強ぺドが居るなら彼を使うでしょうからミサカたちは新しい第五位に注意を払えばいいでしょう、とミサカは結論付けます」
「そうですね。主導権を握るという意味なら白雪さんのあの格好で得点を奪うのが効果的でしょうし」
「私もみんなと同意見だけど一応あいさにも注意するね。つきよの方は他の皆に任せるんだよ」
「ここに学園都市最強ぺドが居るなら彼を使うでしょうからミサカたちは新しい第五位に注意を払えばいいでしょう、とミサカは結論付けます」
「そうですね。主導権を握るという意味なら白雪さんのあの格好で得点を奪うのが効果的でしょうし」
「私もみんなと同意見だけど一応あいさにも注意するね。つきよの方は他の皆に任せるんだよ」
4人以外も先手を打ってくるのは白雪と予想した、見た目も能力も派手で観客を味方につけるにはこれ以上無い人材ということで。
各チームがそれぞれに円陣を組んで声を上げてポジションに就くと笛が鳴った、運命の後半戦開始である。
各チームがそれぞれに円陣を組んで声を上げてポジションに就くと笛が鳴った、運命の後半戦開始である。