とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「じゃあ行くぜよ月夜」
「オッケー元春♪ とうっ」

 ボールを土御門に渡すと白雪は雪の翼を6枚展開させると思いっきり高く跳んだ、ほぼ垂直に。
 【歩く教会】チームは白雪の跳躍に目を奪われた、それが土御門の思惑通りとも知らずに。

「先取点、ゲットだぜい♪」
「ふっ!!」

 土御門はボールを白雪には繋げない、したり顔でバックパスをした、【瞬間超人】で全箇所70強化をしている真夜へと。
 真夜は全力疾走からの全力シュートを撃った、白雪に気を取られている【歩く教会】チームなどお構い無しに。

「ん? なんぐおっ!!」

 真夜のシュートは針路上に立っていた削板の前でホップして削板を吹っ飛ばした。
 こぼれ球にすぐさま詰めていた真夜はボール目掛けて跳躍すると、加減ゼロのオーバーヘッドシュートを撃つ。
 削板が吹っ飛ばされたことでようやく白雪から意識を離した心理掌握だが、気付いた頃にはボールは彼女の背後のゴールネットに激しく突き刺さっていた。

「まずは1点です」

 綺麗に着地した真夜は口元に少し笑みを浮かべる程度の喜びを見せた、開始わずか7秒で得点を決めたにも拘らず。
 作戦が見事に成功した土御門は白雪と真夜にハイタッチをして喜びを表現した、【歩く教会】チームにどや顔をしながら。

「ちょ、超やられました……。あの白雪さんを囮にするなんて土御門、超やってくれますね」
「しまったんだよ……。あの人、白い人とフィアンマの戦いの嵐の中、とうまを運んだ人だから警戒すべきだったのに……。もとはるの思い通りすぎるんだよ」
「派手な囮とはいえ気を取られる時間はそれほど稼げないだろう。その僅かな時間で得点を決められる伏兵と隠してるとはやってくれるね、土御門」

 絹旗、インデックス、ステイルが土御門の作戦に悔しがる中、麦野と結標と心理掌握は真夜への評価を下していた。

「くそっ、相変わらずデタラメな身体能力してやがるなあの化け物。次はこうはいかないけどね」
(仮に私が気付いて【座標移動】で誰かをシュートの壁にしても間違いなく真夜が詰めてたわね。取られるべくして取られた1点と考えた方が良さそうだわ)
「さすがは井ノ原先輩ですわ。しかも確実に怒りが振り切れている状態……脅威ではありますが負けませんわよ」

 そんな中、真夜は話の分かりそうなエツァリに頭を下げた後で削板への言伝を頼む。

「あの白い学生服の人に伝えて下さい。本来なら股抜きをした後でボールがホップするかと思ったんですが力が入り過ぎてホップするのが早まって怪我をさせてすみませんと」
「わ、分かりました。しかし驚きました、上条当麻の知り合いにあなたのような礼儀正しい人が居るなんて。しかしどうして自分に言伝を頼んだんです?」
「あなたが話の分かりそうな人だと思ったこと、もう1つは僕の怒りが勝利で収まるまで白い学生服の人と会話をしたくないからです。ではこれで」
「……世界は広いなエツァリ。ああゆうタイプの人間も居るんだな」

 そうですね、エツァリはショチトルにそう返しつつ削板が怒りを買った理由を察していた。
 当の削板が真夜のシュートの威力の強さに根性入ってると喜んで笑っているのを見てエツァリは軽いイラつきを覚えた。

「これで1点差……一気に余裕が無くなりましたね。今度は私が相手ゴールへと切り込みましょうか?」
「五和さん、ここは私に超任せて下さい。私の【窒素装甲】のパワーでお兄ちゃんの守るゴールから超ダイナミックに点を取ります」
「それでいきましょう、とミサカは前半の絹旗さんの活躍を考えていい案だと同意します」

 【歩く教会】チームボールからの試合再開、御坂妹から絹旗へボールを渡すと絹旗はボールを【窒素装甲】で掴み取る。
 それを見た土御門はチームメイトにサイドに散るように指示、上条チームゴールへの道をわざわざ作ってやった。

「成程、私のシュートをお兄ちゃんがキャッチしてこちらの出鼻を超挫くつもりですね」
「ま、そうゆうことだ。それにカミやんと遊ばせてやるってサービスも込みってのを忘れんで欲しいにゃー♪」
「……ふっ、超感謝しますよ土御門。さあお兄ちゃん、私の全力シュート、超受けて下さい!」
「来い最愛!」

 土御門のお膳立てというか目論見に乗っかった絹旗は【窒素装甲】でボールをフルパワーで殴りつけてシュートを撃った。

「最愛、確かに凄いシュートだ!だがな、この程度の力で俺からゴールが奪えるなんて思ってんのなら………まずはその幻想をぶち殺す!」

 そう叫びつつ上条は飛んできたボールを右手で殴った。
 いくら絹旗の【窒素装甲】でのシュートが強かろうと、幾度とない激しい戦いで鍛え上げられた上条の右拳にはかなわず、ボールは一気に【歩く教会】チームのゴール前へと飛んでいった。

「いっ、一発でこちらのゴール前まで飛ばすとは………化け物か、奴は」
「ショチトル、弱音をはいている余裕はありませんよ。僕らは彼らを倒さねばならないのですから」
「エツァリ………すまん、私とした事が」
「いいのですよ、ショチトル。さあ、反撃と行きましょう!」

 飛んできたボールをトラッピングして手に入れたエツァリ。
 ショチトルを引き連れてエツァリはすぐに前へと出るが、そこには上がってきた半蔵が立ちふさがった。

「ここで取り返してもう一点追加させてもらう!オリャッ!」
「くっ!ショチトル!」
「任せ―――」
「甘い」

 スライディングタックルをしてきた半蔵をかわし、フリーだったショチトルにパスを送った。
 しかし、そのパスをまるで待っていたかのようにどこかからいきなり現れた姫神が華麗にパスカット。
 そのままフリーとなった姫神はゴールとの距離を詰め始めた。
 しかし、その前に立ちふさがったのは【歩く教会】チームの中で唯一姫神を簡単に視認できるインデックスだった。

「あいさ、ここは行かせないんだよ!」
「インデックス。相手にとって。不足なし。だけど。私に勝とうなんて。考えが甘い」

 そう言いつつ軽いフェイントでインデックスを抜き去った。
 そして今度は心理掌握との1対1
 しかし相手が姫神という事で心理掌握は戸惑っていた。

「(………どうしましょう?表情からまったくどっちを狙っているのか分かりません)………こっちです!」
「残念。逆」

 姫神の駆け引き(?)によって見事に心理掌握を騙し、上条チームは追加点を入れた。
 しかし、一方の【歩く教会】チームは早急に集まり、作戦会議を行いはじめた。
 当然、議論の内容は真夜と姫神の対策である。
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