後半40分に同点ゴールを決めた姫神は、この同点劇の演出者でもある真夜とハイタッチを交わす。
そこへ五和が割って入ってきた、理由は真夜のバックパスの件である。
そこへ五和が割って入ってきた、理由は真夜のバックパスの件である。
「どうして貴方、あそこでバックパスをしたんですか? まさか私を1対1で抜けないからとは言わないですよね」
「僕は最初からあなた相手に1対1で勝つ気が無かったんです。時間を稼いでいい感じの時間で同点にしたかったんですよ」
「えっ? だ、だってあんなに楽しそうにしてたじゃないですか? あれも演技とは言わないですよね?」
「楽しかったのは事実です。下手をすれば目的を忘れるほどに。それに僕言いましたよ? 勝つのは僕たちって」
「僕は最初からあなた相手に1対1で勝つ気が無かったんです。時間を稼いでいい感じの時間で同点にしたかったんですよ」
「えっ? だ、だってあんなに楽しそうにしてたじゃないですか? あれも演技とは言わないですよね?」
「楽しかったのは事実です。下手をすれば目的を忘れるほどに。それに僕言いましたよ? 勝つのは僕たちって」
五和はようやく納得した、目の前の少年は最初から1人で戦ってはいない、チームで戦っていたのだと。
それならば仕方ないと思った五和は真夜にチームとして勝利することを宣言すると自分のチームの所へと戻って行った。
それならば仕方ないと思った五和は真夜にチームとして勝利することを宣言すると自分のチームの所へと戻って行った。
「井ノ原弟、それに姫神もご苦労さまだぜい。ところでカミやん、何でオーバーラップしなかった?」
「いや……姫神と浜面と半蔵が邪魔したら殺すぞって感じの視線送ってきたからつい、な。けどきちんと同点になったんだからいいだろ?」
「まあな。さて、残り5分、いよいよアクセラ投入ってわけなんだが問題が1つ発生した」
「問題?」
「いや……姫神と浜面と半蔵が邪魔したら殺すぞって感じの視線送ってきたからつい、な。けどきちんと同点になったんだからいいだろ?」
「まあな。さて、残り5分、いよいよアクセラ投入ってわけなんだが問題が1つ発生した」
「問題?」
上条は一方通行投入に何の問題があるのかさっぱりだったが、近くに居た姫神と真夜はすぐに理解した。
全く理解していない上条に姫神が一方通行投入時に発生する問題を説明する、自分の願望も含め。
全く理解していない上条に姫神が一方通行投入時に発生する問題を説明する、自分の願望も含め。
「アクセラくんが出るということは。選手の交代を意味する。土御門くんはそのことで悩んでる。私は絶対に交代しないけど」
「そうゆうことだカミやん。オレとお前、浜面と半蔵と姫神、月夜と井ノ原弟と翔太は勝つ為に必要だから交代は無し」
「残るのは青ピ、吹寄、情報屋……ああ、確かに悩むほどの問題だな。
「そうゆうことだカミやん。オレとお前、浜面と半蔵と姫神、月夜と井ノ原弟と翔太は勝つ為に必要だから交代は無し」
「残るのは青ピ、吹寄、情報屋……ああ、確かに悩むほどの問題だな。
上条は理解した、一方通行と交代する選手が現れる以上は誰かがベンチに下がるということだ。
土御門が残すと言った選手は【歩く教会】チーム相手に外せない戦力、吹寄は性格上譲りそうに無い、情報屋は吹寄とのデートが懸かっている。
残るは青ピなのだがここで外したら後で絶対に拗ねるだろうから簡単にはいかない。
土御門が残すと言った選手は【歩く教会】チーム相手に外せない戦力、吹寄は性格上譲りそうに無い、情報屋は吹寄とのデートが懸かっている。
残るは青ピなのだがここで外したら後で絶対に拗ねるだろうから簡単にはいかない。
「さて、3人の中で誰を外したらいいもんかにゃー……」
――――――――――
一方の【歩く教会】チームではインデックスからのとんでもない作戦が提案されていた。
「ほ、本気なのかい? インデックス」
「私はいつだって本気なんだよ。残り5分、これでいかないと勝利は掴めないと言っても過言じゃないね」
「でもメン子さん、削板さん、結標さんを残して後は全員攻めるというのは超大胆過ぎます!」
「私はいつだって本気なんだよ。残り5分、これでいかないと勝利は掴めないと言っても過言じゃないね」
「でもメン子さん、削板さん、結標さんを残して後は全員攻めるというのは超大胆過ぎます!」
インデックスの作戦はシンプルでキーパーの心理掌握、削板、結標の3人に守備を任せ、残る全員で攻めまくるというものだった。
殆どのメンバーが難色を示す中、心理掌握がキッパリとインデックスの作戦に賛同する。
殆どのメンバーが難色を示す中、心理掌握がキッパリとインデックスの作戦に賛同する。
「私は賛成ですわ。あちらは絶対にアク様を投入してきます。守備は最小限必要な人間を残し、残る全員で攻めて相手の攻撃を潰していく位でないと」
「それが一番でしょうね。一方通行の奴、ベンチで休んで体力も有り余ってるから惜しみなく全力出してくるわね。守備は私と削板、メン子で何とかする」
「結標とメン子の言う通りだぜ! これくらい根性入った作戦じゃねぇとあいつらには勝てねぇ! ゴールは俺達が守ってやる、残るお前達は得点を決めて来い!」
「それが一番でしょうね。一方通行の奴、ベンチで休んで体力も有り余ってるから惜しみなく全力出してくるわね。守備は私と削板、メン子で何とかする」
「結標とメン子の言う通りだぜ! これくらい根性入った作戦じゃねぇとあいつらには勝てねぇ! ゴールは俺達が守ってやる、残るお前達は得点を決めて来い!」
心理掌握と結標と削板の力強い言葉に悩んでいたメンバーは迷いを吹っ切って残り時間、全力で攻め続けることを決意する。
――――――――――
その頃、なかなか選手交代を指示しない一方通行がしびれを切らして土御門へ詰め寄って来た。
「土御門ォ! さっさと俺をピッチに立たせろォ! 変える奴決めてねぇンならテメェが代わるかァ!」
「チッ、相変わらず我慢をする事を知らん奴ですたい。……仕方ない、情報屋」
「お、俺が交代! 頼む! 最後まで試合させ」
「話は最後まで聞けっての。お前さんが吹寄を説得っつーか口説いてアクセラと交代してもらうように頼むんだにゃー」
「チッ、相変わらず我慢をする事を知らん奴ですたい。……仕方ない、情報屋」
「お、俺が交代! 頼む! 最後まで試合させ」
「話は最後まで聞けっての。お前さんが吹寄を説得っつーか口説いてアクセラと交代してもらうように頼むんだにゃー」
情報屋は最初は自分が交代しないことに安心したが、土御門から吹寄を口説いて交代させろという無茶振りに大いに慌て始める。
「むっ、無理無理無理無理っ!!!」
「無理じゃないにゃー、やれ」
「ファイトやでー、紫木はん」
「そォだ紫木……やりやがれェ」
「俺はお前の事応援してるぞ、紫木!!」
「なんでこんな時に限ってバカルテット勢揃いで応援なんだよ!!つーかそういう交渉ならもっとふさわしいのがいるだろうが!井ノ原とか」
「無理じゃないにゃー、やれ」
「ファイトやでー、紫木はん」
「そォだ紫木……やりやがれェ」
「俺はお前の事応援してるぞ、紫木!!」
「なんでこんな時に限ってバカルテット勢揃いで応援なんだよ!!つーかそういう交渉ならもっとふさわしいのがいるだろうが!井ノ原とか」
本人に告白するのはいいのに口説く――もとい交渉するのは嫌がる男、紫木。
紫木はいきなり背後から何者かに触られ振り向くとそこには笑顔の真夜がいた。
紫木はいきなり背後から何者かに触られ振り向くとそこには笑顔の真夜がいた。
「そういうことは僕は得意じゃありませんから。お任せしますよ、友くん」
「………そういえば紫木くんの下の名前って友だったよね……」
「基本、みんな紫木か情報屋だしな……呼ぶとき」
「もしかして、もしかしたらじゃなくて、俺の下の名前、みんな忘れてたのか!?―――って、俺気がついたら逃げ場なし!?もはややるしかねーのか!?」
「「「「「「だからやれって言ってん(ン)だよ(言っているんですよ)」」」」」」
「………そういえば紫木くんの下の名前って友だったよね……」
「基本、みんな紫木か情報屋だしな……呼ぶとき」
「もしかして、もしかしたらじゃなくて、俺の下の名前、みんな忘れてたのか!?―――って、俺気がついたら逃げ場なし!?もはややるしかねーのか!?」
「「「「「「だからやれって言ってん(ン)だよ(言っているんですよ)」」」」」」
上条、土御門、青ピ、一方通行、真夜、翔太ら全員につっこまれ逃げ場をなくす紫木。
そんな紫木に残された行動はひとつ――上条の昔の口癖を叫ぶ事だった。
そんな紫木に残された行動はひとつ――上条の昔の口癖を叫ぶ事だった。
「ふっ、不幸だぁーー!!」
――――――――――
結局、紫木は上条の真似をしてもどうにもなるわけではなく吹寄を口説きに―――もとい交渉しにきたのであった。
そして当然交代したくない吹寄にこんな事を頼めば、紫木が酷い目にあうのは目に見えていた。
そして当然交代したくない吹寄にこんな事を頼めば、紫木が酷い目にあうのは目に見えていた。
「情報屋………あたしを馬鹿にしてるのか?」
「しっ、してません!断じてっ!!」
「つまり情報屋、あんたはあたしより活躍出来ると?」
「しっ、してません!断じてっ!!」
「つまり情報屋、あんたはあたしより活躍出来ると?」
多少なり怒った形相で話しかけている吹寄。
紫木は吹寄を落ち着かせるために土御門に言われた殺し文句を実行した。
紫木は吹寄を落ち着かせるために土御門に言われた殺し文句を実行した。
「……正直言うと出来ないと思う。けど俺頑張るから! 吹寄に認めてもらえるように!」
「情報屋、貴様どうしてそこまであたしに……」
「それは……一緒に遊びに行った時にちゃんと言いたいから後にしてくれると助かる。俺は吹寄に勝利を捧げたい、吹寄の笑顔が見たいから」
「情報屋、貴様どうしてそこまであたしに……」
「それは……一緒に遊びに行った時にちゃんと言いたいから後にしてくれると助かる。俺は吹寄に勝利を捧げたい、吹寄の笑顔が見たいから」
一瞬よぎったのは自分が吹寄に惚れた理由、しかし情報屋はここで言うのはお門違いだと思い口にはしなかった。
吹寄は情報屋の言葉に心動かされたのか、顔を赤くさせたが本人に見られるわけにもいかないのでそっぽを向いてベンチへと向かう。
しかしその途中、白雪に赤面してる顔を見られた吹寄はそれをネタに弄られてしまうことに。
吹寄は情報屋の言葉に心動かされたのか、顔を赤くさせたが本人に見られるわけにもいかないのでそっぽを向いてベンチへと向かう。
しかしその途中、白雪に赤面してる顔を見られた吹寄はそれをネタに弄られてしまうことに。
「へー、吹寄さんの恥ずかしがってる顔って可愛いねー♪ いつものツンツンしてる顔よりもそっちの方が魅力的だよ」
「なんですと? 吹寄のデレ顔とはなんともレアだにゃー♪ これは是非とグオッ!」
「だっ、黙れ土御門! とっ、とにかく絶対に勝ってよね! あたしがベンチに引っ込んで負けたら全員タダじゃおかないから!」
「なんですと? 吹寄のデレ顔とはなんともレアだにゃー♪ これは是非とグオッ!」
「だっ、黙れ土御門! とっ、とにかく絶対に勝ってよね! あたしがベンチに引っ込んで負けたら全員タダじゃおかないから!」
ベンチに下がった吹寄を見て上条は思った、ツンデレだなぁと。
そして交代で入ってきた一方通行が空気を読めない宣言をする。
そして交代で入ってきた一方通行が空気を読めない宣言をする。
「よォし、ここで俺が逆転ゴールを決めて優勝……ンだよテメェら、その呆れたツラは」
「あのさアクセラ、ここは情報屋の顔を立てて情報屋にゴールを決めさせるもんだろ。それくらい上条さんにだって分かりますのことよ」
「全くアクセラは打ち止めちゃんの前だとカッコつけたがって困るぜい。前半結構活躍したんだからもう充分だろ?」
「せやでアクセラはん。紫木はんの事情を知ってる身としてはここは華を持たせるのが普通やで。どんだけ幼女に好かれブルゥへ!」
「あのさアクセラ、ここは情報屋の顔を立てて情報屋にゴールを決めさせるもんだろ。それくらい上条さんにだって分かりますのことよ」
「全くアクセラは打ち止めちゃんの前だとカッコつけたがって困るぜい。前半結構活躍したんだからもう充分だろ?」
「せやでアクセラはん。紫木はんの事情を知ってる身としてはここは華を持たせるのが普通やで。どんだけ幼女に好かれブルゥへ!」
デルタフォースに言われ、確かにその通りかもと揺らぎ始めた一方通行は悩みだす(青ピを殴ったのは無視して)。
するとそこへ白雪、真夜、翔太が一方通行を後押しするように言葉をかける。
するとそこへ白雪、真夜、翔太が一方通行を後押しするように言葉をかける。
「得点は友くんに譲るとしてもそのアシストを一方通行くんがすればいいんですよ。それでも充分に活躍したことになりますから」
「井ノ原くんの言う通りだよ。ゴールを決めるだけがサッカーじゃないし、逆転劇の演出の方がカッコいいと僕は思うけど」
「それに普段はしない誰かの援護をするアクセラくんを見たら打ち止めちゃんだけでなく観客みんなもいい印象持ってくれるよ、きっと」
「井ノ原くんの言う通りだよ。ゴールを決めるだけがサッカーじゃないし、逆転劇の演出の方がカッコいいと僕は思うけど」
「それに普段はしない誰かの援護をするアクセラくんを見たら打ち止めちゃんだけでなく観客みんなもいい印象持ってくれるよ、きっと」
3人の後押しで情報屋の逆転ゴールのアシストをする決意をした一方通行、彼の頭の中は打ち止めの笑顔6割と情報屋の恋の成就&チームの優勝が4割だったりする。
一方通行たちの輪に入っていない姫神と浜面&半蔵も、
一方通行たちの輪に入っていない姫神と浜面&半蔵も、
「紫木くんの為じゃない。吹寄さんの為に。私達も紫木くんをフォロー。2人とも。協力をお願い」
「「了解です姫神さま!!」」
「「了解です姫神さま!!」」
チームの勝利の為に頑張る事を改めて誓う、ただしモチベーションは情報屋ではなく吹寄だが。