第十一話 クリスマス(前編)
―12月24日1時過ぎ 上条の寮 部屋の前―
美琴(…1時間弱前…か)
約束の時間より大幅に早く、美琴が到着した。
美琴(この前から、一体何がどうなってるのか…今日で全部聞かせてもらうわよ、当麻)
心の中で呟きながら、追いかけっこ時代を彷彿とさせる表情で鍵を開け、ドアノブを回す。
美琴「当麻ぁ~や・く・そ・く・ど・お・り来たわよ…って……あれ?」
ドアを開けて見える範囲に当麻の姿がない。しかし電気は点けっぱなし。
美琴「どこにいるのよ当麻ぁ……え?」
奥に居るのかなと探すと、案の定、ベッド脇のスペースで寝ていた。
上条当麻お手製のゲコ太人形に寄り掛かった状態で。
美琴「え…?…もしかして…これって…////」
約半年前、彼の想いを彼本人の口から聞いた時と同様に赤面し震えだす美琴。
当麻「ふぁぁぁあぁぁあぁ…あれ?」
遅れて、当麻が目を覚まし、美琴を目撃する。
美琴「と…当、麻?」
当麻「何だ? 美琴」
当麻「何だ? 美琴」
ここから少し長くなるので略記するが、今この状況と先日までの当麻の言動について
1つ1つ確認を迫る美琴に対し、上条は漏れなく説明をした。
ゲコ太人形をプレゼントしようとしたこと、費用面の都合で手作りになったこと、
道具と材料が自力で調達出来ず吹寄と姫神と土御門兄妹に協力してもらってたこと、
それでも間に合うかどうか超ギリギリで慌てて、ここ2日は徹夜だったこと、などなど。
1つ1つ確認を迫る美琴に対し、上条は漏れなく説明をした。
ゲコ太人形をプレゼントしようとしたこと、費用面の都合で手作りになったこと、
道具と材料が自力で調達出来ず吹寄と姫神と土御門兄妹に協力してもらってたこと、
それでも間に合うかどうか超ギリギリで慌てて、ここ2日は徹夜だったこと、などなど。
当麻「んで、やっとの事で昨夜最後の背中の縫い合わせを端までやったところで……」
美琴は1つ1つ聞くたびに再び顔を赤くした。彼に少しでも疑念を持ったことへの恥ずかしさと
こんなにも頑張ってプレゼントを手作ってくれたことへの嬉しさとでもう最高に顔を赤く…
こんなにも頑張ってプレゼントを手作ってくれたことへの嬉しさとでもう最高に顔を赤く…
当麻「……あ」
美琴「?」
当麻「…端まで縫い合わせて安心しちまって、最後の“玉止め”が終わってなかった」
やっぱり上条は上条だった。
針を持ってない方の手で頭を抱える上条。そりゃ人形の場合は他と違って玉止めを目立たないように
内側にするのはとても難しい作業。しかし美琴はふふっと微笑み、上条の横に座ると…
内側にするのはとても難しい作業。しかし美琴はふふっと微笑み、上条の横に座ると…
美琴「じゃあ、私がこうしてるから、当麻は針をここに刺してここから出せる?」
当麻「お、おう」
当麻「お、おう」
美琴「そしたら、この今針を出したところで…うん、そうそう、よし♪」
美琴センセーの導きにより、見事最終作業まで完了し、ゲコ太人形は完成した。
しかも、針を動かしたのは上条なので、100%上条手作りなのはきちんと維持されたままである。
しかも、針を動かしたのは上条なので、100%上条手作りなのはきちんと維持されたままである。
当麻「…では、メリークリスマス、美琴♪」
多少願望とはズレたが、ほとんど予定通りゲコ太人形を美琴にプレゼント出来た。
大喜びでゲコ太人形と抱き合う美琴。
先月セブンスミストでゲコ太人形たちと戯れていた時も可愛かったが
それにも増して凄く可愛い笑顔でゲコ太人形を抱きしめている。
先月セブンスミストでゲコ太人形たちと戯れていた時も可愛かったが
それにも増して凄く可愛い笑顔でゲコ太人形を抱きしめている。
その可愛さに上条も思わず体が動いて…
グゥ~~~~~
当麻&美琴「「!!!!!」」
腹の虫の音で二人は顔を見合わせる。音の主は当麻だった。
当麻「…そう言やぁ、今朝からずっと食ってなかったんだっけ」
くすっと笑う美琴。よし、こんなに頑張ってくれた彼のために、今度は私が頑張る番だ♪
美琴「よーし、じゃあ私がささっと材料買ってきて作ってあげるわ♪ ちょうど忘れ物も取りに行きたいところだったし」
3~40分後、笑顔で帰ってきた美琴。まず食材を置き、エプロンの入った袋を持って、
美琴「んじゃ、作る前にちょろっと着替え済ませるわね♪ …覗かないでね?」
と言い、脱衣所の扉を閉めた。
……ん?“着替え”? エプロンだけなら服の上からだからその必要は…?
と上条が数分かかってやっと気付いた後、扉が開いた。その先には……