序章 新たな物語の始まり ~ 二人の想い
「私、アンタのことが好き。ずっと前から、好きだった」
「お前」
「アンタは、自分勝手で、頼んでもいないのに、どんなときでも勝手に助けに来てくれて。
私やあの子達や、大切な親友の命まで救ってくれて。
私に頼れって言ったくせに、自分は一人で全部溜め込んで、ぜんぜん私のことを頼ってくれなくて」
「……。」
「ずっと素直になれなかった。でも、もう、自分の気持ちを誤魔化せない。
嘘つけない。抑えられない。アンタが好き。ほかの誰よりも、アンタのそばにいたい」
「……俺は、お前の気持ちには答えられねえよ」
「どうして?」
「お前の知ってるとおり、俺は記憶を失ってる。今の俺は、上条当麻って人間を演じてるだけかもしれねえ。
記憶を失う前の上条当麻とは違うかも知れねえんだぞ」
「何言ってんの? そんなの関係ないじゃない! あの時私やあの子達を助けてくれたのも、
あの時黒子を助けてくれたのも、今日まで私に接してくれてたアンタも、みんな今のアンタなんでしょ!」
「けど…ッ」
「私もアンタの力になりたい。一人で抱え込ませたくない。
頼りないかもしれないけど、私だって一緒に戦える。私のわがままだってわかってる。
けど、私ひとりじゃダメなの。アンタが一緒じゃないと、ダメなんだから!」
「本当に、俺なんかでいいのか? お前のこと、傷つけちまうかもしれねえんだぞ」
「アンタじゃなきゃダメだって言ってるじゃない!
私は……、私は今のアンタの気持ちが知りたいんだから。それにアンタになら、傷つけられたって構わないわよ」
「……。正直に言うとな、俺だって、不安だったんだ。自分のことが、解らねえんだよ。
だけどな、これだけは間違いない。俺は御坂が好きだ。
ただ、今の俺に、お前のことを幸せにしてやれる自信はねえ。
それでも、いいんかよ?」
「何言ってんのよばか。
アンタがそばにいてくれれば、私は幸せなんだから。
アンタが……、当麻が私を愛してくれたら、それで十分なんだから」
「……、ありがとうな。美琴」
「うん……」
「お前」
「アンタは、自分勝手で、頼んでもいないのに、どんなときでも勝手に助けに来てくれて。
私やあの子達や、大切な親友の命まで救ってくれて。
私に頼れって言ったくせに、自分は一人で全部溜め込んで、ぜんぜん私のことを頼ってくれなくて」
「……。」
「ずっと素直になれなかった。でも、もう、自分の気持ちを誤魔化せない。
嘘つけない。抑えられない。アンタが好き。ほかの誰よりも、アンタのそばにいたい」
「……俺は、お前の気持ちには答えられねえよ」
「どうして?」
「お前の知ってるとおり、俺は記憶を失ってる。今の俺は、上条当麻って人間を演じてるだけかもしれねえ。
記憶を失う前の上条当麻とは違うかも知れねえんだぞ」
「何言ってんの? そんなの関係ないじゃない! あの時私やあの子達を助けてくれたのも、
あの時黒子を助けてくれたのも、今日まで私に接してくれてたアンタも、みんな今のアンタなんでしょ!」
「けど…ッ」
「私もアンタの力になりたい。一人で抱え込ませたくない。
頼りないかもしれないけど、私だって一緒に戦える。私のわがままだってわかってる。
けど、私ひとりじゃダメなの。アンタが一緒じゃないと、ダメなんだから!」
「本当に、俺なんかでいいのか? お前のこと、傷つけちまうかもしれねえんだぞ」
「アンタじゃなきゃダメだって言ってるじゃない!
私は……、私は今のアンタの気持ちが知りたいんだから。それにアンタになら、傷つけられたって構わないわよ」
「……。正直に言うとな、俺だって、不安だったんだ。自分のことが、解らねえんだよ。
だけどな、これだけは間違いない。俺は御坂が好きだ。
ただ、今の俺に、お前のことを幸せにしてやれる自信はねえ。
それでも、いいんかよ?」
「何言ってんのよばか。
アンタがそばにいてくれれば、私は幸せなんだから。
アンタが……、当麻が私を愛してくれたら、それで十分なんだから」
「……、ありがとうな。美琴」
「うん……」
一端覧祭最終日の夜――
誰よりもその少年が好きで、だけど自分の感情に素直になれないでいた“最強の少女”は、
はじめて素直な想いをその少年へ伝えた。
誰よりもその少女が好きで、だけどその少女の気持ちに気付けないでいた“最弱”の少年は、
その少女の気持ちを心から受け入れた。
そして、その“最強の少女”と“最弱”の少年が、それぞれの想いを乗せた口づけを交わした。
誰よりもその少年が好きで、だけど自分の感情に素直になれないでいた“最強の少女”は、
はじめて素直な想いをその少年へ伝えた。
誰よりもその少女が好きで、だけどその少女の気持ちに気付けないでいた“最弱”の少年は、
その少女の気持ちを心から受け入れた。
そして、その“最強の少女”と“最弱”の少年が、それぞれの想いを乗せた口づけを交わした。