第3章(1)
「ねえ、当麻って白組よね」
「ああ、美琴は赤組だよな。
去年は同じ組だったのに今年は残念だったな」
去年は同じ組だったのに今年は残念だったな」
美琴は何か考え込むと、急に悪戯っぽい笑みを浮かべる。
美琴の微笑みに上条は何か嫌な予感がするが、
上条が何か言う前に美琴は満面の笑顔で言った。
美琴の微笑みに上条は何か嫌な予感がするが、
上条が何か言う前に美琴は満面の笑顔で言った。
「ねえ、久しぶりに勝負しない?」
「勝負?」
「そう、常盤台と当麻の学校の総合順位で勝敗を決めるの。
もし負けたら罰ゲームとして相手の言うことを何でも聞くこと」
もし負けたら罰ゲームとして相手の言うことを何でも聞くこと」
「ちょっと待て待て。
エリート校の常盤台とウチの学校が勝負になるわけないだろ?」
エリート校の常盤台とウチの学校が勝負になるわけないだろ?」
「そうでもないんじゃない?
去年、当麻のいた中学のクラスが長点上機の特進クラスを倒してるし、
今年は一方通行だっているでしょ?」
去年、当麻のいた中学のクラスが長点上機の特進クラスを倒してるし、
今年は一方通行だっているでしょ?」
「ウチのクラスだけが活躍しても学校の総合順位が大きく変わるわけじゃねえだろ」
「あれー、当麻はもしかして中学生に負けることが怖いのかしら?」
「…安い挑発には乗りませんことよ」
そんな二人の後ろから声を掛ける者達がいた。
「こらこら、美琴ちゃん。
当麻君をあんまり困らせちゃ駄目だぞ」
当麻君をあんまり困らせちゃ駄目だぞ」
「パパ、それにママも!!」
突然現れた美琴の両親を前に上条は畏まった様子で挨拶する。
「お久しぶりです、旅掛さん、美鈴さん」
「久しぶりね、当麻君。
ごめんなさいね、全く美琴ちゃんったら誰に似たんだか…」
ごめんなさいね、全く美琴ちゃんったら誰に似たんだか…」
「どう考えたって、お前似だろう?」
旅掛の一言に美鈴はこめかみに青筋を浮かせると
旅掛の頬を抓ってドスを利かせた声で言った。
旅掛の頬を抓ってドスを利かせた声で言った。
「ほう、どの口がそんなことを言ってるのかしら?」
「す、すみまふぇんでした」
そんな旅掛の姿に何となく自分の将来像を見た上条は苦笑いを浮かべるしかない。
そして上条はある疑問を浮かべる。
そして上条はある疑問を浮かべる。
「そういえば俺の両親はどうしたんですか?
お二人と一緒に来るって聞いてたんですが…」
お二人と一緒に来るって聞いてたんですが…」
「いや、刀夜さんのいつもの『アレ』が起こってね」
美鈴に抓られた頬を擦りながら旅掛は苦笑いを浮かべて答える。
それには上条も溜息を吐くしかない。
それには上条も溜息を吐くしかない。
「…そうですか。
すみません、お見苦しいところをお見せして」
すみません、お見苦しいところをお見せして」
すると美琴は急に不安そうな表情をして…
「…刀夜さんは優しくて大好きだけど、当麻にはあの点だけは似て欲しくないな」
と割と切実な様子で上条に懇願するように言った。
「本当に何かすみません…」
上条はこの場に居ない両親に代わって謝ることしか出来ないのだった。
「そうだ、ママに預かっていて欲しいものがあるんだけど…」
美琴はそう言って美鈴に首から掛けていたネックレスを手渡す。
「あら、可愛いネックレスね。
当麻君からのプレゼントかしら?」
当麻君からのプレゼントかしら?」
「うん、でも流石に競技中に着けているわけにはいかないから」
「そうね、壊れちゃったりしたら大変だもんね。
ところでさ、ママ凄く気になってたんだけど…二人って何処まで進んでるの?」
ところでさ、ママ凄く気になってたんだけど…二人って何処まで進んでるの?」
「きゅ、急に何を言ってるんですか!?」
「いやね、女の子の親としてはそこら辺がやっぱり気になるわけよ」
「孫は流石にまだ早いと思うが付き合って一年も経つんだから、ある程度は…」
「ちょ、ちょっと何言ってるのよ、私と当麻はまだキスだって…」
「え?」
美琴の言葉に旅掛と美鈴は顔色を変える。
そして上条を引き摺るようにして遠くまで連れていくと尋問を始めた。
そして上条を引き摺るようにして遠くまで連れていくと尋問を始めた。
「ちょっと当麻君、どういうこと!?」
「まさか美琴ちゃんとは遊びだから、手を出してないとか言うんじゃないだろうな?」
「話が飛躍しすぎだ、俺は至って美琴一筋です!!」
「じゃあどうしてキスすらまだしてないの?」
「…正直に話していいですか?」
上条の言葉に旅掛と美鈴は頷く。
付き合って半年は妹のような感覚が抜けなかったこと、
美琴が中学二年生になってからようやく異性として意識し始めたこと、
そして先日になって上条から改めて告白したことなどを上条は伝えた。
付き合って半年は妹のような感覚が抜けなかったこと、
美琴が中学二年生になってからようやく異性として意識し始めたこと、
そして先日になって上条から改めて告白したことなどを上条は伝えた。
「そっかー、確かに美琴ちゃんは何処か子供っぽいところがあるからな」
「でも今は異性として魅力的に感じてるのよね?」
「はい、実はこの間そういう雰囲気になったんですけど邪魔されちゃって…」
「くっ、何処のどいつだ?
美琴ちゃんの恋路を邪魔するような真似をした奴は!!」
美琴ちゃんの恋路を邪魔するような真似をした奴は!!」
この時、とある組織の教皇代理が急な寒気に襲われたのは別のお話…
「とにかく美琴ちゃんに魅力がないわけじゃないってことね。
それを聞いて安心したわ」
それを聞いて安心したわ」
そして三人は待ちぼうけを喰らっている美琴のもとに戻るのだった。
その後も何だかんだ色々あった結果、上条と美琴は大覇星祭で勝負することになった。
美琴の両親から勝った時の罰ゲームとして美琴にキスさせろと強引に迫られたからだ。
しかし上条はイマイチ勝負に乗り気ではなかった。
上条にとって今の美琴は何者にも代え難い大切な存在であり、
そういったことはお互いの気持ちを通じ合わせた上でと思っていた。
すると先日の件が妙に勿体無かったように思われ、上条からは負のオーラが立ち込める。
美琴の両親から勝った時の罰ゲームとして美琴にキスさせろと強引に迫られたからだ。
しかし上条はイマイチ勝負に乗り気ではなかった。
上条にとって今の美琴は何者にも代え難い大切な存在であり、
そういったことはお互いの気持ちを通じ合わせた上でと思っていた。
すると先日の件が妙に勿体無かったように思われ、上条からは負のオーラが立ち込める。
「ちょっとカミやんが変な方向にヒートアップしてるんやけど…」
「超電磁砲と何かあったンじゃねェのか?」
すると上条は何が面白いのか突然、高笑いを始めた。
「ハハハ、やべえ、思い出したら苛立ちが収まらなくなってきた。
どうせ体育祭なんだ、少しは熱血したって構わねえよな?」
どうせ体育祭なんだ、少しは熱血したって構わねえよな?」
上条の様子にクラスメイト達は戦慄する。
上条は普段馬鹿をやってるものの性格は穏和そのものだった。
それと同時に上条の異常な身体能力もクラスメイト達は知っていた。
だから普段穏和な上条の枷が外れた時どうなるか誰も分からなかった。
そして目の前の上条は明らかに何か枷が外れている。
相手校はスポーツのエリート校だ。
しかし去年の上条の活躍を知っており、
それに加えて今年は上条の学校に一方通行もいるため、
油断はなく準備も万全に執り行っている。
しかし今日の上条に常識は通用しなかった。
上条達が参加する第一種目は棒倒しだ。
高校の一学年分の生徒が参加する団体競技で敵対する二組のグループが
長さ7メートルぐらいの棒を各クラス一本立て自軍の棒を守りつつ相手の棒を倒す、
というルール自体は至って普通のものだ。
火炎や念動力の槍等が飛び交っていることを除けば…
上条は普段馬鹿をやってるものの性格は穏和そのものだった。
それと同時に上条の異常な身体能力もクラスメイト達は知っていた。
だから普段穏和な上条の枷が外れた時どうなるか誰も分からなかった。
そして目の前の上条は明らかに何か枷が外れている。
相手校はスポーツのエリート校だ。
しかし去年の上条の活躍を知っており、
それに加えて今年は上条の学校に一方通行もいるため、
油断はなく準備も万全に執り行っている。
しかし今日の上条に常識は通用しなかった。
上条達が参加する第一種目は棒倒しだ。
高校の一学年分の生徒が参加する団体競技で敵対する二組のグループが
長さ7メートルぐらいの棒を各クラス一本立て自軍の棒を守りつつ相手の棒を倒す、
というルール自体は至って普通のものだ。
火炎や念動力の槍等が飛び交っていることを除けば…
「真正面から行っても能力の餌食になるのは目に見えてるわ。
ここは陽動させるのに人員を割いて…」
ここは陽動させるのに人員を割いて…」
吹寄が競技直前に作戦の最終確認を行っていると、上条が割り込むようにして言った。
「その陽動だが、俺が一人で引き受けるよ」
上条の提案に吹寄は最初は驚いた顔をしたが、すぐに噛み付くように言った。
「何言ってるの!?
上条、貴様は攻撃の要なんだから攻撃部隊を牽引して貰わないと…」
上条、貴様は攻撃の要なんだから攻撃部隊を牽引して貰わないと…」
「陽動でも潰れることなく攻撃に加わればいいんだろ?」
上条の不敵な発言にクラスメイト達はゾッとする。
陽動は敵の注意を惹き付けるのが狙いだ。
それは敵の集中砲火を浴びることも意味する。
しかし上条はそれを一人で引き受けると言った上に、
攻撃にまで参加すると言っているのだ。
陽動は敵の注意を惹き付けるのが狙いだ。
それは敵の集中砲火を浴びることも意味する。
しかし上条はそれを一人で引き受けると言った上に、
攻撃にまで参加すると言っているのだ。
「どうせ去年の試合で嫌でも俺は集中砲火を浴びることになるんだ。
それなら敵の不意を突く意味も含めて一人の方が動きやすい」
それなら敵の不意を突く意味も含めて一人の方が動きやすい」
「…分かったわ。
でも貴様はウチの学校が上位に食い込むためのキーパーソンなんだから、
怪我をしてリタイアなんてオチは許さないからね」
でも貴様はウチの学校が上位に食い込むためのキーパーソンなんだから、
怪我をしてリタイアなんてオチは許さないからね」
「ああ」
試合開始のホイッスルが鳴った。
試合開始と同時に上条は右手で能力を打ち消しやすいように左手前方に走り出す。
すると去年の試合から上条にやはり注目が集まっているのか、
敵の中央から上条のいる方角にかけての防衛部隊は上条に攻撃を集中させる。
その隙を突いて上条の学校は一気に敵陣に雪崩れ込むと、
敵の攻撃部隊と激しくぶつかり合った。
ちなみに一方通行は攻撃には参加していない。
一方通行が攻撃に参加すると、その時点で勝敗が決してしまうからだ。
そのため一方通行は干渉値を理由に攻撃に参加できない特別ルールが敷かれていた。
試合開始と同時に上条は右手で能力を打ち消しやすいように左手前方に走り出す。
すると去年の試合から上条にやはり注目が集まっているのか、
敵の中央から上条のいる方角にかけての防衛部隊は上条に攻撃を集中させる。
その隙を突いて上条の学校は一気に敵陣に雪崩れ込むと、
敵の攻撃部隊と激しくぶつかり合った。
ちなみに一方通行は攻撃には参加していない。
一方通行が攻撃に参加すると、その時点で勝敗が決してしまうからだ。
そのため一方通行は干渉値を理由に攻撃に参加できない特別ルールが敷かれていた。
「ぐあっ!?」
しかしながら、そこはエリート校の底力の方が上だった。
上条の学校の攻撃部隊は次々になぎ倒されていく。
相手の攻撃部隊が上条の学校の陣営に次々と攻め込んでくる。
上条の学校の攻撃部隊は次々になぎ倒されていく。
相手の攻撃部隊が上条の学校の陣営に次々と攻め込んでくる。
「このままじゃ拙いかにゃー」
上条の学校に呆れめムードが漂い始める。
しかしそんな空気を打破するように、敵陣から悲鳴が上がった。
上条のクラスメイト達が敵陣を見ると、今まさに棒の一本が倒れるところだった。
相手の能力の嵐を無事に潜り抜けた上条が助走をつけたまま、
相手陣地の棒に向かって飛び蹴りを食らわせていた。
最初に倒れた棒が相手のものだったため、上条の学校の戦意は奮い立たされる。
そして両軍は再び真正面から激突した。
しかしそんな空気を打破するように、敵陣から悲鳴が上がった。
上条のクラスメイト達が敵陣を見ると、今まさに棒の一本が倒れるところだった。
相手の能力の嵐を無事に潜り抜けた上条が助走をつけたまま、
相手陣地の棒に向かって飛び蹴りを食らわせていた。
最初に倒れた棒が相手のものだったため、上条の学校の戦意は奮い立たされる。
そして両軍は再び真正面から激突した。
結果として残った棒の数は2対0で上条の学校の勝利に終わった。
激しい接戦を終えて、上条の学校は勝利の雄たけびをあげる。
激しい接戦を終えて、上条の学校は勝利の雄たけびをあげる。
「いやー、やっぱり当麻君は大したものだな。
当麻君が最初に棒を倒したお陰で士気が上がって、結果として逆転勝利だ」
当麻君が最初に棒を倒したお陰で士気が上がって、結果として逆転勝利だ」
上条の学校の試合を見ていた御坂親子は歓声を上げる。
「当麻は去年、長点上機のクラスを倒してるから大覇星祭でも注目度が高いのよね」
「あれ、美琴ちゃん?
せっかく当麻君が勝ったのにご機嫌斜めね」
せっかく当麻君が勝ったのにご機嫌斜めね」
「だって…」
美琴が言った通り、試合会場となった上条の学校には
偵察を含めて多くの人間達が溢れていた。
しかし偵察だけでなく、観衆の中には多くの女子も見受けられる。
上条は『執行部』の仕事であるないに関わらず、普段から人助けをよくしていた。
それは老若男女の多岐に渡っているのだが、
どうしても女性から好意を寄せられることが多い。
上条の応援に来ている女子の大半はいわゆる上条にフラグを立てられた女子達であった。
偵察を含めて多くの人間達が溢れていた。
しかし偵察だけでなく、観衆の中には多くの女子も見受けられる。
上条は『執行部』の仕事であるないに関わらず、普段から人助けをよくしていた。
それは老若男女の多岐に渡っているのだが、
どうしても女性から好意を寄せられることが多い。
上条の応援に来ている女子の大半はいわゆる上条にフラグを立てられた女子達であった。
「美琴ちゃん、もしかして嫉妬してるの?」
「べ、別に嫉妬なんてしてないわよ!!
ただ当麻が見境なくフラグを立てるのに呆れてるだけ」
ただ当麻が見境なくフラグを立てるのに呆れてるだけ」
「…ねえ、美琴ちゃん。
普段から美琴ちゃんって当麻君に好きだってこと伝えてる?」
普段から美琴ちゃんって当麻君に好きだってこと伝えてる?」
「え?」
「美琴ちゃんが当麻君のことが大好きなのは知ってるけど、
あんまり当麻君に素直に気持ちを伝えてないでしょ?」
あんまり当麻君に素直に気持ちを伝えてないでしょ?」
「だって恥ずかしくて」//
「そんな初々しいのも美琴ちゃんの魅力の一つだとは思うけど、
気持ちっていうのは案外ちゃんと言葉にしないと伝わらないものよ。
そんな些細なことから擦れ違っちゃうこともあるから気を付けないとね。
もし当麻君と別れることになったら嫌でしょ?」
気持ちっていうのは案外ちゃんと言葉にしないと伝わらないものよ。
そんな些細なことから擦れ違っちゃうこともあるから気を付けないとね。
もし当麻君と別れることになったら嫌でしょ?」
「…うん」
「だったら今から当麻君のところに行って、一言『格好よかった』って伝えてきなさい」
「ちゃんと言えるかな?」
「それは美琴ちゃん次第よ。
その一言が言えれば、きっと美琴ちゃんの世界は今よりずっと綺麗に広がるから」
その一言が言えれば、きっと美琴ちゃんの世界は今よりずっと綺麗に広がるから」
「分かった!!」
そして美琴は上条のいる場所に向かって走り出す。
そんな美琴の背中を見送りながら旅掛と美鈴は微笑んでいた。
そんな美琴の背中を見送りながら旅掛と美鈴は微笑んでいた。
「やれやれ、美琴ちゃんもまだまだ子供だな」
「中学生の時なんてあんなもんでしょ?
でもそれを言い訳にして最悪の事態になったら美琴ちゃんが可哀想だし」
でもそれを言い訳にして最悪の事態になったら美琴ちゃんが可哀想だし」
「そうだな、当麻君にはぜひ俺達の義理の息子になって貰わないと」
「当麻君がいなければ二年前に美琴ちゃんは…」
「そして一年前にも…」
「当麻君には美琴ちゃんが背負ったものを知った上で傍にいてくれてる。
当麻君にも上条さんにも感謝してもしきれないわ」
当麻君にも上条さんにも感謝してもしきれないわ」
「だから俺達は子供を…当麻君と美琴ちゃんを信じて見守るしかない。
例えそれがどんな結果に繋がろうとも…」
例えそれがどんな結果に繋がろうとも…」
そんな旅掛と美鈴のもとに、ようやくお説教が終わった刀夜と詩菜がやって来た。
二組の夫婦は子供達の様子を見て微笑み合う。
そして子供達に明るい未来が待っていることを願うのだった。
二組の夫婦は子供達の様子を見て微笑み合う。
そして子供達に明るい未来が待っていることを願うのだった。
幸先のいいスタートを切ったことで盛り上がる上条達のクラスの下へ美琴は向かった。
クラスメイトに囲まれていた上条は美琴に気付くと、すぐに美琴へ駆け寄ってきた。
クラスメイトに囲まれていた上条は美琴に気付くと、すぐに美琴へ駆け寄ってきた。
「何だ、勝負勝負言ってるから来てくれてないと思ってた」
「そりゃ勝負って言ったって彼氏の応援にくらい来るわよ」
「そっか、サンキューな」
そう言って上条はいつもの優しい笑顔で美琴に微笑む。
すると美琴は胸が高鳴るのを感じた。
それは上条への恋心を自覚した時以来の、激しい動悸だった。
素直にたった一言伝えるだけなのに、告白した時と同様に緊張している。
そしてそれだけ普段から上条の優しさに甘えて、
自分からは上条へ気持ちを伝えてなかったか思い知らされる。
だから今日からは出来るだけ素直に気持ちを伝えよう。
きっとそれが上条の優しさに応えることになるのだから…
そして美琴から出てきた言葉は予定していたものとは違っていた。
すると美琴は胸が高鳴るのを感じた。
それは上条への恋心を自覚した時以来の、激しい動悸だった。
素直にたった一言伝えるだけなのに、告白した時と同様に緊張している。
そしてそれだけ普段から上条の優しさに甘えて、
自分からは上条へ気持ちを伝えてなかったか思い知らされる。
だから今日からは出来るだけ素直に気持ちを伝えよう。
きっとそれが上条の優しさに応えることになるのだから…
そして美琴から出てきた言葉は予定していたものとは違っていた。
「私、当麻のことが大好きだから」
「え?」
美琴からの突然の告白に上条は驚きの声を上げた。
「普段は中々素直に伝えられないけど、いつも本当に感謝してる。
我侭ばっかり言って困らせてばかりだけど、
当麻のことが好きな気持ちだけは誰にも負けないから」
我侭ばっかり言って困らせてばかりだけど、
当麻のことが好きな気持ちだけは誰にも負けないから」
美琴は顔を真っ赤にして、そう言い切った。
それに呼応するように上条の顔もみるみる赤くなっていく。
そして上条も美琴の素直な気持ちに応えるように言った。
それに呼応するように上条の顔もみるみる赤くなっていく。
そして上条も美琴の素直な気持ちに応えるように言った。
「…美琴からそう言ってもらえるなんて嬉しいよ。
俺も美琴のことを誰よりも愛してる。
頼りない俺だけど、これからもよろしくな」
俺も美琴のことを誰よりも愛してる。
頼りない俺だけど、これからもよろしくな」
そして上条と美琴は見つめ合うと自然と唇を重ねる。
いつぞやと違って今度は邪魔が入ることもなく、
二人は一年の交際を経てファーストキスを交わした。
短い時間の口づけだったが、二人にとって一生の宝物となる瞬間だった。
いつぞやと違って今度は邪魔が入ることもなく、
二人は一年の交際を経てファーストキスを交わした。
短い時間の口づけだったが、二人にとって一生の宝物となる瞬間だった。
「ギャハ、上条とお姉さまったら大胆!!」
「「番外個体に打ち止め!?」」
突然現れた美琴の姉妹に上条と美琴は驚きの声を上げる。
そして番外個体の手にはカメラが収められていた。
そして番外個体の手にはカメラが収められていた。
「まさか今の!?」
「お母さまから突然、面白いものが見れるかもしれないって連絡を受けてね。
そしてカメラを用意してたら、まさかこんなに面白い画が撮れるなんて」
そしてカメラを用意してたら、まさかこんなに面白い画が撮れるなんて」
「練習の合間を縫ってヒーローさんの応援に来たら思わぬ眼福だったって、
ミサカはミサカは自分の幸運に喜んでみる!!」
ミサカはミサカは自分の幸運に喜んでみる!!」
「うっ、電磁波のレーダーにまるで気がいってなかった」
「ギャハ、上条もお姉さまも顔を真っ赤にしちゃって。
ファーストキスってわけでもあるまいし…」
ファーストキスってわけでもあるまいし…」
「「…」」
「えっ、何その反応!?
まさかマジでファーストキスだったんじゃ…」
まさかマジでファーストキスだったんじゃ…」
番外個体の言葉に上条と美琴は再び顔を赤くする。
「プラトニックな関係にもほどがあるって、
ミサカはミサカは小学生らしからぬことを口にしてみる」
ミサカはミサカは小学生らしからぬことを口にしてみる」
「こりゃ二人の結婚式にはこの写真を上映するのは決定だね」
そして姉妹から報告を受けた両親も混じって、
上条と美琴はしばらくからかわれることになるのだった。
上条と美琴はしばらくからかわれることになるのだった。