くっついてるんです
すでに夕方と呼ばれる時間帯。
Seventh mistのとあるベンチに二人は座っていた。
少女の方は顔を真っ赤にしていた。
それもそうだ。
今日一日で片思いの相手と
抱きつく、手をつなぐ、間接キス、ほっぺちゅー、お姫様抱っこ
をしたのだ。
たった四時間の間で。
パンクしても仕方ない。
それもそうだ。
今日一日で片思いの相手と
抱きつく、手をつなぐ、間接キス、ほっぺちゅー、お姫様抱っこ
をしたのだ。
たった四時間の間で。
パンクしても仕方ない。
少年の方は対称的に顔を真っ青にしていた。
それもそうだ。
片手にある壊れかけた携帯の画面に
『緊急手配、常盤台女児誘拐犯』
というタイトルの風紀委員の告知に、
自分の特徴や少女の特徴がこれでもかと記されていたからだ。
さらに
それもそうだ。
片手にある壊れかけた携帯の画面に
『緊急手配、常盤台女児誘拐犯』
というタイトルの風紀委員の告知に、
自分の特徴や少女の特徴がこれでもかと記されていたからだ。
さらに
(……やっぱり御坂さん怒ってらっしゃる)
一言もあれからしゃべらないしー、などと変な勘違いをしていたのだ。
(好きでもない男にお姫様抱っこはないよなー)
あれ? ほっぺの方は?
「あれは事故だ!!!!!」////////////////////
「ふにゃ!!!!!!!!!???????????」
「!!わ、わるい、急に大声出して!!」
「いえ、いいんですよ、先刻の物は事故ですし!!」
「そうそう、あっちも仕方なくなんです!!」
「そうそう!! しか、た、なく……」
(そうよね、仕方なく、いやいや、やってんのよね、こいつは……)
(ん?)
美琴がまとう空気が変わる。
鈍感な上条は気付かなかった。
ただ、美琴が落ち着きを取り戻したくらいにしか思わなかった。
鈍感な上条は気付かなかった。
ただ、美琴が落ち着きを取り戻したくらいにしか思わなかった。
「とりあえず御坂」
「なに?」
「服を買いに行こう!!」
「なんで?……なるほどね」
眼前に突き付けられた携帯画像。
「片方が、片方だとばれただけでゲームオーバーだ。
解決策を探す時間なんてなくなっちまう」
解決策を探す時間なんてなくなっちまう」
「そうね、それじゃあ、早めにいきましょ」
こうして二人はショッピングを始めた。
「これなんかどうかしら!!?」
「え? このかわいい熊がプリントされた服をオレに着せる気!!??」
「こういうのはどうだ?」
「かわいいけど、イマイチ、あっちのがいいわ」
「あれ、小学生コーナーにありません?」
「ぎゃはははははは、アンタにロン毛は似合わないわね!!!」
「そういうお前は!!……に、似合うじゃねーかチクショ―め」
「どーよ!!」
「何この敗北感!!」
「この靴はどう? 似合うと思うけど?」
「おお、オレ好みだ、でもなー……」
「なに?」
「素材がダメだ、これだと三日持たない」
「アンタどういう生活してんのよ……」
二人は気付いていなかった。
この状態が周囲にどう見えているかに、
そして、どれほど自分が笑顔でいるかに……
この状態が周囲にどう見えているかに、
そして、どれほど自分が笑顔でいるかに……
しかし、次の瞬間状況は一変する。
「……御坂」
「何よ」
「今からお前、オレの彼女な」
「ぶふぅ!! なに言ってんのよ!!!!!」
「違う!! フリだ! 役だ! あれを見ろ!!!」
そここには
『恋人を連れて御来店で30%off
いちゃいちゃラブラブデー!!
おそろいジャージが大好評!!!』
の文字が見えた。
『恋人を連れて御来店で30%off
いちゃいちゃラブラブデー!!
おそろいジャージが大好評!!!』
の文字が見えた。
「アンタ、たった30%で……」
「たった? たったぁ? 5000円が3500円になるんですよ!!」
「……あんま変わんないじゃん」
「こ~の~お嬢様め!!」
「私が奢るから……」/////
「問題は、そこじゃねえ、お得かどうかだ」
「そ、それに、こ、恋人役なんて!!!」//////////
「去年の自分に言いなさい」
「あう、むぐぅ、去年のわたしのバカ野郎」
「よっしゃーいくぞ!!」
ファミレスの時とテンションが逆で二人は突き進む。
「それでは恋人同士だという証を……必要ありませんね死ねばいいのに」
「「ここでもか!!!」」
「ねえねえ、これなんかどう?」
「ん? おお、いいな」
赤いTシャツにジーパンというとんでもなく簡単な組み合わせだが……
「これで1500円は凄い!! 素材もいいし!!」
「やるでしょ」
「ああ、やりくり上手ないい嫁さんになるな!!」
「ふふぇ!!??」
「どうだろ?」
「……へー」
簡単に言うと、ハワイの時の服を水色にしたようなものだった。
「かわいいし、いいじゃない!!! よく見つけたわね!!」
「子供っぽくもないし、こんなもんじゃねーか?」
「うん、気に入った!! ありがとう!!!!!」
「……お、おう、たいしたことねーよ」
「さーて、カツラも買ったし、服も買った。
後は変身するだけだが……」
後は変身するだけだが……」
「じゃあ、あそこにいきましょ」
「へ? 着替えるだけで?」
「へ? うん、そうだけど」
「……この、お嬢様め!!」
一方はいつもの事だから、
一方は鈍感だから、
気付かない。
一方は鈍感だから、
気付かない。
そこ、ホテルだよ?