とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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ビリビリ・エマージェンシー




常盤台中学。
それは学園都市でも5本の指に入る超名門校だ。
世界でも有数なこのお嬢様学校は、「義務教育終了までに世界に通じる人材を育成する」
をモットーに、中学校でありながら高校・大学レベルの学習をし、
更に在籍する生徒は全員レベル3以上という、恐ろしい学校である。
それだけでも十分お腹いっぱいではあるが、その中でも一際目立つ存在がいる。

常盤台が抱える二人のレベル5、第三位・御坂美琴と第五位・食蜂操祈だ。

しかしながらこの二人、それぞれ見た目も性格も考え方も全く違い、
おまけにお互いの能力を快く思っていない為か、

「御坂さんって、最近ちょっと調子力に乗りすぎなんじゃなぁい?」
「はぁ? 女王サマ気取りのアンタが『調子乗ってる』とか、完全にブーメランなんですけど?」

お世辞にも仲が良いとは言えない。
本日は試合会場【としょしつ】にて、激しいバトル【くちげんか】をお送りしております。

「それは周りの子達が勝手に言ってるだけで、別に私が言わせてる訳じゃないしぃ。
 …って、友達力の無い御坂さんには分からない話よねぇ。ごめんなさいだゾ☆」
「はっ! アンタの友達の定義って、自分の能力で強制的に言う事を聞かせられる事なんだ。
 そりゃ確かに私の周りにはいないわ」

非常に怖い。
単独で軍隊と戦える者同士の小競り合いなど、ちょっとした事でも被害が―――

「べべ、別に洗脳しなくても友達いっぱいいるもん! バーカバーカ! 御坂さんの貧乳ー!!」
「む、むむ胸は関係ないだろゴラァ! てか普通よ! アンタがデカすぎんのよこの運痴!!」
「うっさい! 貧乳貧乳貧乳貧乳!!!」
「んだと!? 運痴運痴運痴運痴!!!」

―――と思ったのだが、やはり中学生は中学生である。
と言うか、本当は仲が良いのではないだろうか。



約2分間「貧乳」と「運痴」が飛び交い、ゼィゼィと息を切らせる二人。
大分話が関係ない方へ行ってしまったので、食蜂は改めて言い直す。

「ゼィ、ゼィ……こほん! 御坂さんって、最近ちょっと調子力に乗りすぎなんじゃなぁい?」
「…それさっき聞いたんだけど。そもそも、私の何が調子乗ってるってのよ!?」

美琴の問いに、食蜂はボソリと呟く。

「………じゃない……」
「? 何て?」
「ズルいじゃない! いっつもいっつもいっっっっっつも上条さんと一緒にいて!!!
 私だってたまにはショッピングしたりお食事したり遊びに行ったりしたいのにぃ!!!
 何、独占力全開にしてんのよぉ!!!
 これで調子乗ってないって言うなら、何が調子乗ってるって訳ぇ!!?」
「んなっ!!!?」

思わぬ角度から思わぬ口撃が飛んできた。
どうやら食蜂は自分の能力をフル活用し、上条の周辺を取り巻きの一人に監視させていたようだ。



上条の名前が出てきた事で、瞬時に顔を紅潮させ固まる美琴。
しかし体が覚えているのか、頭で考えるより先に言い訳をする【ツンデレる】。

「は、はあぁ!? ななな、何言ってんの!? そ、そそ、そんなの偶然に決まってんじゃない!
 べ、べべ、別にその……す…すすす好きで一緒にいるとか、そういう訳じゃないし!?
 そんなんで調子に乗ってるとか言われたら、たまったもんじゃないわ!!!」
「あんな幸福力に満ちた表情で歩いてたくせに、
 どの口で『好きで一緒にいる訳じゃない』とか言ってんのぉ!?
 それに毎日『偶然』会える訳がないでしょう!?
 一度『偶然』って日本語を辞書で調べた方がいいんじゃなぁい!?」
「ぐぐぐ偶然は偶然なのっ!!! だ、だ、第一、私はアイツの事なんて何とも思ってないし!!!」
「んな訳あるかあああぁ!!! どうせ上条さんに『あんな事』とかしてもらったんでしょ!?」
「『あんな事』ってどんな事よっ!!? つか何もしてないわよっ!!!」
「嘘おっしゃい!!! じゃあ頭の中見せてみなさいよぉ!!!」
「痛っ!!? ちょ、痛いって! 痛っマジで痛、イタタタタ!!!」

食蜂はバッグからリモコンを取り出し、美琴目掛けてスイッチを連打した。
いつもは一回押すだけで簡単に相手の精神を操れるのだが、
無意識に電磁バリアを出し続けている美琴にはそれが効かない。
バチンバチンと音を立て、ことごとく防がれている。
それと今更だが、図書室でこんなに大騒ぎして大丈夫なのだろうか。

「ああんもう! 本当に厄介力が高いわよねぇ、そのバリア!!!」
「いった!!! 痛いってさっきから言ってんでしょ!? いい加減にやめ!!!?」

だがその時だ。
「バヂィンッ!!!」と今まで聞いた事のない程の大きい音が、美琴の頭から鳴り響く。
瞬間、美琴はテーブルに突っ伏す形で気を失った。

「!!? え、ちょ、御坂さん!?」

予想だにしなかった展開に、珍しくテンパる女王サマ。
どうやら連射した事でバリアに若干の穴があき、
そこから食蜂の自分だけの現実の侵入を許してしまったらしい。
未経験な出来事で対処法も分からず、食蜂はただアワアワしている。
だが、とりあえず人を呼んだ方がいいのか、と思ったとき、美琴がムクっと上半身を起こした。

「あー…っとにいったいわねー……やめてよね、こういう事」

頭を摩りながら話しかける美琴。どうやら無事らしい。
内心ではホッとした食蜂だが、それを表に出さないように返事をする。

「あ…あらぁ、中々しぶといわねぇ。
 せっかく私の洗脳力で御坂さんを従順な子にしてあげようと思ったのにぃ」
「アンタねぇ…そんな事してたら、いつか本当に周りの人たちが離れて行っちゃうわよ?」
「お説教なら、壁に向かってしてくれないかしらぁ」
「心配してんのよ! ちゃんと聞きなさい!」
「………え…? し、心配ぃ…?」

美琴の口から出てきた言葉。それは普段なら、食蜂相手には絶対に言わない台詞だった。
何かおかしい気がする。先ほどの影響だろうか。

「よ…余計なお世話って知ってるぅ? そんな憂心力満載で擦り寄られても、迷惑って言うかぁ」
「友達なんだから心配すんのは当然でしょ!?」
「とも…………はあああぁぁぁぁぁぁ!!!?」

絶対におかしい。確実にさっきの影響だ。



「な、ななな、何、気持ち悪い事を平気な顔して言ってんのぉ!?
 わた、私と御坂さんがと…ないないないない!!! 絶っっっ対に有り得ないからぁっ!!!」
「こうやって気兼ねなくおしゃべりできる間柄って、普通は友達って言うと思うけど?」
「ええええええぇぇぇぇぇ!!!?」

美琴のとんでもない発言に、手をブンブンと振り回す食蜂。
どうやら能力は効いたようだが、バリアが中途半端に作用したのか、
記憶の読心ではなく、人格の洗脳の方に効果が出てしまったらしい。
それも食蜂の意思で改竄した訳ではないので、
今現在、美琴がどんな性格なのか、食蜂本人ですら把握できていない。
とりあえず、食蜂曰く『気持ち悪い事を平気な顔で言う』性格にはなったようだが。

このままではアレなので、元に戻そうと再びリモコンを取り出す。
しかし、これ以上ややこしい性格にでもなったら収拾がつかない。
食蜂が躊躇っている横で、美琴は時計を眺めてこう言った。

「…あっ、そろそろ当麻の学校が終わる時間だわ」
「ああもう、どうすればい……………へ?」

再び美琴の口から出てくる有り得ない言葉。

「み…御坂さぁん? 今、何て…?」
「え? ああ、当麻の学校が終わるな~って」
「と、と、当麻ぁ?」
「うん、当麻。食蜂さんも知ってるでしょ?」
「え、あ、いや…私が気になってるのはそこじゃないんだけどぉ……」
「? まぁいいわ。私、当麻を迎えに行くから」
「む…迎えに…って……ま、また『偶然』を装う気ぃ…?」
「ううん。私が会いたいから会いに行くの」
「会…いに……って…?」
「だって―――」

次の瞬間、美琴は本日で最大のとんでも発言を口に出した。

「だって私、当麻の事が好きなんだもん♪」

固まる食蜂。
目の前にいるのは学園都市でも一位、二位を争うツンデレだ。
好きな相手の名前を、こうもアッサリと素直に言う訳がない。
これはつまり、

(ま、まま、まさか……まさか! さっきの能力で、素直力が増強されちゃったって事ぉ!!?)

という訳らしい。
人格の洗脳…より正確に言えば、意志の増幅に近い。
普段から色々と素直な気持ちを言葉にできない美琴だが、
先ほどの事故(?)の影響で建前を取っ払い、本音で話すようになったのだった。
しかしそうなると、今しがた食蜂に放った言葉も本音という事になり、
心の底では食蜂を『友達』と認識していた、という事になる。

「~~~~~っ!!!」

今まで味わった事のない、複雑な感情が食蜂の頭に駆け巡る。
そのおかげで、

「じゃあ私もう行くから。また明日ね、食蜂さん」

という美琴の挨拶を聞き逃し、気がつけば図書室にはすでに美琴の姿はなかったのだった。



「…一応お礼は言っておきますの」
「一応…ですか」
「へ~、とうまはいつも、こうやって知らない女の人と仲良くなってたんだね!」

第7学区のとある路地。
上条、インデックス、白井という珍しい組み合わせの三人組がそこにいた。
何故こうなったのかを簡単に説明しよう。

上条の場合。
「帰りにスーパーでも寄ってくか」 → 「あれ?スキルアウトに囲まれてる女の子がいる」
→ 「いやーすみませんね。連れが迷惑かけちゃったみたいで」 →
「ぎゃー、こんなにいたのかよ!不幸だー!!」 → 「白井!?助かったー」

インデックスの場合。
「お腹すいたんだよ!」 → 「でもとうまはまだ帰ってこないし…」 →
「そうだ!お迎えに行ったらとうまも喜ぶかも!
 ついでにお買い物して、おいしい物を買ってもらうんだよ!」 →
「お留守番しててねスフェンクス」 → 「…ここはどこなのかな?」 →
「あ、ツインテールだ」 → 「ち、違うんだよ!迷子じゃないんだよ!」 →
「…とうま?何をしているのかな…?」

白井の場合。
「女性が暴漢に襲われている!?至急現場に向かいますの!」 →
「あら?あのシスターは確か…」 → 「迷子?え、違う?ええい面倒ですの!
 今は緊急事態ですので、貴方も一緒に来ていただきますわよ!
 その後お家にお届けしますので。では空間移動酔いに注意してくださいな!」 →
「風紀委員ですの!…って類人猿?」

つまり、風紀委員に通報があったので現場に駆けようとした白井だが、
途中、街中をウロウロしていた迷子【インデックス】を見つけ、
優先順位の高いスキルアウトの件を片付けてから、その後迷子を送り届ける為に
その迷子と一緒に空間移動し【とび】、現場に着いたら、女の子を守る為に自分が犠牲なり
スキルアウトから追いかけられている上条を発見した、という事だ。

そして白井の活躍によりスキルアウト達は全員御用となり、
助けられた女性は上条に対して何だかウットリしていたが、
白井と一緒に来たインデックスを彼女と勘違いして、もうこの場にはいない。

で、

「ですが、貴方は一般学生ですので、こういった危険行為は風紀委員にお任せしてくださいまし!
 わたくし個人としては貴方が亡き者になればこの上なく嬉しいのですけれども」
「とうま! とうまは女の子をたぶらかさないと死んじゃう病気にでもかかっているのかな!?
 それとお腹すいたんだよ! お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたっ!!!」
「落ち着けええええぇぇぇ!!! 両サイドからいっぺんに喋んなああああ!!!」

今に至る。
ぎゃあぎゃあと騒がしい三人を、迷惑そうに見つめながら横切る街の住人たち。
だがその迷惑行為も新たな局面を迎える事となる。
たった一人の少女の、

「あっ! 当麻、見~つけた♪」

という一言で。
その少女は常盤台の制服を着て、スカートに下には短パンを穿いて、
短めの茶髪に2万円のヘアピンを付け、
中学生にも関わらず少女趣味爆発な小物を持ち歩く人物だった。
三人はその少女をよく知っている。なので同時に叫んだ。

「美琴!?」「短髪!?」「お姉様!?」

だがおかしい。先程美琴はこう言った。「当麻、見~つけた」、と。
TO・U・MA…それは確かに上条の名前だが、今までその名を美琴の口から聞いた試しがない。
しかしその違和感は、ただの序章にすぎなかった。
何故なら次の瞬間には、

「!!? あ、え…み、美琴!?」
「なっ!? 何してるのかな短髪!!」
「お、おお、おね、お姉様ああああぁぁぁぁぁ!!!?」
「えへへ~…♡」

満面の笑みを浮かべながら、上条と腕を組んでいたからだ。



「おお、お姉様!! 今すぐお離れになって、その腕を消毒なさってくださいまし!!!」
「た、たたた、短髪! とうまから離れるんだよ!! 私だってそんなのした事ないのに!!」
「や!」

引っ剥がそうとする二人の抵抗し、頑なにそこから離れようとしない美琴。

「いいじゃないのよ! 私が好きな事をやったって!」
「いい訳ないんだよ! とうまだって迷惑してるかも!
 って言うか、今さり気なく『好きな事』とか言った!?」
「……本当…? 私がこうやって抱きつくの、当麻は迷惑…?」
「えっ…? あ、いやその……」

いつもと違い、何だか甘えてくる美琴。
そんな目をうるうるさせながら可愛らしい事を言われては、

「い、いや別に……嫌…ではありませんが……」

と言うしかない。実際、何かドキドキしてるし。

「とうま!!!」
「おいコラ類人猿っ!!!」

怒号が飛び交うが、仕方がない。

「えっへへ~、当麻がいいって言ったから、ずぅ~っとこうしてる♪」

今度はそのまま顔をスリスリし始めた。異常事態である。
しかし何が目的なのか分からない。さすがに意味もなくこんな事をしないだろう。

「あの…美琴さん? えっと…何で急にこんな事をしたのかな?
 周りの視線(主にインデックスと白井)が痛いので、そろそろ理由をお聞かせ願えませんかね…?」

相手を刺激しないように、やんわりと問い質す上条。
だが帰ってきた言葉は、

「だって私、当麻の事が好きなんだもん♪」

衝撃の告白。
上条たちは知らないが、それは食蜂に言った物と同じだった。
上条、インデックス、白井の三人はその場で石化した。
そして頭の中で美琴の言葉が反すうされる。
『当麻の事が好きなんだもん好きなんだもんなんだもんだもんもんもん……』
結果、

「「「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」」」

三人は同時に絶叫した。

「たた、た、短髪っ!!? ちょ、そんな、何を言ってっ!!?」
「おおおおおお姉様っ!!! お気を確かに!!!」
「な、え、そ、急に…そんな事言われ…ても…えと…俺……」

そして同時に狼狽した。ちょっと違うのは、
インデックスと白井は真っ青になるのに対し、上条は真っ赤になっている事だ。
と、このタイミングで、

「ゼィ…ゼィ……やっ…ゼィ、と……見…ゼィ…つけ…ゼィ、ゼィ……たぁ……」

食蜂が到着した。
彼女の能力なら、わざわざ走って来なくても乗用車の運転手でも洗脳すれば済んだのだが、
よほどテンパっていたのだろう、ご苦労な事に全力疾走して来たようだ。運痴のくせに。

「しょ、食蜂操祈!? さては貴方ですのね!? お姉様をこんな風にしたのはっ!!」
「ゼィ…ゼィ……ちょ、ゼィ、待っ……ゼィ…て……説…明…ゼィ……す…るか…らぁ……」



食蜂は息を切らしながら、上条たちに先程あった出来事を話した。
ただし、都合の悪い【すなおになったという】事は黙っていたが。

「ふーん…じゃあ今の美琴は、洗脳状態にあるって訳か……」
「そう…な…ゼィ…るわ…ねぇ…ゼィ、ゼィ……」

一体いつになったら彼女の息は整うのか。

「全く、余計な事をしてくれましたわね!」
「でもそれなら解決するのは簡単かも。
 私は科学の事はよく分からないけど、能力ならとうまの右手ですぐに治るんじゃないかな」

インデックスの言う通りである。
上条の右手に宿る幻想殺しは、それが異能の力なら超能力だろうと魔術だろうと、
問答無用で打ち消す代物だ。おそらく、美琴の頭を触れば、一発で終わる。
なのだが、能力のせいとは言え、

「にゅふふふ~、幸せ~♡」

なんて言いながら、好き好きオーラ全開で甘えてくる美琴を見ていると、

「……害が無いんなら、もうちょっとだけこのままって訳にはいきませんかね?」

と、提案したくなるものである。
しかしそれを聞いた他の三人から、

「……とうま? 私が記憶している、とうまの『よきんつうちょー』に書かれてある数字や、
 『あんしょうばんーご』を今ここで大声で叫ぶ事もできるんだよ…?」
「よろしいですわ上条さん。では、脳か眼球か心臓か股間…
 金属矢を刺して欲しい箇所を言ってくださいな。正確に体内へと送り込んでさしあげますわよ?」
「私の洗脳力を使えばぁ、上条さんの事が大好きになっちゃったガチムチなおじさま達が、
 上条さんのお尻に色んなモノを入れちゃう…なんて事もできちゃうんだけどぉ?」

などとそれぞれ違った角度から脅迫されたので、アッサリとイマジンブレイクする。
恐ろしい…特に食蜂さん。

「はにゃっ!?」

上条の右手に触れられた美琴は、当たり前だが元に戻った。
が、どうやら性格を変えられていた間の記憶はそのままだったようで、

「ち、ちちち、ちが、ちが、違うからねっ!!!?
 わ、私がアンタの事をすす、好…k………
 とか!!! 言ったのは、全部食蜂【そのおんな】のせいなんだから!!!
 か、かか、勘違いすんじゃないわよおおおおぉぉぉぉ!!!!!」

美琴は盛大に捨て台詞を吐き捨てながら、全速力で逃げて行った。
一体何だったのか。

それにしても、今日の可愛かった美琴が、能力によって性格を改竄された物だと知り、
何だかとても残念な気持ちになる上条であった。



第7学区にある警備員の詰所。
そこで上条、インデックス、白井、食蜂の四人は正座させられながらお説教されている。

「まったく、街中で大騒ぎしながら能力を乱用している連中がいるって通報があって来てみれば…
 一体お前たちは何をしてたじゃん!? 特に白井! お前は風紀委員じゃんよ!!
 率先して風紀を乱してちゃ、話になんないじゃん!?」

ガミガミと怒鳴る警備員と、怒鳴られる常盤台生(風紀委員とレベル5)、魔道図書館、
第三次世界大戦を終わらせたヒーローの図である。

「ううぅ…何故わたくしまで……」
「とうま…お腹がすいたんだよ……」
「我慢しろインデックス…俺の経験上、あと30分は続くから」
「あ…あの……足の感覚力がもう無いんだけどぉ……」
「私語は慎むじゃん!!!」

四人は心の中で叫んだ。「不幸だー!」、と。



一方その頃、美琴はというと。

(無し無し無し無し忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!!!!)

と、自分のベッドの上でゴロゴロと転げ回りながら、
どうにかして今日の出来事を記憶から抹消しようと頑張っていた。









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