とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ




荒野の中を1台の車が走る。

「ねぇ、今日わたしの誕生日なんだけど?」

助手席に座った女性がぼやく。
彼女は大人になっていた。
特に女性である証は当時の彼女に見せたら歓喜に咽び泣きそうである。
しかし、彼女は現在体育座りでふくれっ面というなんとも子供じみた事をしていた。

彼女の名は御坂美琴という。

もちろん運転席にいるのはウニ頭のあの男だ。

「それは、この上条さんに言っているのでせうか?」

彼もまた大人になっていた。
当時の彼女に見せたら赤面したうえでふにゃーするのだろう。
彼の名は上条当麻と言った。

そして彼こそが

「運転席にいるポンコツ彼氏以外にだれがいるのよ?」

「あのなー、俺だって傷つくんだぞ」

御坂美琴の彼氏である。

この事実を当時の彼女が知ったら赤面してあうあう言ってびりびりした後にふにゃって漏電するのだろう。

が、今の御坂にはそんな様子は一切ない。

「せっかくのアメリカで、なんで誕生日を車ですごさなきゃならないのよ」

「あのなぁ、俺だってそんなことわかってるわい!! 
後ろのあれが見えないんですか美琴さんには!!!」

バックミラーで後方を確認する。
真っ黒の車がいくつも追いかけて来ていた。
いかついおじさんが助手席から身を乗り出している。
手に持っている黒いものは機関銃ではないと上条は言い聞かせていた。

そして後部座席には

「また、女の子だし」

「いやいや、これは私のお仕事である美琴さんのパパさんのお手伝いでしてね、そういう仕事だってわかったうえで3か月前ついてきたんだろ? 世界中回ってみたいとか言ってさ」

「そうだけどさ、昨日も私に隠れてインデックスと電話してたし」

「おい、いつの間に!!?」

「わたしの能力忘れた? 幻想殺しのせいでその時の会話はわからないけど、履歴はたどれるのよ」

「上条さんのプライバシーがほとんど存在しない」

「彼女に知られたくないプライバシーって何よ?」

正直本格的に面倒になった上条は遂にため息を吐きながらハンドルを回す。
ぎりぎり横を通り過ぎた何かが、遠くにある岩をハチの巣にしたのが見えた。

「あのですね、わたしが美琴さんの誕生日を無視したことがありましたか??」

「……恋人になるまではいくらでも」

「その後の話!! 一回もないだろ!!」

「そうだけど、今回はショッピングにも行ってないし、アンタがなんか買ったそぶりもないし」

「だからインデックスに頼んだんだよ」

「ふーん、なにくれんのよ」

「いや、メインのものは今、ここでも渡せるんだが」

「じゃあ、ここでちょうだいよ、なに? この子?」

「違いますよ、でも、ムードがさぁ」

「アンタにムードもへったくれもないわよ」

大分不機嫌である。
上条はやけくそになり、頭をガシガシ掻いてぼそっと言った。

「名字」

「へ?」

「上条さんの名字だよ!! きちんとしたデートの予定も立ててたし、シチュエーションもみんなに相談したし、その後は全員そろってパーティーまで考えて、ムリくり大勢に予定開けて貰ってたんだよ!!!」

「……」

「なのに、仕事の依頼が来て、楽な仕事かと思ったらアメリカ最大のマフィアが絡んで、なんか政治の思惑まで見え隠れし出した上に、会場とは逆方向に逃亡しているこの現実!!」

「……」

「そしてこんな形で言うことになって、美琴は少女趣味だからってこっちはいろいろ考えてたのに、後ろを走ってるやつらのせいで全部ぱー「……ねぇ、当麻」……なんだよ」

「顔真っ赤」

「……」//////////

「ねえ……」

「なんだよ」

「わたしで、いいの?」

「そっちこそ不幸人間が一生付きまとうことになるんだぞ? それでもいいのか?」

「いつから、考えてたの?」

「……3か月前に、お前がついてくるって言わなかったら、俺が誘ってた」

「インデックスや五和さん、オティヌスは?」

「?? なんで今そいつらの話になんだよ?」

「そっか、わたしで本当にいいんだ」

「……ああ、これから、お前に同じ名字を名乗ってほしいんだ」

「そっか、………………えへ、えへへへへ」

彼女は頬に手を当て、真っ赤な顔をして、



若干涙を浮かべて
小さく

「かみじょうみこと、かぁ」

と、呟く。

しかしその桃色空間に機関銃の弾が「空気読めや―!!!」飛んでくる前に機関銃の持ち主たちとともに黒ずみにされた。

「あー、美琴さんもウェルダン派ですか、上条さんもなのでよかったです」

でも焼く肉は選んでほしいなーと、付け加える。

「さーて、今からでも遅くない、引き返してそのデートプラン、途中からでもやるぞー!!」

「まじすか?」

「おそらく下っ端がやられたから真打ちとか黒幕とかでてくるだろうけどやるぞー!!」

「よし、このまま前に進もう。明日は前にしかないのだ!!」

「大丈夫って!!」

「どこにその要素が!!?」

「こ、こっのか上条さんに任せなさい!!」

「…………早めに慣れてくださいね、プルプル震える美琴さんもかわいいので上条さん的には構わないけど」

「な、なにいってんのよ!! アンタだって顔真っ赤じゃん!!」

「……とりあえず引き返すか、口閉じてないと舌噛むぞ」

「ちょ、無視すんきゃあ!!」

その後、結局悪魔崇拝がどーたらこーたらで一回もシナリオ通りのデートはできず、最後にはホワイトハウスで大立ち回りをすることになるが、二人の上条は顔を真っ赤にしながらもずっと幸せなオーラを出し続けていた。












「みてみてきれーい!! ってミサカはミサカは年甲斐もなくアメリカの夜景に大はしゃぎ!!」

「うっせーぞクソガキ」


「すごいんだよ!! 大量の食事がわたしを待ちかまえているんだよ!! ここでなら真の実力を発揮できるかも!!」

「待ちなさいインデックス!! 皆さんの分も考えて、ステイルもなにか言ってください」

「どうせ、出費はアイツ持ちなんだろう? いくらでも食べていいと思うよ」

「理后!! なに重たいものを持ってるんだ!! そういうのはオレに任せなさい!!」

「仕上、それ、ただのお箸だから」



「女教皇!! みなさん!! 大変です上条さんと御坂さんが今事件に巻き込まれ「だろうね(な)」……え? へ?」










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