夏祭り
夕日が差し込む。
上条が目をさましたとき、すでに1日は終わろうとしていた。
時間の進みかたがおかしいのは夏休み終了間際の恒例とでもいうのか?
寝室を出て、リビングのドアを開ける。
目の前には
上条が目をさましたとき、すでに1日は終わろうとしていた。
時間の進みかたがおかしいのは夏休み終了間際の恒例とでもいうのか?
寝室を出て、リビングのドアを開ける。
目の前には
「だーぶー」
「ふ、振り回すなー!! は、離せーーー!! 」
インデックスに弄ばれるオティヌスと、
「元気そうですね」
「……あぁ、そうだね」
シリアスな感傷に浸るステイルと神裂。
因みに彼らが見ている光景は、お人形が悲鳴をあげているギャグシーンである。
そして傍らではスフィンクスに威嚇されている美琴が膝をついていた。
その横では爆笑した表情のまま、トールが焦げている。大方美琴を笑いでもしたのだろう。
相変わらずの混沌に、上条はいつものように
因みに彼らが見ている光景は、お人形が悲鳴をあげているギャグシーンである。
そして傍らではスフィンクスに威嚇されている美琴が膝をついていた。
その横では爆笑した表情のまま、トールが焦げている。大方美琴を笑いでもしたのだろう。
相変わらずの混沌に、上条はいつものように
「不幸だ」
と、呟いた。
ようやく周囲が上条に気付く。
ようやく周囲が上条に気付く。
「大丈夫ですか!!?」
「痛いところない!!?」
「心配したぞ、人間」
「ありがとな。攻撃したのもてめぇらだけどな」
「そのまま起きなくても良かったんだけどね」
「よし、その喧嘩、買った」
「……はっ!!! いらっしゃーい、喧嘩はいりませんかーー!!?」
「売ったら買うと思うなよ?」
「ぱーぱ!!」
「なんだ? インデックス」
「ばーばい!!」
「…………」
どっかいけってか。
もうツッコミ疲れた上条はなにも言わず、テーブルに肘をつき、椅子に座る。
今更だが、テーブルは10万、椅子は5万である。
それを知ったら上条はこの家では生きていけない。
安い方なんだもの。
今更だが、テーブルは10万、椅子は5万である。
それを知ったら上条はこの家では生きていけない。
安い方なんだもの。
「で、お前らは何しに来たんだ?」
ステイルと神裂は一瞬間を開けていう。
「神裂と休暇が重なったんだ。たまたま偶然ね」
「偶然たまたま彼もこの子に会いに行くと聞いて一緒に行くことになったんです」
上条と美琴が二人を見る。
「「……たまたま?」」
ジト目で。
「「……たまたまだ(です)」」
本当にそうならこっちを向いてほしい。
インデックスが二人をきょろきょろ見た後、頭を傾けた。
ずっと後ろ向いてるのはおかしいよね。
……ルーンの天才と聖人がいないけどイギリス清教は今大丈夫なのか?
インデックスが二人をきょろきょろ見た後、頭を傾けた。
ずっと後ろ向いてるのはおかしいよね。
……ルーンの天才と聖人がいないけどイギリス清教は今大丈夫なのか?
上条はため息をついてそこを流す。
「それで、インデックスと遊びたいと」
ようやく魔術師はこっちを向いた。
「はい、3人で遊びにいきたいのですが、よろしいですか?」
それを聞いた美琴がインデックスを抱き上げる。
「ステイルさんと神裂さんが一緒に遊びたいって。
遊びにいきたい?」
遊びにいきたい?」
「あい!!!」
元気のいい返事だ。微笑む美琴。
しかし、美琴は真面目な顔になる。
しかし、美琴は真面目な顔になる。
「でも、魔術は使ったらダメだかんね」
「あい」
同じ真面目な表情で、心なしか神妙にインデックスは返事をした。
神裂は祈るように手を握り、目を輝かせている。
ステイルは冷静だった。
あ、いや、小さくガッツポーズしてる。
笑顔で奴等は出ていった。
神裂は祈るように手を握り、目を輝かせている。
ステイルは冷静だった。
あ、いや、小さくガッツポーズしてる。
笑顔で奴等は出ていった。
「いってきまーす」
「いっまーす」
「「いってらっしゃい」」
さて、半分は片付いた。
「で、オティヌスだけど」
小さいままじゃん。
「まぁ、見ていろ」
そう言って彼女は手を振るう
そして
ぽんっ、と彼女は元の姿に戻った。
「アーサー王伝説のモーガン・ル・フェイはもともとケルト神話の女神だ。
しかし、彼女は妖精として扱われ、さらには魔女に……どうした?」
しかし、彼女は妖精として扱われ、さらには魔女に……どうした?」
上条と美琴は話を聞いていない。
それどころか後ろを向いていた。
それどころか後ろを向いていた。
「「……なんでもないです 」」
顔を真っ赤にして。
別になんでもない。
先日赤ちゃんになった美琴が元に戻った時のことを思い出したりしていないのだ。
別になんでもない。
先日赤ちゃんになった美琴が元に戻った時のことを思い出したりしていないのだ。
頭の上に?を浮かべたオティヌスはトールに回答を求めたが、
彼もわからないというジェスチャーで返答する。
しぶしぶ視線を戻し、咳払いをするオティヌス。
彼もわからないというジェスチャーで返答する。
しぶしぶ視線を戻し、咳払いをするオティヌス。
「と、いうことで、行くぞ!! 人間!!」
「はぇ?」
上条が変な声を出したとき、
彼はオティヌスに襟を掴まれ、残像となっていた。
彼はオティヌスに襟を掴まれ、残像となっていた。
「ちょ、ちょっと!! 当麻!!?」
あわてて美琴は玄関に向かうが、
扉に到着するより先に、「ぎゃぁぁぁああああああ」という叫び声を聞く。
外に出ても廊下に人影はない。
下を見ると上条はいずこかへ連れ去られている。
エレベーターのスピードではこんなに速く降りられないし、飛び降りたのだろう。
美琴はあわてて叫んだ。
扉に到着するより先に、「ぎゃぁぁぁああああああ」という叫び声を聞く。
外に出ても廊下に人影はない。
下を見ると上条はいずこかへ連れ去られている。
エレベーターのスピードではこんなに速く降りられないし、飛び降りたのだろう。
美琴はあわてて叫んだ。
「当麻!! 帰りに醤油買ってきてーーーーー!!!!!」
ん????
トールはたっぷり思考に時間をかけ、ようやくポツリと呟いた。
「ミコッちゃん。それ恋する乙女のセリフでないよ?」
数分後、
「お待ちになりやがれ!!」の言葉にようやく元魔神は止まった。
女の子に引っ張られて空を飛ぶ体験なんて…………したな、去年。
「お待ちになりやがれ!!」の言葉にようやく元魔神は止まった。
女の子に引っ張られて空を飛ぶ体験なんて…………したな、去年。
「で、なんだよオティヌス?」
「いやいや、私が元に戻れたのだぞ!!?」
「? よかったな」
とりあえず上条を殴った。
もう少し喜んで欲しいと思うのって罪ですか?
あ、これこそ人間が提示した罰ですか、そうですか。
もう少し喜んで欲しいと思うのって罪ですか?
あ、これこそ人間が提示した罰ですか、そうですか。
「元に戻ったんだ、やりたいことが山のようにある。貴様には付き合ってもらうぞ」
「じぇんじぇんやぶさかじゃないへど、なんでおふぇ殴られたの?」
もう一発逆の頬を殴る。
「自分の胸に聞け」
その時、オティヌスは何かを目に留めた。
「あれは……」
上条も泣くのをやめて、そちらに視線を向ける。
「……夏祭りか」