とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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電車でGO!(意味深)




彼の名誉の為に先に断っておくが、上条当麻は決して変態さんではない。
男子高校生としてごく当たり前の感情を持ち、青少年としてごく当たり前の『反応』はするが、
それは健全な男の子ならば、誰しもそうなるモノなのだ。
現に彼は御使堕しを巡る事件の際、犯人だと疑われてしまい、
神裂から体中をあちこち触診され、海パンの中のアレがアレしてしまっている。
第二次性徴【ししゅんき】真っ只中なのだから、仕方ないのである。
しかしここ最近彼は、その仕方ないアレを発散させる機会を失っている。
言葉を濁してばかりでも伝わらないので、ここはコードネーム[O-721【オー・ナナニーイチ】]としておくが、
彼は以前まで[O-721]を行うチャンスは夜中しかなかった。
記憶を失ってからは既にインデックスと同居状態にあった為、
まずリビングで堂々と[O-721]する事はできない。
となれば、インデックスが寝静まった後の浴槽【ふとんのうえ】しか、一人になれる時間がなかったからだ。
しかし、である。最近になって彼にはもう一人の同居人ができてしまった。
いや、同居人と言うよりは同居神と言った方が正しいだろうか。
オティヌス。魔神である彼女は、なんやかんやあって全長15㎝程の大きさになり、
その罪を償う為に、上条の側にいなければならないという罰を、
かの英国女王と米国大統領から与えられたのだ。
それはいい。それはいいのだが、先程も説明した通りオティヌスの全長は15㎝程だ。
その小さな体躯を利用して、彼女は度々浴室【かみじょうのしんしつ】に出入りしている。
その行動には、ほぼ100%襲い来るスフィンクスからの逃走という真っ当な理由があるのだが、
これにより上条は最近、浴槽での[O-721]を禁止せざるを得ない状況なのだ。
つまりは[O-7]禁である。
もしもヤってる最中にオティヌスが浴室に入ってきてしまえば、上条は死ぬ。
精神的にも社会的にも、下手をすれば物理的にもだ。
なので彼はここの所ナニを発散できず、悶々とした日々を送っているのである。
「だから何だよ」と思われるかも知れないが、これは健全な男子高校生にとっては、
ちょっとした拷問に近いとか近くないとか。

さて。長々どうでもいい説明をしたのは、これから起こる事件の予防線だ。
今から上条は、持ち前のラッキースケベ体質によりアレがアレしてしまう訳だが、
「上条さんは暫くナニを発散できてなかったから、
 ちょっとした事でアレが反応しちゃっても仕方が無かったんだよ」
という事を分かって貰いたかったのである。


 ◇


学園都市ではバスや地下鉄、モノレールなど、公共交通機関が充実している。
住人の8割が学生で占めるこの街では、自家用車での移動は一般的ではないのだ。
上流階級のお嬢様や所謂エリートな学生ならば、送迎などもあるのだが、
ここにいる御坂美琴は、そういった特別扱いされるのを嫌っている為、
今もこうして地下鉄を利用している。
が、この日はそれを現在進行形で後悔している所であった。

(う~~~…っぐ! 何で今日って、こんなに込んでんのよっ!)

何故なら満員電車に乗り合わせてしまい、人の波に溺れてしまっているから。
この混雑では座れないのは仕方ないが、この状況、立っている事以上に不快な事が山程ある。
美琴は自身の能力で、鉄の棒【スタンションポール】と自分を磁力で引き合わせて、
揺れへの対策は強化しているが、だからといって快適という訳ではない。
特に知らないオッサンとか寄りかかってくる時は最悪である。

普段は滅多な事では混雑しない学園都市の電車内だが、
大覇星祭や一端覧祭などの大きな催しがある際には、ダイヤが乱れる事も稀によくある。
美琴は興味が無い為に知らなかったが、
この電車は何かオタク向けのビッグイベントに向かっているらしいのだ。
こっちの世界で言えば、舞浜や海浜幕張に向かう京葉線や、
東京ビックサイトへ向かうりんかい線のような感じである。
イベントに興味の無い美琴が何故こんな目に遭っているのかと言えば、
たまにはいつもと違う路線で乗って行こうとした結果、
この大惨事に巻き込まれてしまったという訳なのだ。

(あ~もう最悪! 次の駅で降りちゃお!)

美琴の目的地はまだ何駅か先だが、この混雑に耐えるのはしんどい。
なので次の駅で乗り換えてしまおう。と、そう考えたのだ。
と、その時である。タイミングよく車内アナウンスが流れてきて、電車は無事に停車した。
美琴はここぞとばかりに人の波を掻き分けて、開いたドアに向かおうとした。
その矢先である。

「うっわ、相当込んでんな…って、アレ? 美琴?」
「……………へ?」

新たに流れ込んできた乗客の中に上条の姿が。
いきなりの上条の登場により虚をつかれ、一瞬だけ動きを止めてしまった美琴は、
見事に乗り過ごしてしまったのだった。
無常にも電車のドアは閉まってしまう。新たな乗客を加えて、乗車率も更に上がる。
そして美琴と上条は、この満員電車でとんでもない事件を引き起こしてしまうのだった。
大方の予想通り、まぁ、くっだらねぇ事件なんだけどね。


 ◇


駅に降り損ねてしまった美琴は、いきなりだがテンパっていた。

「うぐぐ…だ、大丈夫か美琴?」
「だだだ、だいじょばってるわよっ!!!」

だいじょばってはいない様子だ。まず日本語がおかしい。
上条は電車に乗ると、真っ先に美琴の目と鼻の先に陣取りやがったのである。
上条とて知らないオッサンが近くに居るよりも、
可愛い女の子(しかも気心の知れた友人)が居た方がいいに決まっている。
だからその行動には納得はいくが、だからと言って美琴が急に心の準備()を済ませられる訳がない。
下手をすると意識しまくって、最悪漏電【ふにゃー】しかねない。
満員電車内【こんなところ】で電撃を垂れ流せば、大事故になるのは目に見えている。
故に美琴は自分の気を逸らす為に、敢えて上条と雑談をする。

「そ、そう言えば…今日って何でこんなに込んでる訳…?」
「ん? あー…そう言やこの前、青髪が何か言ってたな。
 ああ、青髪ってのは俺のクラスメイトなんだけど、確かデカいイベントがあるらしい。
 俺は興味ないけど」
「…? 興味ないなら、何でアンタはこんなスシ詰め電車に乗ってんのよ」
「いや~、この路線の方が俺が行きたい激安スーパーまで近いんだよ。
 私鉄だから運賃も若干安いし」

上条は最近第16学区(商業が盛んな学区)にオープンしたという激安スーパーへと向かう為、
わざわざ地下鉄に乗ってまで遠出しているのだった。
電車代、満員電車に乗るリスク、そして上条の不幸体質を考えると、
近場のスーパーで食材を買った方が安く済むような気はするが、本人には黙っておこう。


「で、美琴はそのイベントに行くのか?」
「ち、違うわよ! ちょろっと16学区まで買い物に行こうとしてただけ!
 ったく、こんなに込んでるって知ってれば違う路線で乗ったのに…」

だがそのおかげで予期せず上条と鉢合わせたと思えば、
それまでの不快な気持ちがチャラになる程のラッキーではあるのだが、
そう考えると意識してしまい、やっぱり漏電しそうになるので止める。
しかし意識しないようにするという事は、意識しているという事と同義であり、
会話が途切れてしまうとどうしても。

(うわ~! 何か凄い密着してるんですけど~!
 てかコイツの匂いとか体温とかダイレクトに……って、何考えんのよ私の馬鹿っ!!!)

けれども意識しているのは美琴サイドだけではないようで。

(……美琴ってスゲーいい匂いするんだな。
 やっぱシャンプーとかボディソープとか、上条さんが使う物とは根本的に違うのかね?)

お互いにドギマギしてはいるが相手に悟られないように、表面上は平静を装う二人。
しかしこの直後、電車がカーブに差し掛かったのか車体は揺れ、事態は急展開を迎える事となる。

突然、ガタン!と車内が大きく揺れた。その瞬間。

「うおっ!」
「えっ!? ちょ、危な―――」

美琴はスタンションポールと自分を磁力でくっ付けてはいるが、当然ながら上条はそうではない。
周りの乗客同様、体勢を崩してしまった。
崩してしまったのだが、その崩し方は絶妙に上条らしい結果となった。

「ちょちょちょちょなな、何してんのっ!!? ねぇアンタ何してんのっ!!!?」
「わわわ悪い! 悪気があった訳じゃないけどすんませんっ!!!」
「もっ! もごもご喋るにゃああああああああ!!!!!」

ぎゅむっと上条は美琴の胸に顔を埋め、左手は美琴の背後にある支柱【スタンションポール】ごと、
美琴の体を抱き締めていた。二人して顔が真っ赤に染まってしまう。
しかも胸に顔を埋めたまま会話を続行するもんだから、胸がじんわり熱くなっちゃう訳である。

「…ぶあっ! ホ、ホントにごめん! その…み、美琴のお胸に……その、あの…」
「いいいいいいわよ説明しなくても!!! ふ、不可抗力なのは分かってるから!!!
 だからちょっと離れてくれない!!?」

美琴の胸から無事に脱出した上条は、すぐさま顔を上げる。
顔が近い。
本当はこのままくっ付いていてもらいたいクセに、ついついツンデレてしまう美琴。
しかし上条も上条で反論してくる。

「い、いや上条さんとしても離れたいのは山々なのですが……
 言いにくいけど、この状況じゃあニントモカントモ…」

ギュウギュウに押し込められ、上条も身動き一つ取れない。

「だから申し訳ないけど、このままって事に…なります、かね…」
「んなっ!!?」

思わず口をあんぐりと開けてしまう美琴だが、上条は更なる追い討ちをかけてくる。

「そ、それにホラ! こうしておけば、美琴を守ってあげられるし!」
「っ!」

確かにこのまま抱き締める形で美琴をガードしておけば、揺れや痴漢などから守るのはたやすい。
上条的には少しでもポジティブな情報を与えて、美琴から好印象を受けたかったのだ。
何しろ上条は自分の不幸体質を身に染みて分かっている。
ここで少しでも美琴が嫌がれば、自分が痴漢と間違われてしまうかも知れない。
しかしだからと言って身動きが出来る状況ではないので、離れる事も不可能だ。
なので上条がここで選ぶ選択肢は、
「美琴にこの状況を受け入れてもらえるように説得する」事なのである。

だがそれはあくまでも上条サイドの言い分だ。
美琴サイドからすれば、いきなり胸に顔を埋められ、思いっきり抱き締められ、
しかもとどめに、上条から「守ってあげられるし」の口説き文句だ。
目をグルグルさせて頭から煙を出すには、充分すぎる流れである。

「うおーい美琴ー! ここで『ふにゃー』は止めてくれっ!」
「にゃにゃ、にゃにいっへるのよ。『ふにゃー』にゃんてしにゃいんりゃから…」


どう考えても『ふにゃー』しそうである。
上条は他の乗客との間にギチギチに挟まっている右腕を何とか引っこ抜き、
そのまま右手を美琴の頭の上にポンと乗せた。勿論、幻想殺しの作用で漏電を防ぐ為だ。
これにより美琴の磁力も消失しスタンションポールと引き合う力も無くなった為、
揺れへの耐性も激減したが、車内で『ふにゃー』されるよりは遥かにマシである。
なので上条も力いっぱい抱き締める。
右手は漏電対策、左手はガードの為ではあるが、それ以上に周りからの圧力も加わって。

この展開に美琴は赤面したままアワアワしているが、
先程も言ったように意識しているのは上条も同じだ。
抱き締める美琴の身体は柔らかく、否が応でも男【じぶん】とは体の構造が違う事を理解してしまう。
相変わらず淡く甘い香りは鼻をくすぐるし、人混みと熱気でジワリと汗をかいた鎖骨も妙に艶かしい。
その上、頬は上気し瞳は潤み、俯いて困っている顔も可愛いときたもんだ。
さっきまではてんやわんやしていてそんな余裕は無かったのだが、
美琴も落ち着きを取り戻した
(実際は未だにテンパってはいるが、人混みで身動きが取れないのでそう見えるだけ)
今では、上条も色々と考えてしまえる余裕が出てきてしまう。

(うお~、ヤバイ! このままじゃあ上条さん、イケナイ子になってしまいそうです~!)

美琴の体温・匂い・感触・可愛さ・色っぽさなどなど、直に体感してしまい、
しかもそれを自覚してしまった上条は、いよいよお待ちかね(?)の、
冒頭で説明した通りに健全なアレがアレしてしまう。

瞬間、美琴は何か違和感を覚える。
どうも先程から、ちょうどお股の辺りに『硬くて棒状のナニか』が当たっているのだ。
上条がポケットの中に小型の懐中電灯でも仕込んでいるのか、と思った。
しかしよく考えると、ポケットに入ってるにしては妙に中央に寄っているし、
そもそも上条が乗車してきた直後はそんな物は無かった。
いつの間にか、突如出現していたのである。その『硬くて棒状のナニか』は。

「ねぇアンタ、この硬いのって何―――」

「この硬いのって何なの?」と聞こうとしたその時、
学園都市が誇るレベル5の第三位の演算能力が、その答えを導き出した。

「っっっっっ!!!!?!!??!?!?!!?
 ばっ、な、あっ、馬鹿っ!!! 何考えてんのよアンタはっ!!?」
「う~…すみませんすみませんすみません。生理現象なんですどうしようもないんです」

本来なら一気に『ふにゃー』してしまうような事案だが、
上条の右手で漏電をそげぶされている為にそうもいかず、
美琴は上条が持っている『硬くて棒状のナニか』を堪能するハメとなった。
対して上条も、目からだーっと涙を流しながら平謝りである。
上条の言った通りこれは生理現象であり、悪気もなければ仕方もない。
尚且つ美琴は知らない事だが、上条は最近[O-721]を封じられていた事もあり、
発散(何を?)出来ず、アレがアレしやすいコンディションだった。
そこへきての美琴と体と体の密着だ。一体、誰が上条を責められようか。
(けど何故か同情する気が起きない。不思議である)

上条の右手で頭を優しく撫でられ、上条の左手で体をギュッと抱き締められ、
間に上条の下着とズボンと、自分のスカートと短パンと下着を挟んでいるとは言え、
お股には上条の『硬くて棒状のナニか』が当たり、
しかも車体が細かく揺れる度に、その『硬くて棒状のナニか』はグリグリと押し付けられる。
これはもう完全なるアウトである。純度100%の、アウト中のアウトである。

「やっ…! ちょ、んんっ♡ はぁ、はぁ…何と、かぁあ♡ し、てよぉ…♡
 あ、あぁあん!♡ やめ、は、あっ♡ そんなの、グリグリさせ、らぁいれ、よ、ぉおあん♡」

もはやアウトを超えている様子の美琴。この状況でそんな甘い声を出されたら上条は―――

「やめてええええ!!! これ以上、上条さんを刺激しないで!!!
 ギリギリだから!!! もう色々な意味でギリギリだからあああああ!!!!!」

やや半狂乱である。
だがこれでもまだ上条の不幸(?)は終わらない。
再び電車がカーブしたのか、車体はまたもや大きく揺れる。
ガクン、と上条が前のめり(前かがみではなく)したその時だ。


―――………チリッ

「「……?」」

二人共、一瞬だけ唇に違和感。これはまさか。

「アアアアアアアンタ今キキキキキキシュしぴゃあああああ!!!!?」
「え、あ、えっ!!? きき、気のせいではないでせうかっ!!?
 た、たた、確かに唇に何か当たったような感触があったような気がしないでもないけど!!!」

いや、完全に気のせいではなかっただろう。
そもそも、お互い全く同時刻、しかもこんなに顔が接近している状態で、
二人して唇に何かが当たったのなら、『それ』しか考えられないはずである。
しかしだ、この辺りはカーブが多いのか、間を空けずにまたもや車体が大きく揺れる。

ムチュ~~~ッ!

「「っっっっっ!!!?!??!!?!!??!??!!?!?!!?!!!?」」

すると今度は、さっきのような、やったのかやってないないのか微妙なのとは訳が違う、
濃厚でしっかりとした口付けをしてしまう。
だが更に運の悪い事に、先程の大きな揺れで周りの人間のポジションも変わってしまったらしく、
上条の周りで足の踏み場が完全になくなり、言葉通り一歩も動けなくなってしまう。
加えて美琴は背後にスタンションポールがあるので、これまた動けない。
首だけでも動かして自分の唇を美琴の唇から離そうとする上条だが、
そうすればするほど周りからの圧力が加わって、深く口付けしてしまい、

「むーっ!!! むーっ!!!」

と美琴の口の中に息を吹き込んでしまう。
右手で美琴の頭を押さえ、左手で美琴の体を逃げられないように締め付け
間に自分の下着とズボンと、美琴のスカートと短パンと下着を挟んでいるとは言え、
美琴のお股に『硬くて棒状のナニか』を当て、
しかも車体が細かく揺れる度に、その『硬くて棒状のナニか』をグリグリと押し付け、
そして更に強引且つ濃厚なまでに、美琴の唇を奪い続ける。
これはもう、痴漢モノの大人向けビデオを撮影していると言った方が納得出来る状況である。

二人は結局そのまま真っ白に固まり、
電車が例のオタク向けのイベントがある会場から、一番近い駅に停車して乗客が捌けるまで、
ず~~~っとキスしなくてはならなくなったのだった。


 ◇


「  す  み  ま  せ  ん  で  し  た  っ  !!!  」

駅のホームに降りた上条は、同じく一緒に降りた(と言うか上条に降ろされた)美琴に対して、
土下座…は流石に出来ないが、土下座したつもりで頭を深々と下げていた。
上条は自分でも何も悪い事をしたつもりはないが、
事故とは言え女の子に『あんな事』や『そんな事』までしておいて、
タダで許されるとは思っていない。しかし美琴は怒っているのか何なのか、
ホームにあるベンチに腰掛けた(と言うか上条に腰掛けさせられた)まま、何も言わず動かない。

実は美琴、あまりの衝撃の連続に脳がショートし、自分だけの現実は完全に崩壊し、
『ふにゃー』すらも通り越して『無』になっている。分かりやすく言えば放心状態である。
そんな美琴を置いて駅に降りる訳にもいかず、そもそも一度ちゃんと謝っておきたかったので、
上条は放心状態の美琴を担いでホームに降り、そのままベンチに座らせたのだ。

「あ、あの…み…美琴さん…?」
「……………」

しかしやはり、美琴は応えない。口をポヤ~っと開けたまま、物の見事に呆けている。
これは相当キレている(と上条は勝手に思っている)状態だ。
普段、言いたい事はハッキリ言う美琴が、ここまで何も言わないのは逆に恐い。
上条が超電磁砲百連発とか覚悟したその時だ。美琴の口がポソッと動いた。

「…せきにん…あんにゃことしひゃんらから……
 せきにん…とって…お…およめしゃんに……しにゃしゃいよね……」

夢現気味に美琴がとんでもないような事を言ったような気がしたが、
うわ言でその声もボソボソだった為に、上条の耳には届かず、
ホームに吹いた風に乗って、かき消されてしまったのだった。











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