とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part005

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匿名ユーザー

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第1章-05


好敵手と書いてライバルと読むらしい。
上条当麻と私の関係が拳で感情を伝え合うライバルなら、
食峰と私の関係は小さな女の園で陣取り争いを行う、
政治的な意味でのライバルみたいなものだったかもしれない。

入学時点ではアイツは常盤台学園初のレベル5で圧倒的な成績で
入学し、新入生総代で挨拶を行い、私はそれを聞く立場だった。

それが、11月後には、私が在校生代表で、卒業式の挨拶を行うという、食峰には不本意
な話になった。おそらくどのような立場であれ自分以上の存在が
いなかったはずの彼女にとって私の存在は相当目障りだった
のは、自分が彼女の立場に置き換えれば、想像に難く
ない。

今にして思えば、私の居室に私の味方のふりをさせた自分の
側近を送りこんだりしたのも、私へのけん制だったのだろう。

正直な話、常盤台のコップの中の派閥争いなど、自分にとって
どうでもイイ話だが、売られた喧嘩は買う自分の性格のせいで
無視するには私の沸点は低すぎた。

結局、食峰本人にある程度報復をする羽目になったのは
黒子に言わせれば武勇伝らしいが、正直大人げないとも
思っている。

だけれども、視点を変えてみれば、彼女のおかげで助かったことも
なくはない。

もしも、彼女が常盤台の女王として君臨していなかったら、正直な
ところやりたくもない、派閥の領袖に祭り上げられ女王様を演じていた
可能性を否定できない。

派閥の頭目など、祭りのみこしと同じだ。
派閥の構成員が、納得できる担ぐにたる人物ならば誰でもいい
のだ。どうせ担ぐなら、派手な神輿のほうがいいのは人情だ。
派閥の飾り物として超電磁砲である私がいればそれだけで
集客・集金効果があるという寸法だ。

だが、食峰派閥の存在で私にそんな役目は回ってこない。
もしも私を派閥の領袖に担ぐ運動があれば
彼女は必ず止めに入るだろう。

だけれど、おそらく、私の能力(危険性)を一番正確に
認識している食峰は、私の機嫌を損なうことは、私が
大覇星祭で暴走する事件に巻き込まれるまでしなかった。

強者ぞろいの常盤台といえど、食峰に対抗できうる存在は
私しかいない。ある意味常盤台が女王様の独裁(おもいのまま)
にならないのは、私が食峰派閥の横暴の抑止力と認識されて
いるからだろう。

学校、そして学園都市の模範生の自分は自分が望むと望むに
かかわらず、常盤台を代表する生徒として取り扱われ、常に
人の前に立つことを要求される。

学業優秀、容姿端麗な自分は、客よせパンダみたいなものだ。
いつも笑顔を要求され、輪の中心にいることを要求される。

観客には外見上は堂々とふるまっているように見えるだろう。
だが、正直なところ、私は人前に立つのはそれほど得意だと
思ってはいない。

だけれども私が立場上常に、式典のいわば飾り物として
祭壇に飾られ、何か言葉を発する必要がある場合には
模範生としてその業務を機械的にこなす義務があると
思っている。それだけの話だ。その程度の分別はあるし、
その程度の些事はほとんどどうでもいい話だと思っている。

あのいけすかない女も、そうゆう面倒事がいつも私に充てられる
ことを喜んでいたかもしれない。

そんなあのいけすかない女に今回のイベントの仕上げを
依頼するということは、最悪私を社会的に抹殺する切り札を
渡すも同じだ。

だから、ただの土下座で済むなんて甘い期待など持っていない。
アイツを抹殺する切り札持っていることを隠しながら、外見上は
丁重に土下座をしてアイツの虚栄心を満足させた。

いやそんなことより、口ではなんだかんだいいつつ、私の存在が
目障りだったのだろう。
常盤台から私が飛び級で卒業することに積極的ではないもの、それ
なりにメリットを見出したのだろう。結局は協力してくれた。

食峰は、ある意味正しく私の事を認識している。私が生体電気も
操れる、最高の電子の専門家で、その領域では圧倒的な能力者
であることを。

つまり、私に貸しを作ることは彼女にとってメリットがあるということだ。
そして、なりふりかまない自分は食峰がいいたくない
甘く切ない話を知ってしまった。

なるほどね。かわいそうにそうかそうか。
でも正直助かったわ。

食峰操祈 
私を操れるなんてつまらない幻想は私が吹っ飛ばしてあげるわ。
楽しみだわ、私の結婚式には必ず呼ぶから絶対出席するのよ。









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