とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part021

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匿名ユーザー

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第3章-01


「The last straw broke the camel's back」という言葉がある。
最後の藁一本がラクダの背中を折るという意味でアラビア
からつたわる格言である。
どんな頑丈な物(ラクダは頑丈な動物として知られていた)
も限界まで酷使すればごくわずかな衝撃でも壊れてしまうと
意味で、無理をさせるのは禁物という意味でも使われる。
御坂美琴は、寝室でまんじりともせず昔のことを思い出していた。

隣のベットでは満腹になったのだろう。
一〇杯カレーを食べたインデックスが
幸せそうに寝ている。

ふふあの子て本当かわいいわね。・・まるで妹みたい・
だが。。。またあの記憶だ。あの実験が脳内でフラッシュバックする。

忌まわしい実験は何度も何度も私の脳裏をよぎる。
理屈ではある程度わかる、だが心の底では
理解できないあの記憶。

学園都市はなぜ、私のクローンを殺したんだ?
こんなリスクが高い、違法性の高い、人倫に反する行為
になんの意味があるんだ。?
しかもクローンがいないとプランそのものも
維持できないという事実がますます
頭を混乱させていた。

表面では忘れていた。忘れようとした。
だが時々うなされるのだ、

今でも妹たちの幽霊に寝汗をかかされる。
妹たちのうめき声がきこえてしまう。

なぜオリジナルは、のうのうといきているのですか?
なぜオリジナルは、上条当麻しかみないのですか?
なぜオリジナルは、一方通行を殺害しなかったのですか?
オリジナルには、実験後にいくらでも殺す機会はあったはずです。
なぜ、とどめをささなかったのですか?

ときどき胸が苦しいのだ、救えなかった1万31人

私はそのことを忘れるつもりもないし、
DNA提供時に小学生だからしらないなんて
いうつもりもない。あれは私が一生かけて償うべき原罪なんだと。

だが、だからこそ思ってしまう。
1万31人の死に意味がある?
なぜ・・・御坂美琴のクローンが死ななきゃいけないんだ?
なぜ麦野沈利のクローンではだめなのか?
だが・・・・あらゆる機密情報に触れた今ならわかる。
すべて許しがたいが、独裁者にとって、
1万31人の死は必然だったんだと。

そして、わかったことがある。
独裁者は、無理に無理を重ねている。
おそらくかれには時間も余裕もないのだ。
だから、強引に、71億人が幸せになるなら
1万31人の実験動物などどうでも
いいとうそぶきながら、表面上はふてぶしく
あたかも虫けらでも殺すように
すべて進めるのだ。

独裁者はいう。すべては人類のために。
全体の幸せのために、やむを得ない犠牲が
あるのだと。

いや・・独裁者だけではない。
アメリカという民主国家でさえ、原爆投下は、戦争の
早期終結のために必要だった。。
広島・長崎の25万人の犠牲は正義のまえの
やむを得ない犠牲だったと。
そういうのだ。

アレイスタも言うだろう。あれは実験動物だ。
クローンが1万31体死んだところでたいした
問題ではない。彼はそううそぶくだろう。

本当にそうか?
プランの中核の妹たちが実験動物?
馬鹿も休み休み言え。ふつうの感情と、レベル2~3の
能力、高度の戦闘訓練を受け、
多くの作戦行動に従事し、時間限定の最強能力者を
代理演算で支え、都合よく汚れ仕事をこなした、7人
しかいないレベル5のこの御坂美琴さまの
かわいい妹達を実験動物?ふざけるな。

アレイスタは言えるのか?もしも自分のクローンが
自分と同じ顔をした、
自分と全く同じDNAを持った兄弟が1万31人殺されたら、
あれはただの実験動物だと、やむを得ない犠牲だと。

それは多分うそだろう。


うそだから隠す、プランと言って強弁する、ごまかす。
本当。。。つまらないやつね。
窓のないビルで、安全地帯で、何度も何度も修正した意味不明
なプランで、
多分嘘パチの詐欺師のような話で管をまくのだろう。
小心にもアンダーラインでのぞき見しながら。

これが・・・全部終わったら・・・謝罪の言葉でも言わせたいわね。

でも多分無理は続かない、無理なことには必ず終りがあるのだ。

歴史には不思議な復元力がある。無理を通した独裁者は、
最後は哀れな末路をたどるものだ。
むろん独裁者がすべて悪なわけはない。
オーストリアの下手な画家だって、途中までは選挙で民衆の熱い
支持を得て独裁者になったのだ。
アウトバーンを造成し、VW計画を進め、ドイツの民衆から歓呼の元
全欧州を一時は支配したのだ。それはそれは輝かしい日々だったろう。

しかし最後はどうだった?
愛人エバ・ブラウンとベルリンのバンカーで自殺したみじめな最後。

私の力なんてちっぽけなものだ。
人は言うそれは蟷螂之斧だと。
だが、私のやっていることが、理に適っているので
れば、何かが力を与えてくれるのだ。

大覇星祭で暴走から私を救った当麻は言った。
「学園都市のお偉方を力づくで排除してもおまえの望む
学園都市にはならない。」

私は、アレイスタと戦うときも、この話を忘れない。当麻と、その
周りの人とともに
戦う。だから・・・

御坂美琴
私は無理はしない。
私は道理が通らないことはしない。
私は当麻ともに、妹たちのために白井黒子のために、
佐天涙子のために、初春飾利のために
そしてともに過ごしたすべての人とともに、この学園都市を
変えていきたい。みんなが何ひとつ失うことなく笑って過ごせるこの町を作るまで。











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