とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part024

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第3章-04


「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず、
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、
久しくとどまりたる例なし」

 方上記の言葉で、人の世のはかなさを現した言葉だが、
御坂美琴から見て、個体はかわれども、継続する生命の、
DNAの連鎖の逞しさを
示した言葉にも聞こえるのだ。

40億年という気の長くなるDNAの連鎖の中で、命をつないだ生物。
あらゆる試練が襲った生物の歴史。
だが生命は、その大きな危機を何度も乗り越えた。
そして今へ継続するとうとうなる命の歴史。

そんな大きな生命の流れの中でアレイスタの目的はなんだろう。
アレイスタと対峙する以上彼の本心を知る必要がある。

正直な話はよくわからない。いやそのあまりのくだらなさと
犯した諸行のアンバランスさが理解できないのだ。

彼は、科学の中心地のこの学園都市の独裁者、
陰に日向に世界の多大な影響を
与えたいわば科学世界の主宰者。
金や、名誉なんかは大した問題ではないだろう。

普通に考えれば、自分が築いた科学の隆盛・発展が目的なはず・・・

だが、実際にはクローンを用いた絶対能力者進化実験を
はじめ、置き去り
と呼ばれる親に放棄された子供を使った悪質な人倫に
反した数々の実験。
もしもばれればただでは済まない悪と諸行。
学園都市を取り巻く壁も厳重な情報統制も外に
ばれればただではすまないという
恐れがあるからだろう。
彼の力は絶大だ。だが彼の犯した悪事もまた莫大だ、
学園都市の悪事が外部に漏れれば、誰が学園都市に
子供託すというのだ。

そこまでのリスクを負って手にしたい力とはなんだろう。
学園都市の独裁者、全世界をリードする科学技術、兵器体系
超能力開発、人間なら十分すぎるほどの力を手にした独裁者が
追い求める力はなんだ?

おおよその答えはわかってはいる。
だけれども、たかがそれだけのことでなんでここまでやる。
いや・・・あんまりそんな事情を拘泥する必要もないのかもしれない。
上条当麻なら・その幻想をぶち壊すと言って終りかもしれない。

だが・・学園都市ひいては、全世界の科学の中心人物に
「その幻想をぶち壊す」てそれで済むほど世の中は甘くないのだ。

私の9971人の妹、国際社会では存在さえ認められないクローン、この
学園都市が消滅したら
どこに居場所があるのだ。

それだけじゃない。軍隊に匹敵するというレベル5を筆頭とした能力者
こんなもの学園都市以外に居場所があるとは思えない。

そうあの一方通行さえ、この学園都市そのものへは叛旗を翻さない
その理由は結局のところ自分の居場所が外にない。
という現実があるからだろう。と。


じゃ・・どうする。
破壊するだけなら簡単だ。あれになればいい。
あれなら自爆テロはできる。
だがそれは単なる思考停止だ。

殺されても何回かなら大丈夫だ。準備は済んでいる。
だけど何度もとはいかない。いくらテスタメントでも
何度も完全再生はできない。

もうアンフェタミンは使えない。今度サイバー攻撃されれば
せっかくつかんだ
電子の支配もおしまいだ。
思考が堂々巡りになる。

ふうと息をつく
あと7時間もすれば多分薬ぎれで無性に眠くなるだろう。
そこまでになんとかしなくては糸口を見つけなければ。

そうだ、ここは馬鹿を見習うべきなのだ。
自分が守るべきものはなんだ。
上条当麻の命。究極的にはそれだけだ。学園都市の運命
など、自分が悩む必要は今はない。
そう割り切るしかない。

よし・・・
再び思考を巡らす。脳とPC3台からリンクした
学園都市のあらゆるサーバー・学術情報・軍事クラウド
書庫からアレイスタに対抗しえる策をさがす。

脳とそれに連動させたツリーダイアグラムⅡで
あらゆる演算をおこない最適解を模索する。
30分後結論がでる。
よしこれならなんとかなる。なんとかしなければならないのだ。

結局すべては等価交換か。
人が何かなすためには何かを差し出さなければならないのだ。
自分がすべてをさしださなければ何もつかむことなどできないのだ。

ツリーダイアグラムⅡ
私は神様は信じない。0と1と電子の世界しか頼らない。
だからアンタを信じる、アンタの演算結果をそして、私の決断を。










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