とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part019

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集



第19話 幻想殺し(7)


戦わずして勝つのが最善・・だけど

7月31日(金)
「ふあ・・眠い。」
昨日はレベルアッパー事件の顛末で疲れてしまった。

無視してもよかったが、1万人の学生が何もしらないまま脳をつながれているのは
放置できず、(本当悪いクセだ。治安機関からすれば余計な・・・お世話)
結局、アンチスキルへ通報して、木山春生を拘束させた。
通話記録、監視カメラの映像、サーバのデータ、入手したデータをアンチスキル本部へ
データ送信した。監視カメラで見る限り、なにやら治安機関と戦闘となり、大捕り物になり
多数の負傷者を出した。
はあ//手際わり・・いくら複数のレベル3~4の能力があるとは言え、拘束に失敗し、
取り逃がした上に、原子力発電所に攻撃されかけ、結局私にすがりつくとはどうゆう
こと?AIM怪獣ね。。そりゃ私にすがるか・・

こっちはモニター見ながら0度Cのきんきんに冷えたビール風飲料と枝豆をつまみながら
実験の疲れをいやしていたのにさ。

気を取り直して、現場に駆けつけ、AIMビーストを超高圧プラズマで爆砕し、木山晴生を拘束、
あらかじめ入手済みの救済ソフトを流し、解決した。

普段は民間人、民間人と言うくせに。都合の良い時だけ、レベル5とおだてる。
なんなんだか。・・まあいい。社会奉仕活動も私の商品価値を上げるPublic relations
よね。

でもさ・・と私は反問する。

あのアンチスキルの人々は何か感じなかっただろうか?自分達数十人でもなすすべもなく、
あばれまくった怪物を、瞬間でひねりつぶす怪物(美琴)が、自分達に牙をむくことはないか
恐怖を抱かないのか?

今は正義面している私が、手のひらを反したら何が起こるのか想像したら?
感情という制御困難なOSに支配されている、1個人が「1000兆KW」という文明を
粉砕できる力を持っている現状に恐怖をいだく日はこないのか?
そんな核兵器以上の超兵器を保有する学園都市へ世界が恐怖でおののく日がこない
といえるのか?もしも学園都市へそれ以外の70億人の恐怖心が
焦点を当てたらどうなる?
最悪は、戦争?それも想定する必要があるのではないか?

あの魔術師は言った、2007年12月31日に世界は変わったと・・・
本当にそうなのか?だとしたら私も変わらなければならないのか?
そもそも私はいつまで、「人」でいられるのだろう?

まあ・・いい。答えを出すまでまだ少し時間があるだろう。
それに・・世界を変えるのは私だけではない。
彼がきっと私を守ってくれる。
私が彼を守り、彼が私を守る。

「さあ」
 ・・いつもどおり5時にシャワーを浴び、入浴し、眠気をさます。
睡眠時間3時間ね。まあ生体電気を操作すれば睡眠サイクル2回分だから
十分だけどね。でも本当は5時間は寝たいな。

でもいいか・・今日は当麻と「デート」だし。

さあて、あんまり食欲ないからシリアルと牛乳だけにしょ。

 ・・・・移動・・・1分・・・


「当麻君おはよう」
「ああ美琴 おはよう」
「どうできた?」
「見ての通り、まだまだ終わりません」
「当麻君もう飽きた?無理ないか。あのさ・・もう時間ないから、
 後は答えだけ埋めてもう終わらせよう少し雑談するから・・」
「悪いな、美琴俺が遅くて」
「本当は自力でやってほしかったけど、まあ50%できたからいいわよ
 焦りは禁物だから」
「でも美琴 まだ夏休みは1月あるぞ?別に来週でもいいんじゃないのか」
「当麻君は日常を変えるのよね。約束したでしょ。先送りしない。
 まず満点でなくとも終わらせる。いいわね。」
「えまあ・・」
「お・わ・ら・せ・る・の・よ・ね?」
 美琴は周囲の空気を帯電させ青白い光を放出し始める
 数十億ボルトを超える超高圧電流が、見たこともない色で輝き始める
 上条は両手を切断されたことを思い出し、恐怖でおののき始める。

「は・・はい わ・わかりました」
「よろしいでは開始 2時間以内よ 解答写すだけでいいからね」
 (当麻・・本当は自力で全部解答してほしいのよ でもできないことを
 理由に立ち止まっては
 結局できなくなる 今は完遂する喜びを味わってね)
 美琴は、Note pcでいつもように、仕事をしながら、ちらちらと彼の勉強を見ていた。
 (ふふ・・書き写すだけでいいのよ どうせ 復習にすぎない宿題だからさ・・
  でも 勉強をするクセをつければそのうち自分でできるようになる)

「終わった・・なんとか」
「当麻君・・どれどれ 一応確認させて・・全部合っているわね。スキャンさせて」
美琴はA4の解答用紙をスキャンし、PDFファイルを作成し、PCへ
保存し、メールを作成する。
「では、と送信 と、当麻君 宿題は月詠先生にデータ送信したわよ。」
「美琴・・本当 ありがとう。」
「ふふ、どうしたしまして」
「じゃ・・美琴 たまには、・・・」
「そうね、宿題のデータは送付済み、バックアップはスキャン済み いいわ
 じゃファミレスでも行って、だべりましょうか?
 今日も暑いしさ・私おごるわよ」
「美琴悪いよ、ファミレスならランチがドリンクバー込みで2人で2000円だろう
 俺が出すよ、ご多忙な御坂美琴さんを1週間も拘束したんだから」
「ふふ・・じゃ行こうか?手をつないでいかない?」
「へ・・?」
「私は、当麻君がだ・い・す・きなのよ」
「そうか、・・いや俺も美琴が好きだよ」
「当麻君・・あんまりフラグ立てちゃダメよ」
「へ・・?」
美琴は、ここ2週間あまりの監視カメラの映像を思いだす。
上条当麻は、ごく自然に呼吸するように女の子を救い、喜ぶことを行い、
まるで図ったように、やさしい言葉を語りかけるのだ。


 ・・・・こいつは天然フラグ男だわ・・・
用心・用心、私が特別なんて考えたらやけどするわ。
じゃ・・ちょっとつついてみるか

「当麻君が女の子に優しくするのは素晴らしいことだと思う
 だけど、全員を恋愛対象にはできないわ。残念だけどさ」
「いや・・俺はそんなつもりじゃ」
「そうね。当麻君はそうじゃないのよね。
 自分が助けたいから助けるのよね
 でもどうだろう
 当麻君が助けた女の子はみんな好感を持つと思うわ
 だけどいづれ誰かひとりを選ぶ日がくる。
 そのことは知っておいても損はないと思うわ。
 で・・私への感情はLIKE とそれともLOVE どっちかな?
 まあ どっちでも日本語は「スキ」だもんね。いいわよ
 当麻君が「スキ」ならそれでいいわ」
「今はLIKEかLOVEか正直わからない。美琴の言う通りだ。
 だけど俺が美琴を
 すきなのは事実だからそれだけは信用してくれ^ねかな
 それに、美琴は勘違いしている。
 俺にはっきりと好意を口に出し、お金を援助して、食材を購入し、
 勉強を助けてくれたのは美琴だけだ。
 だから俺には美琴しかいない」
「ありがとう 当麻、じゃいこう」

美琴は手をつなぎ、ファミレスへ向かう。
当麻と親密な関係になるという作戦は第一段階を終えた。
一歩・一歩特別な関係に進みつつある実感が
美琴にいいようもない高揚感を与える。
だけど、まだ・・早い
すべてをさらけだすには
美琴は心の高揚を抑え込み、ファミレスへ向かう。
久しぶりね。ファミレスなんてさ・・

 ・・2人はファミレスへ入る。・・・
「当麻、このランチおいしそうね」
「そうだろう。1000円でドリンクバーサラダーバーつき
 日替わりチーズinハンバーグ定食」

 ・・食後・・・

「結構美味しいのね」
「お嬢さまの口に合いましたか」
「ええ・・とってもね」
(うーんおいしくないとは言えないわね。
 正直・・解凍した冷凍食品だけどさ・・まあいいわ
 結局いつかはこの味になれなきゃないのね)
「それはよかった」
「当麻君 お疲れ」
「美琴 ありがとう」
2人はビール風飲料で乾杯し、宿題終了を祝う
「美琴は忙しんだろう よく解答集や解説集を作る暇あるよな
 すごいよ美琴は」
「それは 当麻君が大好きだからよ」
「美琴・・」
「当麻君の言うとおりよ、スキなら好きとはっきり言わないと
 心は伝わらない。だから私は何度も言うわよ、当麻君ダイスキ」
「美琴 俺もダイスキだよ」
「ふふ・・ありがとう」
「そろそろいいかな、時間ね
 じゃ・・明日はちゃんときてね」
「ああ9時だったな。盛夏祭」
「いっぱいサービスするわよ 楽しみにして」


 ・・・・・・

美琴は当麻の後ろ姿を見送りながら、
ひとりごとを言う


さあ明日は楽しみね。
上条当麻アンタのスキは言葉では聞いた。
だけど、いまひとつ私はアンタを信用できない。
本当に私がアンタのただ一人の存在か確かめさせてもらうわよ。

さて・・私は現況を振り返る。
情勢は・・あまりではなく、正直よくない。
私は、学園都市以外のすべての外部から疎まれはじめている。

私は、戦いは好まない。だけど、私の強大すぎる力は、
ひとつはクローンによる実験と、
ひとつは、超荷電粒子砲実験を産み
その2つの実験を通じて、一方通行と超荷電粒子砲という
化け物を作り出した。

化け物の存在は外部の世界に衝撃を与え、その漫然とした
恐怖心の矛先は今、化け物を作り出した学園都市
そのものへ向かいつつある。

魔術勢力だけでなく、多くの政府も軍隊を圧倒するレベル5を
有する学園都市の異常性に対して恐怖心を募らせている。

そしてなにかきっかけさえあれば「超荷電粒子砲」が原因で
戦争すらおきかねない。

けれど、あらゆる幻想をぶち殺す、「幻想殺し」なら、いがみ合う
世界を変え、何一つ失うことなく、みんなが笑って過ごせる世界を
作れるかもしれない。

それは私の妄想かもしれない。
けれど・・超能力も「自分だけの現実」を研ぎつくし、AIM拡散力場
と脳の演算によって具現化したものだ。
私はこの230万人の学園都市で最高峰の演算能力を持つ。
その頭脳が明晰夢のように彼が切り開く新しい未来を感じるのだ。

そう・・私は彼を信じる。
そう・・私は彼の力と夢を信じる。
私は上条当麻とその周りの世界を守る。
何一つ失うことなく、みんなが笑って帰れる社会のために。










タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー