とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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3月14日



3月14日(ホワイトデー)

上条当麻は悩んでいた。
何をあげるかは簡単に決まった。お金もなく、たくさんの人にあげなければいけないとの事で彼は手作りクッキーにしようと早々に決まった。
同じ学校の方々に対するお返しは学校で渡せば良い。では違う学校の人にはいつ渡せば良い?
そう、常盤台のとある少女にどうやって渡すかだ。
彼女はバレンタインデーの時、たまたま帰り道で会って、たまたまチョコを持っていて、たまたま不幸そうな顔をしているとかの理由でチョコをくれた。
例え義理でもホワイトデーにはお返しをしなければいけない…………
まぁとりあえず放課後までに考えれば良いか

御坂美琴は悩んでいた。
何をあげるかは簡単に決まった。御坂美琴は女の子なのにたくさんの人にあげなければいけない、しかしそれはテキトーな高級店でおいしそうなのをまとめて買えば良い。
常盤台の人たちには学校や寮で渡せば良い。では送るほうではなくもらうほうは?
そう、あの男からどうやってお返しをもらうかだ
私はバレンタイデーの時、あいつの帰り道をウロウロしてやっと会えて、事前に頑張って作ったチョコを持って、テキトーな理由をこじつけてチョコをあげた。
当然ホワイトデーにはお返しをもらえるはずで、好きな人からだからなんでも良いからすごく欲しいのだ
まぁとりあえず放課後まで考えれば良いか


学校では全く考えてなく気がつけば放課後だ
てか、常盤台のお嬢様に手作りクッキーで平気かな?まぁあいつはお嬢様っぽくないから平気だよな
しかしやはりお返しなんだから礼儀は必要だよな?自販機まで呼び出すのは失礼かな……
う~む……そうすると……
少し大変だけど常盤台の寮まで行こう。

学校であいつのことばっか考えてたらあっというまに放課後だ
てか、あいつお返し用意してるかしら?いつも無視するからな……お返しまで無視されたらヤダな
まぁもしお返しを用意してなかったらそれを口実に買いものとか夕食にでも付き合ってもらおう!
う~む……そうすると……
今日はがんばって素直にならなきゃ


なんか変な気分だな
これからお返しに行くだけなのに緊張してきた
美琴がお返し喜んでくれなかったらどうしよう……って待て!あいつは御坂だ御坂。美琴って呼んじゃダメだろ
ちくしょう、早く常盤台の寮に着きたいけど着きたくない
モヤモヤするなー考えがまとまらん

なんか変な気分だわ
まだ会えるかすらわからないのに緊張するなんて
ああ、そうか。もしあいつに会えなかったらどうしよう……そうだ!あいつじゃなくてと、と、当麻って呼ぼう
あー、ちゃんと素直になれるかな……
早くあいつ……と、当麻に会いたいけど時間が欲しい


おーし、チャイムを押すぞ!

おーし、探しに行くわよ!


上条当麻がチャイムを押そうとした瞬間ドアが開いた
しかもそのドアを開けたのはこれから会おうとしてた御坂美琴だった
「あ、あ、あ……なんで当麻がここにいるのよ!!」
(あー違う!もっと素直にならなきゃ!!)
「美琴にお返し渡しに着てやったんだよ!!」
(やべー!!ついつい美琴って言っちまった!!)
まさかこんな風に会うとは思ってなかった二人だからそろって軽く混乱してる
二人とも真っ赤な顔でお互いを名前で呼び、妙に息が合った動きをしている
それを見ていた常盤台の寮生はみな小言でヒソヒソと話している
白井黒子の姿も見えたから怒鳴ってくるかと思いきや、あまりのショックにか魂の抜けたような状態だ
そして、寮の最高責任者寮監が
「ほほう、また寮の目の前で逢引か良い度胸だな御坂」
凍りつきながら愛想笑いをする二人、同時にお互いの方を向き、同時にどこかに走り出していた


気がつけば二人でいつもの自販機まで走っていた
「今さらだがお返しに来ただけでやましい気持ちが一切なかった上条さんはなんで逃げてしまったんだろ……」
「そんなの知らないわよ、当麻が不幸だからじゃないの~?」
二人でため息を吐きベンチに座る、先ほどとは違い完璧にいつも通りの雰囲気に戻ったのだ
美琴が「当麻」と呼ばなければ。そう呼んでしまい当麻はまた意識し始めてしまったのだ
そして当初の目的だった
「あの、み、美琴さん。これホワイトデーなんでお返しです」
(ヤバイ!!めっちゃ恥ずかしい!!顔が見れない)
「あ、ありがとう。大切にするね」
(美琴って言われた!どうしよう……顔がにやけちゃうよ)
「「…………」」
お互いに相手が顔が見れず気まずい沈黙
それを先に破ったのは美琴だった
「当麻!私当麻からのお返しすっごい嬉しい。それでね、その、あの……」
美琴は嬉しさや素直な感情を出そうとして告白をしようとしている
普段は鈍感な当麻もこの時ばかりはわかった。普段意識して見てる相手のことだから、相手の特別な変化もわかったのだ
「私ね!当麻のことが好きなの!だから付き合っ」
相手が言い終わらないうちに当麻は美琴を抱きしめた
「美琴俺はお前が好きだ。でも付き合えない」
「な……なんで?」
目に涙をためて当麻を見る美琴
辛そうな顔をしながら美琴を見る当麻
「お前はまだ中学生だろ?俺は美琴を大切にしたい……可能性を奪いたくない。もしも卒業してまだ俺のことが好きでいてく」
今度は美琴が当麻にしゃべらせなかった。キスをしたのだ
「ずっと待ってる。だから卒業式の日に迎えに来て」
美琴はそれだけ言うと常盤台の寮に帰っていった、もらったクッキーを大切に持ちながら




1年後

「う~ん……待ってるとは言ってたが、もし待っててくれてなかったらどうしよう」
当麻は常盤台の卒業式に来たのだ、正門に寄りかかりながら不安そうな顔をしている
「その幻想をぶち殺す!」
そう言いながら当麻に誰かが抱きついてきた
当麻の胸に頭をスリスリしながらも両手でギュッと抱きしめられている
周りを見渡すと多くの生徒がこっちを見ていた
顔は見えないが自分に抱きついているのが誰だがはわかった
「おい、美琴!見られてるから、一旦離れてくれ!」
スリスリが止まったかと思いきや上目使いでこっちを見て笑顔で
「ヤーダよ!!ずっと寂しかったんだもん!今日は絶対に離れないからね!」

その日、学園都市のいたるところで抱きしめあってるバカップルがいたとかいないとか……


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