一端覧祭の思い出
上条は美琴が去った後,土御門と青髪ピアスに羽交い絞めにされ厨房へ強引に連れ込まれるとクラスメイトから
『あんなお嬢様にまで手を出しやがって!!』『これで晴れてデルタフォースは全員ロリコン確定か・・』
などと精神的ダメージを喰らっていると騒ぎを聞きつけた吹寄に『吹寄おでこDX』を叩き込まれ
何故か無言の姫神から渾身のボディーブローで止めを刺された
心身共にボロボロになりつつも今日の担当時間を終え,上条は美琴に電話を掛けていた
「美琴,こっちはなんとか終わったぞ」
『うん・・・分かったわ』
「?・・どうかしたのか美琴?」
美琴は上条と別れた後,どこからともなく現れた初春と佐天の二人に上条の事について執拗に聞かれていた
「あのツンツン頭の人とはどんな関係なんですか!御坂さん!!」
「やっぱり彼氏ですか?教えてくれないなんて水臭いじゃないですか!!」
二人から捲くし立てるように聞かれ最初は誤魔化そうと考えていたが,嘘もすぐに見破られ諦める気配が一向に無い為
観念した美琴は上条と付き合っている事実だけ教え二人が盛り上がっている隙にその場から逃げ出した。
『ちょっと色々あってね・・それよりこれからどうすんのよ?』
美琴に聞き返され上条は時間を確認すると
「ちょっと遅いけどお前がまだなら一緒にご飯でも食べようと思ったんだけど,大丈夫か?」
『うん,じゃあ私は自販機の前で待ってるから』
「了ー解」
上条は携帯電話をポケットにしまうと心なしか速い歩調で自販機に向かっていった
『あんなお嬢様にまで手を出しやがって!!』『これで晴れてデルタフォースは全員ロリコン確定か・・』
などと精神的ダメージを喰らっていると騒ぎを聞きつけた吹寄に『吹寄おでこDX』を叩き込まれ
何故か無言の姫神から渾身のボディーブローで止めを刺された
心身共にボロボロになりつつも今日の担当時間を終え,上条は美琴に電話を掛けていた
「美琴,こっちはなんとか終わったぞ」
『うん・・・分かったわ』
「?・・どうかしたのか美琴?」
美琴は上条と別れた後,どこからともなく現れた初春と佐天の二人に上条の事について執拗に聞かれていた
「あのツンツン頭の人とはどんな関係なんですか!御坂さん!!」
「やっぱり彼氏ですか?教えてくれないなんて水臭いじゃないですか!!」
二人から捲くし立てるように聞かれ最初は誤魔化そうと考えていたが,嘘もすぐに見破られ諦める気配が一向に無い為
観念した美琴は上条と付き合っている事実だけ教え二人が盛り上がっている隙にその場から逃げ出した。
『ちょっと色々あってね・・それよりこれからどうすんのよ?』
美琴に聞き返され上条は時間を確認すると
「ちょっと遅いけどお前がまだなら一緒にご飯でも食べようと思ったんだけど,大丈夫か?」
『うん,じゃあ私は自販機の前で待ってるから』
「了ー解」
上条は携帯電話をポケットにしまうと心なしか速い歩調で自販機に向かっていった
美琴と合流し,二人は繁華街に足を向けていた
「うーん・・・大覇星祭ほどじゃねぇけど。どこも混んでるなぁ」
大覇星祭の時は外部からも大勢の来客がある為公園などで弁当を広げることすら苦労するが,一端覧祭では来期入学者へのアピールということで
学園都市内に来るのは生活している生徒や教師等の一部の大人と来期入学予定の親族だけなので大覇星祭よりは動きやすい。
しかし人混みになることには間違い無いのではぐれないよう上条は美琴と手を繋ぐことにした。
さりげなく手を握られ,内心ドキッとした美琴だが
(こ・・恋人同士なんだからこの程度当たり前よね)
と自分に言い聞かせるもののその頬はほのかに朱に染まっていた
「やっぱり出店みたいに軽いもんだけじゃイマイチだしな,どこにする?美琴?」
隣にいる美琴に視線を移しながら上条は問いかけるが,美琴の視線が美琴が何かを見つめていることに気付き
その視線の先に注目すると『期間限定』というでかでかとした看板と共に学ランとブレザー姿のカエルのマスコットが目に入った
奇しくも今の二人の格好とそっくりだ。どうやら恋人同士を対象としたキャンペーンらしい
「行くわよ,当麻」
「はぁ・・・仕方無ぇな・・・」
深いため息を吐きながら美琴に引きずられるように上条は大型チェーンのファミレスに入店した
「うーん・・・大覇星祭ほどじゃねぇけど。どこも混んでるなぁ」
大覇星祭の時は外部からも大勢の来客がある為公園などで弁当を広げることすら苦労するが,一端覧祭では来期入学者へのアピールということで
学園都市内に来るのは生活している生徒や教師等の一部の大人と来期入学予定の親族だけなので大覇星祭よりは動きやすい。
しかし人混みになることには間違い無いのではぐれないよう上条は美琴と手を繋ぐことにした。
さりげなく手を握られ,内心ドキッとした美琴だが
(こ・・恋人同士なんだからこの程度当たり前よね)
と自分に言い聞かせるもののその頬はほのかに朱に染まっていた
「やっぱり出店みたいに軽いもんだけじゃイマイチだしな,どこにする?美琴?」
隣にいる美琴に視線を移しながら上条は問いかけるが,美琴の視線が美琴が何かを見つめていることに気付き
その視線の先に注目すると『期間限定』というでかでかとした看板と共に学ランとブレザー姿のカエルのマスコットが目に入った
奇しくも今の二人の格好とそっくりだ。どうやら恋人同士を対象としたキャンペーンらしい
「行くわよ,当麻」
「はぁ・・・仕方無ぇな・・・」
深いため息を吐きながら美琴に引きずられるように上条は大型チェーンのファミレスに入店した
座席につくと上条は1番安いハンバーグセットを選び,
美琴も同じくハンバーグセットとキャンペーン対象のドリンクを注文した
「まさかとは思ったが俺がこんなことをするハメになるとは・・・」
上条は顔を青くしてうなだれていた。
店の入り口には大きなコルクボードに多くのカップルの写真が貼られており,その全てが顔を密着させ一つのグラスから伸びた
一組のストローを咥えていた。はっきり言ってバカップルだ,こんなものを知り合いに見られれば黒歴史は確定だろう。
「申し訳ございませんが決まりですので写真を戴けないとお渡し出来ないんですよ」
本当に申し訳無さそうにポロライドカメラを持った店員が告げた
「仕方無いでしょ!ゲコ太とピョン子が懸かってるんだから我慢しなさい!!」
「わかったわかった!要は写真さえ撮れればいいんだろコンチクショー!!」
半ば折れかけていた心を誤魔化すべく上条はややヤケクソになって答える
ガシィッ!!と美琴の細い肩に腕を回して引き寄せストローを咥える
(ゲコ太とピョン子の為よ!ようし待ってなさい!!)
無理矢理に気分をハイにして美琴ももう一方のストローを咥える
近いというより最早頬が密着する距離だった
(ち・・近い!美琴のすべすべした肌の感触がーっ!!)
(こんなに近くに当麻の顔が!もうちょっとズラしたらキスしちゃうじゃない!!)
恥ずかしさのあまり二人の顔が真っ赤になると共にカメラのフラッシュが焚かれた
「はい,ありがとうございましたー写真は会計時にお渡し致しますので番号札をお見せ下さい」
店員が満面の笑顔で二組のカエルのマスコットとハート型の小さな札を置いて去っていった
「はぁ・・はぁ・・・こんなイベントは二度と勘弁してくれ美琴・・・」
「・・・・・・・ふにゃー」
「おいっ!美琴!!しっかりしろーっ!!」
心の許容量を超えた恥ずかしさで美琴は上条の腕に支えられながら気絶する,1週間前告白してから数日間上条に抱きしめられたりする度に
気絶していたのである程度耐性はついたのか,かなり頻度は減ったものの稀にこうなってしまう。
それでも当初の様に漏電することは無いので進歩していることを実感して上条はホッと胸を撫で下ろしていた
その後なんとか食事を終え,会計と共に番号札を返すと店員が番号を確認して3枚の写真を取り出した
どうやらカップルの分まで用意しているらしい
(これだけは絶対に見つからないようにしないとな・・・)
(死ぬほど恥ずかしかったけど結果オーライだったかしら)
青ざめた上条とは対照的に満面の笑みを浮かべる美琴だった
店員が残った1枚をコルクボードに貼ろうとしていたのでこっそり上条は近づき
「なるべく目立たないところでお願いします」
と小声で懇願した
幸せそうな美琴を見て
(まぁ美琴が幸せならこれで良かったのかもな)
と笑みを浮かべながら上条は感じていた
「そんじゃ,次はどこに行く?美琴が行きたい所があるなら優先させてもらうけど」
「そうねーそれじゃ私は―――――」
二人の楽しげな会話が雑踏に紛れていった
美琴も同じくハンバーグセットとキャンペーン対象のドリンクを注文した
「まさかとは思ったが俺がこんなことをするハメになるとは・・・」
上条は顔を青くしてうなだれていた。
店の入り口には大きなコルクボードに多くのカップルの写真が貼られており,その全てが顔を密着させ一つのグラスから伸びた
一組のストローを咥えていた。はっきり言ってバカップルだ,こんなものを知り合いに見られれば黒歴史は確定だろう。
「申し訳ございませんが決まりですので写真を戴けないとお渡し出来ないんですよ」
本当に申し訳無さそうにポロライドカメラを持った店員が告げた
「仕方無いでしょ!ゲコ太とピョン子が懸かってるんだから我慢しなさい!!」
「わかったわかった!要は写真さえ撮れればいいんだろコンチクショー!!」
半ば折れかけていた心を誤魔化すべく上条はややヤケクソになって答える
ガシィッ!!と美琴の細い肩に腕を回して引き寄せストローを咥える
(ゲコ太とピョン子の為よ!ようし待ってなさい!!)
無理矢理に気分をハイにして美琴ももう一方のストローを咥える
近いというより最早頬が密着する距離だった
(ち・・近い!美琴のすべすべした肌の感触がーっ!!)
(こんなに近くに当麻の顔が!もうちょっとズラしたらキスしちゃうじゃない!!)
恥ずかしさのあまり二人の顔が真っ赤になると共にカメラのフラッシュが焚かれた
「はい,ありがとうございましたー写真は会計時にお渡し致しますので番号札をお見せ下さい」
店員が満面の笑顔で二組のカエルのマスコットとハート型の小さな札を置いて去っていった
「はぁ・・はぁ・・・こんなイベントは二度と勘弁してくれ美琴・・・」
「・・・・・・・ふにゃー」
「おいっ!美琴!!しっかりしろーっ!!」
心の許容量を超えた恥ずかしさで美琴は上条の腕に支えられながら気絶する,1週間前告白してから数日間上条に抱きしめられたりする度に
気絶していたのである程度耐性はついたのか,かなり頻度は減ったものの稀にこうなってしまう。
それでも当初の様に漏電することは無いので進歩していることを実感して上条はホッと胸を撫で下ろしていた
その後なんとか食事を終え,会計と共に番号札を返すと店員が番号を確認して3枚の写真を取り出した
どうやらカップルの分まで用意しているらしい
(これだけは絶対に見つからないようにしないとな・・・)
(死ぬほど恥ずかしかったけど結果オーライだったかしら)
青ざめた上条とは対照的に満面の笑みを浮かべる美琴だった
店員が残った1枚をコルクボードに貼ろうとしていたのでこっそり上条は近づき
「なるべく目立たないところでお願いします」
と小声で懇願した
幸せそうな美琴を見て
(まぁ美琴が幸せならこれで良かったのかもな)
と笑みを浮かべながら上条は感じていた
「そんじゃ,次はどこに行く?美琴が行きたい所があるなら優先させてもらうけど」
「そうねーそれじゃ私は―――――」
二人の楽しげな会話が雑踏に紛れていった
二人が出て行ってから数分後,風紀委員の腕章を付けたクセっ毛のツインテールの少女とメイド服を着込んだ少女が入店してきた
「全く,せっかくの一端覧祭だというのにお姉様とご一緒できないなんて・・・風紀委員に入ったことを少し後悔しましたわ」
「もし白井が風紀委員じゃなかったとしてもそれは無理だったと思うぞー?」
「それはどういう意味ですの?」
眉を顰めながらツインテールの少女が聞くと
「御坂にはどうしても外せない大事な用があるからなー」
「確かに初春達とも回らないと聞いていましたが妙ですわね・・ハッ!まさかあの殿方と過ちを!!」
「さぁて。どうだろうなー」
メイド服の少女がニヤニヤとしながら答えたがツインテールの少女の耳には届かなかった
なぜならその少女越しに一枚のとある写真を見つけてしまったからだ
(フフフフフ・・・あぁんの類人猿がァあああああ!!)
急に豹変した友人に驚いたメイド服の少女だがその視線の先にあるものを確認して納得する
その後店を出る際こっそり回収して義理の兄の手に焼き増しした写真が回ったとか回らなかったとか――――
「全く,せっかくの一端覧祭だというのにお姉様とご一緒できないなんて・・・風紀委員に入ったことを少し後悔しましたわ」
「もし白井が風紀委員じゃなかったとしてもそれは無理だったと思うぞー?」
「それはどういう意味ですの?」
眉を顰めながらツインテールの少女が聞くと
「御坂にはどうしても外せない大事な用があるからなー」
「確かに初春達とも回らないと聞いていましたが妙ですわね・・ハッ!まさかあの殿方と過ちを!!」
「さぁて。どうだろうなー」
メイド服の少女がニヤニヤとしながら答えたがツインテールの少女の耳には届かなかった
なぜならその少女越しに一枚のとある写真を見つけてしまったからだ
(フフフフフ・・・あぁんの類人猿がァあああああ!!)
急に豹変した友人に驚いたメイド服の少女だがその視線の先にあるものを確認して納得する
その後店を出る際こっそり回収して義理の兄の手に焼き増しした写真が回ったとか回らなかったとか――――