プロローグ『二人』
『本日未明都内某所で身元不明の遺体が発見されました、警察は殺人事件と見て調査を続ける方針です、今週から梅雨入りした影響で雨が絶え間なく降り警察の捜査は難航しそうです、付近の住人は厳重な……』
彼女はテレビでそのニュースを見ていた。
「怖いなぁ……」
彼女はつぶやいた。
本当に怖がっているわけでも危機感があるわけでもない。
よくあるテレビのニュースで殺人は常に怖いものそんな感想を呟いたにすぎない。
自分には関係ないことだと。
「あ、もう出かけなくちゃ」
彼女は外に出る。
かけがえのない友人と待ち合わせをしているからだ。
「行こう……!!」
彼女は知らない、今池袋で殺人鬼が集まっているのを裏の世界で最悪な娯楽を行われていることを彼女は知らない。
そしてこの後、雨の中どんな悲劇や殺戮が行われるのか誰も知らない。
「雨、早く止まないかな」
彼女は傘を差し街に向かった。
彼女、山乃端一人が雨の中殺人鬼に出会うことはなかった。
最終更新:2024年05月06日 18:06