概要
KONAMIから発売されているトレーディングカードゲーム。
正式名称は「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」で、略称は「OCG」
遊戯王に登場する「マジック&ウィザーズ」というカードゲームを元に作られたゲームで、1999年に発売が開始されるや否や、新聞やテレビでも取り上げられる程の一大カードゲームブームを巻き起こした。
2000年からはOCGを用いた勝負を中心としたストーリーが展開されるアニメ遊戯王シリーズも開始し、そちらも人気を博している。
海外での人気も高く、OCGの世界大会も毎年開催。
2009年と2011年には、「世界で最も販売枚数の多いカードゲーム」としてギネス世界記録も授与された。
商品名に「オフィシャル」とわざわざつけている理由は、OCGよりも前にバンダイから発売されていた「遊戯王カードダス」と明確に区別するためだと思われる。
あちらもあちらで人気ではあったのだが、東映アニメーション製のアニメが終了したことや売り方がマズかったこともあり、割と早い段階で終了していた。逃した魚が大きすぎる
そのため、現在では「オフィシャル」を冠する意味はあまりない。
また、5D’s期からは「遊戯王ファイブディーズ オフィシャルカードゲーム」に、
ゼアル期からは「遊戯王ゼアル オフィシャルカードゲーム」に、ARC-V期からは「遊戯王アーク・ファイブ オフィシャルカードゲーム」に名称が変更されている。
この方針はアニメの宣伝も兼ねているものと思われるが、固有名詞である「デュエルモンスターズ」の方ではなく形骸化している「オフィシャルカードゲーム」の方を残す辺り、「OCG」という略語の浸透具合が窺えよう。
なお、理由は不明だが、VRAINS期に「遊戯王ヴレインズ オフィシャルカードゲーム」になるといったことはなく、元の「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」に戻っている。
その圧倒的人気故に世界一のカードゲームと言っても過言ではないのだが、一方でゲームとしての出来がいいとは言えず、原作人気に依存しているという面もある。
ルールや
テキストに不備が多い、矛盾を解消するために後付けの影響で難解になるルール、ゲームバランスの悪さ、
カードパワーのインフレ、KONAMIの露骨すぎる商業主義など、否定意見もかなり多い。
その中でも特に多いのが、「原作を無視したカードの多さ」であり、原作に依存しておきながらその原作を無視するというのは、賢明とは言い難いだろう。
原作やアニメで登場したカードを使いたいとOCGを買ったユーザーをがっかりさせて得することなど何もない。
逆に言えば、それだけ原作を無視しておきながら見捨てられずに人気を継続しているというのも凄いことだと言える。
もちろん、これらの問題を理由に離れていった者達も多く、現在のOCG人気は全盛期とは比べ物にならないくらい落ちてしまっているのだが。
一応この点について擁護しておくと、原作とOCGではルールが異なるため、元々完全再現が難しいという事情もある。
また、明らかにゲームバランスを崩壊させるカードや使い道のないカードをそのまま再現できないのも当然と言えよう。
尤も、こういった事情に全く当てはまらず、ただ台無しになっただけのカードも多数存在するのだが。
加えて言うと、アニメとOCGは同じルールであり、単体では使い道のないカードでも他のカード次第で活かすことができるため、そもそもこの擁護もあまり擁護にはなっていない。
強力すぎるカードを弱体化させることに関しては仕方ないと言えるが。
また、ユーザーの入れ替わりの影響か遊戯王アニメの人気低下の影響かは不明だが、最近では原作を無視してでもカードに手軽かつ強力な効果を付けろと求めるユーザーも多い。
使い道に乏しいカードを出されても困るというのも事実だが、所謂「
オレツエー」や「
なんで俺に気持ちよくデュエルさせねえんだ!」という幼稚な意見に応えるのもまた問題であろう。
前述したバランス崩壊やインフレの問題には、こういった影響も少なからずある。
被害の代表例としては、
無関係の融合素材で無関係のモンスターを融合召喚できるようになった融合モンスターの変化が挙げられるか。
ゼアル的には
こいつも挙げられる。
当然、これらが遊戯王引退の決定打になったユーザーも多い。
言うまでもないことだが、難易度を下げすぎたり世界観を蔑ろにしたりすると、ゲームが「プレイ」ではなく「作業」になってしまうのである。
最悪の場合、勝敗が「先攻後攻を決めるジャンケンで決まる」ゲームになることすらあり、こうなってしまえばもはや「カードゲーム」ですらない。
こういった問題はOCGの歴史上何度も起きているのだが現在でも一向に改善されておらず、「強力すぎるカードを作ってそれがないと勝てないようにすることでカードを売る」→「売るだけ売った後に規制してまともに使えなくする」といったサイクルを繰り返しているのが現状である。
ゼアルとOCG
ゼアルが散々やらかした影響はやはり大きかったようで、ゼアル期ではOCGの売り上げが大幅に落ちてしまっていた。
全盛期の遊戯王に及ばないことは当然としても、これまで遊戯王の足元に及ぶかどうかというほどの差があった他のカードゲームに追いつかれそうになるまでに落ちたのは由々しき事態と言える。
真偽のほどは不明だが、ゼアルキャラのデュエリストパックやスリーブが大量に投げ売りされていたという報告や、OCGの世界大会の余興でゼアルが紹介されると会場の熱が一気に引いたという報告もあった。
結果として、売り上げを取り戻そうとしたKONAMIは収録カードを露骨にインフレさせており、これまで召喚の手軽さに合わせてカードパワーが控えめだったエクシーズモンスターにも異常なまでに強力なモンスターが登場するようになっている。
「魔導書」や「征竜」といった、実際にゲームバランスを崩壊させたカード群も登場させていた。
「一時期のOCGでは大会で使用されるデッキが「魔導書」か「征竜」の二択状態だった」と言えば、その異常さが伝わるだろうか。
単純に計算すると、5000種類以上のカードが「使っても勝てないカード」の烙印を押されたことになる。
また、壊れカードを入れるだけではゼアルの悪影響を払拭できないと判断されたのか、ゼアル期以降レギュラーパックから追い出されていたシンクロモンスター等も再び収録されるようになっており、
ゼアルキャラを差し置いて過去作のキャラクターをイメージした
ストラクチャーデッキも発売されるようになっている。
これだけ見ればむしろ朗報と言えたのだが、その一方で人気シリーズの「タッグフォース」や「デュエルターミナル」が終了してしまうという悲報もあった。
なお、ゼアルのゲームは放送終了の4カ月前に1本だけ発売されており、あって当然だった通信機能がなかったことも含め、企画の混迷が窺える。
当然このゲームが、タッグフォースの続編を待ち望んでいたファンを満足させるような出来である筈もなかった。売り上げはお察し下さい
ちなみに、ゼアル期に急落した売り上げは、
ゼアル信者が最底辺作品にしようと必死になって放火していた
ARC-V期に回復している。
尤も、これはARC-Vのおかげというより、ゼアル期の途中から行っていた懐古商法の影響が大きいのだが。
実際、ゼアル期の途中からARC-V期には、過去作のキャラクターのファンデッキを強化できるカードが大量に登場している。
ただ、
ゼアルのキャラにはストラクチャーデッキがないのにARC-Vのキャラには複数あるという事実は、懐古商法では説明できない変化だろう。
言うまでもなく、遊戯王シリーズが継続していく上で最も重要なのはOCGの売り上げであり、まかり間違っても
ゼアル信者の評価で作品の是非が決まるわけではない。
好き嫌いは個人の自由でしかないが、作品としての存在意義は間違いなく
ゼアル<<<ARC-Vである。
これにゼアル信者が遊戯王界隈に与えた影響も含めれば、その不等号が更に増えるのは言うまでもない。
なお、現在進行中のVRAINS期では、また売り上げが急落している。
これはVRAINSがどうこう以前に「リンク召喚」に伴う商法で互換切りに近いことをしたことが最大の原因なのだが、結果として「ゼアル信者が持ち上げた作品は遊戯王シリーズを没落させる」という変な法則を生み出してしまうことになった。
エアプを思わせる発言が度々見られるゼアル信者に持ち上げられても、売り上げには繋がらないのだろう。
その一方で、ゼアル信者が遊戯王界隈で行っている排斥行為は、間違いなくコミュニティの一生に繋がっていると言える。
最終更新:2018年11月16日 20:48