帝國海軍ロッシェル戦役?末期に大型艦の建造凍結を解除し、大規模な艦隊整備計画を策定した。これは昭和19年度から28年度の10年間で条約時代に建造された艦を更新しようという非常に大規模かつ野心的な計画であったが、僅か数ヵ月後のグラナダ戦役とレムリア崩壊を受け大幅に変更される事になる。具体的には以下の通りである。

1、戦艦
改大和型4隻、新型高速戦艦4隻の8隻、改大和型4隻は大和型の準同型艦で伊勢型・扶桑型4隻の代艦、新型高速戦艦4隻は超甲巡の拡大・発展型で金剛型4隻の代艦である。

新型高速戦艦は基準35000トン、最高速力33ノット。主砲は①35.6センチL45Ⅱ×4、②35.6センチL45Ⅲ×3、③35.6センチL50Ⅲ×3、④40.6センチL45Ⅱ×3の4案をが検討されている。なお35.6センチL45は金剛型、40.6センチL45は長門型と同じ砲身で、35.6センチL50のみ新設計の砲身である。

計画完成時には改大和型4隻、大和型2隻、新型高速戦艦4隻の10隻体制となる(長門型以前の戦艦は退役)。


2、空母
改大鳳型5隻から改大鳳型1隻に削減、なお改大鳳型は大鳳型の準同型艦。

削減理由は現在でも多数の空母を保有しており艦齢も若いためで、恐らく建造されるのは計画でも最終段階と思われる。

計画完成時には、
大型正規空母は改大鳳型1隻、大鳳型1隻、翔鶴型2隻、赤城型1隻、加賀型1隻の6隻。
中型正規空母・準正規空母は飛龍型1隻、蒼龍型1隻、隼鷹型2隻の4隻。
軽空母は祥鳳、瑞鳳、龍鳳、大鷹、冲鷹、雲鷹、海鷹、天鷹、神鷹の9隻。
練習空母は龍驤の1隻。・・・総計20隻となる(鳳翔は退役)。

この他に補助戦力として多数の水上機母艦・特設水上機母艦を保有している。


3、巡洋艦
重巡16隻、軽巡12隻の計28隻から重巡16隻に削減。

軽巡が削減されたのは駆逐艦の通信能力が向上し、旗艦としての軽巡が必要無くなった事が表向きの理由だが、実際は『中途半端な艦種』として削減を一手に引き受けさせられたためである。

計画完成時には、
重巡は新型16隻、妙高型4隻、高雄型4隻、最上型4隻、利根型2隻の30隻。
軽巡は大淀型1隻、阿賀野型4隻の5隻。・・・総計35隻となる(古鷹型・青葉型重巡、5500トン型以前の軽巡は退役)。

この他に練習巡洋艦として香取型3隻を保有。


最終計画年度は昭和28年度で、昭和32~33年に全ての艦が就役する予定である。もっとも現実的にはずれ込むことは確実で、全ての艦が就役するのは昭和35年以降と早くから囁かれていた。



しかし、昭和18年末レムリア併合によって列強諸国のワイバーン・ロードの統廃合計画の情報を入手した事により、帝國海軍は計画の再修正を迫られることになる。

真っ先に上がったのが空母戦力の増強で、僅か1隻から3隻の建造に上方修正された。建造されるのは改大鳳型1隻に『超』大鳳型2隻、『超』大鳳型2隻は航空機搭載能力を翔鶴型並(整備能力はそれ以上)に引き上げた超大型装甲空母である。これらの空母は最優先で建造され、改大鳳型は早くも昭和19年度に要求される。

これらの空母完成時には、1航艦は超大鳳型2隻・改大鳳型1隻・大鳳型1隻を主力とする前衛部隊と翔鶴型2隻・飛龍型1隻・蒼龍型1隻を主力とする後衛部隊の、2群8隻の空母を保有する事となる。隼鷹型2隻は第1艦隊の母艦戦力として防空・哨戒任務に当たり、赤城型1隻・加賀型1隻は艦齢を考え平時は練習空母を務めて有事に戦列に復帰する。さらに龍驤・鳳翔は退役とし、軽空母9隻は船団護衛・海域哨戒・対地支援任務に当たる。この修正により空母戦力は大幅に充実する事になるだろう。

この増強分は当然どこかに皺寄せが来る事になる。割を食ったのが戦艦で、新型高速戦艦4隻こそそのままだが、改大和型が4隻から2隻に下方修正された。これでは第1艦隊の戦艦6隻体制が維持できないため、退役予定の戦艦で最も状態が良好な長門型2隻を、再改装して現役に留める事になった。この決定により長門型は最低でも40年近く、下手をすると半世紀は現役に留まる事になるだろう。

新型重巡も16隻から12隻に削減され、これにより『10年では無理』とされていた計画が『なんとか10年で完成可能』となった。海軍は名より実を取ったのである。

ここまでがレムリア併合直後の艦艇建造計画である。

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最終更新:2006年05月05日 11:31