帝國海軍所属の特務砲術科は『陸戦要員である機銃員』です。現在のところ、対空機銃員としての任務が主とされています。ですがそのうち、『機銃も扱う陸戦隊員』なる可能性もあります。
現地住民の保護や海賊討伐のための出撃が主で、出撃規模も小隊~中隊規模と小規模です。彼等の装備は、小銃や手榴弾の他は軽機関銃や擲弾筒で、陸軍の歩兵中隊と変わりません。
ですが、陸軍のように大荷物を背負う必要がないので携行弾薬も多く身軽ですし、軽機関銃も1分隊につき2挺も保有しています。これは、少数で多数の敵を相手にする可能性が高く、短時間に大量の火力を投射する事がなによりも重視されているからです。実際彼等の軽火器装備密度は帝國軍随一ですし
6.5㎜破砕弾等のように独自装備を開発すらしています。
同様の理由で、駆逐艦には必ず大陸で捕獲された81ミリ迫撃砲が1門搭載されており、必要に応じて、上陸した特務砲術科によって運用されます。
また防御面でも最高級品の革鎧(
戦竜の一番固い部分の皮を削ぎ、それを惜しみなく何枚も重ね合わせて作った物。材料も手間も技術も恐ろしくかかり、その防御力は下手なチェーンメイルをも凌ぐ。)を着用。
この革鎧の配備は特務砲術科の活躍により、最近
帝國陸軍内部でも一部で採用が唱えられている程だ。
だが、只でさえ歩兵は重い荷物を背負って行軍している。重量的にとても不可能――それこそ完全自動車化されない限りは――な話だった。
(第一、予算も無い)
この革鎧は、非常に効果があることが各種戦闘で証明されているが、その重量は手甲、足甲を含めフル装備で10キロにも達する。
『本来帝國軍歩兵が装備する筈の個人装具(数十キロ)の大半を携行しない』という大前提にたっている特務砲術科だからこそ出来る装備であり、とても他が真似出来るものではないのだ。
何故、特務砲術科だけがこのような装備を採用したか
これはこの世界の敵対勢力との戦闘が原因である。
帝國軍にとり、正規軍との戦争はある意味気楽なものだった。
彼等は必ず正面からぶつかってくる。間合いさえ保ち、火力をひたすら投射すれば必ず勝てるのである。
かえって狩り出す必要がある分(予期せぬ近接戦闘がある)、山賊とかの方が厄介で『危険』でした。彼等との戦闘を主任務とする特務砲術科が上等な皮鎧を着ているのは、彼等との近接戦闘を頻繁に経験しているためです。
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最終更新:2006年08月08日 22:26