艦艇整備工廠代わりの『工作艦/特設工作艦』を筆頭に、航空エンジンを始めとする航空機の整備を担当する『特設航空整備艦』等の整備専門艦。(陸軍各種装備の整備は『陸軍整備工作船』が担当)
木材加工及び簡易製紙能力を持つ『特設木材加工艦』等の現地資材加工艦。
(限定的な能力ながら製鉄・製油等、各種原料の製錬を行なう艦すら存在する)
糧食搭載能力だけでなく、現地食材を加工し製品化する能力を大幅に強化――早い話が食品工場代わり――した『給糧艦/特設給糧艦』。
上記の様に、各種工場代わりとして、工場をそのまま船に移したような艦船が数多く出現した。
『給兵艦』『給油艦』『油槽船』『各種輸送船』等、帝國-大陸間の兵站を結ぶ補給艦船も大幅に拡充されている。この種の艦船は、輸送だけでなく『貯蔵施設』としても使用された。
他にも――
大陸に設営した港湾整備を行なう岩砕船、泥受船、浚渫船、潜水作業船。
港湾や沿岸の測量・調査を行なう測量船/艇。
潮流等の観測・調査を行う海洋観測船/艇。
船の運用を行なう起重機船、動力船、曳船、消火艇。
船と港を結ぶ内火艇、連絡艇、運貨船、他各種(水・油・武器弾薬等)運搬船。
船の整備を行なう浮船渠、工作艦/特設工作艦。
負傷・事故時の救助を行なう救難船/飛行機救難船。
物資・油の貯蔵を行なう輸送船/油槽船。
港湾や沿岸の警備を行なう哨戒/駆潜/掃海特務艇。
戦傷者の治療や現地での疾病や伝染病対策を行う
病院船
――等、小なれど必須の船艇群に至っては100隻単位の需要が存在した。
これ等の艦船の大半は、軍事予算では無く大陸開発関連の政府特別予算で整備されている。
(軍だけでなく、民間や政府の船舶・人員も利用――軍以上に――しているため)
その運用も大半が軍人ではなく軍属だ。
これは軍の人員増大を防ぐと共に、後に速やかに他の省庁・機関に移籍させるための措置である。
(故に正規の軍属ではなく、一時的な臨時雇用扱い)
これは驚くべきことだ。
転移による一時的な措置とはいえ、大陸の港湾施設とその支援船舶、その全てが軍――陸軍と海軍――によって握られているのだ!
流石に大陸内部の鉄道、鉱山は政府直轄機関が支配しているが、これにすら軍(陸軍)が噛んでおり、その影響は大きい。
この様に、大陸進出にあたり軍の協力が必須だったとはいえ、軍(特に陸軍)の大陸に対する影響力はあまりに巨大過ぎた。
(事実上、軍が帝國勢力圏内を支配している様なもの)
この軍の影は、後々大きな問題となりかねない。――心ある者達はそう危惧してた。
……が、未だ軍の力は必要であり、彼等は軍の力がますます肥大化していくのを黙って見ているしかなかったのだ。
皮肉なことに、転移により
帝國海軍の後方支援能力は急激に上昇しつつあった。
最早その能力はかつて――少なくとも転移直前――の英米海軍を大きく上回っている。
しかしそれでもなお必要とされる数には到底届かず、これらの艦は未だ貴重な存在である。そのため必然的に東奔西走し、資源を産出する
直轄領級の余程重要な地域(レムリアはその数少ない『重要な地域』だ)でなければ常駐していない。
工作艦を始めとする支援/補助艦艇に関しては、軍事予算扱いではなく『国家事業』として毎年予算を計上し建造します。つまり
帝都大開発とかと同列の扱いですね。資源地帯開発の一環かな? 他省庁の予算により建造される場合もあります。
なお支援/補助艦艇の乗員については、その大半が軍属であり、軍人は一握りに過ぎません。
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最終更新:2006年08月22日 00:44