伊織順平 - いまこそP4考察 @ Wiki

いおりじゅんぺい
CV:鳥海浩輔

生年月日：1993年1月16日
身長：177cm（『P3』では170.5cm。『P3R』では173cm。）
体重：66kg
血液型：A型
星座：山羊座
好き：好きなもの：ゲーム、ジャンクフード
苦手：後片付け
恐い：不良、ナイフ
（データは『P4U2』のもの）

公式

本作『ペルソナ4』の世界観をベースにして「その後の物語」として描かれた2D格闘ゲームの続編にして完結編『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド（以下、『P4U2』と略）』から新規参戦したプレイヤーキャラで、前作『ペルソナ3（以下、『P3』と略）』の主要登場人物の1人。

『P3』では「港区ポートアイランド」にある私立月光館学園高等部の2年生として登場し、当初は影時間やペルソナといった存在も知らない普通の学生であった。
『P3』本編の4月に夜中のコンビニ内で影時間に迷い込み、1人でベソをかいていたところを真田明彦が発見、その流れで影時間とペルソナへの適性を見出され、スカウトに応じる形で特別課外活動部に参入する。
月光館学園には中学2年時に転入した模様。

彼の性格を端的に表すのであれば、お調子者、いい加減、カッコつけたがりの三拍子揃った三枚目。トレードマークは常に頭に被ったスポーツ帽子。
人懐っこくノリのいい性格で誰とでも打ち解けられる人物であり、『P3』の主人公に対しても別の学校から転入してきたというシンパシーから、真っ先に声をかけ学校の案内を申し出るなど、面倒見のいい性分の持ち主でもある。
その反面、調子に乗りやすく、ビッグマウスでいい加減なところも相まってウザがられることもあるが（主にクラスメイトの岳羽ゆかりから）、それを差し引いても基本的にはいいヤツ。

普段は陽気で感情豊かなムードメーカーだが、実家は父親が事業に失敗し家庭内暴力を振るうなど家庭環境は悪く、過去にメジャーリーグという夢を目指して打ち込んでいた野球も挫折している（トレードマークの野球帽、会話に野球用語が出るなど思い入れは残っている）。
これらの事情からか心の奥底では自己肯定意識が低く劣等感に苛まれており、それはいざ切羽詰まった状況になると覗く小心さ、卑屈さや、物事に対して真剣に向き合うことへの恐れとして現れている。
普段の軽薄さ、お調子者としての振る舞いは彼なりに考えた不幸をやり過ごすための処世術に近く、「本気にならない、ちょけた態度を取ること」で自身の劣等感を誤魔化しているとも取れる。
特別課外活動部へ参入を決めた動機も表向きは「正義のヒーローとして戦う使命感」というものだが、本音はペルソナ使いという「特別な存在」への憧れ、自己のアイデンティティの確立を目指してのもの。

勿論、特別課外活動部の戦いにただ遊びで入ったというわけではなく、『P3R』では自身や主人公よりも先にSEESに加入していた岳羽ゆかりに先んじて召喚器のトリガーを引き、2年生の同級生3人の中では二番目にペルソナの召喚に成功。
正体不明の怪物であるシャドウ相手にも臆さず戦うなど、彼なりに真剣にSEESの活動には向き合っていたと言える。
ただ、ワイルドの力を宿しタルタロス探索におけるリーダーとして急速に才覚を現してきた主人公には瞬く間に水を空けられ「本物の特別」との差を痛感することとなり、自身の理想と現実に対するギャップから時折独断専行や主人公への嫉妬心を露わにする一面も見せる（『P3P』で女性主人公を選んだ場合、この嫉妬心は「もっと自分を頼ってほしい」という面倒見のよさから来る男の意地に置き換わる）。

戦いが続く中で「タルタロスと影時間が消える」という戦いの終わりを見据える中で「戦いが終わればペルソナという特別な力はなくなる」「正義感や使命感で戦っていたわけではなく本当は自分の劣等感を埋めたかっただけ」という事実を認識し思い悩む中で、人工ペルソナ使いの組織・ストレガの一員であるチドリと知り合う。
当初は彼女の素性も知らずに接し、結果として彼をSEESのリーダーと誤認したチドリに捕縛、脅迫される目に遭うものの、取り押さえられ病院で尋問を受けることとなった彼女の尋問役（というよりは話し相手）に諦めず志願。
持ち前の明るさと面倒見の良さ、そして「アイデンティティの希薄さ」という空虚感を抱えるシンパシーから心を閉ざしていたチドリの心を開いていく。
2人の関係性は恋人同士と呼んで差し支えないものにまで発展するものの、最終的にストレガのリーダー・タカヤに銃撃され瀕死の重傷を負った順平を救うため、チドリは自らのペルソナ・メーディアの固有の能力である「生命力の放出」を用いて自らの生命力全てを順平に譲渡、蘇生させることと引き換えに落命。
彼女の命がけの献身を愚弄したタカヤへの怒りからペルソナを覚醒、これを退ける。
この覚醒の際、チドリが生命力を譲渡した影響か、メーディアとヘルメスが合体する形で覚醒しており（『P3R』ではジンもトリスメギストスの真っ赤な風貌にメーディアの面影を見ている）、シリーズでも類を見ない「ワイルドではないペルソナ使いが他者と自身のペルソナを合体させるイレギュラー」を引き起こしている。

最愛の存在であったチドリを喪い一度は心が折れかかるものの、彼女の遺品として手渡されたスケッチブックに描かれた順平の似顔絵を目の当たりにして涙ながらに再起。
改めて影時間を消すことを誓い、チドリから託された命を決意に変えて異界化現象「影時間」の根源である「滅びの塔」タルタロスを踏破した。

『P3F』『P3P』『P3R』では特定の条件を満たすことで、最終決戦の目前に影時間を始めとした殆どの記憶とペルソナ能力を喪失する形でチドリが蘇生。
順平に関する記憶も殆どは喪失しているが「優しくて暖かい『あの人』」としてうっすら覚えており、再会を願っている。
このイベントが『P4U2』における正史に繋がることになる。

順平は長らく自身の特別性の無さをコンプレックスとしていたが、では彼が何の才のない凡人であったかというと決してそうではなく、お世辞にもあまり明るい性格とは言えないメンバーが多い特別課外活動部において、彼が潤滑油・盛り上げ役として貢献してきた実績は無視できるものではない（勘違いされやすいが、SEESがギスギスしている時は大抵順平、ないしはメンバー全員が何かしら大きなショックを受けている時であり、順平が平常時の場合はメンバーの間に目立った軋轢は発生していない）。
また、口数が多くない主人公、若干気難しい一面のあるゆかり、やや浮世離れした雰囲気の美鶴、明彦とも平常心で接する事のできる善良さ、コミュ力も特筆に値する。

極めつけは『P3P』での女性主人公の「魔術師」コミュで、主人公を盗撮した相手から盗撮データを喧嘩沙汰を起こしてでも取り返す、ペルソナ覚醒イベント前後におけるチドリを守ろうと啖呵を切るといった普段の空回り・小心ぶりが嘘のような男気に溢れる姿である。
順平が持つ特別な資質とは即ち大切な人を守ろうとする時に発揮する当たり前の優しさと勇気そのものであり、それは嘗ての順平が欲した、誰かと比べられるようなものでも、増してや普段から目に見えるようなわかりやすいものではなかったと言える。

戦闘においては刀・大剣といった両手剣を得物とするが、その構えは剣道における八相の構え……の様に見えて、野球のバッティングフォームそのもの。
クリティカルにおける三連撃もスイング→大根斬り→一本足打法によるフルスイングと、これまた野球におけるバッティングスタイルである。
前述の野球の知識、経験を戦闘に転用したらしく、当人のステータスや特性と併せて、直撃すればスラッガーのように強力な打撃を相手に与えるが、ステータスの「速」の低さ、武器の命中力の低さ故か、攻撃を回避されて日常生活と同様に空回りする姿も珍しくない。

『P4U2』では桐条美鶴が設立した特殊部隊「シャドウワーカー」の非常勤隊員として活動する傍ら、平日はバイト三昧、休日は少年野球チームのコーチとして活動するフリーターとして慌ただしく活動している。
本作においては少年野球の試合帰りに電車で居眠りをした結果、うっかり八十稲葉に迷い込むという彼らしいズッコケぶりで戦いに巻き込まれている。
結果として少年野球のユニフォームのままで戦いに臨んでいるが、他のシャドウワーカーの面々がボンテージ、上半身裸、フェザーピンクというイロモノ紛いの衣裳で参戦しているため、彼の姿は相対的に非常にマシな部類であると言える。

コーチとしては少年野球チームの活動費・野球器材購入のためにバイト費を充てたり、試合中に緊張で堅くなった部員に的確なアドバイスを送ったりと良き監督として働いており、部員達からも「ジュンペー」と呼び捨てでナメられたりもしつつも信頼されていることが伺える。
順平自身も嘗て野球を挫折した過去から部員達が野球をやる姿を嬉しく思っており、彼のアイデンティティとなっているようだ。
前述の通り、チドリが生存しているため『P3』本編後に復縁したらしく、勝利台詞でもチドリへの惚気を語るものが存在する。
コンシューマー版におけるストーリーモードでは夢の中での勝利インタビューで苦労させていることを謝りつつも、プロポーズしようとする一幕があり、内心では結婚を視野に入れる程に交際は順調のようだ。

ペルソナ

• ヘルメス（『P3』における彼の初期ペルソナ）
• トリスメギストス