俺がたいした感慨もなく高校に入学し、そしてこれまたたいした感慨もなく高校生としての平凡な日常を送り出して、ちょうど一年の春――――――、
橘京子と出会った。
北高に合格し、早朝ハイキングのあまりの過酷さに驚いたのも、緊張しながら頭からひねり出した自己紹介のセリフを言ったのも、もう一年ほど前のことになる。
二年に上がっても、おかげさまで友達に苦労することは無かった。同じ中学から来た奴も多かったしな。今俺の裏に座っているこいつもその一人だな。
二年に上がっても、おかげさまで友達に苦労することは無かった。同じ中学から来た奴も多かったしな。今俺の裏に座っているこいつもその一人だな。
「やぁ、キョン。どうやら今年は、キミとは一年間ともにクラスメイトとして過ごして行けるようだ。嬉しい限りだね」
「佐々木か。そうみたいだな。このクラスには国木田も居るし、それなりに悪くないクラスでよかったよ」
こいつは、中学のときの印象では確か頭の出来は俺よりは相当良いはずだったが、まぁなんか事情でもあるんだろ、とにかく同じ高校に進学していた。
そうして、入学式等、新学年の催しを終え程なく落ち着いて話していたころ、それは唐突にやってきた。
「佐々木さんは居ますかっ? お話があるのです。」
見ない顔だな、一年生だろうか。
「あぁ、佐々木ってわたしのことね。話しって言いいました?それはここで良いのかな?」
「ちょっと時間をいただけますか?来てもらいたい場所があります。
・・・あ、そんなに時間はかかりませんから。お願いします」
・・・あ、そんなに時間はかかりませんから。お願いします」
「だそうだ。それじゃあいこうか、キョン」
ん?なぜ俺が出てくるんだ?お前に用があるんだから、一人で行けばいいじゃないか。
「まぁまぁ、いいじゃないか。楽しそうだ」
わけが分からんな、ってほんとに行くのかよ。
渡り廊下を通って、いったん外に出て、別校舎に入る。歩みを進めるうちに目的地が見えてきた。ここは・・・旧館、文科系部の部室棟か。どうやらこの文芸部に用があるらしいな。
「ここです。さぁ中に入って。んふっ、なかなか趣があっていい空間でしょ」
「君の名前をまだ教えてもらってなかったね。なんというの?」
「橘京子といいます。時間も無いから、本題に行かせてもらうわ。まず簡単に言うと、佐々木さん、あなたには私たちの同好会に参加してもらいたいのです。キョンさんといいましたっけ、あなたもどう?」
いったいなんなんだ。確かに俺も佐々木も面倒くさがって部活動には参加していなかった口だが、それにしても突然やってきて、同好会に入ってくれとは、突然にもほどがあるんじゃないか。
「突然何なんだ。初対面で、突然同好会に入れだなんて突然すぎるぞ。理由くらい聞かせてもらってもいいんじゃないか」
「理由はいえないのです。でも名前なら決まってるのよ。聞きたい?
それでは発表します。じゃじゃーん、『SOS団』ですっ!! ぱふぱふ。
意味はSe界を Oち付かせるための Sa々木さんの団 です。活動内容は特にないの。強いて言うなら、放課後や、休日にみんなで集まってのんびりすごしましょう、ってところかな」
それでは発表します。じゃじゃーん、『SOS団』ですっ!! ぱふぱふ。
意味はSe界を Oち付かせるための Sa々木さんの団 です。活動内容は特にないの。強いて言うなら、放課後や、休日にみんなで集まってのんびりすごしましょう、ってところかな」
「SOS団って、何で佐々木の名前が入ってるんだ?おかしくないか?」
「いいえ、団長は佐々木さんに勤めてもらうつもりだもの。これでいいのよ。佐々木さん、あなたにはぜひ参加してほしい、いえ、参加してもらわなければなりません、考えてくれますか」
「うん、団については大体分かったよ。ところで、SOS団には何人くらいの団員が居るの?」
「人数なら、わたしと、そこに立っている彼女、」
「――わたしは――九曜――――――――周防―九曜―――――」
「それからここには居ないけど藤原さんって男の人が居ます。彼は、バカバカしいから遠慮する、ですって。学校には来てるんでしょうけど。今日は顔出ししないみたい。ホントは来てもらいたかったんだけどね。こういうことは最初が肝心って・・・」
俺は、橘の言葉よりも、今目の前にある現実に驚きを隠せなかった。
たった今まで何も意識していなかったそこには、黒いもの、とでも形容すべきか、人が佇んでいた。そいつは、カラスよりも暗い色の髪を持っていた。その髪は、腰よりも長く伸び、おまけに波濤のように・・・・・・・・、コンブのような特長的な髪形をしている。
目立って仕方がないはずなのに、橘に言われるまで姿形が見て取れなかった。
どうやら佐々木も、この事態に少し戸惑っている様子だった。
たった今まで何も意識していなかったそこには、黒いもの、とでも形容すべきか、人が佇んでいた。そいつは、カラスよりも暗い色の髪を持っていた。その髪は、腰よりも長く伸び、おまけに波濤のように・・・・・・・・、コンブのような特長的な髪形をしている。
目立って仕方がないはずなのに、橘に言われるまで姿形が見て取れなかった。
どうやら佐々木も、この事態に少し戸惑っている様子だった。
「んん・・・!もうっ!お二人とも話を聞いてますか?とにかくそういうことなのです。佐々木さん、入ってくれますよね。」
「・・・っあぁ。そうだね。どうせ暇だし、入ってもいいかな」
おい、マジか。
「いいじゃないか。キミも部活には所属してないんだろう。いいじゃないか。少し面白そうだ」
やれやれ。暇なことには文句ないしこういうのもいいか。
なんて思った俺が間違いだったのかもな。兎にも角にも、俺の超不思議的生活はここから始まったのさ。
続けれない