連載 - 夢幻泡影-33d - 「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

まぁ、翼の兄ちゃんにも色々事情があるのだろう
と己を納得させつつ、俺は店員さんをつかまえて第２陣を頼んだのだった

(ミナワ>ご主人様ぁ～、あーん♪
(裂邪>あ～ん・・・うん、やっぱミナワに食べさせてもらうと５兆倍美味くなるな！
(ミナワ>もぉ、ご主人様ったらぁ///

この子進化しすぎ
目の前にローゼちゃんも日天ちゃんもいるのに「あーん♪」ですよ？
微笑みながら俺達を見ながら紅茶を飲むローゼちゃん
凄く怖い顔で俺達を睨みながらショートケーキ１切れを一口で平らげる日天ちゃん

(ローゼ>あらあら、本当に仲がいいのね～
(裂邪>ウヒヒヒ、俺とミナワの愛は不変かつ永遠だからね☆
(ミナワ>ご、ご主人様、ひひ人前ですよ！？///
(裂邪>お前言ってる事とやってる事が矛盾してるぞ可愛いなぁもう
(日天>（クソ・・・オレもいつかエーテル様に・・・！！）

ところで、だ

(裂邪>さっきから気になってたんだが・・・向こうが騒がしくないか？
(日天>あぁ、どうやら客がバカ騒ぎしているようだ
(ローゼ>ウェイトレスさんが困っているそうですわ
(裂邪>・・・そ、そうなのか

この２人、一体どうやって知ったんだろう
まさか食いながら耳を傾けてたのか？
「組織」ってスゲェな
その話を聞いて、ミナワが少し眉をひそめた
やはり女の子はこういう話を聞くのは嫌なのだろう

(ミナワ>ウェイトレスさんが・・・
(日天>全く、迷惑な話だ。オレ達と同じ女が辱められてると思うと吐き気がすｒ
(裂邪>あﾞ
(ミナワ>あ、やっぱり日天さんって女の子ですよね？
(裂邪>え？
(日天>・・・あぁ、そうだが
(ミナワ>申し訳ございません、ほらご主人様、謝りませんと
(裂邪>へ？
(ミナワ>「へ？」じゃありませんよ、さっき男の子と間違えてたじゃないですか！
(裂邪>あ・・・ご、ごめん日天ちゃんorz
(日天>いや、別にいいが・・・；

なん・・・だと・・・
ミナワが日天ちゃんがロリっ子だって気づいていた！？
しかもそれを知っててこんなにこやかに・・・可愛い
そして再度騒がしい方へ目を向けた
ちょっと影にでも閉じ込めて懲らしめようとか思ったのだが、
新たなウェイトレスさんの姿を見て止めた

(裂邪>・・・翼の兄ちゃんだ・・・

この瞬間に、ようやく兄ちゃんの算段が解せた
「女装した姿を迷惑な客に見せて早々に帰ってもらおう」っていう寸法か
やっぱあの人凄いわ――――と感心していた矢先にこれだ

(裂邪>・・・シェイド、ミナワ達に『闇隠し』。
(シェイド>［了解シタ］

ミナワとローゼちゃんと日天ちゃんの影から、黒い手がスゥッとのびて、３人の目を隠した

(ローゼ>あら？停電ですの？
(ミナワ>ご、ご主人様？どうかなさったんですか？
(日天>これは「シャドーマン」の能力か！？お前最初からそのつもりで・・・！
(裂邪>いや、３人とも、何もしないからマジで我慢してて

だってさぁ・・・男が男にセクハラしてるシーンなんて見せられる訳ないじゃない
これが原因で翼の兄ちゃんが変な方向に走るとやばい
てか走ってしまった後に俺に目を向けられる可能性が少しでもあるから怖い
だって俺、子供だし、可愛いし
男だけど
久しぶりに『闇誘拐』発動してやろうかと思ったが、またもそれは中断された
翼の兄ちゃんと、迷惑な客に割って入った青年

(裂邪>お、確か誠っていう兄ちゃんだったっけ？
　　　　プール編以来だな～、ロレーナちゃん元気にしてるのかなぁ

そういえば、あの兄ちゃんもそういう趣味だったような・・・
もう安全になったっぽいので、『闇隠し』から３人を開放する
とはいっても、日天ちゃんだけはずっと食べ続けていたのだが
が、ここでまた、俺達は一旦手を止めることになる
大いなる、邪悪な気配

(ミナワ>・・・ご、ご主人様、あの人・・・
(裂邪>ん？あぁ、翼の兄ちゃんの

灰色のコートのおっちゃん
翼の兄ちゃんの、お父様だ
お父様の姿を見て、２人の顔が一気に青ざめた

(日天>なっ・・・朝比奈秀雄・・・！？
(ローゼ>珍しいお客もいるのね・・・
(裂邪>え、知ってんの？
(日天>知らない訳がないだろ！？「悪魔の囁き」事件の首謀者だ！
(裂邪>へぇ、そんなヤバげなことやってたんだ
　　　　でも無事でいるってことは、もう大丈夫なんだろ？
(ローゼ>えぇ、そう聞いていますわ
(裂邪>じゃあいいじゃないの、食べよ食べよ
(ミナワ>ご、ご主人様は平気なんですか？
(裂邪>何が？
(ミナワ>そ、その・・・私は、この気配に耐えられなくて・・・
(裂邪>あぁ、慣れた
(ミナワ>１回だけしか会ってませんのに！？
(裂邪>１回会ったら十分だ

いやぁ、凄い迫力だった
セクハラ客には同情するよ、全く

　　　...to be Continued