「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-44g

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 人狼
 「汝は人狼なりや?(Are You a Werewolf?)」と言う名称でアメリカから発売されたパーティーゲームが一番有名であろうか
 元となった遊戯や同種のパーティーゲーム、オンラインプレイできるゲームと多々あるが、総じて「人狼ゲーム」等とも呼ばれる
 簡単に言えば、参加者は「村人」側と「人狼」側にわかれ、人狼は村人に気づかれぬよう潜み続け、毎晩一人を食らう。村人は潜んでいる人狼を見つけ出し、全て処刑しきる。人狼を全て処刑すれば村人の勝利。村人の数を自分達と同じ数まで減らせば人狼の勝利、と言うルールだ
 細かい選択ルールやら追加役職やらもろもろある訳だが、簡単に言えばそんなところである
 村人側に要求されるのは推理力、人外側に要求されるのは偽り出し抜く力
 どうあがいても、頭を使うゲームである
 参加人数によってはガッツリと運の要素も絡んでくるが、この人数であれば推理力の方が優先される

「ルールは、だいたいこんなとこ。どう、できそう?」
「なんだったら、最初は観戦するっす?それで基本的な流れはわかると思うっすけど」
「いや、だいたいはわかったし、とりあえずやってみる。これ、多分経験した方が早そうだし」

 優と憐に、そう答える早渡
 そう、彼の巻によれば、恐らくこの遊戯、経験を摘んだほうが有利になりやすい
 大体のセオリーがわかってきた方が、推理がやりやすい為だ……もちろん、そのセオリー通りに動かない相手もいる為、油断はできないが

「坊主も参加するんだったら、12人村……狐も入るな」

 鬼灯のその言葉に、早渡は一瞬、反応しかける
 ……「狐」
 そう、今回、彼も参加するこの人狼と言うゲームの役職に狐……妖狐等と呼ばれる役職・陣営も存在するのだ
 当然、あの「狐」とは関わりがない。関わりはない、が、やはり「狐」と言う単語には、一瞬反応しかける
 早渡のそんな様子に「先生」がにこりと笑って提案する

「狐と言う名称に何か感じるのであれば、別の呼び方にするかい?ゲームによっては呼び名違うしね。ハムスター人間とk「狐でお願いします」おや、そうかい?」

 ハムスター人間は流石に嫌らしい
 冗談みたいな名称だが、ルールによっては「妖狐」のポジションを「ハムスター人間」と呼ぶのだ

「初心者がうっかり狐引き当てると厳しいかもしれませんね」
「そん時はそん時だろ。頑張れ、って事で」

 龍哉は、万が一早渡が狐の役職を引いてしまった場合を心配してくれているようだが、直斗はあまり気にしている様子はない
 「経験するのが一番」と言うスタンスなのだろう
 実際、人狼は「こう言うように動こう」と思っても、いざやってみると思った通りにいかない、と言う事が多々ある。まずは経験するのが一番なのだ。どのような役職であれ

「じゃ、カード配るぞ。配役は人狼二人、狂人一人、狐一人。占い・霊能・狩人それぞれ一人ずつ。残りは全員村人。役職欠けはなし。素村の騙りは最終日以外禁止。リアル狂人行為禁止。晃とかなえは契約都市伝説から助言もらうのも禁止」

 役職が書かれたカードが配られていく
 自分の元に配られたカードを他の人に見せないように確認。自分の役職を把握し、ゲーム開始だ
 まずは「夜時間」と呼ばれる時間に、人狼は襲う相手を、村人サイドの特殊役職は能力を発動する相手を宣言する……のだが、基本、初日、人狼は襲う相手を選べない(初日は俗に「初日犠牲者」「身代わり君」等と呼ばれる者が犠牲となる事が決まっている、もしくは誰も襲われない為)。そこから、「狩人」と呼ばれる人狼の襲撃から毎晩一人だけ村人を守れる役職もまた、初日は能力を発動できない
 よって、初日に能力を発動できるのは「占い師」のみだ。村人一人を夜に占い、その人物が村人か人狼かを見抜くと言う、村人にとって非常に重要となる役職。「占い師」を引いた者は、GMに誰を占うかを指差して指示。GMは、その人物が「村人」であるか「人狼」であるかを「占い師」へと伝えた
 それが終わったら、次は人狼二人がそれぞれ、仲間を確認。行動方針は限られた時間内に筆談で行う
 ……なお、ネットのようなオンライン上ではなく対面式でゲームをやっている為、顔を上げる等の気配で誰が特殊役職を引いたかバレないよう、それぞれの座っている席は放していた。それでも気配を察知してしまうような者もこの場にはいる為、ポチが皆の足元をうろちょろして気をそらしている。ポチはそれくらいは指示されれば実行できる賢い子犬なのだ。疲れたら遠慮なく眠るのが欠点だが
 さて、それらの確認が終われば、まずは最初の「昼時間」が開始される

「……それじゃあ。夜が明ける。うさんくさい白衣が死体で発見された」

 人狼を見抜くゲームが、このようにGMの合図でスタートした

「占い師CO(カミングアウト)、占い結果、「先生」白!」
「俺が占い師だ!占った対象は「先生」、結果、村人!」

 昼時間開始と同時に、占い師が即座に結果を伝える
 これはよくある事だ
 一人しかいないはずの占い師が二人出るのも、人狼においてはよくある事だ
 ここまではいい。よくある事だから
 ただ

「あれ?」
「……初日、犠牲者なしだったはず」

 そう
 「昼時間」開始時、GMを担当している鬼灯はこう言った。「白衣が死体で発見された」と
 事実、「先生」は死亡者席の方に移動して「解せぬ」と言う顔をしていた

 「初日犠牲者なし」と言うルールにしていた以上、初日は死者なしのはず
 それなのに、死者が出た
 ……この事実が示すことは、一つ

「…もしかして、「先生」、妖狐引いた?」

 神子がぼそり、そう口にする
 そう、今回のルールにて採用されていた第三勢力「妖狐」
 その能力は、人狼に襲われても死ぬ事がないと言うもの。ただし、占い師に占われてしまった場合、問答無用で死亡する。通称「呪殺」等と呼ばれるものだ
 そして、先程「占い師」を名乗った二人は、どちらが本物かはさておきどちらも「先生」を占ったと宣言
 ……すなわち

「……初日呪殺」
「え、それってありえるのか?」

 ぽそ、と呟いた晃の言葉に思わず問いかける早渡
 ありえる、と晃はそのまま頷いた

「実際、「先生」死亡者席の方に移動してるし……そういう事なんでしょうね」
「これで、占い師の結果が割れてりゃ、その場で偽物がわかったんだがな」

 優と遥の言葉が続く
 そう、先程占い師を名乗った二人は、どちらも「先生」を占ったと宣言したのだ
 「先生」が妖狐であり、かつ初日犠牲者なしのはずなのに死体になっている以上、占い師が「先生」を占ったのは確実
 ここで、本物ではない占い師が「先生」以外を占ったと宣言していれば、そちらは偽物だと確定されるのだ
 今回の場合、どちらも「先生」を占ったと宣言した為、偽物を見抜く判断材料にはならないが

「俺は、「先生」が敵サイドだったら厄介だと思って占ったけど」
「俺も。「先生」、こういうゲーム強そうだな、と」

 占い師を名乗ったのは、直斗と早渡
 それぞれの「先生」を占った理由はこの通りだ
 死亡者席の「先生」が二人の言い分を引いて「解せぬ」顔を続行している

「まぁ、妖狐がもういないってのは安心できていいっすね。おうどん(妖狐陣営勝利)の心配しなくてすむっすから」

 どちらが真占いか、と言うことはさておき、妖狐陣営の勝利がなくなった事実を喜ぶ憐
 村人側としても人狼側としても、妖狐陣営勝利は悔しい事態なので、先に妖狐が始末できたのは嬉しい事なのだ。妖狐陣営からしてみれば悔しいだろうが

「とりあえず、白進行なんだし、霊能出てもいいな。霊能誰だ?」

 灰人が、「霊能」に名乗り出るように促した
 すると

「あ、霊能私」
「俺だ、霊能」

 神子と慶次の声が、被った
 両者とも、む、と言う表情で互いを見る

「占い二人に霊能二人……」
「これは、どちらかに狼がいますね」

 かなえの言葉に、龍哉がそう続けた
 妖狐がいない以上、役職を騙っているのは狂人と人狼しかいない
 占いか霊能の中に、人外が紛れ込んでいる、と言うことになる

「占い真狂の霊能真狼か……?」
「狂人潜伏でどっちも人狼の騙りとか」
「そんな大胆な戦法とってくる人狼いたら負けでいいわよ。狂人は人狼と相談できないんだし、まず、騙りで出てると見ていいでしょ」

 それぞれ、推理し、それを口に出す
 こうして、村人は隠れている人狼を見つけ出し、人狼は村人逹を巧みに混乱させて勝利を狙うのだ

「占いと霊能の真偽は一旦、置いておいた方がいいんじゃねぇのか?」
「そうっすね。今日はグレランにして、明日以降占いの真偽詰めていく感じにしたいっすね」

 占い師も霊能も、まだどちらが真であるか決めかねる場面
 そんな時、誰を吊り上げるべきかとなった場合、よくとられるのが「占いから白であると言われている者以外」…つまりはグレーの者から適当に投票すると言う手段。「グレラン」等と呼ばれるやり方だ
 ゲームが進んでいくとグレランと言う行為は危険だが、序盤はこうするのが一番だ

「グレランって、どういう基準で投票すればいいんだ?」

 グレーゾーンの中から誰か適当に、となっても、完全初心者の早渡はどう判断して投票すれば良いのかピンと来ない
 なので、正直に尋ねてみた
 そうすると

「直感でしょうか」

 と、答えたのが龍哉

「気に食わないやつ」

 と答えたのが遥

「発言省みて怪しいと思ったやつ」

 と、答えたのが慶次
 遥の回答は「ちょっと待て」と突っ込むものとしておいておくとして、ようは最初の投票なんて、よほど失言していない限りは勘だ
 他にもステルス吊りやら多弁吊りやら、人によってグレランの投票基準は様々である。ひどい場合だと「隣だから」とかそんな理由で投票する者もいる

「と、言うか。「狩人」が誰かわからない以上、「狩人」吊る危険性あるんじゃ」
「その時はその時よ」

 そう、特殊役職の中、唯一、誰も名乗り出ていない「狩人」
 人狼の襲撃から誰か一人を護衛して護るこの役職は、通常、積極的に名乗り出る役職ではない
 正体がバレた瞬間、自らを護衛できない「狩人」はそのまま狼に喰われるパターンが多いからだ


「…さて、昼時間終了。投票だ」

 鬼灯がそう宣言する
 投票相手は紙に名前を書いて、GMに手渡す形で行った
 その結果、一日目、吊られたのは

「優だな」
「あらー……まぁ、仕方ないわね」

 票がバラけた中、唯一2票もらった優が脱落
 優はそのまま死亡者席に移動した
 そのまま、何やら「先生」とぼそぼそと話し出す。まだゲームを続けている面子には聞こえない程度の声量なので聞こえることはない

 昼時間、終了
 ーーー夜時間へと突入する
 「占い師」が占い先を指定。「狩人」が護衛先を指定。ついでに「狩人」であることの証明に使う「狩人日記」を書いておく
 そうしてから、人狼が襲撃先を指定。簡単な相談

 二度目の夜時間が終わり、二度目の昼時間へと突入する
 二度目の昼時間、昨晩の人狼の襲撃による死者は

「え?誰も死んでいない?」

 死亡者席へと移動した者は誰もいない
 人狼は「襲撃しない」と言う行動をとることはできない為、こうして死者がいない、と言うことは

「護衛成功の犠牲者なしか?」
「あぁ、そうだ」

 灰人の質問に、鬼灯がそう答えた
 そう、「狩人」の護衛先と人狼の襲撃先が一致。犠牲者が出なかったのだ
 村人は誰も犠牲とならなかった為、村人に有利な状況となる

「狩人誰かわからないけど、よくやった!占い結果、かなえ、人狼!」
「吊り数余裕ができるんだったか、護衛成功すると。えーと、占い先は荒神……あ、憐の方。占い結果村人」

 …………

「ん?」
「え、わ、私?」

 直斗が「人狼だ」と示した相手は、かなえ
 かなえはおたおたとした表情を浮かべる

「かなえ占った理由は、前の昼時間で発言少ない気がしたから。ステルスかと思って」
「……こっちは、結構喋ってるな、と思って占い先を決めた」

 直斗、早渡、それぞれ占った理由も述べる
 発言数が少ない、多い。どちらも疑われる事があるのだから、人狼というものは発言のさじ加減も難しいのだ

「占い先どっちも了解っすー。んー、かなっちが黒……」
「…ここは、かなえ吊って、霊能に結果見てもらうのが早いか?」

 憐、灰人、それぞれがそう口にした
 直斗と早渡、どちらが真の占いかはまだ判断しきれないが、かなえを吊って霊能に村人だったか人狼だったか判断してもらう、と言うことだ
 そうする事で。直斗が真であるかどうか、推理の材料となる

「と言うか、昨晩の結果は……」
「「優は村人」」
「だよな」

 なお、昨晩グレランで吊られた優の結果はこの通りである
 うんうん、と死亡者席に座る優が霊能二人が口にした結果に頷いている

「あー。でも。そうやって色を見る、となると。霊能が人狼に襲われるんじゃないか?」
「……それ、ない、と思う」

 早渡の懸念に、晃がぽそ、と反論した

「……この状況、人狼が霊能襲うの、危険。自白になりかねない」
「自白?」
「今、霊能は二人名乗り出てるでしょ?この状況で片方の霊能を食べちゃうと、生き残った方が人狼だって言ってるようなものになるのよ」

 神子の説明に、あぁ、と納得する早渡
 なるほど、霊能のどちらかは狂人、もしくは人狼
 本物の霊能を食べてしまうと、もう一方は「偽物」と言う事になる
 霊能の片方が狂人であったのだとしても、人狼がどちらかを襲って食ってしまえば疑いがむく可能性は否定できない
 ……もちろん、そうした「セオリー」を逆手に取った作戦もあるのだが

「ちなみに、かなえさん。実は狩人だった、と言うような宣言はありますか?」
「えっと、その……ない、です」

 龍哉に問われ、おろおろしながらかなえはそう答えた

「護衛成功で余裕あるし、今日はかなえ吊りで霊能に結果見てもらおうぜ」
「……まぁ、その手が一番だよな」

 他、特に誰か異論を唱えることもなく
 昼時間二回目。かなえ吊りに決定
 三回目の夜時間は、先程の寄る時間と同じ流れで進んでいき
 ……三回目の昼時間

「晃は死体で発見された」
「………むぅ」

 晃が人狼に襲撃され、死亡者席に移動
 みなの周りをうろちょろするのに疲れたのか、ポチもいつの間にか優の膝の上に移動していた
 「先生」がそんなポチに指先でちょっかいを出して、前足でべっち、と叩かれている

「「霊能結果、かなえは人狼!」」

 犠牲者発表の後、神子と慶次が同時に霊能結果を宣言
 結果は、どちらもかなえは人狼だった、と言うもの
 そして、占いの結果だが

「占い結果、早渡は村人!潜伏人狼は見つけたし、確実に人狼いそうなとこから占った。多分、早渡は狂人で霊能のどっちかだな」
「占い結果、獄門寺は村人……俺視点だとまだ狼見つけてなかったから、グレーから占ったんだが……」

 このようにわかれた
 霊能、占い、双方の結果を合わせて早渡が偽……とは、まだ言い切れない
 なにせ、占いのふりをした狂人が騙った結果が、たまたま人狼にヒット、ということもありえるからだ
 時折、本物の占い並の仕事をする狂人がいるから困る

 さて、この日は誰を吊るか、話し合いが始まるわけだが

「はーい。霊能ロラを提案するっすー」

 と、ぴ!と憐が宣言した
 霊能ロラ。霊能ローラー。すなわち、霊能を名乗る者を順番に全員吊るす。そういう戦法だ
 長所は、人外が隠れている場合確実に一人は吊れる事。欠点は、本物の霊能も吊ってしまう事

「え、どうして霊能を?人外が隠れてる可能性なら、占いでも……」
「霊能はー、もうお仕事終了してるっすからー」

 疑問を口にした早渡に、憐はへらりとした表情でそう答えた
 憐のその言葉に、慶次がはっとした表情になる

「あー……あぁ、そうか。確かに役割終了してるな。人狼を一人見つけ出してっから」

 霊能の能力は、吊った相手が村人であったか人狼であったかを見抜くこと
 かなえが人狼であった、と言う結果を見つけ出した霊能は、もう仕事が終わっているのだ
 なにせ、残る人狼はあと一人。その人狼を吊り上げた時点で村の勝利が確定し、ゲーム終了である

 もしも、かなえが村人だったのか狼だったのか、霊能二人の結果が割れていた場合はまた別の考え方をしなければいけないのだが、霊能二人の結果は「かなえは人狼」で同じだった

「役職欠けなしっすから、占いが真狼で霊能が狂狼って心配はないっすしね。遠慮なくローラーできるっす」
「役職欠けなしだったとしても、そんな配役の村あったら嫌だわ。ない訳じゃないけど」

 ……他、特に有益な意見は出ない
 早渡は何やら思考を巡らせ、何か言いたそうにしているがうまく案が出ないらしい
 神子は「霊能の仕事終わったし。それが妥当ね」と言う態度。慶次も同じく

 ………昼時間終了
 霊能のどちらを先に吊るか、と言う話にはならなかった為、それぞれが霊能どちらかに投票
 結果

「慶次吊り………村に人狼はいなくなった。村人側の勝利だ」
「あー……こっち先に吊られたか」

 仕方ねぇわ、と言う顔の慶次
 勝利した村人サイドの面子は、よっしゃあ!と嬉しそうだ

「負けたー……なるほど、こういう感じでやるのか」
「……狂人、そっちか」

 慶次の言葉に、ぱたん、と突っ伏した早渡がそうだよ、と答えた
 狂人は人狼陣営勝利が勝利条件の為、村人側が勝利した場合、生き残っていても敗北となるのだ

「お、お疲れ様……えっと、私達、最初に直斗君を襲撃したけど。狩人、誰だったの?」
「僕です。初日からずっと、直斗を護衛しておりました」

 かなえの問いには、龍哉がそう答えた
 どうぞ、と狩人日記を公開。確かに、直斗を連続護衛している

「え、こっち信じてもらえてなかった?」
「いえ、最初は占い師のどちらか、と思いまして。直斗の護衛が成功したので、そのまま続けました」

 護衛成功、と言うことは人外ではない事は確かと言う事になる(妖狐が生き残っていた場合は別だが)
 運良く最初の護衛が成功したのであれば、その相手を護り続けるのは狩人として間違っている戦法ではないのだ

「はい、皆お疲れ様であるよ。うーん、妖狐を引けたので思い切り好き勝手やろうと思っていたが初日呪殺とは。実に残念」
「初日に呪殺できてよかった」

 えー、と不満そうな「先生」だが、この人物が妖狐を引いて好き勝手動いた場合、村人側も人狼側も両方引っ掻き回すこと確実な為、初日に呪殺できてよかった、としか言いようがない
 そもそも、妖狐は村人人狼どちらも引っ掻き回すのが生き残るコツなので、「先生」のやり方が間違っている訳でもないが

「しゅうっち、初心者なのに狂人お疲れ様ー、っす。どうっす?人狼やってみた感想は」
「あ、えーっと……と、言うか。待って。「しゅうっち」って」
「しゅうっちの事っすよー?」

 へらん、といつもの調子の笑顔で早渡に話しかける憐
 ……微妙に、遥から睨むような視線が早渡に飛んでいるが、気づかないほうが幸せだろう

 遊びを終えた後の子供達の平和な光景に、大人二人は穏やかに、笑った






to be … ?



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