【不思議少女シルバームーン 第九話 第三章「決着」】
「手間取らせてくれたねえ……スバル。」
沈黙して動かない少年。
全身をワイヤーで切り刻まれてわずかに生の気配が聞こえるばかりの少年。
彼の姿を感慨深げに見つめる死んだ少年。
ジャックはスバルの身体を軽々持ち上げると彼をワイヤーで十字架にくくりつける。
全身をワイヤーで切り刻まれてわずかに生の気配が聞こえるばかりの少年。
彼の姿を感慨深げに見つめる死んだ少年。
ジャックはスバルの身体を軽々持ち上げると彼をワイヤーで十字架にくくりつける。
「いい眺めだ……。
あと三十分かそこらで君と僕は一つに……いやこの世界中が一つになる。
装置によって増幅された僕の力で全世界的に行われる無差別吸血で……
世界人口の七割以上が僕の眷属となるわけだ。
きっとそこには痛みも苦しみもない素敵な世界が待っているんだ……。」
あと三十分かそこらで君と僕は一つに……いやこの世界中が一つになる。
装置によって増幅された僕の力で全世界的に行われる無差別吸血で……
世界人口の七割以上が僕の眷属となるわけだ。
きっとそこには痛みも苦しみもない素敵な世界が待っているんだ……。」
そこまで彼が呟いた所で扉が開く。
「残念だが……お前の野望はそこまでだ!」
「あらん、可愛い男の子、キライジャナイワ!」
「ふん、明尊と……お姉さんどちら様?」
「悪に名乗るナマエハナイワ!」
「ああそう。」
「あらん、可愛い男の子、キライジャナイワ!」
「ふん、明尊と……お姉さんどちら様?」
「悪に名乗るナマエハナイワ!」
「ああそう。」
真紅のコートが風もないのになびいている。
青いローブが静寂を湛えて寄り添う。
そこに立っていたのは上田明尊とカイト・クローバーだった。
結局、様々な妨害をねじ伏せて彼らが真っ先にこの場所にたどり着いたのだ。
青いローブが静寂を湛えて寄り添う。
そこに立っていたのは上田明尊とカイト・クローバーだった。
結局、様々な妨害をねじ伏せて彼らが真っ先にこの場所にたどり着いたのだ。
「どうするんだい?僕を倒す?」
「ああ、そうさせてもらうよ。」
「そこのお姉さんはともかく、そんな自分との適合率の低い都市伝説で僕と渡り合えると思っているのかい?
装着型と相性が良いみたいだし……せめて日数を装着して僕の前に立って欲しかったな。
あれの脱着による高速移動だったら僕に迫るチャンスは有ったと思うけど。」
「あんな卵の殻、もう要らないよ。」
「ああ、そうさせてもらうよ。」
「そこのお姉さんはともかく、そんな自分との適合率の低い都市伝説で僕と渡り合えると思っているのかい?
装着型と相性が良いみたいだし……せめて日数を装着して僕の前に立って欲しかったな。
あれの脱着による高速移動だったら僕に迫るチャンスは有ったと思うけど。」
「あんな卵の殻、もう要らないよ。」
ジャックが懐から髑髏の形をした仮面を取り出す。
カイトが懐からUSBメモリの形をした契約書を取り出す。
明尊は自らの羽織っていた赤いコートを真上に放り投げる。
カイトが懐からUSBメモリの形をした契約書を取り出す。
明尊は自らの羽織っていた赤いコートを真上に放り投げる。
「――――――躄れ死神!」
「聖者の光で魔女が照らす、魔法少女セイント☆カイト!」
「戦慄け天地現世に踊れ、装着型宝貝混天綾起動!」
「聖者の光で魔女が照らす、魔法少女セイント☆カイト!」
「戦慄け天地現世に踊れ、装着型宝貝混天綾起動!」
ジャックの仮面があっという間に鎌に形を変えて彼の手の中に収まり、突然黒衣が彼の身体を覆った。
青いローブからクリーム色の光が羽衣のような形をとって溢れ出す。
只の赤いコートだった物が一瞬で持ち主の全身を包み真紅の戦闘服に変化する。
青いローブからクリーム色の光が羽衣のような形をとって溢れ出す。
只の赤いコートだった物が一瞬で持ち主の全身を包み真紅の戦闘服に変化する。
「君たちごときに吸血鬼の能力を使うまでもない。一撃で刈り取ってあげるよ。」
「この町の魔法少女が一人だけじゃないってことを教えてあげるわ。」
「ふん、この姿では刀が邪魔だな。」
「この町の魔法少女が一人だけじゃないってことを教えてあげるわ。」
「ふん、この姿では刀が邪魔だな。」
かくて戦いは……
「ちょぉっと待ったあああああああ!」
風が吹く。
駆け抜ける黒い影。
快音と共に十字架が破壊され、気を失ったスバルがそこから落下する。
駆け抜ける黒い影。
快音と共に十字架が破壊され、気を失ったスバルがそこから落下する。
「させるか!」
スバルの元に駆け寄るジャック。
だがその瞬間、彼の身体に無数の鋼線が絡みつく。
だがその瞬間、彼の身体に無数の鋼線が絡みつく。
「先日の意趣返しということで一つお願いしますね。」
「しまっ!?」
「しまっ!?」
ジャックの身体から鮮血が噴き出す。
「朔夜ちゃん!今だよ!」
「任せて霙!」
「任せて霙!」
落下するスバルを抱きかかえながら少女は箒に風を纏わせてジャックに向けて投げつける。
鋼線に絡め取られたジャックはそれの直撃を受けて血反吐を吐く。
鋼線に絡め取られたジャックはそれの直撃を受けて血反吐を吐く。
「スバル!あんた大丈夫なの!?」
「うぐ……大丈夫に、見えるなら……お前の眼も相当な節穴だな。」
「ああ、大丈夫そうね。」
「ていうか何お前らいつの間に仲直りしたの?
サバサバしすぎじゃね?少年漫画かよ。」
「うぐ……大丈夫に、見えるなら……お前の眼も相当な節穴だな。」
「ああ、大丈夫そうね。」
「ていうか何お前らいつの間に仲直りしたの?
サバサバしすぎじゃね?少年漫画かよ。」
抱えていたスバルをそこらへんに放り投げると二人の少女は方を並べてジャックと向かい合う。
かくて戦いは始まった。
かくて戦いは始まった。
「いいじゃない別に。」
「仲よき事は美しき哉、って言うじゃないですか。」
「それにほら、友達だし。」
「一度拳を交わしたらねえ……。」
「仲よき事は美しき哉、って言うじゃないですか。」
「それにほら、友達だし。」
「一度拳を交わしたらねえ……。」
「おしゃべりはそこまでにしたらどうかなぁ?」
ジャックはボロボロの身体を引きずり起こす。
風もないのに黒衣がまるで生物のようにゆらめく。
何本もの白いラインのあしらわれたそれはそれ自体がまるで何かの生き物のようだった。
風もないのに黒衣がまるで生物のようにゆらめく。
何本もの白いラインのあしらわれたそれはそれ自体がまるで何かの生き物のようだった。
「喰らえ!これが死神のちか……」
「人の話は最後まで聞け!」
「隙ありよ!」
「人の話は最後まで聞け!」
「隙ありよ!」
明尊が華麗なドロップキックをジャックに決める。
体勢を崩したジャックにカイトの召喚した雷が直撃する。
体勢を崩したジャックにカイトの召喚した雷が直撃する。
「じゃあ貴方を倒してからゆっくりとおしゃべりと行かせてもらおうかしら!」
「私の名前は魔法少女シルバームーン!」
「私の名前は魔法少女レインバレル!」
「「町を泣かせる悪いやつは!月に代わって……」」
「おいおい。」
「え?」
「折角月が云々ってならさ、俺も混ぜろよおおおおおおおおおおおおお!」
「私の名前は魔法少女シルバームーン!」
「私の名前は魔法少女レインバレル!」
「「町を泣かせる悪いやつは!月に代わって……」」
「おいおい。」
「え?」
「折角月が云々ってならさ、俺も混ぜろよおおおおおおおおおおおおお!」
スバルが咆哮する。
それと同時に彼は再び人外の、狼男の姿へと変化する。
それと同時に彼は再び人外の、狼男の姿へと変化する。
「朔夜!霙!今回は録音しないでおいてやるよ!」
「それじゃあ今度こそ遠慮無く。」
「「「月に代わってお仕置き」」」
「よ!」
「です!」
「だ!」
「それじゃあ今度こそ遠慮無く。」
「「「月に代わってお仕置き」」」
「よ!」
「です!」
「だ!」
「馬鹿にしやがってええええええええええ!」
ジャックは鎌を霙に向けて投げつける。
耐久力で劣る彼女から叩き潰す魂胆だ。
その速度、当然人間には反応できない。
耐久力で劣る彼女から叩き潰す魂胆だ。
その速度、当然人間には反応できない。
「頭に血が上ってるみたいだな、ジャック!」
しかしその行動を先読みしてジャックと霙の間に立つスバル。
身を呈して霙の体を守る。
当然鎌は彼の身体を傷つけるが、その時にはすでにカイトがスバルの補助に回っていた。
ジャックに守ってもらったことで出来た時間を使い、霙は大量のビーズをジャックに投げつける。
爆風に巻き込まれてジャックは吹き飛ぶ。
身を呈して霙の体を守る。
当然鎌は彼の身体を傷つけるが、その時にはすでにカイトがスバルの補助に回っていた。
ジャックに守ってもらったことで出来た時間を使い、霙は大量のビーズをジャックに投げつける。
爆風に巻き込まれてジャックは吹き飛ぶ。
「スバルちゃん!」
カイトは瓶に入った河童の薬をスバルにかける。
あっという間に傷が塞がっていく。
あっという間に傷が塞がっていく。
「ありがとうございます!」
「お礼は後!」
「カイトさん!この部屋の奥にある天球儀が奴の計画の肝です!
それを破壊しないとジャックが街中、いや世界中の人間の血を吸ってしまうそうです!」
「解ったわ、じゃあ私がそれを破壊させてもらうわよん!」
「お礼は後!」
「カイトさん!この部屋の奥にある天球儀が奴の計画の肝です!
それを破壊しないとジャックが街中、いや世界中の人間の血を吸ってしまうそうです!」
「解ったわ、じゃあ私がそれを破壊させてもらうわよん!」
カイトは奥の部屋へと走る。
しかし、彼の眼の前に大量の植物が現れて彼の道を塞ぐ。
しかし、彼の眼の前に大量の植物が現れて彼の道を塞ぐ。
「なっ、この能力は!?」
「ジャックの悲願だものねえ……ノびているわけにはいかないわ。」
「ジャックの悲願だものねえ……ノびているわけにはいかないわ。」
カツ、カツ、カツ、と靴の音が響く。
背の高い、モデルのようなスタイルの女性がそこに立っていた。
紅瀬縁だった。
背の高い、モデルのようなスタイルの女性がそこに立っていた。
紅瀬縁だった。
「あれ……紅瀬ちゃん生きていたの?」
「ええジャック、地獄で伯父さんに会って来ちゃったわ。
……怒られちゃった。」
「新手か……。」
「俺に任せろ!」
「ええジャック、地獄で伯父さんに会って来ちゃったわ。
……怒られちゃった。」
「新手か……。」
「俺に任せろ!」
赤い影が宙を舞う。
明尊がカイトとスバルを軽々と飛び越えて空中で回転しながら紅瀬に向けて踵落としを放つ。
が、紅瀬は半歩姿勢をずらして回転していた明尊の、しかも喉笛に素手で突きを放つ。
明尊の体重をも生かした一撃が彼に牙を剥く。
激痛にうずくまった明尊を紅瀬は勢い良く蹴り飛ばした。
明尊がカイトとスバルを軽々と飛び越えて空中で回転しながら紅瀬に向けて踵落としを放つ。
が、紅瀬は半歩姿勢をずらして回転していた明尊の、しかも喉笛に素手で突きを放つ。
明尊の体重をも生かした一撃が彼に牙を剥く。
激痛にうずくまった明尊を紅瀬は勢い良く蹴り飛ばした。
「カハァッ」
「甘いわね、腕力だけで戦ってるんじゃあまだ二流よ。」
「ゲホッ!おいおいあんた肉弾戦出来たのかよ……。」
「少なくとも貴方よりは嗜んでるわよ、殴り合いだけなら。」
「しゃべっている間が隙が見えますね。」
「吹き飛んじゃいなさい!」
「見えてるんじゃなくて見せてんのよ。」
「甘いわね、腕力だけで戦ってるんじゃあまだ二流よ。」
「ゲホッ!おいおいあんた肉弾戦出来たのかよ……。」
「少なくとも貴方よりは嗜んでるわよ、殴り合いだけなら。」
「しゃべっている間が隙が見えますね。」
「吹き飛んじゃいなさい!」
「見えてるんじゃなくて見せてんのよ。」
朔夜と霙が紅瀬を挟み撃ちにして疾風と爆弾を放つ。
しかし紅瀬は大量の樹木を自分の側に展開、風の流れを変えて爆弾を明尊の方へ弾き飛ばす。
しかし紅瀬は大量の樹木を自分の側に展開、風の流れを変えて爆弾を明尊の方へ弾き飛ばす。
「ぐおわあああああああああああ!」
「あ、明尊さん!?」
「構っちゃ駄目よ霙!」
「僕はかまって欲しいんだけどなあ!」
「あ、明尊さん!?」
「構っちゃ駄目よ霙!」
「僕はかまって欲しいんだけどなあ!」
ジャックは霙に向けて鎌を横になぎ払う。
彼女はそれを打神鞭で受け止めるとジャックに向けて回し蹴りを放つ。
彼女はそれを打神鞭で受け止めるとジャックに向けて回し蹴りを放つ。
「きゃっほー!パンチラ!」
「透けた!?あとこれは見せパンよ!」
「ハラショー……。」
「透けた!?あとこれは見せパンよ!」
「ハラショー……。」
朔夜の蹴りをジャックは透過する。
「言い忘れていたがこの死神には実体がない。」
「さっき明尊の蹴り食らってたくせに!」
「だから動揺したんだよ馬鹿!」
「さっき明尊の蹴り食らってたくせに!」
「だから動揺したんだよ馬鹿!」
蹴りを外して隙だらけの朔夜にジャックが拳を振るう。
拳は直撃、だが朔夜はそれを平然として受け止める。
拳は直撃、だが朔夜はそれを平然として受け止める。
「ガハァッ!」
「女の子にあるまじき悲鳴だね。」
「やっぱり攻撃している間は実体なんだ、これで捕まえたよ。」
「しまった、実体化を解かないと……!」
「女の子にあるまじき悲鳴だね。」
「やっぱり攻撃している間は実体なんだ、これで捕まえたよ。」
「しまった、実体化を解かないと……!」
血を吐きながらも朔夜はジャックの腕を捕まえる。
ジャックは実体化を解いてすかさず後ろに下がる。
だがそこで何かにぶつかる。
彼が後ろを振り返るとそれはそれは嬉しそうな顔をした上田明尊が立っていた。
ジャックは実体化を解いてすかさず後ろに下がる。
だがそこで何かにぶつかる。
彼が後ろを振り返るとそれはそれは嬉しそうな顔をした上田明尊が立っていた。
「そうかそうか……俺の攻撃は何故か効くのか……。
多分今俺が契約している都市伝説のおかげだろうなあ……。」
「げ」
多分今俺が契約している都市伝説のおかげだろうなあ……。」
「げ」
「秘拳・骨喰」
ジャックの背後に何時の間にか立っていた明尊。
片腕を上げた姿勢。
振り下ろした。
空を切り裂く。
ジャックにはそれがまるでスローモーションのように見えた。
徐々に迫る明尊の掌。
悪魔の笑い声のような風切り音。
ローブにわずかにだけ触れる。
それはまるでゴミ処理車のようにジャックのローブを巻き込んで糸屑へと変換していく。
咄嗟にローブを脱いでそれを躱す。
が、遅い、わずかに巻き込まれて平手が彼の頬を掠っていく。
混天綾に包まれた指先が彼の頬の肉をキリキリと削ぎ落していく。
摩擦熱のためか焼けるように熱い。
自分の立っている場所の隣の床に穴が開いている。
遅れて聞こえてくる破壊音。
ジャックは腰を抜かしたままゴロゴロと転がりながら距離を取る。
ジャックが立ち上がってからやっと頬から大量の血が流れでた。
片腕を上げた姿勢。
振り下ろした。
空を切り裂く。
ジャックにはそれがまるでスローモーションのように見えた。
徐々に迫る明尊の掌。
悪魔の笑い声のような風切り音。
ローブにわずかにだけ触れる。
それはまるでゴミ処理車のようにジャックのローブを巻き込んで糸屑へと変換していく。
咄嗟にローブを脱いでそれを躱す。
が、遅い、わずかに巻き込まれて平手が彼の頬を掠っていく。
混天綾に包まれた指先が彼の頬の肉をキリキリと削ぎ落していく。
摩擦熱のためか焼けるように熱い。
自分の立っている場所の隣の床に穴が開いている。
遅れて聞こえてくる破壊音。
ジャックは腰を抜かしたままゴロゴロと転がりながら距離を取る。
ジャックが立ち上がってからやっと頬から大量の血が流れでた。
「…………外したか。」
「なんなんだ今のは……!?」
「次は外さないぞ。」
「なんなんだ今のは……!?」
「次は外さないぞ。」
バチィン!と派手な音が鳴って混天綾が明尊の身体からはじき飛ばされる。
中から現れた明尊の瞳は赤く染まっていた。
中から現れた明尊の瞳は赤く染まっていた。
「……ああ、そうか。人間の部分を弱くしたんだね。」
「浮き沈みの調整はある程度自由だからな。」
「契約を維持できないでその都市伝説は君から離れた訳か。
君にとって契約は拘束具みたいなものってことかい?」
「おしゃべりしてる暇有るのかしら。」
「浮き沈みの調整はある程度自由だからな。」
「契約を維持できないでその都市伝説は君から離れた訳か。
君にとって契約は拘束具みたいなものってことかい?」
「おしゃべりしてる暇有るのかしら。」
突風がジャックを襲う。
明尊が先ほどの攻撃で起こした土埃がジャックにまとわりつく。
明尊が先ほどの攻撃で起こした土埃がジャックにまとわりつく。
「行きなさい明尊!」
「さんをつけろよこのデコスケがああああああ!」
「さんをつけろよこのデコスケがああああああ!」
明尊は混天綾を腕に巻きつけてジャックにもう一撃を放とうとした。
「だから雑なのよ、一々さ。」
側面から腕への手刀。
紅瀬による一撃だった。
紅瀬による一撃だった。
「え?」
行き場を見失った力は暴走して明尊はその場で独楽のように回転。
自分から地面に激突する。
自分から地面に激突する。
「あんた相手なら私の攻撃も効くわね!」
すかさず朔夜が竜巻を起こして紅瀬を攻撃する。
「ひき肉になりなさい!」
しかし、引きちぎれはじけ飛んだのは木片だった。
「あれ?」
「それは木で作った分身よ。すり変わっていたのさ。」
「キャッ!」
「それは木で作った分身よ。すり変わっていたのさ。」
「キャッ!」
長い脚を生かした美しい蹴り。
朔夜の鳩尾にそれが入る。
朔夜の鳩尾にそれが入る。
「殴り合いにかけては本当に頼りないわねジャック。」
「よく言われるよ。」
「行きますよカイトさん!」
「任せて霙ちゃん!」
「よく言われるよ。」
「行きますよカイトさん!」
「任せて霙ちゃん!」
光の束と大量の爆弾が紅瀬を襲う。
だがジャックが二人の攻撃の前に立ちふさがる。
ジャックは紅瀬を庇って大量の蝙蝠を召喚。
二人の攻撃を受け止めた。
だがジャックが二人の攻撃の前に立ちふさがる。
ジャックは紅瀬を庇って大量の蝙蝠を召喚。
二人の攻撃を受け止めた。
「嘘!?」
「止められた!?」
「忘れていないかい?僕が吸血鬼だってこと。」
「俺は覚えている!お前が仲間を庇ってしまうってこともな!」
「止められた!?」
「忘れていないかい?僕が吸血鬼だってこと。」
「俺は覚えている!お前が仲間を庇ってしまうってこともな!」
スバルが紅瀬に襲いかかる。
当然ジャックはそれを庇わざるをえない。
確かにそれは実体が無い死神の能力を持つジャックに攻撃を当てる唯一の方法だった。
当然ジャックはそれを庇わざるをえない。
確かにそれは実体が無い死神の能力を持つジャックに攻撃を当てる唯一の方法だった。
「いやあ、そうとも限らないぜ。」
スバルの脚に草が絡みつく。
転んだスバルに大量の蔦が襲いかかる。
転んだスバルに大量の蔦が襲いかかる。
「だってほら……隙だらけだし。」
「ええ、貴方達がね。」
「ええ、貴方達がね。」
火炎が紅瀬を包む。
何時の間にか霙は火炎放射器を取り出していた。
ついでにスバルの身体に絡みついた蔦を焼き払ってスバルを助ける。
何時の間にか霙は火炎放射器を取り出していた。
ついでにスバルの身体に絡みついた蔦を焼き払ってスバルを助ける。
「厄介ねえ。」
焼け落ちた木片の中から無傷の紅瀬が現れる。
「しかし紅瀬ちゃん、強くなりすぎてないかい?」
「地獄から蘇ったんだもん、覚醒くらいしないと。」
「地獄から蘇ったんだもん、覚醒くらいしないと。」
その時、部屋の中に鐘の音が鳴り響く。
「時間が来たみたいだね!」
「なに!?」
「なに!?」
窓の外が完全に暗くなる。
皆既日食だ。
皆既日食だ。
「嘘でしょ……!?」
「もう君たちに構う必要はない!」
「もう君たちに構う必要はない!」
ジャックは部屋の奥に走りだす。
それを止めようと五人はそれぞれに攻撃を放つが……
それを止めようと五人はそれぞれに攻撃を放つが……
「みんなー、時間よー。」
紅瀬が指を鳴らす。
五人とジャックの間に大量の子供たちが立ちふさがる。
五人とジャックの間に大量の子供たちが立ちふさがる。
「あ、あれは!?」
「見覚えが有るの明尊ちゃん!?」
「俺が救い出した子供たちだ!」
「ちょ、これじゃ攻撃できないわ!」
「紅瀬貴様アアアアアアアアアアアアアアア!」
「これだけいれば一分は稼げるかしら。」
「見覚えが有るの明尊ちゃん!?」
「俺が救い出した子供たちだ!」
「ちょ、これじゃ攻撃できないわ!」
「紅瀬貴様アアアアアアアアアアアアアアア!」
「これだけいれば一分は稼げるかしら。」
しかしたった一人だけ人の壁を顔色一つ変えず切り崩して紅瀬に向かっていった男がいる。
「人質なんて通用しねえよ。」
「え?」
「え?」
舞い散る鮮血。
突き刺さる。
牙が、爪が、紅瀬の身体に。
突き刺さる。
牙が、爪が、紅瀬の身体に。
「After all you are only a human.」
吐き捨てるようにスバルは呟いた。
紅瀬は物も言わずに崩れ落ちる。
所詮、人間。
何の対策も無しに都市伝説の力で攻撃されれば一溜まりもない。
次に動いたのは明尊だった。
わずかに生まれた隙間を縫って奥の部屋に突入する。
その部屋には大量の機械や天球儀が置いてあった。
紅瀬は物も言わずに崩れ落ちる。
所詮、人間。
何の対策も無しに都市伝説の力で攻撃されれば一溜まりもない。
次に動いたのは明尊だった。
わずかに生まれた隙間を縫って奥の部屋に突入する。
その部屋には大量の機械や天球儀が置いてあった。
「遅かったね、明尊ちゃん。
明尊ちゃんのママの転移能力で一足先に来てたよ。」
明尊ちゃんのママの転移能力で一足先に来てたよ。」
そこで彼が見たのは意外なものだった。
「ルル……!?」
ただの一人でジャックを圧倒するルル=ベル。
そして
そして
「ここでもジャマをするのか……笛吹きいいいいいいいいいいいいいい!」
無様に地面に倒れ伏しながら激昂するジャックだった。
「どういう……ことだ?」
「ハーメルンの笛吹き男、って知ってる?」
「知ってるも何も……。」
「F-No.によって秘匿されていた兵器。
今の私はそれと契約しているの。」
「本来の、親父の都市伝説じゃねえか!それにお前はラプラスの悪魔と……」
「私の製造目的はラプラスの魔との契約だけじゃなかったみたいね。
使い手の現れない最強クラスの都市伝説を一時的に運用するための仮初の器。
それが私……みたいなんだよね。」
「上田明也!何故だ!何故お前は!邪魔し続ける!
倒れてもなお貴様の残した物が俺に牙を剥く!」
「でもね、やっぱり不完全みたいで……。」
「ハーメルンの笛吹き男、って知ってる?」
「知ってるも何も……。」
「F-No.によって秘匿されていた兵器。
今の私はそれと契約しているの。」
「本来の、親父の都市伝説じゃねえか!それにお前はラプラスの悪魔と……」
「私の製造目的はラプラスの魔との契約だけじゃなかったみたいね。
使い手の現れない最強クラスの都市伝説を一時的に運用するための仮初の器。
それが私……みたいなんだよね。」
「上田明也!何故だ!何故お前は!邪魔し続ける!
倒れてもなお貴様の残した物が俺に牙を剥く!」
「でもね、やっぱり不完全みたいで……。」
ルルの頭から煙が吹き出る。
人工知能が限界を迎えているのだ。
人工知能が限界を迎えているのだ。
「明尊ちゃん、急いであの装置を破壊して。三十秒続かなさそうだわ。」
「おう!」
「おう!」
即答。
「なにこれ!?」
「どういうことなんです!?」
「どういうことなんです!?」
遅れてスバル達が部屋に現れる。
「話は後だ!スバル!お前の言う天球儀ってどれだ!」
「分からない!片っ端から壊してくれ!」
「やめろ!やめるんだ!やめてくれえええええええ!」
「早く!ジャックの支配が解けちゃう!」
「分からない!片っ端から壊してくれ!」
「やめろ!やめるんだ!やめてくれえええええええ!」
「早く!ジャックの支配が解けちゃう!」
五人全員が部屋の中の天球儀を片っ端から破壊し始める。
「うわああああああああああああああ!」
ジャックの悲鳴が部屋中に木霊する。
それと同時にルルの頭から火花が出る。
それと同時にルルの頭から火花が出る。
「大丈夫か!ルル!」
「ごめん、明尊ちゃん……。私が壊れたら代わりは居ないのに……。」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおお!」
「ごめん、明尊ちゃん……。私が壊れたら代わりは居ないのに……。」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおお!」
ジャックの身体が動く。
都市伝説とは本来的に精神の力に由来するものだ。
怒りに震える彼の力は圧倒的だった。
咄嗟にジャックに向かっていった明尊とスバルは床に叩きつけられる。
カイトも遅れてありったけの魔法を叩き込むが傷一つつけられない。
朔夜と霙を無視してジャックは天井を突き破りタワーの屋上に一人立つ。
都市伝説とは本来的に精神の力に由来するものだ。
怒りに震える彼の力は圧倒的だった。
咄嗟にジャックに向かっていった明尊とスバルは床に叩きつけられる。
カイトも遅れてありったけの魔法を叩き込むが傷一つつけられない。
朔夜と霙を無視してジャックは天井を突き破りタワーの屋上に一人立つ。
「これではこの町程度しか巻き込めないが……今回は仕方ないな。
発動せよ、“死の河”!」
発動せよ、“死の河”!」
街中から大量の死体がジャックに向けて飛んでくる。
人間の死体、吸血鬼の死体。
そこに残っていた生体エネルギーを吸収し、ジャックは巨大な蝙蝠の姿へと変貌する。
太陽の消えた町の中に化物と化した彼のけたたましい声が響く。
人間の死体、吸血鬼の死体。
そこに残っていた生体エネルギーを吸収し、ジャックは巨大な蝙蝠の姿へと変貌する。
太陽の消えた町の中に化物と化した彼のけたたましい声が響く。
「くそがああああ!死人しか喰らえないじゃないか!
皆既日食でもこの程度か!世界を食らう僕の計画が!」
皆既日食でもこの程度か!世界を食らう僕の計画が!」
「朔夜ちゃん……逃げよう」
吠え猛るジャックを前にして霙は呟く。
「目的は達成した、後はこの街の誰かが決着付けてくれるよ。
私たちじゃあんな化物勝てっこないよ……。」
私たちじゃあんな化物勝てっこないよ……。」
後ずさる。
一歩ずつ。
一歩ずつ。
その時突然、真下から爆発音が轟く。
霙の仕掛けていた時限爆弾の最初の小爆発だ。
過剰な魔力を散布して魔力に由来しない都市伝説の動きを鈍らせる働きがある。
霙の仕掛けていた時限爆弾の最初の小爆発だ。
過剰な魔力を散布して魔力に由来しない都市伝説の動きを鈍らせる働きがある。
「逃げられないでしょうが。あんたが爆破工作したんだから。」
「……忘れてた。あと三分くらいでビルは全壊すると思う……。
どうしよう……。」
「……忘れてた。あと三分くらいでビルは全壊すると思う……。
どうしよう……。」
霙は泣き声だ。
「あいつら置いて逃げられないしね。」
朔夜はジャックが開けた穴から屋上へ飛び上がる。
「ジャック!勝負よ!」
「またお前か!もうイイだろう!僕は失敗した!失敗したんだ!
八つ当たりにこの街を壊してどこかに雲隠れさせてもらうよ!」
「またお前か!もうイイだろう!僕は失敗した!失敗したんだ!
八つ当たりにこの街を壊してどこかに雲隠れさせてもらうよ!」
ジャックは口から超音波を出して朔夜を攻撃する。
これには朔夜もたまらず蹲る。
しかし、その時朔夜の後ろから半ばヤケクソ気味な絶叫が轟く。
これには朔夜もたまらず蹲る。
しかし、その時朔夜の後ろから半ばヤケクソ気味な絶叫が轟く。
「あああああああああああ!もう!」
爆音。
「霙!」
「もうどうしようもないじゃない!音は何とかするから早くやって!」
「うるさいガキだ!」
「もうどうしようもないじゃない!音は何とかするから早くやって!」
「うるさいガキだ!」
ジャックの体当たりで霙は屋上から突き落とされる。
朔夜は慌てて彼女を助けるためにビルから飛び降りる。
風をまとった朔夜は霙を抱きかかえると地面に降り立つ。
朔夜は慌てて彼女を助けるためにビルから飛び降りる。
風をまとった朔夜は霙を抱きかかえると地面に降り立つ。
「お、おい人が降ってきたぞ!」
「あれ……魔法少女の子じゃないか!?」
「蝙蝠の化物まで降りてきた!」
「警察です!皆さん離れてください!ここから先は危険です!」
「あれ……魔法少女の子じゃないか!?」
「蝙蝠の化物まで降りてきた!」
「警察です!皆さん離れてください!ここから先は危険です!」
先ほどからビルで起きていた爆発により、そこには野次馬が集まっていた。
「はっはっは!都合よく人が集まっている!全員ぶっ殺してやるよ!」
「させない!」
「させない!」
ジャックの前に立ちふさがる朔夜。
「邪魔しないでよね!」
「キャアアアアアアアアア!」
「キャアアアアアアアアア!」
超音波が朔夜の身体に浴びせかけられる。
再び身動きをとれなくなる朔夜。
再び身動きをとれなくなる朔夜。
「あっ!魔法少女の子が!」
「おいやべえぞあれ!」
「おい頑張れ魔法少女!」
「負けるな魔法少女!」
「シルバームーン!」
「俺はあの子に救われたことがあるんだ、何があっても俺はあの子を応援するぞ!」
「危険です!皆さん離れてくださいよお!」
「おいやべえぞあれ!」
「おい頑張れ魔法少女!」
「負けるな魔法少女!」
「シルバームーン!」
「俺はあの子に救われたことがあるんだ、何があっても俺はあの子を応援するぞ!」
「危険です!皆さん離れてくださいよお!」
新人警官が泣きそうな声で哀願する。
「良いんじゃ、ないかな。」
新人警官の肩に手を置く男。
「明日さん!」
「俺が後で怒られれば済む!」
「俺が後で怒られれば済む!」
明日真はメガフォンを新人からひったくり群衆に向けて叫ぶ。
「皆さん!魔法少女を応援してやってください!あの子は確かに皆を守るために戦い続けて居ました!」
「「「「おおおおおおおおおおおお!」」」」
「「「「おおおおおおおおおおおお!」」」」
大歓声。
小石や瓦礫がジャックに向けて飛ぶ。
小石や瓦礫がジャックに向けて飛ぶ。
「邪魔臭いなあ!」
ジャックが首を曲げて群集に超音波を放とうとする。
「―――――――それはさせられないんだなあこれが。」
明日真は狂骨を身に纏って群衆の盾になる。
「皆さん!大きな声でお願いします!
声援が彼女に力を与えてくれるんです!
俺が皆を守ります!だからその間にもっと!」
声援が彼女に力を与えてくれるんです!
俺が皆を守ります!だからその間にもっと!」
窓ガラスが割れんばかりの大音響。
その中で朔夜が立ち上がる。
その中で朔夜が立ち上がる。
「シルバームーン!がんばれ!」
「負けるなシルバームーン!」
「シルバームーンちゃん!」
「シルバームーン!」
「助けてくれシルバームーン!」
「応援してるぞ!」
「シルバームーン!勝って!」
「シルバームーン!」
「あんときはたすけてくれてありがとうなシルバームーン!」
「シルバームーンファイト!」
「行けシルバームーン!」
「シルバームーン!俺だ!結婚してくれ!」
「この街の皆がシルバームーンの味方だぞ!」
「絶対勝ってくれシルバームーン!」
「シルバームーン!娘に良いところ見せてやってくれ!」
「シルバームーンのお姉ちゃんがんばれー!」
「シルバームーンちゃん応援してるわよー!」
「シルバームーン!シルバームーン!」
「負けるな僕らのシルバームーン!」
「あんたがヒーローだ、シルバームーン!」
「魔法少女シルバームーン!」
「負けるなシルバームーン!」
「シルバームーンちゃん!」
「シルバームーン!」
「助けてくれシルバームーン!」
「応援してるぞ!」
「シルバームーン!勝って!」
「シルバームーン!」
「あんときはたすけてくれてありがとうなシルバームーン!」
「シルバームーンファイト!」
「行けシルバームーン!」
「シルバームーン!俺だ!結婚してくれ!」
「この街の皆がシルバームーンの味方だぞ!」
「絶対勝ってくれシルバームーン!」
「シルバームーン!娘に良いところ見せてやってくれ!」
「シルバームーンのお姉ちゃんがんばれー!」
「シルバームーンちゃん応援してるわよー!」
「シルバームーン!シルバームーン!」
「負けるな僕らのシルバームーン!」
「あんたがヒーローだ、シルバームーン!」
「魔法少女シルバームーン!」
「ありがとうみんな!」
打神鞭に勇気の風が集まる。
「無駄だよ!」
再びジャックは超音波を放つ。
しかし……
しかし……
「無駄なのはあんたの攻撃よ!」
それは朔夜の元へは届かない。
そう、超音波はこの声援によって掻き消されてしまったのだ。
そう、超音波はこの声援によって掻き消されてしまったのだ。
「頑張れシルバームーン!」
一際大きく明日真が叫ぶ。
「え?」
「砕け散れえエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
「砕け散れえエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
都市伝説の力とは精神の力だ。
ジャックの力もそうだったように、心の高ぶりで朔夜の力は極限まで上がっていた。
ジャックの身体に疾風が直撃する。
ジャックの力もそうだったように、心の高ぶりで朔夜の力は極限まで上がっていた。
ジャックの身体に疾風が直撃する。
「この……程度かい?」
しかしそれでも、正面から疾風を受け止めてジャックは笑う。
一歩、また一歩ジャックは朔夜に近づく。
一歩、また一歩ジャックは朔夜に近づく。
「頑張ってシルバームーン!」
少女の声。
朔夜は振り返る、霙の声だ。
二人の視線が今正に通じ合う。
朔夜は振り返る、霙の声だ。
二人の視線が今正に通じ合う。
「いや……頑張って、朔夜。この街の皆を助けて。」
目を見て、霙はハッキリと言った。
「うん!」
その瞬間、朔夜自身の身体から旋風が巻き起こる。
これは打神鞭の力じゃない、彼女自身の魔法だ。
先ほどの小規模な爆発で爆弾から溢れ出していた魔力が朔夜の身体に影響を与えたのだ。
朔夜の身体は溢れ出す魔力が生んだ金色の光に包まれて輝く。
これは打神鞭の力じゃない、彼女自身の魔法だ。
先ほどの小規模な爆発で爆弾から溢れ出していた魔力が朔夜の身体に影響を与えたのだ。
朔夜の身体は溢れ出す魔力が生んだ金色の光に包まれて輝く。
「……やった!」
「パワーアップしたぞ!」
「俺たちの声援でパワーアップしたのか!?」
「さすが魔法少女!」
「良いぞおおおおおおおおおおお!」
「嘘、だろ……!?僕が負ける!?
なんでだよ、なんで皆邪魔するんだ、僕はただ誰も争わない世界が……
誰も傷つけ合わない世界が見たかっただけなのに。
なんで…………皆を僕が幸せにできるのに!」
「あんたに二つだけ良い事教えてあげるわ。」
「え?」
「自分の考えた自分の正義を勝手に他人に押し付けるな!
あとねえ……私たちの幸せぐらい、私たちは自分の手でつかめるわ!」
「パワーアップしたぞ!」
「俺たちの声援でパワーアップしたのか!?」
「さすが魔法少女!」
「良いぞおおおおおおおおおおお!」
「嘘、だろ……!?僕が負ける!?
なんでだよ、なんで皆邪魔するんだ、僕はただ誰も争わない世界が……
誰も傷つけ合わない世界が見たかっただけなのに。
なんで…………皆を僕が幸せにできるのに!」
「あんたに二つだけ良い事教えてあげるわ。」
「え?」
「自分の考えた自分の正義を勝手に他人に押し付けるな!
あとねえ……私たちの幸せぐらい、私たちは自分の手でつかめるわ!」
ジャックの身体から血が吹き出す。
そのままじわじわと二三歩後ろに下がり、ビルの中へと吹き飛ばされる。
そしてそれと同時に、霙の仕掛けていた時限爆弾が大爆発を起こした。
こうして全世界を巻き込んで始まった戦争はここに終結したのである。
割れんばかりの拍手と喝采が魔法少女を讃えていた。
そのままじわじわと二三歩後ろに下がり、ビルの中へと吹き飛ばされる。
そしてそれと同時に、霙の仕掛けていた時限爆弾が大爆発を起こした。
こうして全世界を巻き込んで始まった戦争はここに終結したのである。
割れんばかりの拍手と喝采が魔法少女を讃えていた。
【不思議少女シルバームーン 第九話 第三章「決着」】