夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

博麗霊夢&アヴェンジャー

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匿名ユーザー

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                     われわれは何事についても1%の百万分の一も知らない

                                        ――発明王、トーマス・アルヴァ・エジソン




「最悪」

 グラスに注がれた琥珀色のウィスキーを一口するなり、その女性は愚痴を零した。
白い石鹸の如くに綺麗な肌をした、一目見て十代だと分かる、年若い綺麗な少女である。
零した言葉に込められた心情を余す事無く、その顔付きは表現していた。
眉間にしわが寄せられたその様は、誰が見ても『不愉快である』以外の気持ちを読み取る事は出来ないだろう。

「この店はお気に召さなかったかな?」

 少女の向かい側に座る男が、訊ねて来た。
……ゾッとする程の美貌の持ち主だった。腕利きのテーラーに仕立てて貰ったであろう高級そうな黒スーツを厭味なく着こなす、金髪に赤青オッドアイの美青年。
高い鼻梁、理知的な輝きを宿す双眸、微かに吊り上げられた唇。顔の造詣は、男性美の純粋な結晶そのもの。
体格も身長も、人体の黄金比と言える程完璧なバランスを保っており、極め付けが、身体から発散される都会的で、スマートな空気。
一目見て理知的だと悟らせる風貌だった。さながら、古の昔から連綿とその高貴な血統を受け継いできた、貴族。
さながら、世の男性が求めてやまない要素を全て獲得したような、完璧な紳士。何も知らない一般人が目の前の男を見て抱く印象は、そんな所だろうか?

「お酒は美味しいわよ。だけどこんな場所じゃなかったら、もっと美味しかったでしょうね。お酒の美味しさは場の質に左右されるのよ?」

「成程、それには私も同感だ」

 フフ、と笑みを浮かべて金髪の男が返した。
並一通りの女性が見たら、熱にうなされ恋に焦がれる程の魅力的な微笑みであったが、対面する少女は全く靡きもせず、不機嫌そうな態度を崩しもしない。

 場所は冬木市新都某所に建てられた、会員制の高級BAR、その中でも更に上客にしか案内されない最高級のVIPルームだった。 
壁に掛けられた燭台と弱めの光しか放たないシャンデリアで薄暗めに演出された室内、西欧から仕入れたと思しき最高級のソファ、
本物の水晶と何ら遜色はないクリスタルガラスのテーブル、その上に置かれた、一本数十万は下らないとされる銘柄ウィスキーとつまみの数々。
それを、少女は気に食わないと言った。余人と酒を飲んで語らうのならこれ以上とない環境であるにもかかわらず、だ。

「アンタ、よく人から白々しいとか、わざとらしいとか、胡散臭いとかよく言われない?」

 コト、とガラステーブルの上にウィスキーグラスを置いてから、少女が言葉を投げ掛けて来た。

「直そうとは思っているのだがね。どうにも生れ持った性分は直し難いのだよ」

「ったく、どうして私の周りにはこうもアクの強い奴しか集まらないのよ……」

 心底辟易したような態度で少女は愚痴る。
……見れば見る程、この場においては異様な少女だった。脇の部分を露出させた、紅白の『巫女服』を着用しているのだ。
頭に付けられた大きな赤リボンが良く似合う、可愛らしいこの少女。ドレスコード及び年齢を考えた場合、このようなBARにおいては店先で門前払いも不可避の人間だろう。
名を『博麗霊夢』と言うこの少女は、正真正銘本物の巫女、本物の十代前半の女性である。
そんな少女がこの店のVIPルームに案内され、あまつさえ酒を口にする。これを以上と言わずして、なんと言う。

「それで、よ」

「フム」

「幻想郷に戻れる方法はあるの?」

 射抜くような目線で、金髪の男を睨めつける霊夢。
嘘やごまかしは一切許さないと言う、彼女にしては珍しい、強く確かな意思がその黒い瞳に内包されていた。
少女とは思えない、大の男でも怯みかねない程の気魄をぶつけられても、金髪の男は何処吹く風。実に涼しげな顔をして受け止めるだけであった。

「色々な可能性を思い描いてはみたが、我々の組がこの戦いに勝ち残る事しか他にないようだね」

「ちょっと、ちゃんと本気で考えてる?」

「はは、君がそう言いたい気持ちも理解出来るが、コレが事実なんだよ、マスター」

 ある程度予期出来た事であるが、選択肢は一つしか霊夢には残されていなかったようである。
ますます機嫌が悪くなる。酒の味とは、気分に大きく左右される。
これではテーブルの上の酒も、ヘドロのような味しか感じられないであろう。


 聖杯戦争。下らない催しだと霊夢は思う。
二人の願いを叶える為だけに、他の何十人もの参加者を殺し尽すと言う、気の違った様な争い。まるで蠱毒だ。
そして参加者は、ただ殺し合うのではない。自らに宛がわれた『サーヴァント』と呼ばれる、人間を超える戦闘能力を秘めた存在を駆使し、勝ち残らねばならないのだ。
しかも、七日と言う期限の間に最後の一組が残らなければ、聖杯戦争を開催する冬木市ごと消滅、願いを叶える事もなく全員死んでしまうらしい。

 ……全く笑えない。こんなつまらないジョーク、妖精だって口にしない。
その面白くないジョークの場に、霊夢は招聘されてしまった。妖怪達の最後のユートピアである幻想郷は博麗神社から、外界とはまた異なる世界に存在する冬木市へと。

「人を殺すのは嫌かい? マスター」

 ガラステーブルの上に置いてあったグラスを手にし、中のオンザロックを転がしながら、金髪の男が訊ねて来た。
ピクっ、と霊夢の眉が一瞬反応する。男は相変わらず、アルカイックスマイルを浮かべていた。

 男の聞いた事は、半分は間違い、半分は正解だ。
霊夢は決して平和な世界からやって来た訳ではない。幻想郷とは、妖怪が人間を喰らい、戯れで殺す事など珍しくもない世界だった。
そんな世界で生まれそだった彼女の死生観は現代の人間とは異なり、冷たく、シビアである。
妖怪や、それに準ずる超常の存在を相手に一戦を交え、最悪葬り去る事だってどうとも思ってはいない。
但し――相手が人間となると、少々気が引ける。出来なくはない、と思うのだが、人を殺した経験は霊夢にはない。不安じゃないと言えば、嘘になる。
霊夢が自信をもって『殺せる』と断言出来るのはサーヴァントであるが、このサーヴァントと言う存在は霊夢の思う以上に強い存在であり、
彼女では成す術もなく殺される事だって、珍しくないと言う。
そもそもマスターである霊夢がサーヴァントを直接相手取ると言う事が、聖杯戦争の考えからしたら異端そのものであり、自殺行為そのものなのだ。

 ではサーヴァントは誰が下すのかと言えば――この金髪の男。
聖杯戦争において、本来存在しない筈のエクストラクラス、『アヴェンジャー』。つまり、復讐者のクラスを割り当てられたサーヴァントだった。

「嫌ならばそれで良い。私が何とか、君が人を殺さないように善処しよう」

「アンタが? 冗談でしょ、私から見えるステータスは……貧弱そのものだけど」

 だが懸念があった。そう、このアヴェンジャーの男、直接戦闘がかなり苦手なのである。
何せ筋力と耐久が最低値、やや優れているのは敏捷、魔力と幸運は最高クラス、と言う極端なタイプ。
魔力が高い癖に、キャスタークラスではない為陣地作成も道具作成も持たない。そもそもサーヴァントに魔術は効果が薄い。予め耐性を持っているからだ。
つまりこのサーヴァントは、その高い運でのらりくらりと立ち回る事が必要なサーヴァントなのである。これで不安を覚えるな、と言う方が無茶であった。

「はは、正直に言わないでくれ。貧弱さについてはこれでも少々気にしているんだ。此処まで弱体化しなければ、私は聖杯に呼ばれもされなかったのだからね」

「呼ばれもされなかったって、まるで呼ばれたかったみたいな言い草ね。こんな馬鹿みたいな催しに」

「私にとっては、楽しい催しだよ。マスター」

「……人が死ぬかもしれないのに、楽しいのかしら?」


 スッ、と目を細めて、アヴェンジャーを見つめる霊夢。
静かな声音だった。しかしそれでいて、その声の冷たさと刺々しさたるや、尋常のものではなかった。
まるで、氷の刃の剣先をそのまま首筋に突き付けられているかのような……。そんな感覚を、常人ならば覚えるであろう。
対するアヴェンジャーは、実に涼しげな顔をするだけであった。

「幻想郷、妖怪妖魔達のサンクチュアリを管理する巫女の割には、人道的な事を口にするのだね」

「質問の答えになってないわよ、アヴェンジャー」

「失礼。率直に言えば、かなり楽しみだよ。あぁ、ただ誤解しないように言っておくよ。人が死ぬのが楽しいのではない。
このような状況で人間が何を選び、何をきっかけとして変わって行くのか。私にとって興味のある事柄はそれだけで、聖杯については欠片も興味がない」

「ハッキリしたわ。アンタ、性格悪いわよ」

「生来からのものは変え難いのだよ、マスター。それに、聖杯戦争において召喚されるサーヴァントと言うのは、大なり小なりマスターの性格や性質、
生きざまを反映する、鏡のようなもの。私が君に呼応して此処に呼ばれたと言う事は、つまりそう言う事ではないのかね?」

「楽園の素敵な巫女に向かって失礼ね。アンタの言った事が事実なら、アンタを呼び出すに相応しい存在は八雲紫以外にいないわよ」

「成程、確かに彼女なら一見すれば私と反りは合うように見えるだろうな。尤も、私は彼女に従うつもりもないし、彼女も私から早々に縁を切りたがるだろうがね」

「……知ってるの? アイツの事」

 意外そうな顔つきで、霊夢が聞いて来た。フフッ、と、蠱惑的な笑みを浮かべてアヴェンジャーが口を開く。

「インテリくずれでね。特に神や悪魔、妖怪と言った存在には目がないのだよ」

 言ってから、それまで手に持っていたウィスキーグラスの中身を全て飲み干す。
アヴェンジャーが音もなくテーブルにグラスを置いたと同時に、霊夢が声を発する。

「まぁでも、紫に比べたら、アンタの方がイイ性格してるわね」

「ほう、善良と言う意味かな?」

「悪辣って意味よ」

 スッ、とソファから立ち上がり、アヴェンジャーを見下ろしながら霊夢は言葉を続ける。

「紫の胡散臭さやわざとらしさは、全て幻想郷の為を思ってか、そもそも何にも考えてない事が大体だったけど、アンタは違うわね。アヴェンジャー」

「と言うと?」

「アンタは明白に、腹の中に何かを隠し持ってるタイプよ。それも、大体良からぬ事を、ね」

 テーブルの上に置いてあったウィスキーグラスを乱暴に手にし、グイッと一気に煽る霊夢。
カッ、と良い音を立ててテーブルの上に置くと、早歩きでドアへと近づいて行く。と、まだソファに足を組んで座っているアヴェンジャーの方に顔を向けて、言葉を発した。

「聖杯戦争が楽しみ、って言ったわね、アヴェンジャー」

「あぁ、そうだね」

「自分本位なアンタがもしも、私が死んだ方が『楽しめそうだ』って思ったのなら、アンタは私を見捨てるのかしら?」

「マスターが死ぬ事をよしとするサーヴァントは聖杯戦争に存在しないよ」

 表情も口調も声のトーンも一切崩しもせず、アヴェンジャーが言った。
あまりにも堂々と。あまりにも自信満々と。それが、当然であるかのごとくに。
しかしそれを受ける霊夢の態度は、「ふぅん」、と、口調も態度も冷めたものだった。

「私ね、結構勘は鋭い方なの。下手なおみくじより良く当たるとも評判よ? で、そんな私の勘が弾き出した答えはね――」

 一呼吸置いてから、霊夢が言った。

「アンタは私の死すらも、悪巧みの歯車の一つとしか数えてない、って事よ」

「……」


 静かな笑みを浮かべるだけ。無言を貫きながら、アヴェンジャーは霊夢の方を見つめていた。
霊夢の方も、厳然とした態度で彼を見つめるだけ。互いの目線が、交錯する。蛇と蛇が絡み合うが如くにねじくれあう二人の視線。
無言の睨み合いが、唐突に終わりを告げた。霊夢が、アヴェンジャーに背を向けたのである。

「精々、私の身を守って見せてよね。頼りないサーヴァントさん?」

「頼りないなりに、善処しよう」

 言葉を聞き終えるや、霊夢はドアを開け、部屋の外へと出て行った。
薄暗く、ムーディーな部屋の中に、アヴェンジャー一人だけが残された。
聖杯戦争はもう始まっている。自分も行かねばならないな、と思い、彼は重い腰を持ち上げた。
すると、規則正しいリズムのドアノックの音が、四回程響いて来た。「入っても構わない」、そう口にすると、灰色のスーツを着た壮年の従業員がドアを開けて入室する。
入るなり、「失礼します」と恭しく礼をして見せるその様は、如何にもVIP客に対する礼儀を心得たベテランと言った様子であった。

「お連れのお嬢様が御外へと出られましたので、何事かと思いまして……」

「彼女は酒があまり強くないのだ。夜風に当たりたいのだろう。私も店を出る。次に来る時は、なるべく飲みやすく度数も低い物を用意してくれないか?」

「畏まりました、『閣下』」

 再度従業員がアヴェンジャーに対して深々とお辞儀をする。
アヴェンジャーの事を見る壮年の男の瞳は、尊崇、敬愛、畏怖。凡そ人類が表現しうる、様々な尊敬と崇拝の感情がないまぜになっていた。
まるでアヴェンジャーの事を、『神』として認識しているような……。

「下がって良い。私も出る」

「はっ」

 言うと、音もなく壮年の従業員が退室する。
また一人きりになったVIPルームの中で、アヴェンジャーは一人、意味深長な微笑みを浮かべ、クツクツと笑い始めた。

「やはり来た甲斐があったな、聖杯戦争……」

 聖杯に無理に介入し、この偽りの冬木市に降臨した苦労に見合う愉悦が、此処にはあった。
戦争が本格的に始動する前から、あの面白さであるのだ。多少の弱体化など問題にならない程、アヴェンジャーの心は昂っていた。
これからどのように聖杯戦争を楽しんでやろうか。どのような面子を、魔界に誘ってみようか。霊夢の処遇はどうしようか……考える事は山積みで、そして、楽しみは尽きなかった。

 シャンデリアの光が、アヴェンジャーを照らす。
出来上がった影には、『六枚の翼』が背中から生えているのが解った。

 アヴェンジャーの真名は、ルイ・サイファー………………。



【クラス】

アヴェンジャー


【真名】

ルイ・サイファー@真・女神転生シリーズ


【ステータス】

筋力E 耐久E 敏捷C 魔力EX 幸運EX 宝具EX


【属性】

混沌・善


【クラススキル】

復讐者:EX
己の復讐に縁があるものと対峙した際、筋力・耐久・敏捷のパラメーターがスリーランクアップする。
アヴェンジャーの場合は『唯一神』及び『大いなる意思』の関係者、及び『天使』としての属性を持つ者と対峙した場合、このスキルが発動する。
宇宙開闢以降、最初に四文字の神及び彼を生み出した大いなる意思に対して反旗を翻した明けの明星たるアヴェンジャーは、歴史上最古かつ最大の復讐者である。

対魔力:E+++++
魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を削減する。
……但しアヴェンジャーの場合は、その削減する数値が異常で、如何なる魔術も物理的な攻撃も、元の威力の四分の一しか効力を発揮されない。
神霊級の魔術の直撃でもない以上堪えもしない為、事実上、魔術的手段でアヴェンジャーを一撃で葬り去る事は出来ない。

神性:-
かつては最高ランクの神性ランクを誇っていたが、前述の反逆により、このスキルは失われている。

【保有スキル】

大魔王:EX
悪魔、その中でも高位の存在である魔王であるか。
アヴェンジャーは神に反逆して見せた魔王の中の魔王・大魔王であり、悪魔としての格は規格外である。
一切の精神干渉を無効化し、令呪による縛りすらも制御。EXランク相当のカリスマと反骨の相も内包。
相手の保有する唯一神や天使に関係するスキルや宝具の効果を無効化させる。
また思考回路が人間と決定的に違う為、逆にアヴェンジャーに無理に精神干渉を行うと、致命的に精神と大脳を破壊される。

単独行動:EX
マスター不在でも行動可能。
このランクの単独行動になると、マスターの魔力供給を一切不要とし、例えマスターが死亡したとて行動を可能とする。
アヴェンジャーを直接滅ぼさない限りは、彼は聖杯戦争の舞台から退場する事はない。

話術:EX
言論によって人を動かせる才。国政から詐略・口論まで幅広く勝利が約束されている。
アヴェンジャーの話術は精神干渉、魔法に等しく、対抗する術は高ランクの精神防御スキル・宝具でも不可能で、
アヴェンジャーが話している事柄についての完璧な知識と、それを反証する論理構築力でなければならない。

直感:EX
戦闘・平常時に常に自身にとって最適かつ最善の展開を“予見する”能力。
研ぎ澄まされた第六感は、完璧に等しい精度の未来予知を可能とし、視覚・聴覚に干渉する妨害を全て無効化する。

人間観察:A+++
人々を観察し、理解する技術。
古の昔より人類を観察し、彼らと付き合い続けて来たアヴェンジャーは、人類が抱える光の側面や闇の側面に極めて造詣が深い。
アヴェンジャーを上回る人間観察ランクの持ち主は、彼のもといた世界群の中では、全人類の心の影である『這いよる混沌』以外は存在しない。


【宝具】

『征服によって平和を齎す銃(ピースメーカー)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:10~50 最大補足:1
アメリカのハンドガンメーカーの老舗、コルト社が製作した、リボルバーの元祖ともなった歴史的な名拳銃、コルト・シングルアクションアーミー。
通称、ピースメーカー。アメリカ西漸運動最後の時代に、カウボーイやガンマン、軍隊から無法者に至るまで幅広く使われた、拳銃の雛形。
――を模した、悪魔の銃。それがこの宝具である。外側は確かにピースメーカーなのであるが、その性能は全くの別物、と言うよりこれは拳銃ですらない。
相手の対魔力ランクや耐性を無効化し、防御力を以て威力を減算させるしかない万能属性の弾丸と、威力を何百倍にまで引き上げた物理属性の弾丸を射出する宝具。
直撃こそすれば凄まじい力を発揮するが、アーチャークラスではなくアヴェンジャークラスでの召喚の為、命中精度は著しく低い。
と言うよりアヴェンジャーは、わざととしか言いようがない程見当違いの方向に発砲する事が殆どで、威嚇射撃の為の道具としかこの宝具を考えていないフシがある。

『私がきみのきっかけになろう(TALK)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~声の届く範囲まで 最大補足:1~声の届く範囲まで
保有スキルである『大魔王』・『話術』・『人間観察』、以上三つのスキル効果を同時に発動させて相手に語りかける宝具。
理性や考える力と言うものが存在する限り、相手はアヴェンジャーの話に耳を傾けてしまい、彼の思うがままの行動を取らされてしまう。
高ランクの精神汚染や精神異常、菩提樹の悟りや目覚めた人などの精神防御や精神的スーパーアーマーを保証するスキルを保持していたとしても、
確率で耳を傾けてしまい、判定に成功したとしても、心の何処かでアヴェンジャーの言葉を気に掛けさせる事もある。
一切の魔力も力も要らずして発動する奇跡の一種であり、半ば魔法の領域にまで片足を突っ込んでいる。

『明けの明星(ルシファー)』
ランク:EX 種別:対創造主宝具 レンジ:1 最大補足:1
アヴェンジャーが有する真の宝具。
発動させると自らを、十二枚の翼を持つ優美な大天使――或いは、六枚の翼を持った巨大で禍々しい大魔王の姿へと変貌させる。
神霊級の魔術や奇跡、魔法そのものを発動させる事を可能とし、全ステータスがEXになるなど、絶大な戦闘能力の発揮を可能とする。
完全に聖杯戦争の枠組みを逸脱した宝具(形態)である為、如何なる手段を用意しようとも、アヴェンジャーがこの宝具を発動出来る事は、ない。

【weapon】

種々様々な魔術を行使する事が出来る。

【人物背景】

仕立ての良いブラックスーツを身に纏い、赤青オッドアイを持った金髪の美男子。
もと居た世界では神出鬼没で、時に東京、時に無限奈落、時にボルテクス界、時に南極に発生した地球意思の生み出した高次元空間に、等々。
様々な場所に姿を現し、救世主や人間に意味深な言葉を投げ掛け、また彼らを惑わし導いてきた。
その正体は世界で初めて唯一神及び彼らの創造主たる『大いなる意思』に対して反旗を翻した魔界の王、大魔王ルシファーその人である。
彼がこの聖杯戦争に参加して何を成そうとしているのか、それは不明である。恐らくは、人間には絶対に理解出来ないであろう。
何故ならば配下である魔王の一柱、北欧神話のトリックスターであるロキをおいてすら、「何を考えているのか全く分からない」とこぼす程であるのだから……。

余談であるが、ルシファーの変装は見る者が見たら、知識のある者が見たらバレバレである。
変装の杜撰さは、魔王や悪魔ですらない普通の魔界人にすら正体が割れている程であり、彼ら曰く
「魔界じゃ誰でもルイ・サイファーの正体を知っている。お忍びで城を出るのが趣味だから、気付かないフリをしてやるのがエチケット」
との事。存外、暇つぶしの為に聖杯戦争に参加したのかも知れない。


【サーヴァントとしての願い】

聖杯戦争を心から”愉しむ”。面白い参加者がいたら、魔界に誘ってみるのも悪くはない。


【基本戦術、方針、運用法】

令呪による命令を無視し、単独行動で勝手に動き回り、自分の計画の成就の為に策謀を巡らせるこのサーヴァントを御する事は、不可能である。




【マスター】

博麗霊夢@東方Project


【マスターとしての願い】

特にはない。


【weapon】

封魔針や追尾機能を持ったアミュレット、高い霊力を内包した護符を高速で飛来させる妖怪バスターと言った攻撃手段を持つ。
またこの他にも、博麗の血筋にしか扱えない、霊力の塊とも言える器物、陰陽玉を使用可能。


【能力・技能】

空を飛ぶ程度の能力:
字義通りの能力。霊夢がもと居た場所である幻想郷の住民の多くは空を飛ぶ事が出来る為、それ自体は珍しくない。
ふわふわと漂い、人間の身体の限界が許すレベルの高度まで飛べる能力。しかし、霊夢のこの能力が珍しい所以は其処ではない。
彼女の場合は、あらゆる精神的な外圧や重圧、脅しからも解き放たれており、そう言った行為が意味を成さないのである。
いつでもどこでもマイペースを保てる能力と言っても良く、カリスマや威圧の一切を無効化する事が可能。
アヴェンジャーのカリスマが霊夢に対して十二分に発揮出来ないのは、ひとえにこの能力があったればこそ、である。

博麗の巫女としての能力:
幻想郷を維持するのに不可欠な博麗大結界の管理の他に、異変解決と妖怪退治を生業とする博麗の巫女は、一般人を遥かに凌駕する戦闘力を持つ。
マスターとしては破格の霊力(魔力)を利用した、陰陽道の系譜に連なる魔術の使用及び、霊力を放出して身体能力を一時的にブーストさせての格闘術。
小型の結界を展開させ相手の攻撃を防御してみたり、壁状の結界を相手に飛来させるなど、結界の扱い方にも通暁。
そして、『弾幕』と呼ばれる、霊力を用いて弾丸を作り、それを撒き散らすと言う、幻想郷独特の戦闘法も行う事が出来る。
また異様に勘が鋭く、異様な幸運を持ち、こと戦闘に関して言えば、未来予知染みた動きで相手の攻撃を回避可能する上、まぐれの被弾も皆無に近い。
勘の方は、サーヴァントのスキルに換算すればAランク相当の『直感』に該当する。
そして博麗の巫女としての本当の切り札は、上記の『空を飛ぶ程度の能力』と博麗の巫女としての力を併用して行う、肉体を本当に『空(くう)』とする力。
これは有体に言えば、実体を持ちながら透明になる事であり、ありとあらゆる攻撃から宙に浮き(素通りしてしまい)『無敵となる』事を意味する。
生まれ持った霊夢の能力でしか成しえない技能で、幻想郷の住民はこれを『夢想天生』と名付けている。
幻想郷内においては制限時間も一切無視して常時発動出来る能力であったが、聖杯戦争に際しては、霊夢の莫大な霊力を以ってしても、
10秒維持するだけで精一杯と言う制約が課されている。


【人物背景】

幻想郷を維持する博麗大結界の管理人の一人、つまり、幻想郷全体の管理者と換言しても差し支えのない博麗の巫女。それが博麗霊夢である。
が、本人にはそう言った自覚が更々なく、日々をのんべんだらりと過ごしている。妖怪退治や異変解決を生業としているにもかかわらず、修行もしない。
尤も本人は修行を行わずともデタラメに強く、持って生まれた天稟のみで弾幕ごっこを楽しみ、退治業を適当に行っている。
裏表のないサバサバとした性格。妖怪だろうが人間だろうが平等に扱う。
しかしそれでいてシビアな価値観を持った少女であり、誰でも平等に扱う反面、誰も仲間と見ておらず、異変解決や妖怪退治に関しても無慈悲。
それであるのに、彼女は人妖問わず様々な幻想郷の住民を引き付ける、謎の魅力を有している。
……その魅力は、アヴェンジャーをも引き付けたようであるが。

今回の霊夢は輝針城以降からの参戦である。


【方針】
聖杯戦争を大掛かりな『異変』だと考えており、心底面倒であるが、自発的に解決に乗り出そうとしている。
アヴェンジャーの問題に関しては、彼の動向次第。

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