夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

ルパン三世&アーチャー

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匿名ユーザー

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「まったくよぉ……どうしてこうなったんだか」


ウィスキーグラスに積み重ねられた氷の段が、カタンと音を立てて静かに崩れる。
薄暗い、微かな白色光のみが内部を照らす小さな街角のバー。
そのカウンターに肘をつき、真紅のジャケットに身を纏う男―――ルパン三世は、ため息をついた。
事の発端は、とある伝手より得たお宝の情報にあった。





◇◆◇





―――『聖杯』と呼ばれる、手にした者の願いを何でも叶えるという宝がある。



あまりにも胡散臭く、しかしそれでいて興味が引かれる内容ではあった。
望みを自在に叶える願望器……それも古今東西で神秘の代名詞とされる『聖杯』の名前ときたものだ。
ルパンの心を動かすには、そのインパクトは十分すぎた。



それが本当にあるなら、大したものだ。

果たして本当に望みが叶うかはどうあれ、ロマン溢れるこの代物を是非とも盗み出してみたい。

それ相応の守りがあるであろう一品を、鮮やかに盗み出してみようじゃないか。


そんないつもと変わらぬ軽い気持ちから、怪盗としての美学から、ルパンは聖杯についての情報を探っていた。
だが……捜索を始めてから数日後、その異変は起きた。

彼は調査の結果、日本のある場所に聖杯へと繋がる重要な何かがあるという情報を得た。
その土地の名は、冬木という街であった。
耳にしたことのない名前ではあるが、手がかりを掴んだ以上は行動せずにはいられない。


お宝のため、ルパンは早速その街に足を運ぶ事にした……そこまでは、良かったのだが。



―――おいルパン、どうした!?


頼れる仲間と共に冬木の街へと踏み入れた途端、ルパンは急激に己の意識が薄れてゆくのを感じた。
それまではどうにもなかったのに、不意に凄まじい眠気に襲われたのだ。
膝をつき崩れ落ちる彼の身を案じ、仲間達が駆け寄りその身を支える。


―――やべぇぜ、次元、五右衛門……何か急に眠く……


―――ぬぅ……罠のたぐいか?しかし、拙者達にはなにも……


不思議な事に、その眠気に襲われたのはルパン一人だけであり仲間は無事であった。
催眠ガスの類であるならば、彼等もまた道連れにされている筈だ。
つまりこれは、ルパン三世ただ一人を狙った攻撃……否、攻撃とすらも判断出来かねない兎に角危険な何かだ。



―――逃げろ、こいつは何か嫌な予感が……!



この場に留まり続けていてはいけない。
得体の知れぬ危険を察知し、ルパンは仲間達に撤退の意を示し……


そこで、ルパンの意識は完全に途絶えた。







◇◆◇



「……聖杯戦争なぁ」


そして目が覚めた時、ルパンはこの冬木の街にただ一人佇んでいた。
より正確に言えば、あくまで冬木と呼ばれている土地にいた訳であり、ここが本当にルパンの目指していた冬木なのかは怪しかった。
傍らにいた仲間達の姿はどこにも見えず、連絡も通じない。
兎に角厄介な状況としか言えなかった。
この様な窮地自体ははじめてではないのだが、だからといって簡単に乗り越えられるかといえば答えはノーだ。
状況を把握しようにも情報は何もなく、どう動けばいいのか悩む有様だったのだが……


「中々、悪趣味なゲームだって言いたいんだろ?」


そんな彼に助け舟を出したのが、目が覚めてすぐ側に立っていたこの男。
今は隣に座り、静かにウィスキーグラスを飲む長身の男性―――アーチャーのサーヴァントだ。
彼は警戒していたルパンに、己の知りうる全てを話した。


これは、聖杯を手に入れる為の戦い―――聖杯戦争であること。

ルパンは聖杯戦争を戦い抜くマスターに選ばれたこと。

そして、自身がルパンのサーヴァントであることを。


「そりゃそうだ。
 聖杯をいただこうにも、他の連中と殺し合いをしろってんじゃ乗り気にもなれねぇよ。
 まして俺みたいに、その内容さえ知らないで参加させられた連中もいるってんなら、尚更さ」


幸いにもアーチャーに敵意が無い事が分かったのか、ルパンはその話を友好的に聞いていた。
そして話が終わった時、この聖杯戦争とやらの仕組みに心底毒づいた。
万能の願望器なんてお宝が簡単に手に入らないだろう自体は予想していた。


例えばこれが、数多くのトラップや夥しい警護兵に守られており、命すらも落としかねない物だというのなら分かる。
その入手にしくじり命が果てるという展開になったとしても、それは己の未熟さ故であり文句は言えないだろう。

だが、まさか殺し合いをして生き残った者勝ちだなんて仕組みになっているとは、幾らなんでも想定外だ。
それも……殺し合いをすると分かってもいない者を了承もなく無理やり参加者として組み込むとあれば、不快に思わない方がおかしい。
悪趣味な思考の持ち主とは今までにも幾度となく対峙してきたが、この仕打ちはその中でも最上級だ。
その思惑通りに動かされるなど、まっぴらゴメンである。


「同感だな……俺も何でこんな場所に呼び出されたのかは分からないが、犯罪の片棒を担ぐ依頼はごめんだ。
 それに元々、男からの依頼は本来お断り……泥棒相手じゃ尚のことだ。
 やっぱ依頼人は美人に限るよ」


そんなルパンの主張に対し、意外にもアーチャーは肯定の意を示していた。
気軽な、聖杯戦争に呼び出されたサーヴァントとは思えない態度だ。


「へっ、俺だってどうせなら相棒は美人のお姉さんが良かったよ。
 誰が好き好んで、お前さんみたいなまるで英霊って柄にも見えねぇ男と組むなんかっての」


だが、このアーチャーがサーヴァントらしからぬ点はその態度だけではなかった。
その見た目もまた、青いジャケットに赤色のシャツ、紺のジーンズと、どこにでもいる様なカジュアルな服装である。
現代的すぎるその様相は、ルパンの言う通り歴史に名を残す英霊とはとてもじゃないが思えない。

しかし……そう口にはしながらも、ルパンは逆にこのサーヴァントが歴戦の猛者であろうことを見抜いていた。
こうして互いに軽口を叩き合い酒を酌み交わしながらも、この男にはまるで隙が見受けられない。
いつ襲われたにしても即座に反応できるに違いない。
何より彼から感じられる、隠しても隠しきれないプロとしての風格。
恐らくは、相棒の次元大介と同じタイプの人間であり……そして彼の更に上をいくであろう存在だ。


「……たしかに、俺は英霊なんて柄じゃない。
 世界を救うなんざ大層な事は何もしちゃいない……
 小さな都会の一角で、日々依頼人の為にただ働いてただけの男さ」

「……ま、それが救いになった連中もいるってこったろ。
 英雄なんてのは定義が曖昧だし、捉え方も人其々だ……アーチャー。
 お前、本当に願いはないのかよ?」



再度、ルパンは己がサーヴァントに問いかける。
自分と同じくこの聖杯戦争によからぬ思いを抱いてくれている事はありがたいが、彼とて召喚された英霊だ。
本当は、何かしら願いがあって然るべきではないのか。
そんな疑問を、どうしてもルパンは抱かざるを得なかった。


「……願い、か。
 そうだな……はっきり言うと、無いと言えば嘘にはなる。
 出来ることならって願ったことは、何度もあったさ」


その問いに、しばしの間を置いてから静かにアーチャーは答えた。
彼にも生前、もし叶うならばと願った―――絶対に叶うことのない願いはあった。

もう一度会って、声が聞きたい。
その身を抱きしめてやりたい。
新しい娘も入れて家族三人で過ごせたら、どんなにいいことだろうか。


愛する彼女とまた出会えたら、どんなに喜ばしいことだろうか。



「だが……その為に罪のない命を奪ったりしたら、きっとあいつは俺を許さないだろう。
 本気で泣いて、本気で怒って……悲しむはずだ」


しかし、その願いを叶えるわけにはいかなかった。
聖杯戦争に勝ち残るということは、その過程で罪なき命を奪うことにも繋がりかねないからだ。
そうなればきっと、彼女はアーチャーを許さないだろう。
生前よくふざけ合ったみたいに100tハンマーを振りかざするのではなく、本気で慟哭するだろう。
自分のせいで多くの命を奪ったという事実に、アーチャーにそうさせてしまったという事実に。

彼女の悲しむ姿を見たくはない。
だからこそアーチャーは、その願いを自らの内に封じたのだ。


「……いい女だったんだな、お前の女房は」

「ああ、最高の相棒だったぜ」


愛する女のため。
そのセンチメンタルな答えは、ルパンを納得させるには十分なものだった。
一人の男として、実に共感が持てる……尊敬できる答えだ。



「悪ぃな、アーチャー。
 湿っぽい話させちまってよ」

「気にするな、俺が勝手に話したことだ。
 それによ……可愛い子ちゃん達が参加者にいちゃ、殺すなんてもってのほかだろ?」

「ニヒヒ、そりゃ違いねぇぜ……ま、失礼な事聞いちまったのは事実だ。
 お詫びと言っちゃ何だが、いるか?」

「おう、折角だしもらおうか」


互いにタバコを手に取り、煙を燻らせる。


聖杯戦争。

思うところは色々とあるが、二人の思いに共通している点は一つだ。
他人を殺しあわせて手に入れられる聖杯なんて、きっとロクなものではない。
真っ当な願望器だというのなら、どうしてそんな血生臭い儀式が必要になるのか。
この歪んだゲームには、何かがあるに違いない。
ならば、盤上に立たされた自分達が成すべきことは何か。


「やるぜ、シティーハンター。
 このトンデモゲームがなんなのか、真相を暴いてやろうじゃねぇか」

「勿論だ。
 ろくでもない主催者から是非聖杯を盗み出してくれよ、ルパン三世?」



【クラス】アーチャー

【真名】
 冴羽 獠@エンジェル・ハート


【パラメータ】
 筋力D 耐久D 敏捷C 魔力E 幸運A+ 宝具C


【属性】
 中立・中庸

【クラス別スキル】
 単独行動:D
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。

 対魔力:E
 魔術に対する守り。
 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。


【保有スキル】
 気配察知:C
 気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
 近距離ならば同ランクまでの気配遮断を無効化する。

 心眼(真):A
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

 千里眼:B+
 視力の良さ。
 遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。

直感:C
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。
また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。

【宝具】
『新宿の依頼遂行者(シティーハンター)』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1  最大捕捉:10
生前、スイーパーとして幾多の困難をくぐり抜けあらゆる依頼を遂行してきた逸話と、
 その人間離れした強靭な身体能力が由来の宝具。
 戦闘或いはそれに準ずる場に立った際、置かれた状況が困難であり
 対峙する敵が難敵であるとアーチャー及びマスターが認識できた場合、
 その度合いに応じてアーチャーの筋力・耐久・敏捷値及び直感スキルをランクアップさせる。
 この宝具は自動的に発動されるものであるが、あくまで危険な状況と認識できた場合のみであり、
 状況の達成或いは、例えば対戦相手が致命的な傷を負い、
 戦闘続行が限りなく不可能になるなどといったそれに準ずる状況へと
 場が変異した場合には、この宝具は自動的に発動を終了する。

『裏世界を生き抜く技(スイーパー・スキル)』
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1  最大捕捉:20
生前、スイーパーとして様々な優れたスキル・特にあらゆる銃器の扱いと狙撃に極めて長けていた事に由来する宝具。
 拳銃から狙撃銃までアーチャーが『銃』と認識できた武器を手にした時、その銃器はEランク相当の疑似宝具となる。
 この擬似宝具はアーチャーの手から離れた際に効果を失い、放たれた弾丸もまた運動を静止した際に神秘性を消失する。



【weapon】
『コルト・パイソン357』
 生前アーチャーが愛用していた4インチのリボルバー拳銃。
 メタル・ジャケット弾を用いる、拳銃としては極めて高い威力を秘めた一品。
 英霊となった事で神秘が付随し、弾丸も魔力がある限り生成が可能になっている。

【人物背景】
 新宿を拠点とし活動する、『シティーハンター』の異名を持つプロのスイーパー。
 普段はどこか明るく能天気な雰囲気を出しており、一見ではどこにでもいそうな軽い男である。
 しかしその実力は一流であり、横に並ぶものはいない程の一流の狙撃スキルをはじめ、
 恐ろしく強靭な肉体と驚くべき瞬発力に跳躍力、極めて高い洞察力を持ち格闘技の技術にも長けている。
 世界中の闇社会ではNo1だろうと噂され、「本気を出せば東京をひとりで壊滅させられる」とまで言われる程の実力者。
 長身で整ったルックスをしており、黙っていればハードボイルドでニヒルな二枚目。
 しかしながら、超がつくほどの女好きであり女性が絡むと三枚目のスケベ根性を丸出しにするため全てを台無しにしている。
 幼少期にゲリラ組織の一員として育ち、超人的な技能はその戦場で身につけてきたものである。
 冴羽獠の名はその時に与えられたものであり、本名ではない。
 ある日、愛するパートナーである香を事故で失ってからは何をするにも空虚で満たされない日々を送っていたが、
 香の心臓を移植されその心を受け継いだ香瑩と出会ってからは、彼女を娘として受け入れ、
 再びシティーハンターとしての活動を再開している。


【サーヴァントとしての願い】
聖杯に捧げる願いはない。
 寧ろ聖杯の本質をマスターと共に疑っており、そのろくでもない本性を暴きたい。

【基本戦術、方針、運用法】
 聖杯戦争の主催・聖杯の本質についてとにかく情報を集める。
 進んで戦闘をする気はないが、敵意のある者や危険人物に対して容赦をするつもりはない。
 基本的にはアーチャーのセオリー通り、距離をとっての射撃で相手を倒しきる。
 それと、美人の女性とは是非お近づきになりたい。


【マスター】
ルパン三世@ルパン三世

【マスターとしての願い】
 聖杯に捧げる願いはない。
 そのろくでもない本性を暴き、よからぬ事を企んでいるだろう主催者の元より聖杯を盗み去る。

【weapon】
『ワルサーP38』
ルパンが愛用する拳銃。
 ドイツのカール・ワルサー社が開発した軍用拳銃であり、ルパンが扱うのはac41と呼ばれる1941年に製造されたモデル。
 前方に銃身が伸びた独特の形状をしている。


【能力・技能】
 怪盗として極めて高度な盗みと変装のテクニックを持ち、柔軟かつ軽やかな動きが可能な高い身体能力を持っている。
 また、射撃能力も相棒の次元の影に隠れてこそいるものの、真後ろにいる相手を見もせず撃つなど決して低くはない。
 車はもちろん船や飛行機、潜水艦に至るまであらゆる乗り物の運転技術がある。
 危機的状況においても柔軟に頭を働かせられるだけの余裕を持ち、時には狡猾ともいえる程の知恵をみせる。

【人物背景】
 世界的な大怪盗アルセーヌ・ルパンの孫にして、祖父と同じく卓越した腕を持つ大泥棒。
 明るくおちゃらけてどこか憎めない性格をしているが、抜け目なく頭が切れ、高い観察力を持った大物。
 なかなかの女好きにしてたらしでもある。
 怪盗としては、価値のある宝を盗むよりも盗むことが困難な代物を如何に鮮やかに盗み出すかに生き甲斐を感じている。
 その為、時にはなんの価値もないトイレットペーパーをターゲットにしたこともあり、
 盗んだ宝そのものへの執着もそこまで高くはなかったりする。
 国際指名手配を受ける程の大泥棒ではあるのだが、しかし時には弱い立場の人間を救い悪党に報いを受けさせるなど、
 義賊的な一面を見せることもある。

【方針】
 聖杯戦争の主催・聖杯の本質についてとにかく情報を集める。
 進んで戦闘をする気はないが、敵意のある者や危険人物に対して容赦をするつもりはない。
 それと、美人の女性とは是非お近づきになりたい。

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