ランサーのサーヴァントの前には、一人の男が気を失っていた。
それが己のマスターだということは疑いない。男の右手には令呪が刻まれているからだ。
だがランサーには、この男を目覚めさせるつもりはなかった。
ランサーが仕えるべきは、天地魔界に於いてただ一人。主を違えることなどできようはずもない。
聖杯戦争というシステムは理解しているが、従う義務などない。
気絶しているのは幸いだ。別に抵抗されても全く障害とはならないが、多少の手間ではある。
逆手に槍を持ち替え、男の喉元を狙う。
この槍を突けば男は死ぬ。とすれば当然、この男のサーヴァントである己も消え果てるだろう。
だが、迷いはなかった。何の縁もない人間のために戦うことなどできようはずがない。
全力で生きた果ての終焉だ。誇りこそすれ、悔いはない。
それが己のマスターだということは疑いない。男の右手には令呪が刻まれているからだ。
だがランサーには、この男を目覚めさせるつもりはなかった。
ランサーが仕えるべきは、天地魔界に於いてただ一人。主を違えることなどできようはずもない。
聖杯戦争というシステムは理解しているが、従う義務などない。
気絶しているのは幸いだ。別に抵抗されても全く障害とはならないが、多少の手間ではある。
逆手に槍を持ち替え、男の喉元を狙う。
この槍を突けば男は死ぬ。とすれば当然、この男のサーヴァントである己も消え果てるだろう。
だが、迷いはなかった。何の縁もない人間のために戦うことなどできようはずがない。
全力で生きた果ての終焉だ。誇りこそすれ、悔いはない。
「……ああ、こんなところで死にたくない……」
と、男が小さく呻く。
ランサーは、男が覚醒する前に殺すべく槍を握る手に力を込め、
ランサーは、男が覚醒する前に殺すべく槍を握る手に力を込め、
「まだまだ、ぼっちゃんのために……」
突き出した槍の穂先は、男の首を薄皮一枚裂いただけだった。
「痛っ……え? あれ?」
男が目を開ける。
その瞳が巡り、ランサーの姿を写して大きく見開かれ。
その瞳が巡り、ランサーの姿を写して大きく見開かれ。
「……ちっ」
ランサーは、小さく舌打ちをした。
「はあ。つまり、その聖杯というものを手に入れたら何でも願いが叶うってことでしょうか」
その男はグレミオと名乗った。
長い金の髪、頬に走る刀傷、使い込まれた銅の斧。戦いを生業とする――というには少し線が細い。
ぼんやりとした表情は現状を認識できているかどうかすら怪しいものだ。
長い金の髪、頬に走る刀傷、使い込まれた銅の斧。戦いを生業とする――というには少し線が細い。
ぼんやりとした表情は現状を認識できているかどうかすら怪しいものだ。
「で、あなたが私のサーヴァント、と」
「俺にそのつもりはないがな」
「俺にそのつもりはないがな」
ランサーがグレミオに付き合って話をしているのは、少しだけ哀れに思ったからだ。
どのみち殺すつもりではあるのだが、グレミオが起きた以上はどうして殺されるのかくらいは話してやっても損はない。
どのみち殺すつもりではあるのだが、グレミオが起きた以上はどうして殺されるのかくらいは話してやっても損はない。
「俺の槍はただ一人だけに捧げたものだ。お前のために振るうことはできん」
「と言うと、ランサーさんもどなたかにお仕えされていたのですか?」
「と言うと、ランサーさんもどなたかにお仕えされていたのですか?」
戸惑っていた顔が、得心を得たというように笑う。それならば知っている、と言うように。
「私もある親子にお仕えさせていただいておりまして、あなたのお気持ちはよくわかります。
ええ、それは確かに私などの命令は聞けないでしょう。どうぞ望むようになさってください」
「……いいのか? 俺はお前を殺すと言っているのだが」
「と言われましても、私は一度死んだようですから……この場合、殺すというより元に戻るということではないでしょうか」
ええ、それは確かに私などの命令は聞けないでしょう。どうぞ望むようになさってください」
「……いいのか? 俺はお前を殺すと言っているのだが」
「と言われましても、私は一度死んだようですから……この場合、殺すというより元に戻るということではないでしょうか」
グレミオは柔らかく微笑んでランサーを促す。しかしこうなると逆にランサーのほうが戸惑ってしまう。
必死に抵抗されたほうがまだしもやりやすいというものだ。
必死に抵抗されたほうがまだしもやりやすいというものだ。
「お前には……願いがないのか? もう一度命を得て、その親子に再会したいとは思わないのか?」
「もちろん、未練はあります。ですがテオ様には合わせる顔がありませんし、ぼっちゃんにはたくさんのお仲間がおられますからね。
もうお二人のお世話をできないことはとても残念ですが……私がいなくても大丈夫ですよ」
「主を残して死んだことに悔いはないと?」
「私の命でぼっちゃんをお守りできたのなら、それは私にとって誇るべきことです。後悔なんてありません」
「もちろん、未練はあります。ですがテオ様には合わせる顔がありませんし、ぼっちゃんにはたくさんのお仲間がおられますからね。
もうお二人のお世話をできないことはとても残念ですが……私がいなくても大丈夫ですよ」
「主を残して死んだことに悔いはないと?」
「私の命でぼっちゃんをお守りできたのなら、それは私にとって誇るべきことです。後悔なんてありません」
そう言葉を切ったグレミオは、寂しそうではあるが晴れ晴れとした顔だった。
ランサーは槍を置いた。このグレミオという男、契約する気は依然として起こらないが、どういった主に使えているのか知りたくなった。
ランサーは槍を置いた。このグレミオという男、契約する気は依然として起こらないが、どういった主に使えているのか知りたくなった。
「少し、興味が湧いた。そのテオとぼっちゃん……について、聞かせてくれ」
「いいですとも。まず私がなぜぼっちゃんのお世話をすることになったかというとですね……」
「いいですとも。まず私がなぜぼっちゃんのお世話をすることになったかというとですね……」
太陽暦230年、トラン湖を中心とする地域に赤月帝国が興る。
初代皇帝はクラナッハ・ルーグナー。国名はクラナッハが「赤い月の騎士」と称されていたことに由来する。
時は流れ太陽暦446年、皇帝の血を引く者達の間で争いが勃発した。世に言う「継承戦争」である。
後に「黄金の皇帝」と称されるバルバロッサ・ルーグナーが、叔父であるゲイル・ルーグナーを倒して皇帝に即位。
バルバロッサは即位後すぐさま軍備を整え、混乱に乗じて侵攻してきた北方の都市国家軍を撃退した。
戦乱で荒廃した国内の復興に尽力し、善政を敷いたバルバロッサは名君と讃えられた。
そのバルバロッサとともに継承戦争を戦い抜いた六人の将軍のうち一人が、グレミオの仕える主だ。
人呼んで、「百戦百勝」テオ・マクドール。帝国に武名高き猛将である。
テオは早くに妻を亡くしたが、一人息子に恵まれた。その息子こそ、グレミオが世話を任された「ぼっちゃん」だった。
初代皇帝はクラナッハ・ルーグナー。国名はクラナッハが「赤い月の騎士」と称されていたことに由来する。
時は流れ太陽暦446年、皇帝の血を引く者達の間で争いが勃発した。世に言う「継承戦争」である。
後に「黄金の皇帝」と称されるバルバロッサ・ルーグナーが、叔父であるゲイル・ルーグナーを倒して皇帝に即位。
バルバロッサは即位後すぐさま軍備を整え、混乱に乗じて侵攻してきた北方の都市国家軍を撃退した。
戦乱で荒廃した国内の復興に尽力し、善政を敷いたバルバロッサは名君と讃えられた。
そのバルバロッサとともに継承戦争を戦い抜いた六人の将軍のうち一人が、グレミオの仕える主だ。
人呼んで、「百戦百勝」テオ・マクドール。帝国に武名高き猛将である。
テオは早くに妻を亡くしたが、一人息子に恵まれた。その息子こそ、グレミオが世話を任された「ぼっちゃん」だった。
「つまりそのぼっちゃんにとって、お前は母親代わりということか」
「いえそんな、奥様の代わりなんて畏れ多いことです! まあ、テオ様は多忙な方ですから、私がぼっちゃんの面倒を見させていただいたことは確かですが」
「いえそんな、奥様の代わりなんて畏れ多いことです! まあ、テオ様は多忙な方ですから、私がぼっちゃんの面倒を見させていただいたことは確かですが」
やがてテオの息子は成長し、当然のように軍に入った。その隣にはいつもグレミオと、親友のテッド少年がいた。
六将軍の息子という身分もあってそれなりの地位を与えられ、任務を任された。その任務で彼は生まれ育った帝国の腐敗を知る。
それは皇帝の豹変に端を発するものだった。宮廷魔術師ウィンディが側に就くようになり、皇帝は民を顧みない暴君と化したのだ。
ウィンディはテッドが宿していた紋章を狙った。テッドはウィンディの手中に落ち、紋章は居合わせた少年へと受け継がれることになる。
六将軍の息子という身分もあってそれなりの地位を与えられ、任務を任された。その任務で彼は生まれ育った帝国の腐敗を知る。
それは皇帝の豹変に端を発するものだった。宮廷魔術師ウィンディが側に就くようになり、皇帝は民を顧みない暴君と化したのだ。
ウィンディはテッドが宿していた紋章を狙った。テッドはウィンディの手中に落ち、紋章は居合わせた少年へと受け継がれることになる。
「それからぼっちゃんは、帝国の圧政に立ち向かう解放軍を率いていたオデッサさんという方に出会い……色々あって、解放軍のリーダーをすることになったのです」
「では、父親と敵対することになったのではないのか」
「ええ、その通りです。テオ様は忠義に篤いお方ですから、皇帝陛下が間違っているとわかっていても裏切ることなどできないはずです。
しかしぼっちゃんもまた、苦しむ民の実情を見て、オデッサさんに後を託されてしまった。ぼっちゃんはお優しい性格ですから、見て見ぬふりなどできなかったのでしょう」
「しかしお前は、そのテオという男の部下なのだろう。何故、主ではなく息子についていったのだ?」
「では、父親と敵対することになったのではないのか」
「ええ、その通りです。テオ様は忠義に篤いお方ですから、皇帝陛下が間違っているとわかっていても裏切ることなどできないはずです。
しかしぼっちゃんもまた、苦しむ民の実情を見て、オデッサさんに後を託されてしまった。ぼっちゃんはお優しい性格ですから、見て見ぬふりなどできなかったのでしょう」
「しかしお前は、そのテオという男の部下なのだろう。何故、主ではなく息子についていったのだ?」
ラーハルトにはこれが疑問だった。グレミオの主はあくまでテオであり、その息子ではないはずだ。
真に忠臣たるならば、息子を反乱軍のリーダーなど辞めさせて、父親の元へ連れ帰るべきではないか。
真に忠臣たるならば、息子を反乱軍のリーダーなど辞めさせて、父親の元へ連れ帰るべきではないか。
「ああ、それは……うーん。うまく説明できないんですが。
確かめたわけじゃないんですが、とグレミオは前置きした。
「テオ様はきっと、ぼっちゃんの行動に怒ってはいらっしゃらないと思うんです」
「なに? だが、息子は父親の属する軍を裏切ったのだろう」
「ええ、それは事実です。しかしいまの帝国は……私がこういうのもテオ様には申し訳ないのですが、変わってしまいましたから。
以前のバルバロッサ皇帝はまさに名君と称するに相応しい方でしたが、いつからか民を顧みなくなってしまった。
役人は腐敗していますし、治安は乱れ山賊や野獣が跋扈しています。反乱という形で民の不満が爆発するのも、当然のことだったのです」
「なに? だが、息子は父親の属する軍を裏切ったのだろう」
「ええ、それは事実です。しかしいまの帝国は……私がこういうのもテオ様には申し訳ないのですが、変わってしまいましたから。
以前のバルバロッサ皇帝はまさに名君と称するに相応しい方でしたが、いつからか民を顧みなくなってしまった。
役人は腐敗していますし、治安は乱れ山賊や野獣が跋扈しています。反乱という形で民の不満が爆発するのも、当然のことだったのです」
皇帝が変わったことは、テオも当然察していただろう。
それでも彼は、皇帝に忠を尽くす将軍であるがゆえに裏切ることはできず、帝国の敵である息子と戦うことを選んだ。
それでも彼は、皇帝に忠を尽くす将軍であるがゆえに裏切ることはできず、帝国の敵である息子と戦うことを選んだ。
「おそらくテオ様は、ぼっちゃんのことを誇らしいと思っておられるはずです。
ぼっちゃんは辛く険しい、でもきっと正しい道を選んだ。子供のわがままではなく、一人の人間として、多くの人達の想いを受け止めることを選んだ。
その選択を、決して口には出せないことですが、テオ様は嬉しく思われているでしょう。ぼっちゃんは、強く正しく、そしてまっすぐに育ってくれたのですから」
ぼっちゃんは辛く険しい、でもきっと正しい道を選んだ。子供のわがままではなく、一人の人間として、多くの人達の想いを受け止めることを選んだ。
その選択を、決して口には出せないことですが、テオ様は嬉しく思われているでしょう。ぼっちゃんは、強く正しく、そしてまっすぐに育ってくれたのですから」
息子もまた、父親と対立することになるとわかっていても歩みを止めなかった。
帝国の暴虐を止めるため、託された遺志を貫くため、そして囚われた友を救うために。
グレミオは親子の戦いを止めるのではなく、側にいて守ることを選んだ。
どちらが正しいのか、その答えを決められる権利はマクドールの名を継ぐ二人にしかないとわかっていたから。
帝国の暴虐を止めるため、託された遺志を貫くため、そして囚われた友を救うために。
グレミオは親子の戦いを止めるのではなく、側にいて守ることを選んだ。
どちらが正しいのか、その答えを決められる権利はマクドールの名を継ぐ二人にしかないとわかっていたから。
「……でも私、死んじゃったんですよね。ああ、ぼっちゃんとテオ様は今頃どうしているでしょうか。心配だなあ」
解放軍を率いることになった少年は、仲間を集めて勢力を拡大していった。
そして帝国六将軍の一人、ミルイヒ・オッペンハイマーとの戦いが始まり――グレミオは命を落とした。
ウィンディに操られたミルイヒは罠を仕掛け、グレミオたちはまんまと引っ掛かってしまった。
人食い胞子が充満する部屋の中から少年と仲間たちを押し出し、扉を閉め、そこでグレミオの記憶は途切れている。
そして帝国六将軍の一人、ミルイヒ・オッペンハイマーとの戦いが始まり――グレミオは命を落とした。
ウィンディに操られたミルイヒは罠を仕掛け、グレミオたちはまんまと引っ掛かってしまった。
人食い胞子が充満する部屋の中から少年と仲間たちを押し出し、扉を閉め、そこでグレミオの記憶は途切れている。
「つまりお前は、自分の命と引き換えに将軍の息子を守ったわけか」
「あの時はどうしても他に方法を思いつかなくて……。ああ、ぼっちゃんに怪我がなければいいんですが」
「自分の命よりも優先するものがある、か。変わった人間だな、お前は」
「かも知れません。でも、ランサーさんも私と同じではありませんか?」
「あの時はどうしても他に方法を思いつかなくて……。ああ、ぼっちゃんに怪我がなければいいんですが」
「自分の命よりも優先するものがある、か。変わった人間だな、お前は」
「かも知れません。でも、ランサーさんも私と同じではありませんか?」
グレミオが微笑む。その瞳は、ランサーから自分と同じ匂いを嗅ぎ取ったと雄弁に伝えてくる。
「あなただって主のためなら躊躇わず命を投げ出す方でしょう。目を見ればわかりますよ」
「……まあ、な」
「……まあ、な」
グレミオの言う通りだった。ランサーとて、主を救うためならば自らの命など喜んで差し出す男である。
出会ったばかりの男に己の性を見抜かれたことに、もはや驚きはない。
この男が自分を召喚した理由ははっきりした。グレミオとランサーは、その在り方がとても良く似ているのだ。
主に揺るがぬ忠誠を捧げた者。命と引き替えにしてでも主を守り抜く覚悟を持った者。
こんな男は、ランサーが出会ってきた人間の中にはいなかった。
出会ったばかりの男に己の性を見抜かれたことに、もはや驚きはない。
この男が自分を召喚した理由ははっきりした。グレミオとランサーは、その在り方がとても良く似ているのだ。
主に揺るがぬ忠誠を捧げた者。命と引き替えにしてでも主を守り抜く覚悟を持った者。
こんな男は、ランサーが出会ってきた人間の中にはいなかった。
「……いや、違う。二人だけ、いたな」
ランサーはふと、己の最期を看取ってくれた二人の戦士を思い出した。
敵であるランサーの境遇に共感し、涙を流した甘い人間たち。
半身たる槍を預けたあの男もまた、友のために己の身を投げ出す男だった。
敵であるランサーの境遇に共感し、涙を流した甘い人間たち。
半身たる槍を預けたあの男もまた、友のために己の身を投げ出す男だった。
「グレミオ、聖杯を得ればお前は再び生を得ることができる。本当に悔いはないのか?」
「そりゃないといえば嘘になりますけど……というか、ランサーさん、私に従う気はないって言ってましたよね。なんでそんなことを聞くんです」
「それは今も変わらん。だが少しだけ、お前という人間を見てみたくなった」
「そりゃないといえば嘘になりますけど……というか、ランサーさん、私に従う気はないって言ってましたよね。なんでそんなことを聞くんです」
「それは今も変わらん。だが少しだけ、お前という人間を見てみたくなった」
ランサーは戦いに敗れ命を落とした。だがランサーの想いは、彼の槍とともに、友と呼べる男へ受け継がれた。
彼らならばきっと、主をただ倒すのではなく、より良い結果へと導いてくれるはずだ。
だから後悔はないが、やはりまだ生きて主に仕えたいという気持ちも確かにある。
彼らならばきっと、主をただ倒すのではなく、より良い結果へと導いてくれるはずだ。
だから後悔はないが、やはりまだ生きて主に仕えたいという気持ちも確かにある。
「俺もお前も、一度死んだ身だ。少しばかりともに旅をするのも悪くはあるまい」
グレミオを殺して英霊の座に戻るのも、グレミオとともに聖杯戦争に参加して負けて死ぬのも、結果は同じだ。
なら少しだけ寄り道をするのも悪くはない。そして万が一、聖杯に至ることができたのならば――。
なら少しだけ寄り道をするのも悪くはない。そして万が一、聖杯に至ることができたのならば――。
「どうする? 主と再会できる望みを信じて戦うか、このまま朽ち果てるか。お前が決めていい」
「ずるい聞き方しますね。そんなの、答えは決まっているじゃありませんか」
「ずるい聞き方しますね。そんなの、答えは決まっているじゃありませんか」
ランサーは、槍の代わりに手を差し出した。
人間と手を組む日が来るなど夢にも思わなかったが、これも巡り合わせだ。
人間と手を組む日が来るなど夢にも思わなかったが、これも巡り合わせだ。
「俺はお前をマスターと呼ぶが、お前に仕えるわけではない。いいな?」
「わかっていますよ、ランサーさん……って、そういえばランサーさんの本名ってそれじゃないですよね。
私だけ名乗ったのってなんだか不公平じゃありませんか?」
「わかっていますよ、ランサーさん……って、そういえばランサーさんの本名ってそれじゃないですよね。
私だけ名乗ったのってなんだか不公平じゃありませんか?」
口を尖らせるグレミオに、ああ、と笑みを返す。主従の関係でないなら教えてくれてもいいだろうと。
そしてランサーも、最初は名乗るつもりなどなかったのに、今ではこの男になら教えてもいいと思っている。
ランサーのサーヴァントたる、彼の真名は。
そしてランサーも、最初は名乗るつもりなどなかったのに、今ではこの男になら教えてもいいと思っている。
ランサーのサーヴァントたる、彼の真名は。
「陸戦騎、ラーハルトだ。以後、見知りおけ」
【クラス】
ランサー
【真名】
ラーハルト@ドラゴンクエスト ダイの大冒険
【パラメーター】
筋力:D 耐久:C 敏捷:A++ 魔力:E 幸運:D 宝具:D
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
対魔力:-
ラーハルトは後述する宝具によって高い対魔力値を得るため、本人に対魔力は備わっていない。
【保有スキル】
騎乗:E+
動物を乗りこなす程度。ただし、生前のラーハルトはドラゴンに騎乗する竜騎衆という戦士だったため、例外として幻想種たる竜を駆ることができる。
宗和の心得:B
同じ相手に何度同じ技を使用しても命中精度が下がらない特殊な技法。攻撃を見切られなくなる。
縮地:C
瞬時に相手との間合いを詰める技術。その場に残像を残すほど圧倒的な速度の体捌き。
【宝具】
『ハーケンディストール』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:10人
ラーハルトが誇る神速無双の槍技、その極致。闘気や魔法力を伴わない、純粋な速度から成る衝撃波を放つ。
突進の勢いを全て破壊力に変換するため、この宝具のみダメージ計算に筋力ではなく敏捷の値を参照する。
武器の性能や魔力に依存しない技術の類であるため、魔力消費は少ない。マスターから魔力を供給されずとも三度は使用できる。
『竜の血』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
純血の「竜の騎士」たるバランより授けられた、数滴の血。
幻想種である竜の血には死者を蘇生させる効果があるが、死の淵より這い上がれるのは強靭な意志を持った者のみ。
ラーハルトが致死ダメージを受けた際、自動的に発動。一度だけ死亡判定をキャンセルし、HP30%の状態で復帰する。
本来ラーハルトが保有する宝具ではないため、ステータス欄には記載されない。また、ラーハルト本人もこの宝具の存在を認識できない。
【weapon】
『鎧の魔槍』
魔界の名工ロン・ベルクによって生み出された槍。「鎧化(アムド)」の声に反応して全身を包む鎧を展開する。
この鎧は雷以外のあらゆる呪文を弾く(対魔力:Bに相当)。
両腕部の手甲は小型の盾やブーメランとしても使え、投擲用の短剣が随所に仕込まれている。
微弱ながら再生能力を持ち、戦闘で破損しても刀身さえ無事ならば鎧は自動的に修復される。
【人物背景】
魔王軍・超竜軍団長バランの側近である竜騎衆、その筆頭である陸戦騎を務める戦士。
呪文は不得手であり、超人的なスピードと精密極まる槍の技で戦う。
魔族の父親と人間の母親との間に生まれたハーフであり、その出自のため幼少期に人間から迫害を受ける。
成長した彼は、世の悪を討つ竜の騎士でありながら魔王軍に属するバランの部下となり、父のように慕う。
バランは息子である勇者ダイを我が物にするべく進軍し、ラーハルトはダイの仲間となったヒュンケルと交戦する。
当初は圧倒するものの、死の淵にあっても勝負を捨てないヒュンケルの覚悟に圧倒され敗北した。
戦いが終わり、ラーハルトの境遇に泣いてくれたヒュンケルを無二の友と認め、鎧の魔槍を託し息を引き取る。
その後は棺の中で朽ちるのを待つだけだったが、バランが自身の竜の血を与えたことにより奇跡的に蘇生。
託された最期の願い――バランの息子ダイを護るべく、最終決戦の場に馳せ参じた。
なお、このラーハルトは蘇生する前からの参加である。
【サーヴァントの願い】
蘇り、竜騎衆としてバランの力となる。
ランサー
【真名】
ラーハルト@ドラゴンクエスト ダイの大冒険
【パラメーター】
筋力:D 耐久:C 敏捷:A++ 魔力:E 幸運:D 宝具:D
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
対魔力:-
ラーハルトは後述する宝具によって高い対魔力値を得るため、本人に対魔力は備わっていない。
【保有スキル】
騎乗:E+
動物を乗りこなす程度。ただし、生前のラーハルトはドラゴンに騎乗する竜騎衆という戦士だったため、例外として幻想種たる竜を駆ることができる。
宗和の心得:B
同じ相手に何度同じ技を使用しても命中精度が下がらない特殊な技法。攻撃を見切られなくなる。
縮地:C
瞬時に相手との間合いを詰める技術。その場に残像を残すほど圧倒的な速度の体捌き。
【宝具】
『ハーケンディストール』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:10人
ラーハルトが誇る神速無双の槍技、その極致。闘気や魔法力を伴わない、純粋な速度から成る衝撃波を放つ。
突進の勢いを全て破壊力に変換するため、この宝具のみダメージ計算に筋力ではなく敏捷の値を参照する。
武器の性能や魔力に依存しない技術の類であるため、魔力消費は少ない。マスターから魔力を供給されずとも三度は使用できる。
『竜の血』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
純血の「竜の騎士」たるバランより授けられた、数滴の血。
幻想種である竜の血には死者を蘇生させる効果があるが、死の淵より這い上がれるのは強靭な意志を持った者のみ。
ラーハルトが致死ダメージを受けた際、自動的に発動。一度だけ死亡判定をキャンセルし、HP30%の状態で復帰する。
本来ラーハルトが保有する宝具ではないため、ステータス欄には記載されない。また、ラーハルト本人もこの宝具の存在を認識できない。
【weapon】
『鎧の魔槍』
魔界の名工ロン・ベルクによって生み出された槍。「鎧化(アムド)」の声に反応して全身を包む鎧を展開する。
この鎧は雷以外のあらゆる呪文を弾く(対魔力:Bに相当)。
両腕部の手甲は小型の盾やブーメランとしても使え、投擲用の短剣が随所に仕込まれている。
微弱ながら再生能力を持ち、戦闘で破損しても刀身さえ無事ならば鎧は自動的に修復される。
【人物背景】
魔王軍・超竜軍団長バランの側近である竜騎衆、その筆頭である陸戦騎を務める戦士。
呪文は不得手であり、超人的なスピードと精密極まる槍の技で戦う。
魔族の父親と人間の母親との間に生まれたハーフであり、その出自のため幼少期に人間から迫害を受ける。
成長した彼は、世の悪を討つ竜の騎士でありながら魔王軍に属するバランの部下となり、父のように慕う。
バランは息子である勇者ダイを我が物にするべく進軍し、ラーハルトはダイの仲間となったヒュンケルと交戦する。
当初は圧倒するものの、死の淵にあっても勝負を捨てないヒュンケルの覚悟に圧倒され敗北した。
戦いが終わり、ラーハルトの境遇に泣いてくれたヒュンケルを無二の友と認め、鎧の魔槍を託し息を引き取る。
その後は棺の中で朽ちるのを待つだけだったが、バランが自身の竜の血を与えたことにより奇跡的に蘇生。
託された最期の願い――バランの息子ダイを護るべく、最終決戦の場に馳せ参じた。
なお、このラーハルトは蘇生する前からの参加である。
【サーヴァントの願い】
蘇り、竜騎衆としてバランの力となる。
【マスター】
グレミオ@幻想水滸伝
【マスターの願い】
蘇り、ぼっちゃんの傍にいたい。
【weapon】
銅の斧
【人物背景】
赤月帝国六将軍の一人、「百戦百勝」テオ・マクドールに仕える青年。早くに妻を亡くしたテオに代わり、一人息子である主人公の面倒を見ている。
頬に大きな刀傷があり、斧を武器として扱うが、性格は至って温厚。家事全般を得意とし、特にシチューはマクドール家の定番のご馳走である。
やがて主人公は帝国と敵対する反乱軍のリーダーとなるが、グレミオは主であるテオではなく主人公とともにいることを選ぶ。
仲間を集め、拠点を手に入れて、反乱軍の規模は日に日に拡大、帝国にとってももはや無視できない勢力となった。
そして六将軍の一人、ミルイヒ・オッペンハイマーとの戦いが始まる。
主人公らはミルイヒの罠にかかり、人食い胞子が充満する監獄の一室に閉じ込められた。グレミオはとっさに主人公らを部屋の外へと押し出し、扉を閉める。
やがて救援が来るが、グレミオの姿はどこにもなかった。彼は己の命と引き換えに、愛する主人公を守ったのだった。
その後、108人の仲間をすべて集めた場合に限り、グレミオは甦る。
戦争終結後、父をその手で討ち深く傷ついた主人公とともに、グレミオはどことも知れぬ旅に出た。
なおこのグレミオは蘇生する前からの参加である。
グレミオ@幻想水滸伝
【マスターの願い】
蘇り、ぼっちゃんの傍にいたい。
【weapon】
銅の斧
【人物背景】
赤月帝国六将軍の一人、「百戦百勝」テオ・マクドールに仕える青年。早くに妻を亡くしたテオに代わり、一人息子である主人公の面倒を見ている。
頬に大きな刀傷があり、斧を武器として扱うが、性格は至って温厚。家事全般を得意とし、特にシチューはマクドール家の定番のご馳走である。
やがて主人公は帝国と敵対する反乱軍のリーダーとなるが、グレミオは主であるテオではなく主人公とともにいることを選ぶ。
仲間を集め、拠点を手に入れて、反乱軍の規模は日に日に拡大、帝国にとってももはや無視できない勢力となった。
そして六将軍の一人、ミルイヒ・オッペンハイマーとの戦いが始まる。
主人公らはミルイヒの罠にかかり、人食い胞子が充満する監獄の一室に閉じ込められた。グレミオはとっさに主人公らを部屋の外へと押し出し、扉を閉める。
やがて救援が来るが、グレミオの姿はどこにもなかった。彼は己の命と引き換えに、愛する主人公を守ったのだった。
その後、108人の仲間をすべて集めた場合に限り、グレミオは甦る。
戦争終結後、父をその手で討ち深く傷ついた主人公とともに、グレミオはどことも知れぬ旅に出た。
なおこのグレミオは蘇生する前からの参加である。