夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

鷲巣巌&ライダー

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「麻雀の強さが全てを決め、世界各国の首脳陣ですら雀力で鎬を削り合う世界……か」




状況から察するに荒唐無稽でないことは確かだが、何とも信じがたい。
しかし、それでいて実に興味のひかれる話でもある。
卓を挟み対面に座る男の話に、彼―――鷲巣巌は強い関心を抱いていた。
自身とて、より強大な共生の利益を生む手段として日々より麻雀を用いてきた。
そして勝ち上がり、表・裏共に社会での地位を確固たるものとしてきた。
鷲頭にとって麻雀とはまさに、最大の武器にして生存競争そのものであった。

そんな鷲頭ですらも、このサーヴァントの話には正直驚かされていた。
よほど常人とは違う頭の持ち主でなければ出来ないような創作の世界に思える。
だが、こうして自らも知らぬ間にこの謎のゲーム―――聖杯戦争に招かれた以上は、現実にそういう世界があるのだと認めざるを得ない。
この冬木という街並みとてそうだ。
己が歩んできた昭和の時代と比較して、明らかに文明の度合が発達している。
今こうして座っている全自動卓とて、鷲頭からすれば驚嘆に値する代物であった。
積み込みに依存するイカサマの類は尽く封じられ、真の意味で運が全てを左右する卓……実に面白い。


「ならば、願いが叶う聖杯とやらも決して与太話の類ではあるまい。
 ワシが生きてきた世界とは違う、平行して存在する世界に招かれたということか。
 貴様の存在も、紛れもない本物であろう……ライダーよ」


黒に近い濃緑色の軍服を身に纏う義足の男。
そしてその軍服に刻まれるは、特徴的な逆卍―――ハーケンクロイツの文様。
雀荘、それも廃れた場末の卓という場には大よそ似つかわしくないナチス・ドイツの軍人。
対面に座るこの男こそが、鷲巣巌が引き当てたライダーのサーヴァントなのだ。


「理解が早くて助かる……しかしワシズよ。
 そういうお前の腕とて、見事なものだ……これ程までの雀力ならば、或いは我等第四帝国の精鋭をも上回りかねないぞ」


不用牌を切ると共に、ライダーは鷲巣への素直な賞賛を述べた。
現在この卓で行われているのは、店員のNPCを二人―――情報漏洩を避ける為、現金で買収済みである―――引き入れての東西戦。


しかし……東三局目にして既にNPC二人は、箱割れ寸前で状況についていけてない。
実質、鷲巣とライダーの二人による戦いであった。
この二人が、圧倒的に強すぎるのだ。


「そういう貴様もだ……イカサマも仕掛けもない純粋な麻雀でワシにここまで並ぶ者など、そうはいなかった。
 しかもその相手が、かの有名な空の魔王になろうとは思いもよらなかったぞ」


二人は、互いの実力と豪運を認め合っていた。
鷲巣は数多の鉄火場を潜り抜け幾度と己が命を麻雀に賭けてきたが、ここまで自身に喰らいつき飲み込もうとする相手と対戦したことはなかった。
ライダーとてそれは同じだった。
第四帝国の精鋭どころか各国の首脳陣と比較しても遜色ない程の強敵と打つ経験など、滅多にあるものじゃない。
偉大なる総統程ではないにせよ自身を呼び出すだけのものを持ち合わせていると、そう素直に感じざるを得なかった。


「だが、この場で競うのは麻雀ではなく正真正銘の殺し合い……お前にそれを生き抜く覚悟があるか?」


しかし、この聖杯戦争で求められるのは雀力ではない。
これは生粋の殺し合いであり、必要なのは生き抜くための力だ。
鷲巣が常人よりも修羅場を潜っているだろう事は容易に推察できるが、それでもこの場で立っていられるのか。
その意思を確かめるべく、ライダーは静かに問いかけた。



「……誰に向かって口を聞いておる?」



その瞬間であった。
鷲巣の声により重みがかかり、その眼光がより強きものへと変わった。
身に纏う空気が、一変したのだ。
サーヴァントであるライダーですらも、この変化には流石に息をのまざるを得ない……知っているからだ。
優れた雀力のある者のみが発する事のできる、あの特有のオーラを。
鷲巣が放っているのは、まさにそれだった。
流石にライダーは呑まれる事無くそれを流しているが、横に座るNPCは完全に震え上がっている。




「殺し合いだと?
 ふん、笑わせる……そんなものは、もう飽きるほどに経験してきたわ……!」


人によっては狂気すらも感じさせる様な微笑を浮かべ、鷲巣は山よりツモった牌を卓に強く叩きつけるかのように置く。
そして勢いよく、手牌を前に倒しその全貌をさらけ出した。

その一連の動作はまるで、彼の実力と自信を誇示するかのように尊大で……そして、恐るべきまでの力強さを感じられるものであった。



「ツモ、四暗刻……48000だ」



勝敗は決した。






◆◇◆



「ところでワシズ……お前の聖杯にかける望みはなんだ?」


雀荘を後にして間もなく、ライダーは鷲巣へと問いかけた。
自身が月の第四帝国へと聖杯を捧げるべくこの戦いに臨むように、彼とて戦う覚悟を見せた以上は望みがあるはずだ。
聞けば、戦後の日本において大躍進を遂げている大企業の社長という。
ならば社の利益をより潤沢にすべく願うか。
そう、率直にライダーは考えていたのだが……



「そうよな……永遠の命、とでも言おうか」

「ほう?」


意外な答えが返ってきた。
鷲巣は社の利益ではなく、不死を望んでいるというのだ。
しかし、それは人としてある意味まっとうな意見だ。
生きている人間の大半は、考えたことのある夢だろう。


「ワシも人である以上、死は免れぬ。
 もっともワシを殺せる者など存在しえぬだろうから、死を迎えるならば寿命と考えるのが妥当だろう。
 そうなれば、築き上げてきたものは全て失う……人の定めとはいえ、空しき事だ」


そう口にした鷲巣の脳裏にあったのは、かつて自身が対峙した一人の科学者の姿であった。
彼は老化と若返りの薬という人知を超えた発明を生み出し、そして鷲巣自身の肉体でその成果は実証された。
そして、戦いを終えた後……鷲巣は彼を自らの配下に招き入れようとしたのだ。
鷲巣がその価値を認め、叩き潰す事無く手に入れようとする人材などそう滅多にいるものじゃない。
それだけ、男の発明は鷲巣にとって魅力的だったのだ。
もっともその男は、GHQの策略により薬物を投与された結果、物言わぬ赤子となり研究成果は永遠に闇へと葬り去られたのだが……


「だが、それすらも超越する術があるなら……永遠に頂点に立ち続ける事が可能になるならば、どうだ?」


あの研究物は、望んできたものを尽く手にしてきた鷲巣が手に入れられなかった数少ないモノだ。
それを今、こうして手にするチャンスが巡ってきたのだ。
血がたぎって仕方がない……望まずにはいられないではないか。



「ワシは聖杯を手にする。
 貴様の力……存分に使わせてもらうぞ、ライダーよ」





そして余談ではあるが、本来辿るべきたった未来において、この鷲巣の望みはあまりにも深刻なモノとなる。



老境を迎えた彼は、『死』という避けられぬ運命を前にして狂気に奔り、結果として数多くの若者を葬り去る吸血の悪魔と化したのだから。



それを当然今の鷲巣が知る由はないが、そんな悲惨な未来を避ける為にも……彼は、この望みを叶えなければならないのだ。


【クラス】
ライダー

【真名】
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル@ムダヅモ無き改革

【パラメーター】
筋力:D 耐力:D 敏捷:C 魔力:E 幸運:A 宝具:A

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:E
 魔術に対する守り。
 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。

騎乗:A
 乗り物を乗りこなす能力。
 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。

【保有スキル】
直感:B
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を感じ取る能力。
 視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。
 生前、戦場で幾度となく死線を潜り抜けてきた結果、認識力を異常拡大させた事に由来する。

戦闘続行:A
 名称通り戦闘を続行する為の能力。
 決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
 生前、例え右足を吹き飛ばされようとも医師から「絶対安静にしてろ」と言われる程の重傷を負おうとも、
 尽くを無視して出撃を繰り返してきた事に由来する。

千里眼:C
 視力の良さ。
 遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。

雀力:A
 麻雀の強さ。
 世界各国の首脳陣にも比類しうる強さを持っており、全自動卓でツバメ返しを行える程の桁外れの技量がある。

【宝具】
『空を舞う第四帝国の魔王(ユンカース Ju87G スツーカ)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2~60 最大捕捉:20人
 ルーデルの象徴にして、敵国に様々な恐怖を刻みつけた常時発動型宝具。
 第二次世界大戦時にルーデルが愛用していた急降下爆撃機スツーカを呼び出す。
 機体に取り付けられた機銃及び、戦車の装甲ですら打ち抜けるようにと外付けした37mm機関砲を主な兵装として用いる。
 ルーデルが乗り込む操縦席の後部に後部機銃席があるため、ここにもう一人乗せることが可能。
 宝具化して神秘を纏ったことで魔力が続く限り弾切れは起らないが、後部機銃に関しては誰か他の者を乗せなければ使用はできない。
 後部機銃自体の使用自体は魔力を持たぬ一般人でも可能。
 急降下時には通称『ジェリコのラッパ』と呼ばれる独特の風切り音が鳴り響き、威嚇効果は高いものの奇襲に気づかれやすい欠点もある。
 高い性能を誇る強力な宝具だが、常時発動型であるため秘匿する場合はどこか屋内等に常に隠す必要がある。
 また、度々破壊されては修復され出撃している逸話に由来してか、宝具であるにも関わらず現代の工具等で一般の戦闘機同様修復が可能。
 本来ならば対艦用爆弾も兵装として装備されているのだが、鷲巣が魔術師として高い適性をもってはいない為装備されてはいない。


【weapon】
 武器の全てが宝具のスツーカに集約されている。

【人物背景】
 第二次世界大戦時、ナチス・ドイツに所属していた航空機パイロット。
 冷静沈着な性格であり、極めて強い愛国心を持つ。
 ソ連軍に国家の敵として名指しされる程の凄腕であり、現代に至るまで上をいく者はいないとされている撃墜王。
 その成果は凄まじく、戦車519輌、装甲車及びトラック800台以上、火砲150門以上、装甲列車4両、戦艦1隻撃沈、
 嚮導駆逐艦1隻、駆逐艦1隻、上陸用舟艇70隻以上、航空機9機と、報告にあるだけでも常軌を逸している。
 戦闘の際に高射砲を受け左足を失ったため義足になっているのだが、そうとは感じさせないまでの高い身体能力があり、
 担当した医師ですらもその姿には力なく首を振るしかなかったという。
 第二次世界大戦末期、敗戦色が濃厚と悟った総統アドルフ・ヒトラーと共に宇宙に旅立ち月の裏側へと退避。
 そこで新たに発足した第四帝国の一員として、長い年月を経てヒトラーの指示で再び地球制圧の為に降り立つ。
 高い雀力を持ち、地球を代表する五人の首脳陣との麻雀勝負においては、
 スコルツェニーと共に地球屈指の武人とされるジョージ・ブッシュを相手に死闘を繰り広げ、見事勝負を収めている。

【サーヴァントとしての願い】
 第四帝国の為に聖杯を入手し、総統に捧げる。

【基本戦術、方針、運用法】
 優勝を狙う。
 鷲巣と協力し、スツーカによる強襲を軸に敵サーヴァントの撃破を狙う。



【マスター】
 鷲巣巌@ワシズ 閻魔の闘牌

【マスターとしての願い】
 かつて手に入れることができなかった不死を今度こそ手にする。

【weapon】
 自らの鍛えた肉体。
 ジェラルミンケースに入れて持ち運んでいる大量の札束。


【能力・技能】
 IQ200以上とも噂される頭脳、物事に動じない胆力。
 いざという時の為に鍛えぬいた軍人ですらも一撃で倒す肉体など多くの超人的能力を有している。
 桁外れの豪運を誇りギャンブルに強く、特に麻雀においては無敗という恐るべき怪物。
 また、音楽は上流階級のたしなみとしており絶対音感を備えている。


【人物背景】
 経営コンサルタント業界でも屈指の大企業「共生」の長にして、戦後の日本社会に表・裏問わずに強い影響を与えてきた昭和の怪物。
 第2次世界大戦の末期には特高の権中警視だったのだが、その先見の明で日本の敗戦を予見して特高を辞職。
 戦争犯罪人としての重刑を免れた後、日本を占領するGHQ相手の高レート麻雀で勝ちを積み続け資金を増やし、共生を作り上げた。
 その利益の追求のため、また共生に牙を剥く者を叩き潰すため、時にはその命すらも賭けるほどの麻雀勝負に挑み、勝ち続けてきた。
 冷酷かつ不遜な性格で、自分を見下すものは例え神といえども気に食わないと言い切る程の尊大さを持つ。
 しかし同時に強いカリスマ性も持ち合わせており、出会った多くの者達が魅了されてきた。
 どれだけ危機的な状況に瀕しても常に冷静さを失わず、死を全く恐れている様子が見えない。
 それは、どの様な窮地であろうとも必ず最後には己が勝つという絶対の自信から来ている。
 ちなみに老境に差し掛かった際には、自らの老いと迫りくる死の事実から精神を病み徐々に狂い始める未来があるのだが、
 この全盛時の姿からはそんな様子はとてもじゃないが想像がつかない。

【方針】
 聖杯を勝ち取る。
 その為には使えるものはすべて使い、利用できる者は全て利用する。

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