トランスジェンダー
トランスジェンダー(Transgender)とは生物学的な性別(Sex/Biological sex)と自分の性別として感じている自己の性別(性自認)とが一致していない状態もしくはそのような人のことをいいます。
トランスジェンダーは移行するという意味の「trans」と社会的文化的な性別を指す「
gender」から作られた言葉です。基本として生物学的な性別と
性自認の性別が一致していないことをいいます。近年、日本では疾患名である
性同一性障害という言葉が一般化するにつれてトランスジェンダーと同じように使用する人も出てきています。また関係の深い言葉に
性自認に合った服装の移行を行うトランスヴェスタイト(Transvestite)や身体的な移行も行うトランスセクシャル(Transsexual)という言葉もあります。
他に男性や女性という二つの性別に当てはまらない性別(
Nonbinary gender)を
性自認とする人々を日本では
Xジェンダーといいます。
このトランスジェンダーという言葉がどのようなことをいうのかについて次のような様々な考え方があります。
- 生物学的な性別と性自認の性別とが一致していない状態や人全般を表す考え方
- 生物学的な性別とは異なる男性もしくは女性のどちらかの性別を性自認の性別として体感している状態や人を表す考え方
- 生物学的な性別と性自認の性別が一致しない状態で、身体的な性別移行は望まず、性別移行を望むなら社会的文化的な性別移行のみを望む状態やそのような人を表す考え方
- 生物学的な性別と性自認とが性別が一致しない状態で、精神的治療法だけでなくホルモン療法を受け性別適合手術を受けていないもしくは受けない状態やそのような人を表す考え方
「1」と「2」ではトランスヴェスタイトやトランスセクシャルもトランスジェンダーの中に含まれ、「3」にはトランスヴェスタイトが含まれます。「4」は本来の(広義の)トランスセクシャルの一部を指すことになります。
広義のトランスジェンダーという場合は「1」の意味として使われることが多く、男性・女性の二つの性別とその他の性別(
Nonbinary gender)とを分ける考え方の場合には「2」の意味として使われます。(ときには人間の性別の多様性に反して男性・女性の二つの性別しかないという考え方(性別二元論)に囚われている場合にも)
狭義のトランスジェンダーという場合、
ジェンダーを移行するという意味から社会的文化的な移行のみを指すとして「3」の意味とすることがあります。ただし、日本では狭義という場合に「4」の意味のことをいうことが多くあります。ですが「4」の意味では
ジェンダーの意味からずれて身体的な移行であるホルモン療法を限定して対象としていることや過去の三段階の治療の流れを前提としていて現在の治療のガイドラインと合わないこともあり、あまり使用されなくなってきています。
トランスジェンダーのタイプの表記の仕方に
があり、どういうトランスジェンダーか示す時によく使われます。
またトランスジェンダーに対応して生物学的性別と性自認が一致している状態や人々を
シスジェンダーといいます。
トランスジェンダーの人々の
性的指向や恋愛的指向もシスジェンダーの人々と同じように同性愛や異性愛や
バイセクシャルやその他の指向を持ちます。この場合、性自認による性別を基本とするので、例えばMtFの異性愛者の性的指向や恋愛的指向の対象は男性になり、同性愛者の場合は女性になります。
また、
Xジェンダーのような男性・女性という性別に当てはまらない人の中には
同性愛や
異性愛という性自認を基本にした性的指向や恋愛的指向の言い方に違和感を感じる人々もいます。
そのような人々はAndrosexualやGynesexualなどの性的指向や恋愛的指向をいう場合もあります。
関連
分野
参考リンク
Wikipedia
他のWiki
他
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最終更新:2017年03月25日 03:01