新生人工言語論
文法
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lideldmiir
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文法
文法は言語のシステムの中で最も組み立て感が得られるためか、人気のある分野です。
作成者の多くは文法システムを作るのが好きなようで、未完成の言語でも文法はそれなりにできていたりします。
作成者の多くは文法システムを作るのが好きなようで、未完成の言語でも文法はそれなりにできていたりします。
語順
まず始めに決めるのは語順だと思います。語順はメジャーなものを選んでおけば無難でしょう。
一番世に多いのはSOVで、次に多いのはSVOです。このどちらかを選んでおけば問題ありません。もちろん、VSOでも大丈夫です。
一番世に多いのはSOVで、次に多いのはSVOです。このどちらかを選んでおけば問題ありません。もちろん、VSOでも大丈夫です。
類型論的に見て
文法に関しては皆さん腕をふるいたいところでしょうからあまりうるさいことは言いませんが、いくつか注意点はあります。
まず、類型論的に見て、屈折語や抱合語は避けたほうがいいでしょう。
文中の単語が辞書形でないことが多く、活用語が一々辞書に収録されないからです。
フランス語のJe t'aime では aimer を引かねばなりません。t' や aime を探してもまず載っていません。
まず、類型論的に見て、屈折語や抱合語は避けたほうがいいでしょう。
文中の単語が辞書形でないことが多く、活用語が一々辞書に収録されないからです。
フランス語のJe t'aime では aimer を引かねばなりません。t' や aime を探してもまず載っていません。
また、動詞の活用と名詞の曲用はなるべく避けたほうがいいでしょう。
名詞の性は無くしたほうが効率的です。形容詞と名詞の一致も避けたほうが学習が容易でしょう。
エスペラントは形容詞と名詞が一致しますが、国際語イドではその点が排他されています。
名詞の性は無くしたほうが効率的です。形容詞と名詞の一致も避けたほうが学習が容易でしょう。
エスペラントは形容詞と名詞が一致しますが、国際語イドではその点が排他されています。
スペーシング
単語間のスペーシングもあったほうがいいです。
日本語のようにスペーシングがないと、どこまでが1単語か分かりにくいです。
中国語で4文字くらい並ぶと、何文字で何パーツに区切ればいいのか分からないときがあって困った経験があります。
スペーシングがあれば語の区切りが分かりやすいので、その分辞書が引きやすくなります。いずれ言語を機械処理をする際も作業が楽になるでしょう。
日本語のようにスペーシングがないと、どこまでが1単語か分かりにくいです。
中国語で4文字くらい並ぶと、何文字で何パーツに区切ればいいのか分からないときがあって困った経験があります。
スペーシングがあれば語の区切りが分かりやすいので、その分辞書が引きやすくなります。いずれ言語を機械処理をする際も作業が楽になるでしょう。
数
英語みたいに単数か複数かを常に気にする言語と、日本語のように数を気にしない言語があります。
どちらかというと後者のほうが長所が多いと思います。
どちらかというと後者のほうが長所が多いと思います。
単複を分けるのできめ細やかな表現ができるのは確かですが、逆に複雑すぎて扱えないとか、毎回数を気にするのが煩雑という欠点があります。
furniture や advice は数えられるのに不可算名詞だったりするのは不自然に感じられます。(まぁ、集合名詞だからなんですけど)
every は単数を取るのにallは複数を取るというのも、とても不自然に感じます。
furniture や advice は数えられるのに不可算名詞だったりするのは不自然に感じられます。(まぁ、集合名詞だからなんですけど)
every は単数を取るのにallは複数を取るというのも、とても不自然に感じます。
数の表現が細かいと、かえって複雑すぎて扱いづらいということがあります。
実際、英語ネイティブも単複どちらか判断できないことがふつうにあります。
実際、英語ネイティブも単複どちらか判断できないことがふつうにあります。
ただ、数のカテゴリーを持つ長所もあります。
「古池や蛙飛び込む水の音」
ラフカディオハーンらがこれを英訳したとき、この蛙が1匹か複数か気になったそうです。
この句の場合、単数で訳されるほうが一般的ですが、彼は複数にしました。
この句の場合、単数で訳されるほうが一般的ですが、彼は複数にしました。
"old pond -- frogs jumped in -- sound of water."
私はこれを知ったとき、驚きました。今までこの蛙がそもそも何匹かなど考えたこともなかったからです。
数がカテゴリー化されている言語では、数の分だけ情報量が高くなります。日本人が気付かない疑問に気付くことがあります。
そういう意味では長所ですね。
数がカテゴリー化されている言語では、数の分だけ情報量が高くなります。日本人が気付かない疑問に気付くことがあります。
そういう意味では長所ですね。
また、英語では fire か fires かで、それが数えられない単なる火なのか、数えられる火事としての火なのかが区別できます。
火と火事という別の語を作ったり覚えたりする必要がなく、fireかfiresかで区別できるのは便利です。
こういった長所が残されているため、必ずしも数のカテゴリーを外すことを奨励しません。
火と火事という別の語を作ったり覚えたりする必要がなく、fireかfiresかで区別できるのは便利です。
こういった長所が残されているため、必ずしも数のカテゴリーを外すことを奨励しません。
――しませんが、かといって文法カテゴリー(必須の要素のこと)にするほどでもないだろうという考えです。
普段は解釈を文脈に依存させ、明示が必要なときに複数マーカーを付ければ良いと思います。
普段は解釈を文脈に依存させ、明示が必要なときに複数マーカーを付ければ良いと思います。
テンスとアスペクト
テンス(時制)は現在・過去・未来を基本として備えるべきです。
人間は現在を中心に未来と過去を見ているから、この分類は自然です。
人間は現在を中心に未来と過去を見ているから、この分類は自然です。
他に作るとしたら通時のように一般的な真理を述べるものや、不定時制のように時制が不定で曖昧というのが考えられます。
どちらも面白いですが、あればいいというほどではありません。
時制のない言語というのもあります。yesterday のような時間を表す副詞を時制の代わりとする言語です。合理的です。
どちらも面白いですが、あればいいというほどではありません。
時制のない言語というのもあります。yesterday のような時間を表す副詞を時制の代わりとする言語です。合理的です。
アスペクト(相)は完了と未完了の対立が一番大事です。大抵の自然言語でもそうなっています。ロシア語に顕著なカテゴリーです。
ですが、完了と開始と経過などをそれぞれ等位に置くのも良いでしょう。
要は完了とそれ以外を差異化できることが重要です。
ほかに作るとしたら将然相(~しそうだ)などがありますが、これはあってもなくてもいいです。
ですが、完了と開始と経過などをそれぞれ等位に置くのも良いでしょう。
要は完了とそれ以外を差異化できることが重要です。
ほかに作るとしたら将然相(~しそうだ)などがありますが、これはあってもなくてもいいです。
行為の反復などはアスペクトでなく、副詞で表わすほうが合理的かもしれません。
アスペクトは副詞で表わしても構いません。テンスも実はそうです。
いずれにせよ、テンスもアスペクトも動詞と関連付けるのが一般的です。
アスペクトは副詞で表わしても構いません。テンスも実はそうです。
いずれにせよ、テンスもアスペクトも動詞と関連付けるのが一般的です。
品詞
品詞の種類ですが、少なければいいというわけでもなく、多ければいいというわけでもありません。
多いと制御しづらく、学習しづらいです。
少ないと、少ないものを組み合わせるので必然的に文が長くなり、煩雑になります。
筆者は8~10程度が適切ではないかと考えています。
多いと制御しづらく、学習しづらいです。
少ないと、少ないものを組み合わせるので必然的に文が長くなり、煩雑になります。
筆者は8~10程度が適切ではないかと考えています。
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