新生人工言語論

人工言語は世界語になれるか

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私は高校時代、若いこともあって、自分の言語で世界征服をしたいなんて考えていました。
ダークですねぇ。

一方、ザメンホフの場合は征服ではなく、言語の壁を取り除くという立派な目標を持っていたようです。
ザメンホフはホマラニスモ宣言の5番で、「あらゆる人間は個人生活では好きな言葉を話し、好きな宗教を信じる完全かつ明白な権利を有すると認める」といっています。
彼はエスペラントを世界語というよりは「どこでも通じる国際補助語」と捉えていたようです。

さて、世界語にせよ国際補助語にせよ、現実には厳しいものがあります。
言語っていうのは、経済力と軍事力の強い国の言葉が広まるものだからです。

高校時代の自分に言ってやりたいですが、「言語が論理的で合理的で優れている」とか「言語の壁を崩して平和な世の中を作る」といった理由では、広まりません。
アメリカは強い国なので、自分が英語だけできればやっていけますから、別にエスペラントが広まっても嬉しくないです。

逆にリゾート地のおばちゃんとかは、エスペラントできるより、英語できたほうが食っていけるので、英語をやります。
なんていうか、本当は行動を起こすべき「貧しい人」ほど、自分の言語やアイデンティティを捨ててしまうんですね。

そういう悲しい事情があって、人工言語という理想を広めるのは、難しいのです。
このサイトの読者には「俺の言語をあまねく世の中に広めてやるZE!フハハハハ!!」という人がいるかもしれませんが(笑)、それはちょっと無理そうです。

エスペラントは作った時期が良かったこともあり、ユーザーは多いです。ただ、世界語にも国際補助語にもなれていないのが実情です。
また、日本では特にユーザーが高齢化してきており、若手が少なくなってきているようです。(ただしネットを介したユーザーは増加しています)
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