ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ
「作戦会議」― IN Bennys ―
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「作戦会議」― IN Bennys ― ◆LxH6hCs9JU
あかね色の空が夕飯のメニューを想起させる、車道沿いのファミリーレストラン。
専用駐車場に停められている黒白の車は、サイレンの音とパトランプの色を消し、主人たちの会食を守る。
店先の街灯が灯るまで、あと数時間。舞台となるファミリーレストラン『Bennys』では、三名の来客が席についていた。
専用駐車場に停められている黒白の車は、サイレンの音とパトランプの色を消し、主人たちの会食を守る。
店先の街灯が灯るまで、あと数時間。舞台となるファミリーレストラン『Bennys』では、三名の来客が席についていた。
「おなかがすきました……」
「これなんてどう? 苦瓜と蝸牛の地獄ラザニアだって」
「メニューを広げるのは構いませんが、コックは不在なようですよ」
「これなんてどう? 苦瓜と蝸牛の地獄ラザニアだって」
「メニューを広げるのは構いませんが、コックは不在なようですよ」
修道服を着た少女と、セーラー服を着た少女と、長い黒髪を持つ妙齢の女性が、店内奥の禁煙席に陣取りくつろいでいる。
会話からは健在な様子が窺えたが、三人の格好はボロボロで、どうしようもなくグシャグシャだ。
スカートのプリーツは端が焼け焦げ、長い黒髪には埃が付着している。肌には汗や血の臭いが滲んでもいた。
店内には彼女たちしかいないが、貸し切り状態であったとしても、あまり飲食店に入るのに好ましい格好とはいえない。
どこでなにをすれば、こんな風に汚れてしまうのだろうか。
疑問に思ったところで、これが電撃使いとの苦闘の結果であるという回答を飲み込める者はいないだろう。
会話からは健在な様子が窺えたが、三人の格好はボロボロで、どうしようもなくグシャグシャだ。
スカートのプリーツは端が焼け焦げ、長い黒髪には埃が付着している。肌には汗や血の臭いが滲んでもいた。
店内には彼女たちしかいないが、貸し切り状態であったとしても、あまり飲食店に入るのに好ましい格好とはいえない。
どこでなにをすれば、こんな風に汚れてしまうのだろうか。
疑問に思ったところで、これが電撃使いとの苦闘の結果であるという回答を飲み込める者はいないだろう。
「それじゃあ、そのへんのテーブルに残っている食べ残しをもらおうかしら? 一応、腐ってはいないみたいだし」
「あなたの力の応用力には驚かされるところですが、食べ残しをいただくくらいな自分で作る手間を取ります」
「おなかがすきました……」
「あなたの力の応用力には驚かされるところですが、食べ残しをいただくくらいな自分で作る手間を取ります」
「おなかがすきました……」
セーラー服の少女、朝倉涼子の分析によれば、このファミリーレストランに人が訪れた形跡はない。
しかしながら、店内のテーブルには食べ残しの料理――『彼女たち以外の客』がいた痕跡が、確かに残されていた。
しかしながら、店内のテーブルには食べ残しの料理――『彼女たち以外の客』がいた痕跡が、確かに残されていた。
緑、白、黄、色とりどりのソフトドリンク。大皿に盛られたチーズとスナック、それにバーベキューソース。
フォークが墓標のように立つイカスミパスタに、手つかずのまま冷えて固まった地中海風パエリヤ。
喫煙席のほうまで視野を広げると、すっかり炭酸の抜けた中ジョッキや、吸殻だらけの灰皿まで置いてあった。
まるでいつかの天守閣みたいな――そう思い至っても、口に出す者はいない。今は、些事よりも食事である。
フォークが墓標のように立つイカスミパスタに、手つかずのまま冷えて固まった地中海風パエリヤ。
喫煙席のほうまで視野を広げると、すっかり炭酸の抜けた中ジョッキや、吸殻だらけの灰皿まで置いてあった。
まるでいつかの天守閣みたいな――そう思い至っても、口に出す者はいない。今は、些事よりも食事である。
「意外っ。師匠、料理ができるの?」
「ごはん……」
「こういう店の食材は、冷凍物がお決まりです」
「ごはん……」
「こういう店の食材は、冷凍物がお決まりです」
師匠と呼ばれる、長い黒髪の女性が席を立った。向かう先は厨房である。
朝倉涼子はおしぼりで手を拭きながら言った。
朝倉涼子はおしぼりで手を拭きながら言った。
「よかったわね、浅上さん。師匠がごはんを作ってくれるって」
「はい」
「はい」
ぐきゅるるるるるるるるるるるる~
返事の後に、あうあう。
修道服の少女――浅上藤乃のおなかから、空腹を訴える音が鳴った。
修道服の少女――浅上藤乃のおなかから、空腹を訴える音が鳴った。
◇ ◇ ◇
やがて、朝倉涼子、浅上藤乃、師匠の三人が座るテーブルに、ほとんど解凍しただけの晩餐が並べられた。
からあげやフライドポテトなどのツマミ系は、元から温めるだけなので簡単だ。見栄えもメニューの写真と遜色ない。
カニグラタンやコロッケ、トーストなども及第点と言える。が、やはり見劣りするものも幾つかはあるようだ。
エビピラフはメインであるはずのエビの主張がおとなしく、アンチョビピザはどれがアンチョビかわからない。
鉄板系はほぼ全滅と言えるだろう。この店の人気メニューらしいハンバーグにいたっては、ソースの色が違っていた。
サラダ系は作るのが面倒くさかったのか、テーブルにはまったくと言っていいほど緑がない。まるで一人暮らしの男性の食卓だ。
からあげやフライドポテトなどのツマミ系は、元から温めるだけなので簡単だ。見栄えもメニューの写真と遜色ない。
カニグラタンやコロッケ、トーストなども及第点と言える。が、やはり見劣りするものも幾つかはあるようだ。
エビピラフはメインであるはずのエビの主張がおとなしく、アンチョビピザはどれがアンチョビかわからない。
鉄板系はほぼ全滅と言えるだろう。この店の人気メニューらしいハンバーグにいたっては、ソースの色が違っていた。
サラダ系は作るのが面倒くさかったのか、テーブルにはまったくと言っていいほど緑がない。まるで一人暮らしの男性の食卓だ。
それら、用意したのはすべて師匠と呼ばれる女性であるが、いただきますのかけ声もなしに真っ先に食べ始めたのもまた、師匠である。
食事は取れる内に取っておけ、という心得を同行者二人に実践して教えるがごとく、猛然と目の前の料理を食らう。
三人の中で一番空腹に苛まれていただろう浅上藤乃は、フォークを握れどなかなか手を伸ばせなかった。師匠の食の迫力のせいである。
食事は取れる内に取っておけ、という心得を同行者二人に実践して教えるがごとく、猛然と目の前の料理を食らう。
三人の中で一番空腹に苛まれていただろう浅上藤乃は、フォークを握れどなかなか手を伸ばせなかった。師匠の食の迫力のせいである。
「――だからね、私たちに欠けているのはチームワークだと思うのよ」
極めて事務的な夕食を進めつつ、朝倉涼子が話を切り出した。
彼女も彼女で、喋りながら箸を止めるということはない。
聞き手に回る師匠も、テーブルマナーの是非を問う気は毛頭ないらしい。
浅上藤乃は料理の確保を一旦諦め、ドリンクバーからもらってきた冷たいカルピスをちびちびと飲んでいた。
彼女も彼女で、喋りながら箸を止めるということはない。
聞き手に回る師匠も、テーブルマナーの是非を問う気は毛頭ないらしい。
浅上藤乃は料理の確保を一旦諦め、ドリンクバーからもらってきた冷たいカルピスをちびちびと飲んでいた。
「利害関係が一致しただけの一時的な関係であるとはいえ、私たちが三人一組のチームであることに変わりはないわ。
チームで動けばメリットが得られるけど、同時にデメリットも生まれてしまうの。
私たちの場合、比重としてはデメリットのほうが大きいわね。私たちに必要なのは、そのデメリットを少しでも多く潰す作業。
デメリットによって生じた隙を潰す、と言い換えたほうがいいかしら。作業っていうのも語弊があるけど、これはそのための会議なの。
特に、さっきみたいに相手も複数の場合。チームワークで挑んでくる有機生命体は、必ずこちらのチームの弱点を見抜いてくるから厄介なのよね」
チームで動けばメリットが得られるけど、同時にデメリットも生まれてしまうの。
私たちの場合、比重としてはデメリットのほうが大きいわね。私たちに必要なのは、そのデメリットを少しでも多く潰す作業。
デメリットによって生じた隙を潰す、と言い換えたほうがいいかしら。作業っていうのも語弊があるけど、これはそのための会議なの。
特に、さっきみたいに相手も複数の場合。チームワークで挑んでくる有機生命体は、必ずこちらのチームの弱点を見抜いてくるから厄介なのよね」
師匠は相槌を返さない。浅上藤乃も、意識は目の前の料理へと移っていた。
「チームである利点を正しく活用したいのよ、私は。ただでさえ、私たち三人はタイプが違うのだし」
「――そう、タイプが違う」
「――そう、タイプが違う」
ソースで汚れた唇が、艶っぽく動いた。
師匠は、一度おしぼりで口元を拭う。
師匠は、一度おしぼりで口元を拭う。
「世間一般で語られるチーム……私たちの場合はトリオ、いえ、三人一組(スリーマンセル)とでも言いましょうか。
なんにせよ、私たちの間に広義の意味での『チームワーク』などという言葉は当てはまりません。
あなたの言うとおり、タイプが違うのだから――これが決定的な答えではありませんか。証明終了です」
なんにせよ、私たちの間に広義の意味での『チームワーク』などという言葉は当てはまりません。
あなたの言うとおり、タイプが違うのだから――これが決定的な答えではありませんか。証明終了です」
朝倉涼子の先程までの弁舌を、一蹴するかのような師匠の発言。
もちろん、これにすぐ納得できるほど朝倉涼子も寛容ではない。
もちろん、これにすぐ納得できるほど朝倉涼子も寛容ではない。
「でもね、師匠。それは意地を張っているようにしか聞こえないのよ。協調性って言葉を――」
「一つです」
「一つです」
食い下がろうとする朝倉涼子の言葉を遮り、師匠は強く断言する。
「銃で死ぬ相手は私が殺し、銃で死なない相手はあなたが殺す。
私やあなたが殺せない相手は彼女が『曲げて』殺す。
私たち三人が持ち合わせておくべき作戦など、これ一つで十分です」
私やあなたが殺せない相手は彼女が『曲げて』殺す。
私たち三人が持ち合わせておくべき作戦など、これ一つで十分です」
カチャリ――と、スプーンと食器の接触で音が鳴った。
朝倉涼子と師匠はいつの間にか食べる手を止め、浅上藤乃だけが一人で食べ進めていた。
もぐもぐ、という健康的な咀嚼音は、すべて彼女のものだろう。
朝倉涼子と師匠はいつの間にか食べる手を止め、浅上藤乃だけが一人で食べ進めていた。
もぐもぐ、という健康的な咀嚼音は、すべて彼女のものだろう。
「下手な連携は身を滅ぼします。必要なのは、役割分担とその徹底。先の戦闘でも、私は失敗したとは思っていません」
「役割分担は正しくできていたってこと? 確かにそうかもしれないけれど、結果を見れば――」
「ならばそれは、単純に実力の問題です」
「役割分担は正しくできていたってこと? 確かにそうかもしれないけれど、結果を見れば――」
「ならばそれは、単純に実力の問題です」
理性的に話を進めよう。そう心に決めていた朝倉涼子の顔が、見るからに渋った。
「はっきり言いましょうか。私たちに欠けているものは、チームワークではなく『情報』です。
あなたたち二人に限って言えば、経験も不足していると断言してよいでしょう。
特にあなたの能力は、情報あってこそのものでしょう。相手や状況に合わせ、適確に適応化し、応戦のための応用する。
先の戦闘も……御坂美琴、電撃使いでしたか? もっと早い段階で相手の特性を見極められれば、完全勝利も容易だったはずです」
あなたたち二人に限って言えば、経験も不足していると断言してよいでしょう。
特にあなたの能力は、情報あってこそのものでしょう。相手や状況に合わせ、適確に適応化し、応戦のための応用する。
先の戦闘も……御坂美琴、電撃使いでしたか? もっと早い段階で相手の特性を見極められれば、完全勝利も容易だったはずです」
朝倉涼子は師匠の指摘に対し、沈黙での肯定を返した。
浅上藤乃は口に入れたナゲットをよく噛んでから、こくこくとカルピスを飲み干す。
浅上藤乃は口に入れたナゲットをよく噛んでから、こくこくとカルピスを飲み干す。
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイス――パーソナルネーム『朝倉涼子』。
彼女の強みは師匠が指摘するとおり、『情報』にこそある。
人、場、あるいは個、空間に存在するありとあらゆる情報を操作し、結合し、連結し、凍結し、ときには書き換え、状況を有利に動かす力――。
有機生命体の言語では到底説明しきれないであろう朝倉涼子の真価にして真骨頂を、師匠はよく見抜いていると言えた。
いわば、朝倉涼子の能力とは完璧なまでの『応用力』――それを最大限に発揮するためには、人を、場を、そして個を、よく知ることが重要だ。
彼女の強みは師匠が指摘するとおり、『情報』にこそある。
人、場、あるいは個、空間に存在するありとあらゆる情報を操作し、結合し、連結し、凍結し、ときには書き換え、状況を有利に動かす力――。
有機生命体の言語では到底説明しきれないであろう朝倉涼子の真価にして真骨頂を、師匠はよく見抜いていると言えた。
いわば、朝倉涼子の能力とは完璧なまでの『応用力』――それを最大限に発揮するためには、人を、場を、そして個を、よく知ることが重要だ。
浅上藤乃が席を立つ。からになったグラスを持って、とてとてとドリンクバーのスペースに歩いていく。
朝倉涼子は嘆息の後、言った。
朝倉涼子は嘆息の後、言った。
「完全勝利も容易、か……零点だった私も、いつの間にか高く評価されたものね」
「あなたの他にも、ああいった存在がいる。ああいった存在に、あなたは拮抗しうる。事実を鑑みての再評価です」
「ありがとう、と一応言っておくことにするわ。それからごめんなさい。師匠は師匠で、ちゃんと考えてくれているのよね」
「もう一方的にあなたを殴り続けるという手間はごめんですからね」
「あなたの他にも、ああいった存在がいる。ああいった存在に、あなたは拮抗しうる。事実を鑑みての再評価です」
「ありがとう、と一応言っておくことにするわ。それからごめんなさい。師匠は師匠で、ちゃんと考えてくれているのよね」
「もう一方的にあなたを殴り続けるという手間はごめんですからね」
一方的? 師匠、それは記憶障害よ――と朝倉涼子は言いかけて、寸前でやめた。
グラスにオレンジジュースをついできた浅上藤乃が、また席に着く。
グラスにオレンジジュースをついできた浅上藤乃が、また席に着く。
「でも、情報かあ。競争相手の知識なんて、情報統合思念体からダウンロードできる環境なら一発なのになあ」
「今はアクセスできない環境なのでしょう。なら、自ら諜報活動に専念するしか道はありません。敵を知り、己を鍛えるのです」
「温泉のときみたいに、他の有機生命体と接触を持てということ? 理には適っているけど、師匠らしからぬ提案ね」
「いえ、そうではありません。今後は、標的に対した場合はまず半殺しにし、情報を搾り取れるだけ搾り取ってから殺すことにします」
「やっぱり師匠は師匠だったわ」
「今はアクセスできない環境なのでしょう。なら、自ら諜報活動に専念するしか道はありません。敵を知り、己を鍛えるのです」
「温泉のときみたいに、他の有機生命体と接触を持てということ? 理には適っているけど、師匠らしからぬ提案ね」
「いえ、そうではありません。今後は、標的に対した場合はまず半殺しにし、情報を搾り取れるだけ搾り取ってから殺すことにします」
「やっぱり師匠は師匠だったわ」
浅上藤乃は気品ある物腰で、優雅に口元を拭っている。さすがはお嬢様学校の出身。
師匠が用意した食事はまだ二割ほど残されていたが、既に三人は食べることをやめ、作戦会議に没頭していた。
師匠が用意した食事はまだ二割ほど残されていたが、既に三人は食べることをやめ、作戦会議に没頭していた。
「全体で見れば、あなたや御坂美琴のような人間はやはり少数でしょう」
「少数でしょうね。ほとんどは銃で死ぬ、師匠が殺せる生命体ばかりだわ」
「心得るべきは、その見極めですね。接敵の際は注意力を、そして観察力を働かせるようにしなさい」
「見極めたら、適材適所。メインとバックアップに分かれるといったところかしら」
「連携と呼ぶにはずさんですが、これが私とあなたの最適解です。理解はできるでしょう?」
「そうね。さすが師匠だわ。あなたと一緒なら負ける気がしない――なんて、そういう慢心が身を滅ぼすのよね」
「そのとおりです」
「少数でしょうね。ほとんどは銃で死ぬ、師匠が殺せる生命体ばかりだわ」
「心得るべきは、その見極めですね。接敵の際は注意力を、そして観察力を働かせるようにしなさい」
「見極めたら、適材適所。メインとバックアップに分かれるといったところかしら」
「連携と呼ぶにはずさんですが、これが私とあなたの最適解です。理解はできるでしょう?」
「そうね。さすが師匠だわ。あなたと一緒なら負ける気がしない――なんて、そういう慢心が身を滅ぼすのよね」
「そのとおりです」
やがて――こっくり、こっくり、と。浅上藤乃が舟を漕ぎ始めた。
師匠と朝倉涼子の二人が、揃って黙る。視線はお互い、浅上藤乃の今は無垢な顔にいった。
あどけなさの残る、疲れ切った表情。まぶたは、とろん。ほとんど落ちかけ、やがて頭を垂れるようにして。
師匠と朝倉涼子の二人が、揃って黙る。視線はお互い、浅上藤乃の今は無垢な顔にいった。
あどけなさの残る、疲れ切った表情。まぶたは、とろん。ほとんど落ちかけ、やがて頭を垂れるようにして。
「…………すー」
浅上藤乃は眠りに落ちた。
朝倉涼子は苦笑する。
朝倉涼子は苦笑する。
「あらあら、寝ちゃったわ。彼女、湊啓太に電話することをすっかり忘れているみたい」
「忘れているのなら好都合です。現状、湊啓太とコンタクトを取ることに利点はありませんから」
「それもそうね。ところで、師匠」
「忘れているのなら好都合です。現状、湊啓太とコンタクトを取ることに利点はありませんから」
「それもそうね。ところで、師匠」
朝倉涼子は浅上藤乃の身体をそっと横にしてやり、声を潜めて師匠に喋りかけた。
「師匠って、自分の分だけじゃなく私たちの分の食事まで用意してくれるほど面倒見がよかったかしら?」
「もののついでです。くだらないことを言わないでください」
「もののついでです。くだらないことを言わないでください」
師匠は口に残ったソースの味を、水で流し落とす。
テーブルの上の散らかった惨状を目にし、しかし片づけようという気は毛頭ないようだ。
テーブルの上の散らかった惨状を目にし、しかし片づけようという気は毛頭ないようだ。
「食べてすぐ寝ちゃうだなんて、浅上さんも行儀が悪いわよね。それとも、それだけ疲れていたってことかな」
「なにが言いたいんですか?」
「一服盛ったんじゃない?」
「なにが言いたいんですか?」
「一服盛ったんじゃない?」
コトン、と師匠がやや強めにグラスを置いた。
朝倉涼子は薄ら笑っている。口の端を緩やかな三日月にし、瞳をぱっちりと開いた、優等生のポーズだ。
朝倉涼子は薄ら笑っている。口の端を緩やかな三日月にし、瞳をぱっちりと開いた、優等生のポーズだ。
「私が、浅上藤乃の料理に睡眠薬を混入したと?」
「睡眠薬とは限らないわね。睡眠作用のある薬なら……そうね。スタッフルームを探せば、風邪薬くらいは普通にあるでしょうし」
「そんな暇がいつあったというのですか」
「師匠、料理を作るって言ってずっと奥に引っ込んだままだったじゃない。その間、私たち二人は師匠の行動に関与していないわ」
「そうかもしれませんね」
「睡眠薬とは限らないわね。睡眠作用のある薬なら……そうね。スタッフルームを探せば、風邪薬くらいは普通にあるでしょうし」
「そんな暇がいつあったというのですか」
「師匠、料理を作るって言ってずっと奥に引っ込んだままだったじゃない。その間、私たち二人は師匠の行動に関与していないわ」
「そうかもしれませんね」
師匠はまたグラスを持ち上げようとして、すぐに置いた。
グラスの中は、既に空になっていたから。
グラスの中は、既に空になっていたから。
「初めて立ち寄った建物で、師匠が家探しをしない理由もないものね。金庫くらいは見つかったのかしら?」
「貨幣や紙幣は国によって様々です。いただくならどこでも売り捌ける物品が好ましいのですが、そう上手くはいきません」
「まあ、ただのファミレスじゃあね。でもここに立ち寄ったのは、そもそも金品目当てじゃないでしょう?」
「なにが目当てだったと言いたいのですか」
「休むことが目的でしょう?」
「貨幣や紙幣は国によって様々です。いただくならどこでも売り捌ける物品が好ましいのですが、そう上手くはいきません」
「まあ、ただのファミレスじゃあね。でもここに立ち寄ったのは、そもそも金品目当てじゃないでしょう?」
「なにが目当てだったと言いたいのですか」
「休むことが目的でしょう?」
朝倉涼子は手の平を広げ、あっけらかんと言った。
「この椅子取りゲームが始まって、そろそろ十八時間。師匠だって人間だものね。疲労はごまかせないはずよ。私だってそうだもの」
「……私個人の疲労と、浅上藤乃を眠らせたことと、どう関係があると?」
「……私個人の疲労と、浅上藤乃を眠らせたことと、どう関係があると?」
師匠の返事。その『種類』を鑑みて、朝倉涼子は、クスリ。声に出して笑った。
「結論から言ってしまえば、『湊啓太への連絡』という手間を省きたかったんじゃないかしら。
浅上藤乃を今後も武器として使っていくのなら、湊啓太の存在ははっきり言って邪魔でしかない。
私たちにとっては一文の得にもならない復讐なんだし、そのために時間を浪費するのはナンセンスよね。
じゃあどうすればいいのか。答えは単純。疲れている子には、眠っていてもらいましょ。それだけのことよ」
浅上藤乃を今後も武器として使っていくのなら、湊啓太の存在ははっきり言って邪魔でしかない。
私たちにとっては一文の得にもならない復讐なんだし、そのために時間を浪費するのはナンセンスよね。
じゃあどうすればいいのか。答えは単純。疲れている子には、眠っていてもらいましょ。それだけのことよ」
ちらりと、二人の視線が横たわる浅上藤乃の寝顔にいった。
彼女は人間だ。人間で、普通の女子高生だ。経験豊富な旅人でもなければ、ましてや宇宙人でもない。
彼女は人間だ。人間で、普通の女子高生だ。経験豊富な旅人でもなければ、ましてや宇宙人でもない。
「もともと疲れていたんですもの。一時でも気が緩んでしまえば、朝までぐっすりよ。いざというときには、叩き起こせばいいんだしね」
「……テーブルに並べられた料理には、私やあなたも手をつけています。そのことについてはどう説明しますか?」
「師匠、大げさなくらいがっついていたわよね。浅上さん、すぐ近くの料理にしか手をつけられなかったみたい」
「意図的に、私が彼女のペースに掌握したと」
「私はそもそも、おクスリとか効かないしね」
「なるほど。しかし、私の疲労との関連性が皆無です」
「浅上さんが眠ってしまったんじゃ、私たちも休まざるをえないわ。なにしろ、チームなのだから」
「……テーブルに並べられた料理には、私やあなたも手をつけています。そのことについてはどう説明しますか?」
「師匠、大げさなくらいがっついていたわよね。浅上さん、すぐ近くの料理にしか手をつけられなかったみたい」
「意図的に、私が彼女のペースに掌握したと」
「私はそもそも、おクスリとか効かないしね」
「なるほど。しかし、私の疲労との関連性が皆無です」
「浅上さんが眠ってしまったんじゃ、私たちも休まざるをえないわ。なにしろ、チームなのだから」
師匠はきっと、朝倉涼子に対して弱みを見せまいとしたのだろう。
浅上藤乃への対応、もとい小細工は、要するに大義名分なのだ。
経験豊富な旅人とはいえ、彼女も人間。人間は、疲れる生き物だから。
浅上藤乃への対応、もとい小細工は、要するに大義名分なのだ。
経験豊富な旅人とはいえ、彼女も人間。人間は、疲れる生き物だから。
「……湊啓太の件については、あなたが適当に話をでっちあげておきなさい。今後、浅上藤乃を動かしやすいようにね」
「了解したわ。師匠はどうするの?」
「奥に従業員用の休憩室がありますので、そこで休ませてもらいます」
「あら、私が寝込みを襲うかもしれないわよ?」
「私が寝込みを襲われるような女だと思いますか?」
「……表のパトカー、回収しておくわ。安眠を邪魔されたくはないし」
「放送の記録もしっかり取っておくように」
「了解したわ。師匠はどうするの?」
「奥に従業員用の休憩室がありますので、そこで休ませてもらいます」
「あら、私が寝込みを襲うかもしれないわよ?」
「私が寝込みを襲われるような女だと思いますか?」
「……表のパトカー、回収しておくわ。安眠を邪魔されたくはないし」
「放送の記録もしっかり取っておくように」
朝倉涼子の『探り』に対する答えを、自ら口にすることはなかった。
師匠は店の奥に、朝倉涼子は店の表に、それぞれ分かれ、各自やるべき仕事をこなす。
師匠は店の奥に、朝倉涼子は店の表に、それぞれ分かれ、各自やるべき仕事をこなす。
彼女たちはなにより、効率を重んじる。そんな彼女たちだからこそ、功を焦る愚は犯さない。
休息は必要だ。食事は明日の勝率を上げ、睡眠は明日の生存率を高める。
それに、休息は――『情報』を纏め上げる絶好の機会でもある。
休息は必要だ。食事は明日の勝率を上げ、睡眠は明日の生存率を高める。
それに、休息は――『情報』を纏め上げる絶好の機会でもある。
◇ ◇ ◇
「杞憂よ、師匠」
朝倉涼子はガラス張りの扉を開け、店の表玄関に出る。そこで、一声。
「これは教えてあげられないけれど――このゲームに、『湊啓太』なんて人物は存在しないわ」
空に残した呟きを耳に入れる者は、いない。
朝倉涼子の行動は、人間でいうところの『ひとりごと』に該当する。
そこに、どんな意味が込められていようとも――ひとりごとは、ひとりごとだ。
朝倉涼子の行動は、人間でいうところの『ひとりごと』に該当する。
そこに、どんな意味が込められていようとも――ひとりごとは、ひとりごとだ。
「だから、つまり、正解はね。浅上さんの勘違いだったのよ」
態度から見て、浅上藤乃が嘘をついているとも思えない。嘘をつく理由も考えられない。
ならば、正答はそれ一本に絞れる。彼女が通話したという湊啓太は、湊啓太ではなかった――ということ。
ならば、正答はそれ一本に絞れる。彼女が通話したという湊啓太は、湊啓太ではなかった――ということ。
朝倉涼子は知っている。正確には、今しがた知った。
この世界に、いやこの物語に、『湊啓太』という登場人物は存在しない。
名簿外の十人、その内の生き残りと判断できる四人の中にも、いない。
検索し、照合したから、絶対にいないと言い切れる。
この世界に、いやこの物語に、『湊啓太』という登場人物は存在しない。
名簿外の十人、その内の生き残りと判断できる四人の中にも、いない。
検索し、照合したから、絶対にいないと言い切れる。
だって――長門有希の情報の中には、きっちり『湊啓太を含まない六十人の名前』しか記録されていなかったのだから。
「まあ、湊啓太という名前が偽名、もしくは浅上さんの覚え違いという可能性も、捨て切れないけれどね」
さすがにそこまでは面倒見切れない。求めているのは楽観なのだから、ここは安易に楽観することにしよう。
湊啓太はこの地にはいない。つまり、もう三日も持たないであろう浅上藤乃の復讐は、叶わないということだ。
ご愁傷さま、と心には思えど、実際にねぎらいの言葉をかけることはありえない――朝倉涼子は、一人笑みを作る。
湊啓太はこの地にはいない。つまり、もう三日も持たないであろう浅上藤乃の復讐は、叶わないということだ。
ご愁傷さま、と心には思えど、実際にねぎらいの言葉をかけることはありえない――朝倉涼子は、一人笑みを作る。
停車中のパトカーをデイパックに収納するという、案外の力作業を行いながら考える。
警察署で得た、長門有希の持つ情報。正しくは、長門有希の中に詰まっていた情報。
それをゆっくりと、時間をかけて消化・吸収していく中で、朝倉涼子はまだ見ぬ競争相手たちの名前を知った。
といっても、名前だけだ。顔も、性別も、人間か非人間かもわかったものではない。
警察署で得た、長門有希の持つ情報。正しくは、長門有希の中に詰まっていた情報。
それをゆっくりと、時間をかけて消化・吸収していく中で、朝倉涼子はまだ見ぬ競争相手たちの名前を知った。
といっても、名前だけだ。顔も、性別も、人間か非人間かもわかったものではない。
「名前が載っていなかった十人について、長門さんは最初から知っていたということなのかな?」
朝倉涼子は仮定するが、その謎は現段階では解明できない。真実を情報として抽出するためには、さらなる時間が必要だった。
今のところは、名前がわからなかった四人の存在確認と、湊啓太という名を持つ少年の不在確認だけ。
あるいは、師匠と浅上藤乃が目覚め、再び動き出す頃には――新たな『結果』が、朝倉涼子の頭に下りてきているかもしれないが。
今のところは、名前がわからなかった四人の存在確認と、湊啓太という名を持つ少年の不在確認だけ。
あるいは、師匠と浅上藤乃が目覚め、再び動き出す頃には――新たな『結果』が、朝倉涼子の頭に下りてきているかもしれないが。
「なんにせよ、師匠が寝てくれているのなら好都合だわ。『湊啓太として電話を受けた誰かさん』とも、お話しておきたいし――」
携帯電話の番号は、既に浅上藤乃から聞いている。店内に電話があることも確認済みだ。
自身の弱さは情報量の少なさにあると考える朝倉涼子、だからこそ――交友関係は広く持たないといけない。
自身の弱さは情報量の少なさにあると考える朝倉涼子、だからこそ――交友関係は広く持たないといけない。
「友達を作らないと、孤立しちゃうしね。それは学校でも、急進派でも同じ。コミュニティは築いておきたいものだわ」
あらたかの作業を終え、朝倉涼子はまた店内へと足を踏み入れる。
時刻は午後六時に近づき、店頭の照明はいつの間にか灯っていた。
時刻は午後六時に近づき、店頭の照明はいつの間にか灯っていた。
【E-3/車道沿い・ファミリーレストラン『Bennys』/一日目・夕方(放送直前)】
【師匠@キノの旅】
[状態]:健康、睡眠中
[装備]:FN P90(35/50発)@現実、FN P90の予備弾倉(50/50x17)@現実、両儀式のナイフ@空の境界、ガソリン入りペットボトルx3
[道具]:デイパック、基本支給品、医療品、パトカーx3(-燃料x1)@現実
金の延棒x5本@現実、千両箱x5@現地調達、掛け軸@現地調達
[思考・状況]
基本:金目の物をありったけ集め、他の人間達を皆殺しにして生還する。
0:寝る。
1:朝倉涼子を利用する。
2:浅上藤乃を同行させることを一応承認。ただし、必要なら処分も考える。よりよい武器が手に入ったら殺す?
[状態]:健康、睡眠中
[装備]:FN P90(35/50発)@現実、FN P90の予備弾倉(50/50x17)@現実、両儀式のナイフ@空の境界、ガソリン入りペットボトルx3
[道具]:デイパック、基本支給品、医療品、パトカーx3(-燃料x1)@現実
金の延棒x5本@現実、千両箱x5@現地調達、掛け軸@現地調達
[思考・状況]
基本:金目の物をありったけ集め、他の人間達を皆殺しにして生還する。
0:寝る。
1:朝倉涼子を利用する。
2:浅上藤乃を同行させることを一応承認。ただし、必要なら処分も考える。よりよい武器が手に入ったら殺す?
【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:疲労(中)、長門有希の情報を消化中
[装備]:なし
[道具]:デイパック×4、基本支給品×4(-水×1)、軍用サイドカー@現実、人別帖@甲賀忍法帖
シズの刀@キノの旅、蓑念鬼の棒@甲賀忍法帖、フライパン@現実、ウエディングドレス
アキちゃんの隠し撮り写真@バカとテストと召喚獣、金の延棒x5本@現実、パトカー@現地調達
[思考・状況]
基本:涼宮ハルヒを生還させるべく行動する(?)。
1:長門有希の中にあった謎を解明する。
2:放送後にでも、電話を使って湊啓太(と藤乃が思い込んでいる誰か)に連絡を取ってみる。
3:師匠を利用する。
4:SOS料に見合った何かを探す。
5:浅上藤乃を利用する。表向きは湊啓太の捜索に協力するが、利用価値がある内は見つからないほうが好ましい。
[備考]
登場時期は「涼宮ハルヒの憂鬱」内で長門有希により消滅させられた後。
銃器の知識や乗り物の運転スキル。施設の名前など消滅させられる以前に持っていなかった知識をもっているようです。
長門有希(消失)の情報に触れたため混乱しています。また、その情報の中に人類最悪の姿があったのを確認しています。
長門有希(消失)の保有していた情報から、ゲームに参加している60人の本名を引き出しました。
[状態]:疲労(中)、長門有希の情報を消化中
[装備]:なし
[道具]:デイパック×4、基本支給品×4(-水×1)、軍用サイドカー@現実、人別帖@甲賀忍法帖
シズの刀@キノの旅、蓑念鬼の棒@甲賀忍法帖、フライパン@現実、ウエディングドレス
アキちゃんの隠し撮り写真@バカとテストと召喚獣、金の延棒x5本@現実、パトカー@現地調達
[思考・状況]
基本:涼宮ハルヒを生還させるべく行動する(?)。
1:長門有希の中にあった謎を解明する。
2:放送後にでも、電話を使って湊啓太(と藤乃が思い込んでいる誰か)に連絡を取ってみる。
3:師匠を利用する。
4:SOS料に見合った何かを探す。
5:浅上藤乃を利用する。表向きは湊啓太の捜索に協力するが、利用価値がある内は見つからないほうが好ましい。
[備考]
登場時期は「涼宮ハルヒの憂鬱」内で長門有希により消滅させられた後。
銃器の知識や乗り物の運転スキル。施設の名前など消滅させられる以前に持っていなかった知識をもっているようです。
長門有希(消失)の情報に触れたため混乱しています。また、その情報の中に人類最悪の姿があったのを確認しています。
長門有希(消失)の保有していた情報から、ゲームに参加している60人の本名を引き出しました。
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:無痛症状態、腹部の痛み消失、睡眠中
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:湊啓太への復讐を。
0:……すやすや。
1:電話があればまた電話したい。
2:朝倉涼子と師匠の二人に協力し、湊啓太への復讐を果たす。
3:他の参加者から湊啓太の行方を聞き出す。
4:後のことは復讐を終えたそのときに。
[備考]
腹部の痛みは刺されたものによるのではなく病気(盲腸炎)のせいです。朝倉涼子の見立てでは、3日間は持ちません。
「歪曲」の力は痛みのある間しか使えず、不定期に無痛症の状態に戻ってしまいます。
「痛覚残留」の途中、喫茶店で鮮花と別れたあたりからの参戦です。(最後の対決のほぼ2日前)
湊啓太がこの会場内にいると確信しました。
そもそも参加者名簿を見ていないために他の参加者が誰なのか知りません。
警察署内で会場の地図を確認しました。ある程度の施設の配置を知りました。
[状態]:無痛症状態、腹部の痛み消失、睡眠中
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:湊啓太への復讐を。
0:……すやすや。
1:電話があればまた電話したい。
2:朝倉涼子と師匠の二人に協力し、湊啓太への復讐を果たす。
3:他の参加者から湊啓太の行方を聞き出す。
4:後のことは復讐を終えたそのときに。
[備考]
腹部の痛みは刺されたものによるのではなく病気(盲腸炎)のせいです。朝倉涼子の見立てでは、3日間は持ちません。
「歪曲」の力は痛みのある間しか使えず、不定期に無痛症の状態に戻ってしまいます。
「痛覚残留」の途中、喫茶店で鮮花と別れたあたりからの参戦です。(最後の対決のほぼ2日前)
湊啓太がこの会場内にいると確信しました。
そもそも参加者名簿を見ていないために他の参加者が誰なのか知りません。
警察署内で会場の地図を確認しました。ある程度の施設の配置を知りました。
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