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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 放送中止?

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

放送中止?

最終更新:2008年05月27日 16:43

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だれでも歓迎! 編集

放送中止? ◆uOOKVmx.oM


 カッ……カッ……カッ……ヒュン…………カッ……カッ……カッ……ヒュン…………

 昼時、大通りに面したレストラン。
本来ならば腹を減らせた客を黙らせるために戦場となっている厨房は静寂に包まれ、
ただ小さく時を刻むような規則正しい音だけが零れていた。
飾り気のないコンクリート壁が取り囲み、天井をダクトが蛇のように這い回っている。
周囲には無数のオーブンコンロにバーナー、フライヤー、大鍋、フライパン。
数え上げればきりがないが、どれも料理人という名の戦士に相応しく磨き上げられ、
調理の炎が巻き起こるのを心待ちにしているかのようだ。
 そんな手入れの行き届いた調理台の上。あろう事かキルアは土足のまま座り込み、
数本のナイフをダーツのようにコンクリートの壁へと投げつけていた。
 純銀製のナイフは考え事をする彼の手と壁を一定のリズムを刻むかのように往復し、
仲間外れにされたフォークとスプーンが恨めしそうに見上げている。
その一転の曇りもなく磨き上げられたスプーンに映るキルアの顔は、歪んで見えた。

 追い詰めたつもりが、まんまと罠に誘い込まれていたなんて笑い話にもなりはしない。
幸いにして展望台で吸ったガスは致死性ではなかった。
幸い――そう、自分達がまだ生きているのは運が良かっただけに過ぎない。
ガスは流し場で水を被り洗い流したが、頭の隅にこびり付いた敗北感は拭えなかった。
(どうする、もう一度展望台へ攻め込むか? だけど……)
 相手が展望台に逃げ込んですぐにガスを準備したとは思えない。
あそこに仲間が控えているとすれば、その理由はなんだ?
目立つ上に逃げ場がないように見せて、自分のような間抜けを誘っているのだろうか。
あの高さならば周囲を監視することも容易だっただろう。
どちらにせよ先程の状況では、相手の方が一枚上手だった。そう認めざる得ない。

 攻め返すならどうする?
逃走時のように死角を移動するのは当然として、ザッと思いつくルートは四つ。
一、馬鹿正直にエレベータで上がる。平和的に交渉すると見せかければいい。
だが室内でガスを使うような相手に話し合いの余地があるかは疑問だ。
ニ、エレベーターの天井からワイヤーを昇る。奇襲としては有効だらろう。
しかし再びガスを使われたら、今度こそ命取りだ。
三、外部の非常階段を昇る。タワーの裏側にある鉄骨と鉄板で汲まれた長い非常階段。
当然ながら展望台から丸見えで、奇襲にはならないだろう。
四、タワーの外壁部をよじ登る。目算では展望台まで百メートル弱。
ワイヤーと同じく、昇る手間は掛かるが苦労するほどではない。

 カッ……カッ……カッ……ヒュン…………カッ……カッ……カッ……ヒュン…………

(外から昇るのが一番マシか。逆側で太一に気を引いてもらえば……いや、でも) 
 首輪探知機を持つ太一なら誰かがエレベーターで降りて来ても、容易に逃げられる。
しかし太一を一人残して危険に晒すわけにもいかない。
展望台にいる相手の力も未知数、罠を張る奴が戦えないと決め付けるのは早計だ。
こちらが相手を認識したと同じように、相手もこちらを認識しているのだから、
ただ手をこまねいて待っているとは思えない。
 では展望台は無視して別の所を探しに行くか。分かっている罠に飛び込む必要はない。
もっとも有効な手段だと思う。だが危険人物を放置するわけにもいかない。
別の誰か、ゴンや太一の友人が毒牙に掛からないとは言い切れず、無視できない。
『だが』とか『しかし』ばかりの否定的な考えばかりが頭の中でループしている。

 カッ……カッ……キン……ヒュン………………

 投げたナイフの一本が的を僅かに反れ、軽い金属音を奏でた。三本ずつ投げていた
ナイフは二本が互いに激突して床に落ち、手元に戻ってきたのは一本きり。
 何か重要な事を失念しているような気がしてモヤモヤする。
出会い頭に一杯食わされた事が、彼に冷静さを欠かせていたのかも知れない。
必要以上に相手を警戒し、逃げ腰になってしまう。
(ちっ、こんなだからビスケに『見切りが早い』とか言われちまうんだ)

「ぁー、やっと頭ン中スッキリした!」
「ちゃんとガスは抜けたか? ほら、頭を拭いとけよ」
 キルアは床に落ちたナイフを壁に残したまま、その近くあったタオルを支給品で
引き寄せると、流し場から顔を太一に向かって放り投げた。
 意識を失った太一はガスが抜く為に頭から水を掛けられ、顔を洗わされていたのだ。
「それってブーメランだろ。意外と便利そうだな」
「ちぇ……皮肉のつもりかよ」
 キルアがボヤいた。支給品の充実した太一に比べて、キルアはブーメランが一つだけ。
食器棚から掻き集めたナイフや包丁の方がよっぽど役に立つ。
さっきまで心底そう思っていたが、暇潰しに投げてみると意外なほど使い勝手がよかった。
本来は弧を描くように飛ぶ投擲武器なのだが、このブーメランはそれだけではない。
念でも篭っているのか、視界内ならば狭い室内でも狙った所へ正確に飛んでいく。
そして正確に手元へ返ってくる。例えキルアが動いていたとしても必ず戻ってくるのだ。
ついでに軌道上にある小物を引き寄せる不思議な力も合わせ持っている。
例えば壁に刺さったナイフを手元に戻したり、タオルを取ったりと応用範囲は広そうだ。
仕組みは分からないが、念能力と同じく物理法則を無視していることは理解できた。
それと同時に、支給品を持つ全員が念能力者並に警戒が必要であることもだ。

「はは、ごめんごめん。ここまで担いでくれたんだろ? ありがとな」
「いや、あれは俺の判断ミスだ。だから謝るのは俺の方だ。ごめんな」
 濡れた頭をタオルで拭きながら太一が頭を下げると、キルアも軽く頭を下げた。
そして二人でクスリと笑った。生きているからこそ笑える。

「ほらこれ。お前が頭を冷やしている間に色々と『使えそうな物』を探しといたぜ」
 そういうとキルアは調理台に店から無断で拝借した戦利品を広げた。
自分の支給品が少なかったからでもあったが、現地調達は基本中の基本というだけだ。
銀食器1ダース、包丁二本、フライパン、中華鍋、殺虫剤、油、着火用ライター、
テーブルクロス、タオルに着替え用の調理服、食料品などなど。

「フライパンとかはともかく、殺虫剤なんて何に使うんだよ。今の仕返しか?」
 太一が笑って口を尖らせた。彼の支給品の一つはコンチュー丹という丸薬だった。
飲めば数分の間、昆虫の凄い力を発揮できるのだが、虫取り網や殺虫剤に弱くなるのだ。
ガスを吸った時にこれを飲んでいたら煙に炙られた虫のように引っ繰り返っていただろう。
テントモンみたいな姿に変身したら格好悪いな、と躊躇したのが幸いした。
 ついでにだが三つ目の支給品は水陸両用のバギーカー。
音声入力で内臓コンピューターが運転してくれる便利な代物らしいのだが、
狭い路地裏や室内では宝の持ち腐れ。しかも音が大きくて目立ちすぎるので状況を選ぶ。
それでもブーメランだけだったキルアに対して充実しているし、なにより銃や刃物を
手にするより太一は安心していた。みんなと一緒にバギーに乗れるといいなと。

「殺虫剤はこう使うんだよ」
 悪戯っぽく笑ってキルアに太一が首を捻る。
次の瞬間、ライターをかざしてスプレーすると大きな炎が巻き起こった。
簡易的な火炎放射器として有名な組み合わせだ。良い子は絶対に真似すんなよ。
「ほら、これはお前の分」
 布で包んだ包丁とフライパン、殺虫剤スプレー、着火用ライターなどを太一へと渡す。
キルアは比較的扱い易い物を選んだつもりだったが、太一は強い拒絶を示した。
「包丁なんてどうすんだよ。危ないだろ」
「……今の状況を分かってんのか?」
「分かってるけど……やっぱり包丁は人に向けるもんじゃない」
「OK。じゃあ人に向けなくて良いから。ロープとか切る時とかにも必要になるだろ」
「まあ、そういう事なら持っとくけどさ」
 身を守る力は必要かもしれないけど、刃物で相手を傷つけるのは何かが違う気がする。
そう思いながらも太一は渋々と包丁をランドセルへ仕舞い込んだ。

「ところで水を被っている間に思ったんだけど、水を止めるにはどうすれば良いと思う?」
「栓を閉めれば良いだけだろ。そんなことより今は展望台の方をどうするかで……」 
 攻めるか退くか、キルアはまだ迷っていた。
太一が退くと言えば、すぐにでも退きたいくらいに展望台の主を警戒していた。
それはキルアが臆病というわけではなく、幼いころからの教育と兄の影響だ。
「そう、それさ、展望台。それのことで、ちょっと思いついたんだよ」
「?」
 悪戯っぽく笑う太一に今度はキルアが首を捻った。

○   ○   ○

 明神弥彦が展望室を出て数十分。
一人取り残されたニアは双眼鏡でタワーの周囲を見回しながら、展望室から逃げ遂せた
二人の少年の事を考え、片手はしきりにアクション仮面人形を弄っていた。
こうして警戒していても姿が見えないのは、弥彦と会話していた間に遠くへ逃げたか、
あるいは監視を察して死角を移動しているのか。恐らくは後者だろう。
 逃げられてしまったこと自体は別にいい。誤算だといえるが、修正の行く範囲だ。
問題は彼らが自分達を完全に敵として認識したであろうこと。
彼らが誰かと好意的な接触をすれば、必ず自分達の事を敵意を持って伝えられるだろう。

(できれば無用な誤解を生む前に、話し合い『協力』をお願いしたいのですが……)
 人間には先入観というものがある。
矛盾する二つの情報がある時、先に得た情報の方が真実だと思いがちだ。
あまりに少ない情報で想像力を働かせても、ろくな事にならないというのに
それを理解できない人間は大勢いるのだ。
そう、今恐れねばならないのは二人のを敵に回したことではなく、彼らから広がる誤解、
疑心暗鬼の渦に巻き込まれることだ。
今の弥彦に接触されてもいらぬ誤解を生んでしまうだろう。
それに比べれば「決着をつけよう」と仕返しにこられた方が遥かに対処しやすい。

(いきなり乗り込まれたら少し困りますけどね)
 もう一度少年達がここへ来てガスを吸い、素直に話を聞いて仲間になってくれる。
流石に子供向けの番組でもありえない。考えている自分が情けなくなるほどに間抜けだ。
おそらく次に来る時は、十分過ぎるほどに対処法を用意してくるに違いない。
だから安全に話し合いをするには、少しでも直接的な接触を減らさねばならないだろう。

(そういえば、ここには内線もいくつかありますし)
 例えばエレベーターを上階に固定して侵入方法を断ち、下階の内線で連絡を取るように
放送で伝えるなど、直接顔を合わせずに意思疎通が取れれば、万々歳だ。
弥彦にも使い方を教えておくべきだったか。

(ん、あれは?)
 外に向ける視界の端に一人の少年が映った。初めて見る眼鏡をかけた茶色の髪に少年。
彼は建物の影に隠れて周囲を伺っているつもりなのだろうが、こそこそとした動きは
遥か上方から見降ろすと逆に目立って見える。
少年はタワーの方向に注意を払っている割には、展望台への警戒心は薄いようだ。
そうなれば答えは一つ、展望室から死角となっている下階の何かを見ているのだ。
(弥彦君が帰ってきたのでしょうか。彼が尾行されるのは想定の範囲内ですが……)
 安易な決め付けは禁物だ。あの二人組の少年達や全く違う第三者の可能性もある。
どちらにせよエレベーターに何らかの反応があるだろうと視線を移した時、
階数表示のランプは、展望室を照らしていた照明と共に消えた。

○   ○   ○

(あの二人がまたタワーに入っていくなんて……ちぇ、マズイ事になったな)
 磯野カツオはビルとビルの間にある路地から、再びタワーに入って行く二人の少年を
遠巻きに見かけて舌打ちをする。彼は自分の失敗を改めて突きつけられたのだ。

 一時間ほど前、その二人組の少年に追われてタワーに逃げ込んだ明神を見ている。
そしてその後で冷静に死体を調査しに戻った無傷の明神の姿もだ。
 タワーに入ってしまったら逃げ場はないはずだから、追いかけた二人と何らかの接触は
しているだろう。またタワーから出て来るところは見ていないが、彼らも怪我は負って
いないようだから戦闘にはならなかったと推測できる。
さっきの落ち着いた明神の態度を考えれば、二人から逃げ回っているのでもないだろう。
つまり明神と二人組は手を組んだ、もしくは和解したとしか考えられない。
そう考えるとタワーに再び二人組みが入っていくのは、単独で死体漁りしていた明神と
待ち合わせる為ではないだろうか。
 こんな事ならドンドン市街地を外れていく明神の追跡を諦めるんじゃなかった。
彼一人ならば何とでも言いくるめられただろうに。

(今から何食わぬ顔で出て行くって手もあるけど……)
 ミスを誤魔化すなら早い方が良い。
悪い点のテストも早目に見せれば小言だけで済むが、下手に隠してからバレれば
大きなカミナリが落ちる。さて、どうしようか――

○    ○    ○

 誰が下にいるにせよ、展望室に人がいると考えて電源を落としたのだろう。
そうなれば次の手段は奇襲か強襲と予想できる。
警察でも軍隊でも、夜間の強行突入前には電源を落とすのは基本中の基本。
虚を突いて視界を制限し、少しでも戦況を有利に運ぶ為だ。
太陽は真上にあるのだから視界を奪うのが目的ではない。
奪われたのは足だ。ここに一台、下階に一台。展望室の出入口と言えるエレベーターは、
動く活力を奪われ単なる殺風景な独房へと姿を変えてしまっている。
(これで降りることは出来ない。しかし上ることも出来ないはず。ハッ!?)
 一瞬だけ、心臓が鼓動が大きくなる。
周囲が明るくて気付かなかったが、停電の中でも光を発しているものがあった。
通路の天井と足元にある緑色のボックス、人が歩くようなマークと矢印が描かれている。

『非常口→』

 非常用兼作業用の無骨な外階段だ。昇降手段は室内だけとは限らない。
外から悟られぬよう慎重に、そして素早く双眼鏡で上から下まで非常階段を観察する。
何度も確認しても人影はなく、ニアはホッと安堵の息を吐いた。
(安堵? 私は安心などしません。事実を確認しただけですから)
 外の階段でなければ、残るはエレベーターシャフト内のワイヤーを登るくらいか。
メタモンの例がある以上、ハリウッド映画のような展開もないとは言い切れない。

(あくまで可能性は可能性です。スパイダーマンでもあるまいし……)
 ニアが一階に降りている方のエレベーターの扉を横に引くと、電源の通わない
重そうな扉は左右にスッと開いた。どうやらここは手入れが行き届いているようだ。
 百メートル近いガラン胴のシャフト内は暗く、完全には下まで確認はできない。
だが微動だにしないワイヤーを見る限り、スパイダーマンは不在だったらしい。
もし勇敢にも昇って来ていても、眠り火に火をつけて放り込みガスを充満させるだけで、
蚊取り線香を吸った蜘蛛のように落ちるだろう。スパイダーマンに殺虫剤は有効か否か、
興味深い実験は残念ながら次の機会に持ち越しのようだ。

(逆にメタちゃんをワイヤーに変えれば、ここから降りれますね……いやいやバカな)
 一瞬だけ自分と無敵のヒーローを重ねるような想像をしたが、直ぐに思い直す。
メタちゃんが百メートルものワイヤーに「へんしん」出来るかどうか、
下に降りるまで人間一人を支えていられるかどうか疑問の余地が残る。
別に高い所が怖いわけではない、断じて違う。必要の無い危険は冒したくないだけだ。

 もう一度下を覗いてみると、どこまでも続く吸い込まれるような暗闇がパックリと口を
開けていた。体を支える両手にジットリとした汗が滲んでいくのが自分でも分かる。
前言撤回。恐怖することは人間として何も恥ずかしいことではない。
暗闇や高所、炎などに恐怖することは極めて普通のことであり、それを如何に理性的に
受け止め、どう対処・克服するかが凡人と天才やヒーローの違いであり――

 ビュウゥゥゥ――!
「――あ!?」

 一陣の突風。高いところは常に強い風が吹いている。展望室の外も例外ではない。
弥彦がガスを抜く為に開けた窓の穴から、強い風が吹き込んだのだ。
気圧差で水が流れるように上から下へ、展望室内の空気はエレベーターシャフトへと
大挙して飛び込む風たちに驚いた拍子に手が滑り――

 ヒーローは宙に舞った。

 マンガやアニメじゃあるまいし、空なんて飛べるわけがない。
地上まで百メートル弱、十秒にも満たない自由落下による無重力世界。
それすら堪能することも出来ずに彼は、風というファンに揉みくちゃにされつつ、
途中の壁に身を削るようなサインをプレゼントしながら降りていった。そして――

 鉄板に何かがぶつかったような小さな音がシャフト内に響いたが、直ぐに風達の喧騒が
掻き消してしまい、それは誰の耳にも届くことはなかった。
スパイダーマンは摩天楼からの落下しても大丈夫だった。
スーパーマンも無事だった。バットマンは無事じゃなかった。
はたして彼は無事だろうか。

 暗いシャフトの底を見つめるながら、ニアの首はガクリと力無くうな垂れた。

○    ○    ○

「よし、これで電源は止まった。グッドアイデアだぜ太一!」
「まーな。電気がなかったらエレベーターも電車も動かないしな」
 得意げに胸を張る太一にキルアが感心したような声を挙げた。
彼の手にした頑丈そうなレバーの根元には『主電源 OFF』と大きく書かれている。
 太一の発案は単純なものだった。
水を止めたければ水道栓を閉める、だからエレベーターを止めたいなら電源を切れば良い。
展望台はタワーの上階にあるが、水も電気も下から上に送っているのは明白だからだ。

 ここはタワーの一階、管理室と書かれたプレートの部屋。
壁のように大きな操作盤には色々なスイッチが数え切れないほど付いていた。
まるで古いスパイ映画に出てくる秘密基地を連想させるような機械設備だ。
どのスイッチを操作するとどうなるか細かいことは分からないが、目当てのスイッチは
直ぐに見つかった。主電源の大きなON・OFFスイッチは当然のように目立つ。

「残された逃げ道は丸見えな階段だけ。俺達の勝ちだな」
「一応、最初は話し合いでいこうぜ。みんなの事も上から見ているかも知れないし」
「分かってるさ。さて内線でオロオロしている奴に、脅迫電話でも掛けてやるか」
 キルアが嬉々として内線の受話器を手に取り、展望台の呼び出しボタンを押した。
内線を始め電話は停電時でも非常用電源で使用できるのが普通だ。
その顔はいつも通り冷静に見えるが『今度はこっちが出し抜いてやった』という感情が
太一の目にも見て取れる。
「やっぱ、すぐには応答しないか。そうだ太一、苦し紛れにエレベーターのワイヤーを
降りて来るかもしれないから、探知機でチェックしておいてくれ」
 呼び出し音の鳴り続ける受話器を首に挟んだままキルアが声を上げた。
自分が展望台にいたら降りることも考えるだろう。出来る用心はしておいた方が良い。
「ワイヤーを降りてくるって、どこのスパイ映画だよ。ってあれ?」
「なんだ? まさか本当に降りてきてるのか?」
「違う、向こうの方。一瞬だけど探知機ギリギリのところで反応が二つあったんだ」
 そう言って太一は商店街の方向を指差した。

 電源を落とす前、制御盤に設置された監視モニターには展望台も映し出されていたが、
残念ながら誰も写ってはいなかった。展望台の主はカメラの死角を選んでいるのだろう。
二人の方も展望台から死角になる建物の影を移動してきたのだから、容易に想像できた。
そしてモニターの隅に写る『割れたガラス』から、展望台に誰かいることも想像できた。
だから相手は死角に隠れている、又はタワー内部で待ち伏せしていると思ってしまった。
タワー内に気を配るあまり、遠くから目撃されている事は想像の範疇外だったらしい。

「出し抜かれたのは……俺達の方かよ!」
 相手は展望台に引き篭るばかりとは限らない。そんな簡単な事を見失っていたなんて。
キルアを嘲笑うかのように耳元で呼び出し音だけが響いていた。


○    ○   ○

(何事にも気を抜かず、冷静に状況を判断し、恐怖を克服する。
それがヒーローであるアナタが残したメッセージだというのなら、感謝します)

 ニアは突風に飛び乗って虚空へ消えたアクション仮面に、彼にしては珍しく礼を述べた。
一瞬の恐怖や油断は様々なものを奪う、それをあのヒーローは再認識させてくれたのだ。
これを感謝せずにして何に感謝しろというのだ。失敗からは何かを学ばねばならない。
そうでなければ、うっかり人形を落としてしまった自分が道化ではないか。
割りと気に入っていたのに。落胆にうな垂れた姿勢を正し、彼は改めて現実と立ち向かう。

 停電でエレベーターは動かず、移動には外から丸見えな非常階段しかない。
放送機材が使えず、下階の人物や弥彦と連絡も取れない。
だからどうした。そんな危険は承知でここに留まったのではないのか。
この程度の事で冷静さを欠くようでLを超えたなどと誰が認めてくれよう。

(そうです。停電において、気がかりなのは一つだけ)

 展望室は停電で放送機材が使用できなくなっている。
これが原因で18時の放送が聞けない事になれば圧倒的なマイナスだ。
目立つランドマークなだけに侵入禁止エリアに指定されでもしたら目も当てられない。
動かないエレベーターでは禁止時間までに移動できるかもままなら無いからだ。

(仕方がありません。予定よりも若干早いですが、一度動く必要があるようですね)

 タイムリミットは18時。放送までに電源を復旧するか、別の場所に移動するか。
弥彦との合流、そして下階の人物への対処も必要になってくるだろう。
問題はドンドン山済みになってゆく。だがそれがいい。
適度な緊張感は神経を研ぎ澄まさせ、人を新たなステップへと成長させる。
問題を一つ解決するたびに、打倒ジェダへと一歩ずつ近づく事ができる。

 トォルルルル…………トォルルルル…………トォルルルル…………

 彼の前途を祝う鐘のように、内線の呼び出し音が展望室に響いている。

【アクション仮面人形@クレヨンしんちゃん 破損確認】



【B-7/タワー内1F管理室/1日目/真昼】
【キルア@HUNTER×HUNTER】
[状態]:健康
[装備]:ブーメラン@ゼルダの伝説、純銀製のナイフ(12本)、
[道具]:基本支給品、調理用白衣、テーブルクロス、包丁、食用油、
[思考]:嘘だろ……また一杯食わされたか?
第一行動方針:展望室にいるはずの人物とコンタクトを取る
第二行動方針:探知機の見つけた相手を警戒する
第三行動方針:ゴンを探す
第四行動方針:太一に協力し、丈、光四郎、ミミを探す
基本行動方針:ゲームには乗らないが、襲ってくる馬鹿は容赦なく殺す

【八神太一@デジモンアドベンチャー】
[状態]:健康、
[装備]:フライパン
[道具]:基本支給品 首輪探知機、包丁、殺虫剤スプレー、着火用ライター、調理用白衣
水中バギー@ドラえもん、コンチュー丹(10粒)@ドラえもん、調味料各種(胡椒等)
[思考]:今、二つも反応があったけど……
第一行動方針:探知機が反応した相手を警戒、可能ならばコンタクトを取る
第二行動方針:展望室にいるはずの人物とコンタクトを取る
第三行動方針:丈、光四郎、ミミを探す
第四行動方針:キルアに協力し、ゴンを探す
基本行動方針:丈、光四郎、ミミを探した後、この場からの脱出方法を考える
備考:首輪探知機が捕らえた反応はカツオの首輪二つです。
展望室は高所にあるため、下からでは首輪探知機の範囲外です。


【B-7/人目につかない建物の間/1日目/真昼】
【磯野カツオ@サザエさん】
[状態]:少し疲労、高揚感
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、天体望遠鏡@ネギま!、禁止エリア指定装置、首輪(しんのすけ)
[服装]:オレンジ色のシャツ、紺色の短パン、中島風伊達眼鏡、茶髪のカツラ(イメージは夜神月@デスノート)
[思考]:タワーの方が気になるなあ。どうしようかな?
第一行動方針:キルアたちと合流するかどうか考え中
第二行動方針:キルアと太一の動向には気を配る(特にキルア)
第三行動方針:臨機応変に動き、状況の変化に惑わされない
第四行動方針:首輪を調べてみる。または交渉に利用する
基本行動方針:優勝する


【B-7/タワー内展望室/1日目/真昼】
【ニア@DEATH NOTE】
[状態]:健康、冷静、人形を亡くしてちょっと落胆
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、
 眠り火×9@落第忍者乱太郎、タワー内放送用マイク
[思考]:さて、どうしますか
第一行動方針:とりあえず内線に対応し、停電の復旧もしくは移動を試みる。
第二行動方針:弥彦が首輪を持ってくるのを待って、解析作業
第三行動方針:展望室から見える部分の警戒&逃げた2人(太一とキルア)の警戒(双眼鏡である程度の特徴は掴んでいます)
第四行動方針:メロまたは、ジェダの能力を探る上で有用な人物と接触したい
基本行動方針:自分では動かず、タワーを訪れる参加者と接触して情報や協力者を集める
最終行動方針:殺人ゲームを阻止する
[備考]:盗聴器、監視カメラ等、何らかの監視措置がとられていると考えています。
そのため、対ジェダの戦略や首輪の解析に関する会話は、筆談で交わすよう心掛けています。
ジェダを時間移動能力者でないかと推測しました。
カツオがタワーの様子を伺っている事を知っています。
タワー内は非常灯や電話を覗いて停電しています。

【アイテム紹介】
【ブーメラン@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
 狙った所へ正確に飛ばせて、何かに当たっても必ず戻ってくる魔法のブーメラン。
相手に当てるとその部分を痺れさせて動きを止めるとができる。
軌道上にある小物を捕らえて手元に引き寄せる力も持っている。
弧を描く軌道以外にも直線的な投げ方も可能。

 【コンチュー丹@ドラえもん】
 食べると昆虫の力を得ることのできる小さな丸薬。10粒入り。
蝶のような身軽さ、蜂のように素早い動き、蟻のような怪力、カブトムシのような
硬い体などが身につく。ただし昆虫の弱点も同時に身についてしまう。
本来は効果が出るまで丸一日も掛かるが、これは飲めば直ぐに効果を発揮する即効性。
その代わりに効果時間は15分と短い。

【水中バギー】
水陸両用のバギーカー。水中用エンジンで陸上と水中を自在に走行できる。
中古品なのか内臓コンピューターによる音声ナビや自律走行は機能しない。
運転席もしくは助手席に座っていれば、音声入力で運転することが可能な便利設計。
本来の最高時速は800キロメートル以上なのだが制限されていると思われる。
陸上ではエンジン音が大きくて目立つようだ。


≪124: Do you need a friend? 時系列順に読む 126:拝啓、地獄の釜の底から≫
≪124: Do you need a friend? 投下順に読む 126:拝啓、地獄の釜の底から≫
≪088: 正義は必ず キルアの登場SSを読む 137:その名は『N(エヌ)』 (前編)≫
≪088: 正義は必ず 八神太一の登場SSを読む 137:その名は『N(エヌ)』 (前編)≫
≪096: セイギとギセイ/DOMINO 磯野カツオの登場SSを読む 137:その名は『N(エヌ)』 (前編)≫
≪096: セイギとギセイ/DOMINO ニアの登場SSを読む 137:その名は『N(エヌ)』 (前編)≫

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