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  • 運命のルーレット廻して(前編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

運命のルーレット廻して(前編)

最終更新:2007年12月19日 22:54

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運命のルーレット廻して(前編)◆CFbj666Xrw


(えーっと、今は大体二時前ってとこやったな。
 神社に行って帰っての時間を抜くと使えるのは……二時間足らずか)
小太郎は使える時間がどの程度有るかを頭の中で計算しながら森の中をひた走っていた。
その方向はまず南。それから東に向かうつもりだ。
森の入り口から廃病院に向けては僅かながら道があり、走りやすい。
なにより一度見晴らしの良い開けた場所に出たかった。
明確に人を捜している今、擦れ違いや行き違いは避けたかったからだ。
「ん……誰かおるな」
その足が森も出ない内に止まった。
仲間を捜す為に人に会う為に見晴らす為に森を出ようとした選択が、森を出ない内に成果を上げる。
理性が選んだ順序を飛ばして偶然が招く結果が現れる。
「もしかして……犬上小太郎くん?」
「……だれや、お前?」
小太郎は怪訝な様子で足を止めた。
視線の少し先にいるのは、白を基調とした服装の少女だ。
森の樹に背を預け、見るからに気を落とした暗い表情をしている。
見覚えは、無い。
「やっぱりそうなんだ。耳が生えてたからもしかしたらって思ったけど……」
少女の方も小太郎を見た事があるわけではなく、聞いて知っていただけだ。
それに気付いて小太郎も理解した。
「お前、もしかしてネギかエヴァの知り合いか?」
少女――高町なのはは頷いた。
「うん。わたしは高町なのは。エヴァちゃんの……仲間だよ」

小太郎はその言葉に概ね納得したが、一つだけ疑問を覚える。
「なんでエヴァの仲間が一人でこんな所におるんや? というかエヴァは一体どこで何をしてんねん」
「わたしは、その……少し一人になりたくて……」
「はあ? ここがどんな世界かわかっとんのか? 女子供が一人でいたら殺されてまうで」
そもそも子供しか居ない世界ではあるが、小太郎にとって基本的に女性は守るべき存在である。
共に戦ったシャナの力などは認めているが、別にこの基本が無くなったわけではない。
「大丈夫だよ、戦う力は有るから。でも……」
なのはには判らない。
なのはは一つの疑問を抱え込んでいる。
大切な友達であるヴィータを止める事にあそこまでを出来た一方で、
それを非難される事に耐えられなくて山小屋の前から逃げ出してしまった自分。
まるで制御できない、自分自身の想いが判らない。
「……自分がした事が本当に正しいのか。
 ううん、正しいと思えてるのにそれが辛くて恐くてたまらないの」
「なんや、難しい事を考えるガキやな」
小太郎は否応なしに親友の事を連想した。
ネギ・スプリングフィールドの事を。
「そや、ネギや。それとエヴァの事も。エヴァはどこにおるんや?」
「エヴァちゃんなら……」
答えようとするが一拍の間。なのはの理性は確認を要求する。
「待って、その前に一応訊かせて。小太郎くんはこの殺し合いに乗っていないよね?」
「当たり前やろ! こんな胸糞悪いゲームなんぞだれがやるかい! ただ……」
「ただ……?」
小太郎は歯を噛み締め拳を握り締めると、吹き上がる怒りを発露した。
「ネギのバカがこのゲームに乗ってるって、聞いた」
なのはは息を呑む。
それはエヴァとニケがリリスから聞かされた真偽も定かではない情報。
曰く、ネギとコナンはリリスの僕だ。
「……信じられへん。ネギは善人とか良心とかそういうのを絵に描いたみたいな奴や。
 俺やエヴァがやる方がまだ説得力が有るわ。
 でももし……もしも本当やったら、行って殴り飛ばしてやる。叩きのめしてでも止めてやる!
 俺は、ネギのライバルで……ダチなんやから……」
「小太郎くん……」
なのははそんな小太郎を見て、少し思い悩んで。
問うた。
「叩きのめしても、止まってくれなかったら?」
「…………何?」
答えを求める。
「もしも何か仕方のない理由が有って……戦う力が有る限り止まろうとしなかったら?
 振るう腕がある限り、武器を手に殺そうとしてきたら?
 小太郎くんは、どうするの?」
「それは……」
――殺す、という言葉が出てこなかった。
幼い頃からたった一人、裏の世界で生きてきた。
誰も助けてくれなくて、生きる為には色々やった。
最後の一線だけは超えなかったし、裏の世界じゃ誇り有るつもりだけれど、それでも、
いや、だからこそネギがより大きな間違いを犯すならば、殺してでも止めなければならない。
それがネギのライバルで親友である自分の役目だ。
(あいつを……殺すのか? 俺が?)
想像できなかった。
突きつけられた問いに、惑う事しかできない。
――答えは得られなかった。
その様子を見て、高町なのはは落胆して顔を伏せた。
「わたしの友達も、この殺し合いに乗っていたよ」
「なんやて……?」
惑う小太郎に驚愕が与えられる。
「大切な人を生かすために、それ以外の人を手当たり次第に殺そうとしていた」
昏い、言葉。重い、事実。
「それで……お前はどうしたんや?」
なのはは答えた。
「わたしは友達の、ヴィータちゃんの腕を……潰したの」
重く昏く。
「取り押さえてから、武器を握れないように、人を殺せないように両腕を焼いた。
 加減はしたけれど、魔法で治さない限りヴィータちゃんはもう武器を握れない。
 お箸だって持てないかもしれない。そうしてから、縛ったの」
それでいて滑らかに口は動く。油を差した機械のように滑らかに、無機質に。
重くて滑らかなその言葉。
「……もし足で蹴ってきたら?」
「歩いてもらうのには必要だけど……やっぱり、潰していたと思う」
「声だけで魔法を唱えたら……?」
「息とかお食事は出来る程度に……喉を焼いていたと思う」
凄惨な回答。
「ぜんぶ、生かすために。死なせないために」
全ては耐え難い苦しみのために。

小太郎は僅かに恐れすら抱いた。
何もできない程度に生かす。死なない程度に殺す。
その選択は殺すという選択よりも冷徹な発想力が無ければ生まれない。
人を傷つける行為に未熟な者は、加減というものを思いつきすらしない。
傷つけるか傷つけないかだ。
走り屋が安全と警察に注意しながら速度を超過するような『計算された暴走』。
殺し慣れた者だからこそ辿り着けるはずの境地。
それに慣れた者でさえ、ふとした事で自らを見失う際どい破滅の綱渡り。
「考えて、考えて……それが一番、失う物が少なくて済むって思ったの。
 その為なら悪魔になっても良いって、そう思った」
その境地に一足飛びで辿り着いてしまった少女は、惑う。
「でも……そこまでしたのに。もうそんな事をしてしまったのに。
 耐えられなくなって、逃げちゃったの。……身勝手すぎるよね」
吐き出す。想いを。弱さを。苦しみを。

小太郎はただそれを聞いていた。
何も言ってやれず、逆に打ちのめされた。
目の前の少女の意志と選択に。
(くそ……なんなんや。こんな女の子やってこんな決意を固めてるのに、俺は……)
ネギを殺す、という難しくも単純な決意すら出来なかった。
別にそれは、必ずしも間違いや弱さとは言えないだろう。
むしろ最後の一線を超えまいとしている小太郎がそういった冷徹な発想に惑うのは当然の事だ。
だが小太郎にとって、それは間違いなく弱さだった。
自分と同年代の少女が選んだ非情な正しさより、より容易い筈の答えを選ぶ事すら出来なかった。
少年にとってそれは、同年代の女子に負けた男の恥だ。

「……変な話して、ごめんね。
 エヴァちゃんはここから南の山中、地図には載ってない山小屋に居るよ。
 リリスに襲われて酷い怪我をしたけど、命に別状は無いから安心して」
「あのエヴァが大怪我? リリスに襲われた!?
 まて、リリスがどこかに居るって事はやっぱりネギは……」
高町なのはは頷く。
「小太郎くんがリリスとは別の誰かに聞いたなら、多分間違いないと思う。
 リリスは、ネギくんとコナンって子と首輪を集める競争をしてるって言ったらしいから。
 私はその場にいなかったから詳しくは知らないけれど」
「………………」
「でも、今はエヴァちゃんの所に行ってあげて。仲間なんだから、一緒に居た方がいいよ」
少し迷ったが、小太郎は首を振った。
「あかん、今はネギの方が先や。エヴァは他にも仲間が居て、命に別状は無いんやろ?
 それやったら後回しや、神社に行ってネギを捜さなあかん。
 それに俺も他に仲間が居る。
 4時にはここに戻って合流して、リリスが現れるっていう6時にはタワーに行かんとあかん。
 リリスを捕まえようって腹や。
 4時から6時の間にやったら行けるかもしれんけど、今は……後回しや」
「そうなんだ……」
「できればネギを捜すの一緒に来てくれへんか?
 もっと詳しく聞きたいし……お前もこんな所に一人で居たら危ないやろ」
なのはは少し考えて頷く。
「良いよ。行きながら……一緒に捜しながら、お話ししよう」
小太郎は自らの行いを知っている一人となった。
その人が一緒に来てくれと、言い換えれば受け入れてくれた。
今のなのはにとってそれは不安だけれど、それでも嬉しい事だったから。
「よし、なら行くで」
小太郎となのはは神社へと向かった。

     * * *

場面は大きく移る。
そこは片側を高い塀が、逆側をそれよりも高い壁が挟む道筋だった。
高い壁は今、所々にある小窓からもうもうと煙を吐き出している。
学校の火事は、もはや消火しようのない規模になっていた。
この校舎の横側は窓も少なく火事の影響は割合少なかったが、それでも危険な場所には違いない。
その塀と壁の間を学校の裏手に向けて走る者達が居た。
李小狼。それに灰原哀だ。
李小狼はそれなりに鍛えられた肉体を持った少年だった。
だが彼は、自分より遥かにか弱い灰原哀に伴って走る以上の事が出来ないでいた。
無数の怪我による消耗と疲労。開いた傷から噴き出す出血。薬物による脱力感の後遺症。
それらが少年の力を奪い去り、自分の面倒を見る事で精一杯になっている。
一方、灰原哀の左足は捻挫している。
その上に同年代の少年の体を背負い、懸命に走り続けていた。
大して鍛えてもいないその体はか弱く、それでも足を進められるのは意志の力に他ならない。
そして灰原哀の背の江戸川コナンは、今は荷重でしかなかった。
意識を失ったその体は何も考える事なく、目覚めの時を待ち続ける。
再び訪れるかも判らない覚醒の時を。
李小狼と、江戸川コナンを背負った灰原哀は走る。
一刻一秒でも早く校舎裏へと逃げ切って、二人の仲間と再会するために。
この苦難の中でも前を見つめて走り続ける。
しかしそんな彼らの前に舞い降りたのは絶望以外の何者でもなかった。

「ふふ、どうしたの? そんなに急いで。
 大きな薪が焼べられて、これからパーティの料理を作る所じゃないか。
 臓物を抉りだして血の海でぐつぐつ煮込めば、素敵なシチューの出来上がりさ」

“厄種”ヘンゼルが、彼らの前に舞い降りた。

     * * *

「くそ、結局神社での収穫はこんなもんか」
「うん、そうみたい」
犬上小太郎と高町なのはは目的地の神社の探索を終えた。
判ったことは少ない。
戦いの痕跡から見て、ネギがここで戦ったのは事実らしいという事だ。
「……わたし達の知り合いの話の方が多かったね」
「そやな。まさかシャナの捜し物まで一緒に居るとは思わんかったわ。
 コキュートスやったっけ。
 で、なのはの方で捜してるのはフェイトにはやてにアリサに、ククリにジュジュに…………
 ……あーっ、多すぎて覚えられるかこんなもん!」
ざっと30人もの生徒について細かく記憶しているネギに少し尊敬の念を抱いた。
「名簿に印を付けて置いたから、名前だけでも覚えておいてね。
 えっと、それから小太郎くんの方は、ブルーとイヴって二人に気を付けて、だっけ」
「ああ、そや。どうも悪人らしいからな。外見は紫穂からの口伝てやけど言ったとおりや」
「うん、わかった」
なのははしっかりと頷いた。
高度な魔法を習得するなのはの記憶力はかなり良い方である。
口伝てに聞いた外見から実際の容姿もおおむね想像できていた。
他に小太郎の仲間であるシャナ達についても聞いている。大きな成果と言っていいだろう。
更になんでもいいから行動する事によりなのはの心は少しだけ癒されつつあった。
この探索は高町なのはに重要な成果を与えていたのだ。

「そういえば見つかった物から何か判らないかな?」
「といってもこんな物じゃなあ……」
神社で見つかった物は二つだ。
一刀両断されて転がっていた刃物を仕込んである箒。
肩紐の切れたランドセル。それで全てだ。
後は攻撃の余波や流れ弾で破壊された箇所、踏み込みの足跡程度。
戦いがあったのは間違いないが、それ以上は何か判るのだろうか。
「……斬り合いをしたのかな。両方とも刃物を持って」
「斬り合い? なんでそーなるんや?」
「だって、この刃物を仕込んである箒が斬られてるでしょ。
 それじゃきっと、相手の方も刃物を使っていたはずだよ」
「あー、言われてみればそうやな」
それはつまり、襲われたという紫穂が箒で応戦したという事だろうか。
それほど腕が立つようには見えなかったのに。

(って、ちょっとマテや)
小太郎は、重大な見落としをしていた事に気がついた。
ネギが殺し合いに乗ったという情報が衝撃的すぎてその事を見落としていたが……
『紫穂はどうして生きている?』
ネギが本当に殺し合いに乗っているとして。
ネギに加えて更にコナンという仲間までいるという二人組を相手に、
武装解除を受けて武器も防具も剥ぎ取られたはずの紫穂はどうやって逃げ延びた?
それに紫穂は(見た目は兎も角として)代わりの衣服やある程度の装備まで携帯していた。
ネギの実力を知る小太郎に言わせれば、まず有り得ないことだ。
(紫穂が嘘を吐いてんのか? でも……)
「なのはって言ったな。ネギが殺し合いに乗ったってのは、リリスから聞いたんか?」
「うん。エヴァちゃんとニケくん……わたしの仲間がリリスと戦った時、そう聞いたって」
理解できない。
紫穂とリリスは、ネギとコナンがリリスの手先として殺し合いに乗ったと言ったようだ。
紫穂についてはネギに襲われたとまで言っていた。
だけど目の前にある状況を考えれば、それを信じてはつじつまが合わない。
(それなら何がどうして…………………………あ。
 まさか……いや、でも…………そう……なんか?)
連想した可能性。
それはリリスの手下とはネギとコナンではなく紫穂である可能性だ。
リリスと紫穂が結託して嘘を吐き、ネギとコナンの二人を陥れようとしている。
紫穂はネギに遅いかかり、武装解除を受けて敗北したが、ネギはそれを殺せずに見逃した。
小太郎の知るネギの人物像からすればその方がずっと説得力を持っていた。
(確信は持てへんけど、もしそうやったらシャナと双葉がヤバイやないか!)
焦る小太郎。
だがその思考を整理する時間は与えられない。
何かに気付いたなのはがハッと東の方角に視線を向けたのだ。
「学校が、燃えてる!?」
「なんやて!」
言葉通り視線の先で学校の校舎が黒煙を吹き出していた。火事だ。
1km近く離れていた為に気付くのが遅れたが、どうやら火の手は大きく広がっている。
「学校っておまえらが移動する予定の場所ちゃうんか!?」
「うん。まだ誰も来てないはずだけど、でも火事が起きたなら誰か居るよ!
 逃げ遅れた人だって居るかも!」
「クソッタレ!」
素早く神社の境内から飛び出した小太郎がその人影を見つけた。
「見い、あそこ。裏口に誰か居る!」

     * * *

小狼――多大な消耗と傷有り、武器は無し。
灰原――運動能力は並の子供、格闘経験無し、武器も無し。背中には気絶中のコナン。
コナン――意識無し。
ヘンゼル――怪我と消耗は有るが戦闘を仕掛ける程度に余力を残す。
武器は二本の金属バット及び二本のアームを残すバルキリースカート。
「くそ、逃げろ!」
小狼が叫びヘンゼルの前に立ちはだかる。
その叫びと共にヘンゼルは二本のアームとバットを振り回し小狼に突撃する。
灰原哀は脇目も振らずに逃げ出した。
小狼を助けよう、などと考える余裕はなかった。
助けられる手段など思いつかない。
だからせめて背中に有る江戸川コナンだけでも護ろうと――
「あぐっ」
捻挫している左足に何か重い物が直撃した。
激痛が走り、それに耐えて左足を地に付けてぐにゃり、急激に地面が迫る。
衝撃。
「どこに行くのさ。逃げちゃダメだよ、何処へも行かせない」
「くそ、しま……ぐああああああああぁあぁがっああっ」
瞬間、絶叫と共に小狼の右腕から親指と人差し指と中指と薬指が姿を消した。
重い打撲で地面に叩きつけられた。
何が起きたか。
ヘンゼルは二本のアームで連続して小狼を斬りつけた。
小狼とて少しでも時間を稼ごうと攻撃を回避。
しかしアームと同時に襲い来るバットを避けたと思った瞬間、投擲。
そのバットは小狼ではなく、その背後を逃げる灰原哀に直撃。転倒させる。
更にそれにより動揺し生じた隙を突いて、小狼に追撃。右手の指の殆どを奪い取る。
加えて残る一本のバットを振り回し、小狼の左肩を叩き割る。衝撃により更に転倒。
以上、わずか数秒で戦いは決着。
赤く燃える狭間に少年の哄笑と狂気が満ちた。

     * * *

「誰か来る!」
リンクの短い叫び。梨花もその叫びを聞いて振り返る。
学校の西の神社から飛び出してくる少年と少女の姿が目に映った。
身構えるリンクを前に小太郎もまた瞬動の間合いぎりぎりで立ち止まった。
「おい、お前! 何が起きとんのや!?」
問い掛けも交渉の一つ。即座の戦いではない。
リンクは警戒しながらも答えを返す。
「火事だ! 妙な……筆舌に尽くしがたい奴に火を点けられた!」
「ド変態のタコ坊主なのです」
梨花の補足。
「お坊さんなの?」
小太郎に続いて駆け付けたなのはが聞き返す。
「はい、そうです。
 頭がつるつるで和服で……今は全裸で触手で……と、とにかく異様な姿の奴なのです!」
「は、はだかって……」
想像してしまい少し赤くなる。
「でも、そいつは倒した! けどその前に点けられた火を消しきれなかった!」
リンクが続けて説明する。
「それで、もう誰も残っとらんのやな!?」
梨花は一瞬沈黙。この二人は信用できるのか?
リンクは迷わない。即座に助力を求めようとする。
「いや、まだ仲間が――」
瞬間、轟と突風が吹いた。
燃える校舎が上昇気流を作り出し、学校に向けて風が吹く。
周囲の大気を校舎に向けて掻き集める。
小太郎の鋭敏な嗅覚を通り抜けてゆく。
「血の臭い……?」
小太郎はハッと校舎とは違う方角に目を凝らした。
校外。風上。東の方角。森の入り口。木々の合間。粒のような赤い色。
遠すぎて風景に紛れ、意味を拾い上げる事すら難しい小さな欠片。
だけどそれを知っている者なら。血の臭いと併せて予想を付けた者なら。
「……ネギ…………?」
それに、気付いた。
駆け出す。近くでそれを確認するために。
全力で、脇目も振らず、全ての音を置き捨てて。
迫る。近づく。広がる。
事実に迫る。悲劇が近づく。光景が広がる。
――そして、確信を得た。

「……なんでや。なんでや、ネギ!
 お前が首輪を集めるなんて、殴り飛ばしてでも止めてやろうと思ったのに!
 そやのにこんな、こんな事に……。
 お前がっ。お前が首を刈られてどうするんや!
 ネギ――――ッ!!」

慟哭はただ虚しく響く。


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