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  • 全ての終わり、一つの始まり――そして誰かいなくなった(前編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

全ての終わり、一つの始まり――そして誰かいなくなった(前編)

最終更新:2007年10月20日 17:16

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全ての終わり、一つの始まり――そして誰かいなくなった(前編)◆o.lVkW7N.A



木々の間を器用にすり抜け、一匹の豚が森の中を逃げ走る。
一方、呼吸を荒くしながらその影を追うのは、運動音痴の小学生だ。

先ほどグリーンの振るった竹刀によって掛けられた豚化は、未だ解けていない。
白レンは短い足を交互に動かしながら、ちらりと後方を振り向き覗いた。
茂る葉の間から見えるのは、眼鏡を掛けた鈍そうな少年の姿だった。
随分と駆け回ったせいで漸く疲れが滲み出し始めたのか、その顔には焦燥と疲労が色濃く現れている。
しかし、こちらを追う足取りそのものの勢いはまだまだ衰えておらず、諦める気配も見られない。
……まだ追いかけてきてるなんて。まったく、しつこいったらないわね。
苛立たしげにそう思いながら、白レンは短い下草を掻き分けて疾走を再開する。
鬱蒼とした森林内は、頭上を覆う枝葉のために陽光が差し込まず、昼間のこの時間でもかなり薄暗い。
そのうえ、あちらこちらに根や木の瘤が突き出していて、気をつけなければすぐにでも転んでしまいそうだ。
事実、純白の毛皮の所々には、跳ねた泥や草木の汁が既にいくつも飛び散っている。
けれど、そんなことに構っている余裕など彼女にはない。
せめて子豚から人間に戻れるまでの間は、何が何でももあの少年から逃げ回らねば。
この状態でも運動能力などは殆ど変わっていないようだが、技が使えず喋る事もできないのは正直言って厳しい。
元の姿になれば、相手を逆に仕留めることも、適当に洗脳して新たな駒にすることもできるのだろうが。
白レンはそう考えつつ、先端に蹄の付いた己の前足を鬱陶しげに眺めた。
最後の一人になるのが目的の彼女にとって、こんなところでゲームから脱落するわけにはいかない。
しかもこんな間抜けな格好でだなんて、冗談にしたってちっとも笑えないではないか。
タッタッタと軽快なリズムで地面を蹴り上げながら、真っ白な子豚は森を抜ける。
できれば、開けた草原に出る前に相手を撒いてしまいたかったのだけれど……。
足の動きは止めないまま、今飛び出したばかりの背後を振り返った。
遥か後方に、未だゾンビのように追いかけてくる少年の姿を見つけ、ついつい閉口する。
本当に、いつになったら諦めるてくれるのだろう。往生際が悪いったらな――――

「――――ぶぅっ!?」

後方へ意識を向けていた白レンが、何かふにゃりとした柔らかいものへ盛大に頭をぶつける。
思わず抗議の声を上げながら目をぱちくりさせて顔を上げ、その壁の正体を仰ぎ見た。
見上げた先にいたのは、腰までありそうな長い髪をはらりと背中へ垂らした、幼い容貌の少女だ。
まずい、あいつに気をとられすぎていたわね。まさか、別の参加者に遭遇するなんて……。
慌てたように身体を振るいながら、しかし白レンは平静を装って少女の脇を平然とすり抜けようとする。
確かに自分はランドセルを持っているし、首輪もつけている。
だが何も知らない人間からすれば、ただの豚にしか見えない自分が参加者の一人だとはそうそう思いつかないだろう。
そう考え、彼女は何食わぬ顔でその場を通り過ぎようとした。
しかし眼前の少女は驚いたように眉根を持ち上げて白レンの全身を不審そうに眺めると、ひょいと両腕でその身体を持ち上げた。
遠慮なくぐるりと身体中を見回して、その首根に嵌められている銀色の拘束具を見咎める。
少女は白レンのそれを指先でなぞりながら、不可解そうに首を捻って言った。
「この首輪……。まさか、おまえも参加者なの?」
単なる子豚にしか見えないけれど、などと言いながら白レンの身体をじろじろと観察する少女。
そこから何とか逃れようともがくものの、がっちりと掴まれた両腕からは容易に抜け出せない。
苛立ち任せに声を荒げても、所詮咽喉から出るのは意味を成さない鳴声だけだ。
「ぶう! ぶうぶうっ!!」
「怒ったの? 綺麗なのに短気な豚ね」
そんな風に軽く流されて、プライドの高い白レンが怒り出さないわけはない。
足をちょこまかと動かしてどうにか相手に一撃を食らわそうとするものの、身軽な少女にひらりひらりと攻撃をかわされる。
それが、また何とも腹立たしくて――――。

「ぶう!! ぶーうっ!」
慇懃無礼で優雅なはずの白い少女は、草叢の中大きな声でそう猛り鳴いた。

     *     *     *

「ジェダって言うのは、どうしてこんな豚まで参加者にいれたのかしら?」
自分の腕の中で脚をばたつかせる純白の毛並みをした子豚へ問いかけるように、シャナは言った。
そこに居るのはどう見たってただの豚で、特に不思議な力を持っているようにも思えない。
首輪を嵌めていることから、取りあえずは参加者なのでないかと予測ができるものの……。
「ねえ、おまえ、私の言っていることが分かったりはしないの?」
つんつん、とピンク色の鼻面を突付いて、そう尋ねてみる。
それでも抱きかかえた子豚は面倒そうに「ぶい」と一鳴きしただけで、一向にまともな反応を見せない。
こちらの手の中から出ようと考える頭くらいは一応あるようだが、短い脚ではいくら暴れても焼け石に水だ。
「ぶう、ぶうっ!!」
「うるさいわね、少しは静かにしてなさい」
広いおでこをぺちんと指ではじくと、豚はますます怒ったように唸り声を強くした。
まるでぬいぐるみの様なそれを見下ろしながら、シャナはどうしたものかと考える。
シャナにとっての当面の目的は、この周辺の警戒と捜索である。
我侭で自分勝手な双葉が、一人で神楽とやらを埋めに行ってしまったものだから、『仕方なく』周囲を見回っているのだ。
勿論それは、危険人物が双葉に近寄らないようにするためだったのだが、まさか最初に見つけたのが豚だとは予想していなかった。
こんな子豚一匹放置しておいても、まさか双葉達に危害を及ぼすことはないだろうが……。
そう思いながらもう一度子豚に目をやり、シャナはふうと小さく溜息を吐く。
「まあ、ジェダの考えていることは意味不明だけど……、取りあえずは放っておいても大丈夫でしょ」
言いながら豚を解放しようとしたシャナが、しかし寸前ででその身体を微かにこわばらせる。
それは、視界の端に広がる森を掻き分けて現れた少年と、彼の口元から聞こえてきた台詞によるものだった。

「そそ、その豚を僕に渡せ!! 早くっ!!」

全身に汗をたっぷりと掻いた眼鏡の少年が放ったその言葉に、シャナは眉を顰める。
驚いて、抱いている子豚へ目をやれば、対するそちらの表情にもどこか焦っているような色が滲んでいた。

     *     *     *

漸く追いついたと思ったら、また他の誰かに守られている――――。
のび太は、先ほどひまわりを追い回したときの事を思い出し、苦々しく顔を歪めた。
あのときも、せっかくチャンスだったっていうのに、急に現れた別の女の子に邪魔されてしまった。
でも、今度こそ大丈夫なはずだ。絶対に、油断しないでやっつけてやる……。
そう思いながら、追いかける最中に拾っていた手ごろな大きさの石をポケットから取り出す。
硬い石の感触をぎゅっと握った指先で感じながら、子豚を抱えている長髪の少女へ命令する。
「聞こえないの!? 早くその豚を放せってば!!」
咽喉がひっくり返りそうなほど大きな声で叫んで、手にしている石を振り被る。
しかし少女は平然としたまま、逆にのび太へ向かって冷静な態度で問い返した。
「……おまえ、この豚をどうするつもり?」
「き、決まってるだろ。殺すんだ! 早くウチへ帰るために!!」
その返答に瞳を針の様に細めると、少女は思わず背筋を正したくなるほど強烈な視線でのび太を射抜いた。
のび太は、がくりと肩を震わせながら、それでも咽喉を振り絞って少女へ反論する。
「別にいいじゃないか。……そっ、それに僕が殺そうとしてるのは人じゃない! 動物だ!!」
自身が語ったその言葉が嘘であるのを、のび太は誰よりもよく知っている。
開始直後に殺めてしまった子豚は、自分達の目の前で人間へと戻ったではないか。
無残な少年の死体として、その真実の姿を眼前へ現したではないか。
だとすればこの白い豚もまた、同様に人間が何かの道具で見た目を変えられているだけなのかもしれない――。
そう分かっていながらも、のび太は己の口から出る言葉を止められなかった。
「そうだよ……、だから早くその子豚を貸してよ! そうしないと僕が帰れないじゃ……」
絶叫したのび太の声が、中途で途切れた。
まともに言葉を紡ぐことができず、ぱくぱくと鯉のように口を開閉させる。
彼が声を失った理由、――それは自身の前へ現出した圧倒的な気配のせいだった。

「つまりおまえは、この馬鹿みたいなゲームに乗った側なのね。
 色々言い訳しているみたいだけど、所詮おまえの言っているのは紅世の徒達と同じことよ。
 自分よりも弱くて劣る存在だからって好きに殺してもいいだなんて――、そんなのはおまえの傲慢だわ」 

少女はそう口にして、抱き締めていた子豚をそっと後ろ手で逃がす。
「行きなさい」とでも言うように軽く後ろへ首を傾いでみせると、背負っていた大刀に手を掛けんとする。
向けられた剣の先は、まるで血を求めてでもいるようにぎらりと不穏に光り輝く。
その刃の鋭さにごくりと唾を飲み込むと、それまで固まっていたのび太は慌てて行動を起こした。
グリーンが預けてくれたランドセルに入っていた、残りページの少ないクロッキー帳。
それに描かれたものが実体を持って現れることを、のび太は目の前で体験して知っていた。
使ったことはないけれど、多分ドラえもんの道具のうちの一つなのだろう。
ランドセルの一番上に放り込んでいたそれを掴み取り、残っているページ全てに羽ペンで絵を殴り描く。
勿論、具現化するものをしっかりと考えたり、細かいところまで描き込んだりする時間なんて存在しない。
ページいっぱいを使って、巨大な四角い塊を描くのが精々だ。
けれどそれによって目の前に現れたゴーレムの姿は、彼の予想を超えるものだった。
分厚く頑丈そうな身体を携えた、漫画本に出てくるぬりかべのような土人形。
それが三体、のび太の周囲を取り囲むようにして具現化される。
「なっ……っ!?」
流石に驚いたらしい少女が身体を緊張させたのを確認するまもなく、のび太は走り出す。
本日何度目になるのかもう覚えていない、再々々度の全力疾走だった。

     *     *     *

「東の街についたら、まずはどうするの?」
「……うーん、そうだな。武器や薬が見つかりそうな建物を回ったあと、今夜眠れる場所を探そうと思う」
トリエラは真横へ顔を向け、リルルの問い掛けへそう返答した。
この奇妙な同行者の存在が、現在の彼女にとっては一番の懸念事だった。
こちらを襲ってくるつもりはなさそうだし、自分の身を守れるだけの技能は持っているようだ。
相手を過剰に恐れる必要も、足手まといにならないか心配する必要も、恐らくはないのだろう。
とは言え、ただ『観察する』行為だけをすぐ側の人間から延々とやられるというのは、そう気分のいいものではない。
多少なりともフラストレーションが溜まっていたトリエラは、腰に差していたナイフへ手をやり、苛々と弄んだ。
硬い柄の感触を指先に感じながら、昼間、ナイフポーチを自分に作ってくれた少年のことを思い出す。
彼はまだ、生き残れているだろうか?
見たところ、人並み以上の体力は持ち合わせていないようだったけれど。
ぽややんとした、いかにもお人よしそうな笑顔を脳裏に浮かべ、トリエラは薄く笑う。
別に、あんなのが一人や二人死んだところで、ショックを受けることもない。
この島は無数の殺人者で溢れているのだ。いつ誰がどこで命を落としても、少しもおかしくない。
――――ただ、彼とは『取引』をした仲だから。
同情でも博愛でも慈善事業でもなく、ましてや友情や愛情などでは微塵もなく。
そんな風に生易しい、感傷的なものではなく、ただ『取引』を交わしたというだけの間柄。
けれどだからこそ、トリエラは、出来ればトマが死んでいなければいいなと思った。
彼が語った呆れたくなるほど楽観的な計画を、トリエラは未だ全面的には信じていない。
この首輪を、周囲に広がる大海を、そして何より悪趣味なゲームの主催者をどう克服するのか。
自分には想像もつかないその方法を、もしも彼に用意することが出来るなら――。
そう思うと、少しばかりは彼が死んでいないほうに期待してみてもいいかな、と感じたのだ。

そんなことを考えながら、北東の住宅街を目指して歩を進める最中。
トリエラは、背後遠くから走りくる足音を敏感に感じ取り、足を止めた。
振り返れば、遥か彼方に少年らしい小さな人影が見える。
咄嗟にそちらへ警戒の姿勢をとり、握っていたナイフをくるりと順手に持ち帰た。
しかし、そうして身体を張り詰めさせた彼女に反して、隣のリルルは少し驚いたような表情で「あら」と声を上げた。
「何、あなた、あの子の事知ってるの?」
まさか、またロボットじゃないだろうな……と思いつつ、トリエラはリルルに尋ねる。
対するリルルは、その問いに首を上下へ振って、肯定を示した。

「ええ、私の『観察対象』の一人よ。この島へ来る前から知っている人なの」
「つまりあなたにとっては、今の私と似たような存在、ってことね」
「そうよ。のび太君は私が初めて会った人間なの。
 でも、悪い人ではないと思うからそんなに心配しなくても平気だわ」
そう言われてもなぁ……、と思いながら、トリエラは徐々に接近してくる少年の姿を眺める。
視界の先の彼は確かに、何かから無我夢中で逃げるように、必死な形相で駆けている。
こちらを襲うために近づいてきているように見えないのは、事実なのだが……。

「のび太君!」
「……って、ちょっとリルル!?」

などと考えているうちに、横に立っていたリルルがいつの間にか少年へ手を振っている。
その呼びかけに、漸く向こうも彼女が知人であるのに気づいたのか、急ぐ足取りでこちらへと寄ってきた。
それを横目で見ながら、トリエラは溜息混じりの声で告げる。
「リルルってば、勝手に何してるのよ」
「私はこの島での経験を通して、出来るだけたくさんのサンプルを取りたいの。
 のび太君が今までどこで何をしていたのか、折角だから聞いておきたいわ」
その答えにもう一度大きく溜息を吐くと、トリエラは天を仰いで「あーあ」と呟いた。

     *     *     *

「……リルル!?」
「こんにちは、のび太君」
自分達の下へ走り寄ってきたのび太に笑顔でそう挨拶すると、彼は荒い呼吸を抑えて話しかけてきた。
「どっ、どうしてこんなところにいるの……?」
「東の街へ向かう途中だったのよ。のび太君こそ、そんなに慌ててどうしたの?」
その問い掛けに一瞬目を白黒させると、のび太は激しく唾を飛ばしながら、縋るようにして彼女へ答えた。
「そのっ、僕、今そこで襲われそうになったんだ! それで、怖くて……」
「そうだったの。だから、ここまで逃げてきたのね」
のび太の返答にこくりと首を頷かせて、リルルは一人思考する。
彼は以前自分に、「おざしきつりぼり」という不思議な道具を貸してくれた。
誰も居ない広くて静かな場所への入り口になるそれは、兵団の前線基地を作るうえで大いに役立ってれた。
だから、もしまた何か便利な道具を持っているようなら、あの時同様に使わせて貰おうと思っていたのだ。
だがこの様子では、のび太が役に立つ道具を持っていることは無さそうだ。
彼は親切なお人よしだから、同行すればそれなりに利用できるだろうし、『観察対象』にもなるだろうが……。
リルルがそんなことを考えていると、予想外の声が横から降ってきた。
「あなた、その話もう少し詳しく聞かせてくれない?」
「……えっ? えっと、あの、あなたは……?」
「私はトリエラ。一応、今はリルルと一緒に行動してるの」
「あ、僕はのび太。野比のび太って言います。リルルとは前から友達で……」
「そんなことはいいから。早く答えて」
トリエラはのび太にずいと詰め寄ると、握ったナイフを見せつける様にひらりと刃を一閃させて尋ねる。

「あなたを襲ったっていうのは、どんな相手?
 場合によっては私が殺してきてあげるから、そいつについて教えてよ」

ぶるぶると身体を震わせて怯えているのび太にそう訊きながら、トリエラはリルルへと向き直って告げた。
「街へ行くのは一旦、ストップかな。もっと簡単に武器を手に入れるチャンスが来たみたいだし」
「トリエラさん、何を考えているの?」
首を傾げてそう問えば、トリエラは先ほど様々なことを質問したときと同様、実に合理的な返答をしてみせる。
「三人殺せば、ご褒美がもらえるって言ってたでしょ? 弾薬、手に入るかもしれないじゃない」

     *     *     *

息を荒げ、シャナは構えている剣を上へ下へと忙しなく振るった。
目の前のゴーレム達はさほど強くもなく、動くスピードものんびりとしている。
だが一対三という単純な数の差は、それなりの負担になっていた。
目の前の一体へ斬り付けているうちに、左右、或いは前後を他の二体に挟まれる。
高く跳躍し、頭上を飛び越えてそこから逃れても、ゴーレム達はしぶとくシャナを追いかけてくるのだ。
痛覚などもないのか、いくら刺傷や火傷を全身へ作ってやっても表情一つ変えやしない。
とは言え、まともな知性も能力もないゴーレムが、そう長く彼女を足止めできるはずもなかった。
ひらりと薙いだ剣の一閃で一体が、掌から放った灼熱の業火でまた一体が、がらがらと崩れ、掻き消えていく。
僅か数分の後、最後の一体を「うー」という鈍重そうな断末魔の元に斬り伏せると、シャナは顔を顰めて言った。
「何だったのよ、あいつは。私にあんなのと戦わせてる間に逃げるなんて、むかつくったらないわね!」
顔を真っ赤にしてぷりぷりと怒っていたシャナの表情が、何事か思いついたようにふと曇る。
それは、破壊されたモニュメントの周囲に未だ一人でいるであろう双葉と、置いてきた紫穂に対する心配だった。
逃走した少年の行き先は東方向だったはずだから、今現在、二人へ危機が及んでいることは考えづらい。
けれど、もしヤツがまたこっそりこの辺りへ戻ってくるようなことがあれば問題だ。
あの能力で作られたゴーレムは決して頑強ではなかったけれど、一般人が楽々倒せるほど弱くもない。
戦闘能力のない彼女達、特に満身創痍の双葉を一人ぼっちにしておくのは、流石に気が引けた。

「まったく、もう! 本当にあいつは、世話が焼けるったらないわね……。
 何で私が、あんなのの心配をしたりしなきゃいけないのよ!? 理不尽だわ!!」

……尤も、素直でない彼女がその想いを正直に口にすることは、当然なかったのだが。

     *     *     *

双葉はそこで、指先を組み瞳を閉じていた。
彼女の前にあるのは、小さな小さな、本当に些細な墓が一つ。
土を盛り、壊れたモニュメントの欠片を墓標のように突き刺しただけのそこを前に、少女は瞑想する。
あのとき、神楽は笑っていた。
『絶対に戻る』と、そう自分に約束してくれた。
まるで特撮番組に登場する正義のヒーローのように、誰よりもかっこよく、何よりも美しく。
――――なのに今はこうも呆気なく、別れたときに比べて何倍も小さくなったような姿でここにいる。
血と臓物を周囲に広くぶち撒けて倒れ臥した彼女は、どう見たって正義の味方のそれとは思えなくて。
唇を噛み締めた。前歯で噛んだそこから血が滲んで、鉄錆の味が口の中全体に広がる。
その塩辛さに咽喉を震わせて、双葉は小さくしゃくり上げた。
つうと一筋、瞑った目の端から涙が零れ落ちる。

「――――双葉」

唐突に、自分の名を呼ぶ声が後ろから掛けられる。
背後へ振り向く瞬間、彼女の笑顔がそこに在ることを期待してしまう自分が居るのに気付き、絶望した。
けれど、その希望は仕方のないものだと言えるだろう。
何せ投げかけられた声は、あのとき神楽に掛けられたそれとあまりに似通って、似通り過ぎていて。

「……何だよ、あんた。何で戻ってきたんだよ」
「ふん、悪い?」
しかし当然、振り返った先に居るのは神楽ではなかった。
そこに立っていたのは、先ほど盛大にケンカしたばかりの相手――シャナだ。
彼女がさっき自分に言った内容が未だに許せない双葉は、如実に態度を悪くして返答する。
「病院に向かったんじゃなかったのか? 大体、もう一人のやつはどうしたんだよ」
「紫穂なら、森でおまえが戻るのを待っているわ。それから私は、おまえを迎えに来たの」
「は? どーしてあんたが?」
「さっき、そこで怪しいヤツに会ったの。ここは危ないから、三人で病院へ戻るわよ」
苛々としたぶっきら棒な口調でそう問えば、対するシャナもまた攻撃的に返す。
その口ぶりからは、先刻口にした事柄を謝る気なんかさらさら無いように思えて、双葉は苛立ちを倍増させた。
……何が『ここは危ないから』だよ。都合のいいときばっかり、大人ぶりやがって。
神楽のことを放って行こうとするような薄情者のくせに!
双葉は差し出された手を乱暴にぴしゃりと振り払って、ぷいと横を向く。
その仕草に、ぴきりと青筋を立てて眉根を上げたシャナが、「はぁ!?」と声を上げた。
「何なのよ、せっかく迎えに来てやったって言うのにその態度は!?
 ああ、もうっ! むかつく、むかつく、むかつく!!」
顔全体を真っ赤に染めて地団太を踏むシャナに、ふんとそっぽを向いたまま双葉も言い返す。
「あんたこそ、あたしのことなんかどーでもいいんだろ? だったら、一人で行きゃいーじゃねーか!」
「うるさい、うるさい、うるさい!!」
元々、両者とも非常に沸点の低い性格である。一度こうなってしまっては、お互い簡単には収まらない。
二人は相手の服や髪を掴み合い、こんな状況だというのに、ほとんど取っ組み合った状態で口喧嘩を始めてしまった。
特に双葉は、ずっと胸に残っていたもやもやを吐き出すように精一杯大きな声で叫ぶ。
「あたしのことが嫌いだったんじゃなかったのかよ! だったら、もう放っとけよ!!」
「何よ、その言い方は!? 私だってね、おまえなんて……」
「なんだと!? 人を馬鹿にすんじゃねーよ!」
……殺人ゲームの最中であるのも、危険人物が周囲に居たことも忘れて行われる、お子様同士の口喧嘩。
延々延々続けられるかと思われたそれを先に止めたのは、意外にもシャナの方だった。
突然口を噤んだ彼女を不思議に思う間もなく、双葉は無理やりシャナに手を引っ張られ、引き寄せられる。
不平を言う間もなく、いわゆるお姫様抱っこの形で横抱きにされたと思うや否や。

――――彼女の体は、自分を支えるシャナもろとも空高く飛翔していた。

「……なっ、嘘だろ!?」

思わず叫んでしまった双葉にも構わず、シャナは憮然として告げる。
「あまり暴れないで。このまま、病院まで一気に向かうから」
言いながら、シャナが眼下に小さく見える三つの影へ向かって顎をしゃくった。
どうやら、口論に夢中になっているうちに、シャナが言っていた『怪しいヤツ』が近づいていたらしい。
とは言えこうして上空に逃げてしまえば、相手に追いかけるすべはないだろう。
そう思いながら、双葉は自分を抱きかかえているシャナの姿をちらりと上目で眺めた。
燃え盛るような二枚の翼を背中から生やした彼女の姿は、どう贔屓目に見ても人間には思えない。
だが、常日頃からおかしなガーゴイルらと生活している双葉にとっては、さほど驚くべきことではなかった。
むしろ、彼女にとって衝撃だったのは――。

「あたしは放っておけばいいって言ったろ!」
あれだけひどい口喧嘩をしていた相手である自分を、シャナが迷うことなく連行させたことだった。
自分でも、相当ひどいことばかり言い放った自覚がたっぷりあるのだ。
短気なシャナなら、それこそ怒って双葉一人だけ置き去りにしてもよさそうなものだったのに。
「まだその話? そんなに行きたくないのら、このまま落としてやっ、て、も…………」
そう言いかけたシャナの台詞が、小さな呻き声とともに半ばで途切れる。
それに対してどうしたんだと思う間もなく、双葉は異変に気付き顔を青褪めさせた。
シャナの身体が、地面へ向け一直線に落下しているのだ。
浮力をなくしたボートが海底へ沈んでいくように、風を切り二人の身体は真っ直ぐ下へ落ちていく。
「シャナ!? おい、どうしたんだよっ!!」
肩を揺さぶりながら叫んでも、当のシャナからは一向に答えが返らない。
何分にも何時間にも感じられるような、長い長い数秒の後――――、二人はどさりと大地へ投げ出された。

     *     *     *

全身を襲うじわじわとした痛みに、漸く意識が蘇ってくる。
先ほど唐突に浴びせられたのは、恐らく電撃によるビームのようなものだろう。
予期していなかった突然の攻撃で、瞬間的に身体が麻痺してしまっていたらしい。
存在の力の無駄遣いを抑えるため、双葉の重量を考慮して、いつもよりかなり低い位置を飛んでいたのが失敗だったか。
大きく胸を上下させて一度だけ深呼吸すると、シャナはよろよろと立ち上がった。
落下の衝撃で身体中の至る所に打撲や擦傷ができていたが、気に留めるほどではない。
素早く体勢を整えると同時に、攻撃を仕掛けてきた相手をきっと睨み付けた。
それを待っていたかのように、ナイフを手にした褐色の肌の少女がシャナへ尋ねる。
「あなた? この子を殺そうとしたってのは」
「だったら、何? 私は自分のするべきことをしただけよ。非難される理由なんてない」
視線を逸らさずきっぱりとそう答えたシャナに、相対する少女もまたはっきりとした口調で宣言する。
「だったら……か。そうだね、だったら私があなたを倒す。それが私の『するべきこと』だから」
そう口にするや否や、こちらの胸元へ入り込まんと駆け出してきた少女に対し、反射的に剣を振り抜く。
しかし相手は、それしきの威嚇行為に臆する様子もない。
スピードを緩めることなくシャナへと突進すると、短く握り締めたナイフを直線的な軌道で左から右に薙いだ。
「チッ……、本気みたいね」
苦々しく唇を歪めてそう呟きながら、重い剣でナイフを受け止める。
そうしながら、視界の先で未だ倒れ伏せたままの双葉に、精一杯の声量で叫び掛けた。
「……双葉、おまえは逃げなさい!」
当然、そう口にする瞬間も眼前の少女は余所見をする猶予など与えてくれはしない。
シャナの隙を狙い定めて振り被られた彼女のナイフは、正確に喉元寸前へと迫り来る。
煌めく刃先を間一髪で避け、一瞬よろめいた体幹を天性のバランス感覚ですぐさま立て直した。
手にした重厚な剣を構え直し、そのまま相手の胸元目掛けて一直線に反撃へと転じる。
しかし、対する少女も悠長にシャナの攻撃を待っているほどお人よしではない。
シャナの動きに反応し素早く上半身を屈めると、振り上げた腕へナイフを一閃させ、勢い任せに斬りかかる。
かわしきれず皮膚の薄皮を軽く掠めたその刃先に眉を顰めたシャナは、仕方なしに僅かな後退を強いられる。
数歩下がって、前方へ向けた剣を再度煌かせながら、漸く立ち上がった双葉に大声で怒鳴りつけた。

「聞こえないの!? 早くここから立ち去りなさい!!」

     *     *     *

かけられた台詞に、双葉はぎりぎりと拳を握り締めて悔しがる。
何だよ。あたしはあんたのこと嫌いなのに、すっげー嫌いなのに、どうしてそんなこと言うんだよ。
……あたしはもう、耐えらんねーんだよ。
誰かが自分の代わりに死んで行くなんて、そんなのこれ以上まっぴらなんだ。
どんなに偉そうなことを言ったって、あたしは所詮普通の小学生で。
神楽やシャナみたいな強いヤツに守ってもらうしかない、戦う力のない弱い子供で。
でも、だからってそのせいで他のヤツが死ぬなんて、そんなの絶対に嫌なんだよ!

「やめろよ、何でそんな風に言うんだよ!!」
思わず絶叫すれば、対するシャナもまた腹の底から出しているような大きな声で言い返す。
「おまえはあの女に助けられたんでしょ? だったら、こんなところで死のうとしちゃダメなの。
 他人の命と引き換えに救われた人間が死に急ごうとするなんて、私は、一人の戦士として赦さない!」
表情を見せぬままそれだけ言うと、シャナは最後に僅かだけ振り返り、言葉を失った双葉に告げた。

「――――絶対に戻るって約束するから。だから、ここは私に任せなさい」

そう言った彼女の声に、今朝方聞いた神楽のそれがぴったりと重なる。
「絶対もどるアル、だからココは任せて欲しいヨ」と、笑いながらそう言った神楽の声。
あの銀髪の少女に向かって、ヒーローのように突撃していった後姿の眩しさ。
最後の瞬間に見せてくれた、はっとするほど綺麗なキラキラした笑顔。
それらの一つ一つが、シャナの姿と二重写しになる。

固めた拳を、もう一度ぎゅうと強く握った。
……どうしてこういう人間は、揃いも揃って皆同じようなことを言うんだろう。
どっかに、破滅願望でもあるんじゃないだろうか。
本当に、馬鹿ばっかりだ。
そんな風に思いながらも、双葉はいつの間にか森へ向けて走り出していた。

神楽の想いを、シャナの想いを無駄にしないために。
彼女達との約束を、守るために。

     *     *     *

走って逃げて行く双葉を横目で見やりながら、シャナは安堵の溜息を吐いた。
別に心配しているわけじゃない。
ただ、あのままあいつが死にでもしたら小太郎が怒るだろうし、明日の夢見もちょっとは悪いだろうから。
それだけよ、と自分自身に無理やり言い訳をすると、シャナは再び眼前の少女と対峙した。
先ほどの僅かな交戦だけでも、彼女がそれなりの手練であるのはわかる。
身のこなしなど、一流の戦闘員のそれといっても過言ではないだろう。
けれどそれは、所詮人間レベルで考えてのものだ。
フレイムヘイズである自分の身体能力は、一般的な人間などとは比較するべくもない。

一閃、二閃。相手の振るったナイフが、こちらの鼻先を掠めては退く。
浅く単調な横への払いの繰り返しを、シャナが機械的な動きで受け続ける。
その攻撃に目と腕が慣れるか慣れないか、といった瞬間に、今度は深く抉るような突き。
下から上へ、半月状に弧を描いてこちらに差し出されたナイフに、シャナのタイミングがずれる。
刃で受け止めていては間に合わないと瞬時に判断し、彼女は後ろに半歩、素早く跳んでその剣先をかわす。
そのまま一歩二歩と後退し、相手との距離を取り直しながら、手の中の長剣を再び真正面へ構えた。
容赦など一片もない瞳で彼女を見据えると、胸部目指して振り上げた剣に力を込める。
跳び上がり、彼女の心臓を一突きにせんとばかりに剣を振るうシャナ。
対する相手はその攻撃を、片掌を地面へ付かせごろりと横向きに転がり込みながら回避した。
流れるような動作で身体を起こし、そこから低い体勢のままシャナの左脛を斬り付ける。
それを、またもや間一髪で上へとジャンプして逃れると、シャナは空中で身体全体を無理やり方向転換させた。
地に付いたままの左足を軸足に、勢い付けられた右足へ全身の力を凝縮させて相手を蹴り上げる。
がら空きの腹部狙って放たれたローキックが、吸い込まれるようにして鳩尾へ落とされ、その衝撃に相手がよろめく。
膝をかくんと曲げ顔面から倒れこみそうになった彼女の肩口に剣を浅く突き立て、抉る様に横へと払う。
力任せに引き裂かれた肩甲骨付近の皮膚が熟れた柘榴の様にぱっくりと割れ、見慣れない炭素フレーム製の骨格が現われた。
目を覆うばかりの残虐なその光景に、けれどシャナは呼吸一つ乱さずにいる。
ついに倒れ臥してしまった少女の傍らに立つと、その長い後ろ髪をぐいと乱暴に掴んで持ち上げた。
露になった首筋目掛け、剣の先端を何の感慨もなく降り下ろ――――。
「……え?」
――――そうとしたシャナの身体がくるりと反転。
瞬間的に、小柄な彼女は地面へと引き摺り下ろされる。
回避する間もなく馬乗りにされ、鉛の様な重量でぎゅうと押さえ込まれてしまう。
そこから必死にもがこうとして、シャナは全身に回る違和感を素早く感じ取った。
神経を支配する、痺れるようなじりじりとした感触。――――麻痺毒だ。
一体いつの間に!? そう考えて、シャナは一つの心当たりに辿り着く。
相手の武器であるナイフ、その刃先に彫られた奇妙な形の薄い溝。
先ほど僅かに掠ったあの刃物の先に、恐らくは毒物が仕込まれていたのだろう。
シャナの動きを封じた相手が、よく訓練された猟犬のように無駄のない手つきで両手両足の健を切断する。
「…………ぃあぁぁぁっ!!」
思わず、声を上げていた。
俎板の上の野菜でも切るかのように淡々と、少女はシャナの四肢から動きを奪っていく。
ぷつりと皮膚を切り裂かれた瞬間、熱湯を垂らされたのに似た熱さがその箇所を襲い、次にはじわりとした痛みが押し寄せる。
痛覚神経そのものを引き千切られたかのような激痛に、言葉にならない悲鳴を上げた。
取り落とした剣を拾おうと指先を虚空へ伸ばすものの、関節一つ動かそうとするだけで眩暈がしそうな苦痛がやって来る。
「何、なのよ……っ」
先刻、勝負が付いたと思い込んで一瞬の油断を許してしまった自分自身を激しく恨んだ。
あのとき、自分はもはや相手が立ち上がることはないだろうと考えた。考えてしまった。
けれどそれは、致命的な判断ミスだったのだ。
刃を付き立てられた側の少女は、自身の怪我に微塵も動じてなどいなかった。
彼女はただ虎視眈々と、シャナが自分に接近する絶好のチャンスを狙っていたに過ぎなかったのだ。
口中で小さく舌打ちしながら、瞳だけを僅かに動かして後方へ視線をやった。
双葉は逃げきることが出来ただろうか。紫穂と無事合流していればいいのだけれど。
そう胸中で思いながら、彼女は重い瞼を閉じる。
ゆるゆるとゆるゆると、夢の中に入り込むかのように――――。


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