あはれなりわが身の果てや浅緑つひには野辺の霞と思へば -小野小町
つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを -在原業平
手に結ぶ水にやどれる月影の あるかなきかの世にこそありけれ -紀貫之
願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃 -西行
我なくも法は尽きまじ和歌の浦あをくさ人のあらん限りは -親鸞
何事も夢まぼろしと思い知る身には憂いも喜びもなし -足利義政
極楽も地獄も先は有明の月の心に懸かる雲なし -上杉謙信
夏の夜の夢路儚き後の名を雲井にあげよ山郭公 -柴田勝家
石川や浜の真砂はつきるとも世に盗人の種はつくまじ -石川五右衛門
露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことは夢のまた夢 -豊臣秀吉
散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ -細川ガラシャ
筑摩(ちくま)江や芦間に灯すかがり火とともに消えゆく我が身なりけり -石田三成
嬉やと 再び覚めて 一眠り 浮世の夢は 暁の空 -徳川家康
曇りなき心の月を先だてて浮世の闇を照してぞ行く -伊達政宗
あら楽し思いは晴るる身は捨つる浮世の月にかかる雲なし -大石内藏助
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る -松尾芭蕉(生涯最後に詠んだ句)
身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留置まし大和魂 -吉田松陰
よしや身は蝦夷が島辺に朽ちぬとも魂は東の君やまもらむ -土方歳三
動かねば闇にへだつや花と水 -沖田総司
君が為尽くす心は水の泡消えにし後ぞ澄み渡るべし -岡田以藏
最終更新:2020年05月05日 16:15