探索者/追跡者◆qB2O9LoFeA


エレジーがその異変に気づいたのは走り出して数分後のことだった。
とりあえずの目標として目指した赤いタワー――東京タワーの方角から海風に乗って彼女もよく知る戦闘音が聞こえてきたのだ。

(今のは‥‥)

一度立ち止まって耳をすませるエレジー。
既に誰かがいるかを判断できるほどの音は無く、街らしき方に異変は見つけられない。

(勘違い――じゃない!」

音より早く見えた光景。
街の中に小さな雷が落ちたのを彼女は見逃さない。

「近くにタワーがあるのに街に‥‥それにあの感じ‥‥」

言い終わるより早くエレジーは再び走り出す。さきほどの雷はほぼ確実に戦っている者達の攻撃だろう、そう判断して周囲への警戒を大幅に引き上げながら戦場へと向かっていく。
と、途中で近くの建物に滑り込み息を静める。どこか刹那と似たような顔立ちの少女が見たことの無い悪魔を連れて走り去っていくのを遣り過ごすと、直ぐにまた走り始める。

今のところ、エレジーに他の参加者に接触する気は無い。迂闊に話しかけて長々と時間を取られるよりも島中を走り回った方が見つかりやすい。というよりも刹那の行動を考えるとほぼ確実に戦闘になっているはずなので、戦いが起こっている場所に向かえば会える、と判断した。
――もっとも自分の立場上接触する相手を選ばなくてはならないというのもあるが。

ようやくハッキリと聞こえるようになった剣劇の音を頼りにさきほどよりも更に注意深く進んでいくと、戦っている二つの人影が見えた。
(悪魔ともう一人は‥‥人間?)
一人はかなりの実力があると見られる悪魔。変わった翼や分身などの能力を持っているがおそらくはバンパイアだろう。
もう一人は何か嫌な感じがする人間らしき少年。圧されてはいるようだがそれでも互角に立ち回っているのを見るとただの人間ではないのだろう。なんかムカツク。


エレジーは考える。この戦闘に横槍を入れるのは得策ではない。どちらと接触するのもかなり面倒な予感がする。
だが、だからと言ってこの二人を野放しにするのはそれはそれで刹那の脅威になりなねない。

結果、彼女がとったのは様子見。どちらが勝っても勝った方を尾行する。あれだけハデな戦いをするこの二人なら今後戦うたびに刹那が気づいて向かってくる可能性もある。



刹那を探すことと監視を同時に行う。そのために、今は静かに夕焼けに鎌を研ぐ。

なぜかあがっていた息を整えるためにも近くの建物に潜み、ほどなく、一際大きい音を最後にエレジーの耳は戦いの音を捉えなくなった。



【C-4 深夜】
【エレジー@真・女神転生デビルチルドレン(漫画版)】
[状態]:疲労(微小)、魔力消費(微小)、ムカツク
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・行動]
基本方針:刹那を探す
1:‥‥終わった?
2:刹那を探すついでにさっきの戦いで勝った方を尾行する。
3:要未来に会ってみたい
4:制限がムカツク
※参戦時期は新装版第2巻での要未来のドッペルゲンガーとの交戦後です。ロール髪です。
※自身の制限について、威力の減少と魔力の燃費の悪化、疲れやすさを自覚しています。


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最終更新:2014年05月27日 23:07