カードとカード ◆HoYWWMFJdI
―――少年一人と少女二人がハートランドに向かいながら、話を続けている。
「ほえ~……違う、世界……ですか」
ふわふわとした印象を他人に持たせる少女、
木之本桜が首を傾げる。
(エリオル君ならこういうの得意そうだけど……)
彼女の同一存在はいくつもの並行世界に関わることになるが、
彼女自身はまだ経験していない。
「俄かには信じ難いけどね。でも私も前世の記憶を持ったまま転生したんだ。
そのくらいのことは、まあありうるんだろうね」
透き通るような銀色の髪の少女、響があまり動揺を見せずに少年の説を肯定する。
「ああ……
我らの敵は、それだけの強大な力を持っているということだろう」
「だから単純にこの島を船などで脱出……
などの方法では元の場所には帰れない、ということだな。
世界を移動する転移装置のようなものか、ポーキー自身の能力かは分からないが、
それを利用しなければ、元の世界に帰ることはできない」
「そうか……海の上は得意なんだけどね」
と響は嘯き。
「うーん……それに、これがありますしね」
桜が首輪を指差す。
「ああ、その通りだ。
『これ』がある限り、我らに『ゲーム』を行う以外の自由はない。
だから我々が成さなければならないのは、
一つ、ポーキー達を退ける戦力を整えること。
一つ、首輪を外すこと。
一つ、世界を転移する方法を奪うこと。
この三つを成さなければならない」
眼鏡を指で持ち上げ、ドルベが整理する。
「成程ね。分かりやすい」
「そうだね、目標があると頑張りやすいもんね!」
首肯する響と、手をぎゅっと握って響に頷く桜。
「まずはこのままハートランドへ行き、
首輪解除に役立ちそうな道具がないかを探してみようか。
まあ……望みは低いが、やらないよりは良いだろう。
後は、支給品で役に立ちそうなものは入っていたかな?」
「ふむ。私は……」
ドルベに促され、歩きながらごそごそとランドセルを漁る響。
「これは……武器、か。まあ私は兵器だしな」
取りだしたのは銃身が横に二本並んでいる黒い銃。
「私が使っているものより小さいし、何より銃身が短い。
これでは射程距離が短すぎる。
そしてこれは、魔弾……?徹甲弾のようなものかな。
まあ、無いよりはマシかな…………どうした二人とも」
銃を事もなげに扱う響を、少し唖然として見るドルベと桜。
「い、いや……さくらの方はどうかな?」
「ほえっ!?あ、はいっ!」
急にドルベに話題を振られわたわたとする桜も、響に倣ってランドセルを探ると。
「良かった……杖も、カードもある」
出てきたのは星の形をしたピンク色の杖と、
複数枚のタロットカードのようなもの。
「えっと、いち、にー、さん……あれ?14枚しかない。
ウインディもあるし、ウッドもあるし……」
一旦立ち止まり、一枚一枚、しっかり数え始める桜。
「どうかしたかい?桜」
響がランタンを掲げて桜を覗き込む。
「あ、響ちゃん。うん、元々あったカードが全然足りなくて。
また飛んで行っちゃったのかな……」
―――桜が言うにはカードは元々52枚あり、
その中で「地」「火」「水」「光」「闇」の高位カードをはじめ、
多くのカードが無くなっている、とのこと。
「そうか、それも道中見つかるといいのだが。
カードは友のようなものだからな」
「はい、見つけてあげないと……」
ドルベに頷く桜。再び歩き始める。
「しかし、さくらもカードを使うのだな」
「はい。例えばこの『跳』、ジャンプというカードを使うと、
たっかーくジャンプすることが出来るんですよ」
『跳』のカードを二人に見せて、ジャンプする仕草をする。
「へぇ、それは楽しそうだな」
「成程な……。
さくら。面倒でも、使えるカードを全部教えておいてくれないか。
もしかしたら、首輪の解析や解除に使えるものがあるかもしれない」
不思議そうにしている響と、簡単に受け入れるドルベ。
「あ、はい、分かりました。
えっと、まずカードはケロちゃん…太陽の属性と、ユエさん…月の属性とに分かれていて……」
一枚一枚の効果をドルベと響に教えていく桜。
「……
で、この『灯』、グロウのカードは熱のない小さな光を出すことができます。
…………ふぅ。
これで、今持っている14枚全部ですね」
「おつかれさま、桜」
「ありがとう、さくら。
ふむ……。
『剣』や『消』は首輪に使ってみたいところだが、現状ではリスクが大きすぎるな。
……嫌なことを言うが。
首輪を入手できると、解析がしやすいのだが……」
「そうだね……。でもできれば、そんなものを手に入れる機会は、来ない方がいいんだろうけどね」
「うぅ、はい……」
なんとなく場が暗くなる。
「そ、そうだ!
ドルベさんもえっと、でゅえる・・・なんとかってカードを持ってるんでしたよね」
場の空気を変えようと、桜が話題を変える。
「あ、ああ。デュエルモンスターズだな。
そうだな、私のカードも二人に効果を伝えておこう」
決闘盤からデッキを取り出し、カードを響と桜に見せはじめるドルベ。
「……まずこれが、『光天使』ホーリー・ライトニングウィングス!
このカードが召喚に成功した時、
手札から『光天使』と名のついたモンスター一体を特殊召喚できる。
そしてこれが、『光天使』ホーリー・ライトニングブックス!!
このブックスは手札の魔法カード1枚を……」
言葉に熱が入りはじめたドルベと、
冷静に聞き流す響、頑張って理解しようとする桜。
ドルベの説明が終わった時には、一行は市街地へと入りはじめていた―――
【D-2 市街地/一日目 黎明】
【ドルベ@遊戯王ZEXAL】
[状態]:健康、人間態
[装備]:決闘盤(ドルベ)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本方針:ポーキー・ミンチを倒し、殺し合いを終結させる。世界を転移する方法を奪う。
1:響、さくらと行動。探索しつつ仲間を増やして行く。
2:首輪の解析、解除を行う方法を探す。
3:ハートランドに行き、首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
4:首輪は解析のために手に入れておきたい。
5:ナッシュ(
神代凌牙)とメラグ(神代璃緒)、九十九遊馬を探す。
6:ベクターに強い警戒。
7:平行世界……か。
※ベクターに吸収された後からの参戦です
※参加者達が時空の垣根を超えて集められていることに気付きました。
※木之本桜のカード能力について理解しました。
【響@艦隊これくしょん】
[状態]:健康
[装備]:水平二連式散弾銃@Fate/Apocrypha
[道具]:基本支給品一式、通常弾×8、魔弾@Fate/Apocrypha×2、ランダム支給品1
[思考・行動]
基本方針:殺し合いの打破。一人でも多くを生きて帰す
1:ドルベたちと共に戦う。戦力を整える。
2:首輪の解析、解除を行う方法を探す。
3:ハートランドに行き、首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
4:雷、電と合流を目指す。
5:ベクターなる人物には注意。
6:暁がいないのは……ちょっと安心、かな。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
※ドルベ、木之本桜のカード能力について知りました。
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:健康
[装備]:星の杖@カードキャプターさくら
[道具]:基本支給品一式、さくらカード(14枚)、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いはしない。誰も死なせずに帰りたい。
1:ドルベさんたちと行動。
2:首輪の解析、解除を行う方法を探す。
3:ハートランドに行き、首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。
4:小狼くんと合流したい。
5:残りのさくらカードを探したい。
※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。
※ドルベのカード能力について理解しました。
【水平二連式散弾銃@Fate/Apocrypha】
響に支給。
赤のセイバーのマスター、獅子劫界離が持つ無銘の黒い水平二連式ショットガン。
撃針部などに呪術的な処理を施されている。
ストックとバレルをソードオフしてあるため、近距離での威力が増している。通常弾8発付き。
【魔弾@Fate/Apocrypha】
響に支給。
獅子劫界離がショットガンに使う弾丸で、人の指を加工しガンドと死霊魔術を組み合わせて作られた「指弾」。
進行方向に存在する体温を感知し自動で軌道修正を行い、
標的に命中してからも心臓に向かって進み続ける一撃必殺の『魔弾』である。
※制限により魔術効果は落ちています。
【星の杖@カードキャプターさくら】
木之本桜に支給。
さくらが封印の杖をベースに作り変えた杖。さくらカードを使用できる。
先端は星の形をしており、鍵状態に小さくした際の形状も星型となる。魔法発動時は先端についた星が回転する。
「風」「樹」「跳」「翔」「幻」「花」「剣」「雷」「影」「鏡」「盾」「迷」「消」「灯」
の14枚のさくらカード付き。
※制限については
ルール参照。
最終更新:2014年03月12日 23:59