マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
162 :ランカ・リー 妄想と欲情の日々 ~一人上手と呼ばないで~:2008/12/07(日) 18:00:42 ID:g1gIBZmD
「ランカ・リー 妄想と欲情の日々 ~一人上手と呼ばないで~」

 主演:ランカ・リー

 他にセリフのある出演者:アルト、シェリル、ブレラ、オズマ、キャシー、
カナリア、ルカ、ナナセ

 カプは、ランカ脳内ではアルラン、現実ではアルシェリです。

 *突っ込みいれて楽しんでいただければ幸いです。*


163 :ランカ・リー 妄想と欲情の日々 ~一人上手と呼ばないで~:2008/12/07(日) 18:04:23 ID:g1gIBZmD

 下着の中に手を入れて、脚の間の行き止まりに触れる。
 背中側からお腹側に入ってる裂け目の内側に指を入れて、
行ったり来たり優しく撫でると気持ちがいいの。
 自分の指でも気持ちがいいんだから、大好きな人に・・・
アルトくんに撫でられたらどんなに気持ちがいいだろう。
(これは、アルトくんの指・・・)
 そう思って指を動かす。
『・・・すごく濡れてるよ』
 アルトくんにそんなエッチなこと囁かれて、あたしは恥ずかしいながら
もっと濡れちゃう。
(ああん、だって・・・アルトくんのせいだよ・・・)
 ぷるぷる、って、ひだにゼリーの膜がかかっているみたいにヌルついてる。
(はぁん、アルトくん、そこはだめぇ、あ、あん)
 お腹側の、裂け目の先端のところが特に気持ちがいい場所だ。
指先で、くるくる撫でてみる。
『こんなにふくらんで・・・感じてるんだな』
(そんなこと・・・やだっ、恥ずかしいよぉ)
『ふふ、かわいいよ』
(アルトくんの、意地悪・・・)
 指を、奥に移動させる。お尻のちょっと手前に、女の子の一番大事な
場所がある。
 狭くてきついから、ここに男の人のあれが入る時痛くないように、
いっぱい蜜を出して・・・。
『もう我慢できない、入れるぞ』
(うん、いいよ、来て)
 アルトくんに脚を広げられちゃうあたしを思い浮かべながら、あたしは
脚を開いた。
 誰にも見せたことないんだよ。アルトくんだけだからね。
 身体を少し丸めて、あそこに指を一本入れてみる。指を出し入れしながら、
もう片方の手で、クリトリスをいじる。
(ああん、気持ちいいよぉ)
 ・・・あ、でも初めての時は痛いんだよね。だって実際入れるのは指より
ずっと太いものだし。
それにもっと奥まで入れるから、処女膜破れて・・・。
『きついな。狭くて入らない・・・大丈夫か?』
(うん、大丈夫)
 でも本当はきっと、痛くて涙ぐんだりしちゃうんだ、あたし。
それを見たアルトくんはやめようか、って優しく言ってくれちゃうの。
(ううん、続けて。あたし、アルトくんのものになりたいの)
『嬉しいよ。じゃあ、入れるぞ。力抜いて』
(うん・・・ああっ!)
『・・・入ったぞ』
 すごい激痛で、あたしは叫んじゃうかもしれない。
 でもこれは誰もが経験すること。最初だけだもん。我慢できるよ。
これからいっぱいいっぱいアルトくんとして、良くなっていくんだし。
 もう出し入れする指がべとべと。
 でもやめられない。あそこがじんじんしてきて、気持ちよさが高まって
きて、
(あぁん、いっちゃうっ・・・)


(はあ、気持ちよかった)
 本当に「いく」っていうのはきっともっとすごいんだと思うけど、
それはアルトくんに教えてもらうんだ☆
 あたしは身体の力を抜いて、ベッドに大の字になり、余韻に浸る。
 なんだかまた眠くなってきちゃった・・・。
「ランカ、起きてるか?」
「えっ、お、起きてるよ!」
 ブレラお兄ちゃんがドアの向こうから声をかけてきた。
「そうか。朝食の用意ができたそうだ」
「・・・うん、わかった」
 あたしは起き上がってベッドから出た。汚れちゃった下着をはきかえて、
その上からパイロットスーツを着る。
 あー、今日もまた調査かぁ。


 空気のあるバジュラの母星に降り立ったものの、この星が果たして人類が
暮らしていける星なのか、まずはその調査をしなければならない。
 ということで、バジュラと交信ができるあたしは、ブレラお兄ちゃん、
アイ君と一緒に、その惑星調査隊に入れられてしまったのだ。
 でも、あたしは普通の女の子。惑星の調査なんて、体力的に無理だって
みんなわかりそうなものなのに、なんであたしが? 
 そしたらブレラお兄ちゃんは「ランカ、おまえのためでもある」って
言った。
「おまえの歌がバジュラを呼んでいた。それでたくさんの人が死んだ。
最後の戦いもそうだ。おまえは操られていたかもしれない。だがおまえの
歌で、フロンティアには被害が出たんだ。大切な人が死んで、恨みに思って
いる市民も少なからずいることは覚えておいた方がいい。だからランカ、
ここでおまえが生きて行きたかったら、フロンティアの未来におまえが
必要なことをみんなに示さないといけないんだ。フロンティアのために働く、
それがオレたち兄妹の償い・・・」
 そんな風に言われちゃったら、あたしはこの仕事に参加するしかなかった。


「調査期間は三ヶ月だ」
「ええ?! それって三ヶ月もアイランド1に帰れないってこと?」
「そうだ。いちいち帰ってたら時間の無駄だろう。惑星ひとつ調べるんだから、
これでも期間としては短い。もちろん一回で済むことでもない」
「それじゃあ、三ヵ月後に帰ることができても、また行かなきゃいけないの?」
「そうなるだろうな」
「そんな・・・」
 三ヶ月もアルトくんに会えないなんて・・・。その間にシェリルさんと何か
あったらどうするのよ?
 それでなくてもあたしがアイくんを仲間に返しに行って戦いが終わって
戻ってきてみたら、二人の雰囲気が前とちょっと違う気がして、
気が気じゃないっていうのに。
「あ、シェリルさんだってもうバジュラとは交信できるはずだよ、
だから調査にはシェリルさんも・・・」
「その話は出ているが、彼女にはまだ無理らしい。おまえは最初から
能力を持っていた上に、バジュラの幼生をペットとして飼っていたからな、
その経験が買われているんだ」
「・・・」
「もちろんシェリルにもいずれは調査に参加してもらうつもりらしい。
彼女にもバジュラの幼生を飼ってもらう、と上層部は言っていた」
「じゃあ、三ヵ月後には交代?」
「彼女がうまくバジュラと交信できるようになっていれば。やる気はある
らしいぞ」
 シェリルさんならそうかもね。訓練に集中して、あんまりアルトくんと
会わないでいてくれるといいな。
 最もアルトくんもまだ軍人で、フロンティアの復興作業に忙しいから、
私だって結局この星に降り立った日から会えてない。
 私の場合、外に出るなって言われてたのもあるんだけど。
そっか、恨んでる人いるからだったんだ。私がこの星を見つけてあげたような
ものなのに、嫌だなぁ。
 今思うと、ガリア4で不時着しちゃった時はよかったな。あの時も大変だったけど、
アルトくんと二人きりだったし。あのままアダムとイブみたいに、二人で・・・。
 あー、アルトくんに会いたい!
 早く調査終わってぇー。


 三ヶ月の調査が無事に終わり、あたしはアイランド1に帰ってきた。
 軍の空港にはオズマお兄ちゃんが迎えに来てくれていた。
ブレラお兄ちゃんはまだ住むところとか決まってないから、
とりあえず軍の施設に行くって。
 街はまだまだ壊れた建物のガレキの山のまま、食べ物は配給制で、
他の船団からの援助に頼ってる。
 でも、壊れなかった建物の電気とか水道なんかのライフラインは復旧してて、
生活はできるようになったってオズマお兄ちゃんは言った。
「あー、帰ってきたぁ」
 フラットの前まできて、あたしは深呼吸した。
 調査で三ヶ月、あたしはそれより前に一度フロンティアから出てるから、
本当に久しぶりの我が家。やっと自分のベッドで眠れるんだ・・・。
「おかえりなさい、ランカちゃん」
「え? キャシーさん?」
 お兄ちゃんがドアを開けると、中からエプロン姿のキャシーさんがにこにこしながら
現れた。
 ちょっとびっくりしたけど、その時はまだ、あたしが帰ってくるからって
お兄ちゃんがキャシーさんを呼んで、何かご馳走とかつくってくれてるのかと思ってた。
 部屋の中に入ってみると、リビングとかの雰囲気がちょっと変わってた。
 決定的だったのは、先にシャワー浴びようと思ってバスルームに入って時。
絶対お兄ちゃんのものじゃない化粧品とかバス用品が当たり前のようにあったのだ。
 もしかしてキャシーさん、ここで暮らしてる?!
「うん・・・まあ、そうなんだ」
 あたしがお兄ちゃんを引っ張ってきてこれなに?! って問い詰めると、
お兄ちゃんはばつが悪そうにキャシーさんと一緒に暮らしていることを認めた。
「キャシーも父親が死んで、他に行くところもなかったからな・・・」
「えー?」
 行くところがないって、元大統領の娘なんだから、ここより立派な家はあるはず。
早い話があたしがいないのをいいことに、二人でいちゃいちゃしたかっただけ
なんじゃないの?
 あたしが睨みつけてるとお兄ちゃんはさらに言いにくそうに、
とんでもないことを言った。
「それでだな、ランカ・・・その、キャシーと結婚することにしたんだ」


「けっこん?!!」
 って、あたしは叫んでた。
いつの間にかキャシーさんがバスルームのドアのところにいて、
不安そうにあたしを見ていた。
お兄ちゃんも気がついて、キャシーさんと顔を見合わせ、そしてなにやら目配せし合う。
「実は、キャシーに子供ができて・・・」
「子供・・・子供って、いつ?!」
 あたしが身を乗り出すように言ったのを、お兄ちゃんはあたしが喜んでるって
勘違いしたらしい。
「生まれるのはまだまだ先だぞ、いやぁ、ランカも楽しみかぁ、そうかぁ」
「ランカちゃん、仲良くしてあげてね」
 キャシーさんまでお腹に手を置いて言う。
「ランカもこれでおばさんだな、はははっ」
 ・・・誰がおばさんよ。オズマお兄ちゃんとあたしは血がつながってないんだから、
あたしはおばさんになんかならないんだから!


その夜は、なかなか眠れなかった。
なんだかイライラする。
オズマお兄ちゃんとキャシーさんが一緒に寝てるって、なんか嫌。
別に、お兄ちゃん取られて嫌だとかっていうんじゃなくて・・・二人が馬鹿みたいに
でれでれしてるのが嫌。
なによぉ、あたしだって・・・あたしだってアルトくんと恋人同士になりたい。
そしたらきっと、あたしはお兄ちゃんたちのことも、ものすごく祝福してあげられるのに。
眠りたいのと、気分を変えたくて、あたしはまたあそこに手を伸ばす。
アルトくんにエッチなこといっぱいされてみたい。
アルトくんだってしたいはずだよ。
アルトくんがあたしを呼ぶ声思い出しながら、指で閉じた裂け目に沿って指を動かす。
他のところを同じように撫でても、ただ撫でてる感じしかしないのに、
どうしてここはこんなに敏感なんだろう。
脚を少し開いて、指を裂け目に潜り込ませる。内はもっと敏感。
気持ちよくて、いじるのがやめられなくて。
「はぁ・・・アルトくぅん・・・」
すぐにぐちゅぐちゅになっちゃう。
処女なのに、こんなに濡れちゃったら、アルトくんに誤解されちゃうかな。
でも入れたら初めてだってわかって、きっとアルトくんはすごく喜んじゃうよ。
ランカはオレだけのものだって、他のやつにはやらないって言って、
そしてデートのたびに求められちゃって、あたしもどんどん感じる身体にされちゃうの。
でもそんなにしょっちゅうしてたら、妊娠しちゃうなぁ。
あ、でも赤ちゃんできたら、アルトくんのことだもん、結婚しようって言うに決まってる。
早過ぎるって言われそうだけど、オズマお兄ちゃんだって子供できたんだし、強く反対は
できないはず。

 ・・・そしてあたしは決めた。ここを出ようって。


次の日。
あたしはSMSのカナリアさんのところに行った。
あたしはV型感染症には耐性があるけど、一応、定期健診みたいなものだからって
呼び出されていたのだ。あたしの身体のことは、カナリアさんが一番知ってるし。
それに、SMSに行けばアルトくんに会えるかも☆ って期待もあった。
アルトくんに会えたら、お兄ちゃんの家を出ることについて相談しなきゃ。
あー、携帯が使えないって不便。
ライフライン直すなら、携帯も早く使えるようにして欲しい。

どこか調子の悪いところは? なんて問診から、惑星探査の話になって、
あたしがいない間にオズマお兄ちゃんが、って話になって・・・。
「新しい命が生まれるんだ。いいことじゃないか」
 カナリアさんは余裕で微笑む。そりゃ、子供産んでるから、そうよね。
「でも、いきなりすぎだし、速すぎですよぉ」
「まあ、な。だけどな、ランカ。戦争があったり何か災害が起こった後って
いうのは、出生率が上がるって統計上でもはっきり出ててね。
こういうご時勢だ。誰かと寄り添いたくもなるもんだよ」
「そうなんだ・・・」
誰かと寄り添いたくなる。
アルトくんも、そうだったりするかな? だとしたら今って、告り時?
そんなこと考えてたら、なんだか力が湧いてきた。

うまく行く時っていうのは、ホントうまくまわるものなのかもね。
「あっ、アルトくーん!」
なんとあたしはSMSを出ようとしているアルトくんを見つけてしまったの!
あたしは全力でアルトくんに駆け寄った。
ああ、アルトくんだぁ。久しぶりだから余計にきらきらして見えてしまう。
「よう、ランカ。惑星探査、ご苦労だったな」
 アルトくんは優しく微笑んで、そう言った。
「うん! やっと帰ってこれたよ、って、アルトくん、私が帰ってくるの知ってたの?」
「ああ、隊長からきいてた」
「そうだったんだ。気にしててくれたんだね、ありがとうアルトくん」
「いや、別にそういうわけじゃあ・・・」
 ホント、アルトくんって照れ屋っていうか・・・
でもこういう時にかっこつけたり甘いこと言えないのがアルトくんなんだよね。
「あ、ねえアルトくん、今日はもしかしてもう帰るところ? 
あたしね、アルトくんに相談したいことがあるの」
「相談・・・きいてやりたいけど、ごめん、今日はこれから、病院行くことになってて・・・」
「病院? アルトくん、どこか悪いの?」
「いや、俺じゃなくて親父。入院してるんだ」
「え? お父さんが?!」
 当たり前だけど、アルトくんにだって親はいるんだよね。
そういえば歌舞伎のお家だっけ。厳しそうな感じ・・・あ、でもこれってチャンス?
「アルトくん、私も一緒にお見舞い行ってもいい?」
 お見舞いってポイント高いよね。
お父さんだって、アルトくんがお見舞いに女の子つれてきたら、
”彼女”だって思うだろうし。


「いや、いいよ。もう退院も決まってて、心配するような状態じゃないからさ」
って遠慮してるのはわかるけど、鈍すぎるよ、アルトくん。
「・・・でさ、ランカ。相談って何だ?」
「え? えっと病院は?」
アルトくんは時計を見て「ちょっとなら聞けるよ」と言ってくれた。
やっぱり優しい。
「うん、実はね・・・」
近くのベンチまで移動して、あたしはお兄ちゃんとキャシーさんのことを話した。
赤ちゃんできたんだって、っていうのはちょっと恥ずかしい。
だって、ねぇ、そういうことしたってこと想像しちゃうよね、アルトくんだって男の子なんだから・・・。
チラッとアルトくんの様子を窺うと、アルトくんぽかんとした顔してあたしを見てた。
あたしと目が合うとちょっと赤くなって、慌てて目を逸らした。
もしかしてこれって・・・。
「あ、あの、それでね、あたしあの家から出ようって思ってるの。ほら、新婚さんのところに
あたしがいたら邪魔だし、この際一人暮らしとかしてみようかなぁ、って」
「ああ、そういうことか。でもいきなり一人暮らしじゃなくてもいいんじゃないか? 
おまえにはもう一人兄貴がいるだろ?」
「そうだけど・・・。あ、ほら自立したいし!」
「へえ、おまえも言うようになったな。まあ、いいんじゃねえか、やってみるのも」
「うん、ありがと、アルトくん。あ、引っ越したら、遊びに来てね。
何かおいしいもの作るよ!」
「おまえ、料理なんかできるのか?」
「できるよー。ずっとあたしが家事やってたんだよ」
 やっぱり男の子は女の子に手料理なんか作られたら、弱いよね。
アルトくんって何もできなそうだし、シェリルさんなんてきっと
料理どころか家事全般だめそう。そんなんじゃ、いくら胸があったって、
お嫁さんとしては失格。

エプロンしてご飯作ってるあたしの後ろからアルトくんが「お腹すいたー」って
料理覗き込んできて。
・・・で、「なんか萌えた・・・」とかってそのまま後ろから抱きつかれて、
変なとこに手入れてきて・・・
『あ・・・だめだってばぁ、お腹すいてるんでしょ? ごはん食べてからにしよーよぉ』
だけど、ごはんよりおまえが食べたい、なんて言われて、下着下げられて後ろから・・・。

「・・・おい、ランカ?」
「へっ?」
「おまえ、顔赤いぞ。疲れてるんじゃないのか?」
「そ、そうなのかな」
「やっぱりきついよな、三ヶ月も移動しっぱなしじゃあ」
 アルトくん、心配してくれるんだ。優しい。やっぱりあたし・・・。
「ランカ」
 アルトくんが真面目な顔してあたしの名前を呼んだ。
「え? な、何?」
「オレ、ランカに、た・・・」
 きゃああああーーー! 先に言われちゃうのぉ?! その方がずっと嬉しいけど! 
「アルトー」
・・・って、その時! 聞き覚えのある声があたしとアルトくんの間に割って入ってきた。
顔を上げると、シェリルさんが手を振りながら走ってこっちにやってくるのが見えた。
なによぉ、どうして告白タイムってなるとシェリルさんが現れちゃうの?!


「シェリル!」
隣に座ってたアルトくんがひどく慌てた様子で立ち上がり、シェリルさんに駆け寄る。
そして、まるでブロック、っていうか私を隠してる? みたいに、シェリルさんの正面
に立って留める。
「おまえな・・・」
「はぁい、ランカちゃん」
アルトくんの陰からシェリルさんがひょいと顔を出して、笑顔で言った。
「帰ってきてたの?」
「あ、はい・・・昨日・・・」
「三ヶ月間ご苦労様」
「あ、いえ」
次はシェリルさんの番ですから。
「そういえば、シェリルさんもバジュラの子、育ててるってききました」
「ええ、そうなの。ランカちゃんのアイ君とは違うタイプの子で、見た目は猫みたいで
かわいいのよー」
シェリルさんが楽しそう言った。
まだ幼生なのか・・・次の調査までに何とかなるのかな?
「でもね、見た目も猫っぽいせいか、いろんなところに上がっちゃって大変なの。
今日もここに来る前、食器棚の上に上がっちゃって。そのくせ自分で降りられないんだから、
手がかかるったら・・・。救出してたら遅くなっちゃった」
「救出って・・・」
アルトくんの顔つきが変わる。
「まさかおまえもあの食器棚の上にのぼったのか?」

あの食器棚? って、アルトくんシェリルさんの部屋に行ったことあるってこと?!

「だってそのままにしておくわけにいかないじゃない。
椅子に乗っても届かなくて大変だったのよ。管理人さんから脚立借りて・・・」
「落ちたらどうするんだ?!」
「落ちてないわよ」
「結果はそうかもしれねぇけど、気をつけろよ! だいたいなぁ、妊婦のくせに走るな」

・・・え?
今なんか、すごいことを聞いた気がする。
妊婦? シェリルさんが?
あたしはシェリルさんのお腹を見た。でもワンピースの上からじゃわかんない。

二人はあたしがいることも忘れちゃったみたいに、言い合いを始めた。
「おまえ、自覚がなさすぎだ」
「はぁ? 軽く走るぐらいのことで何よ」
「走るのは大丈夫でも、転ぶかもしれないだろ?」
「最初から転ぶこと考えてたら、歩けもしないじゃない。馬鹿じゃないの?」
「馬鹿って・・・どっちが馬鹿だ! おまえだって子供ができてあんなに喜んでたじゃないか。
ちったあ大切にしろよ」
「そりゃ嬉しいわよ。当たり前でしょ、家族ができるんだから。
でもね、私の子なのよ? ちょっとやそっとでへばるもんですか」
「言っとくがな、その子供の半分はオレのだ」
「何それ。お腹で育てて産むのは私なの。
くやしかったらアルトも子供産んでみなさいよ」
「おまっ・・・。ずるいぞ、それ言ったら・・・」

シェリルさんが妊娠?
アルトくんがお腹の赤ちゃんのお父さん?
それってつまり、アルトくんとシェリルさんがエッチしちゃったってこと?


・・・嘘だ、そんなの。こんな現実受け入れられない。
心臓早鐘、マクロススピード。頭くらくら。やだ、気持ち悪い・・・。
「・・・ランカちゃん? ちょっと、ランカちゃん?!」
「え? どうした、ランカ!」
シェリルさんとアルトくんの呼ぶ声がする。
でも、どんどん声は遠くなって、まぶしい太陽がさらに光を強めたみたいに視界が真っ白になる。
あたしはそのまま、ベンチに横になるように倒れ、意識を失った。



「ランカさん! 大丈夫ですか?!」
「あ・・・ナナちゃん」
なんでナナちゃんがいるんだろう? 
ああ、そっか、調査からは帰ってきたんだっけ。
ここ、あたしの部屋じゃない・・・病院?
「ナナちゃん、あたしどうしたの?」
「覚えていないんですか? 倒れたんですよ。カナリアさんは疲れが出ただけだって
言ってましたけど、あたしもう心配で心配で・・・」
ここはSMSの中らしい。
でもどうしてナナちゃんがここにいるの? ってきいてみると
ナナちゃんはルカくんから連絡をもらったって言った。
「ねえ、ナナちゃん。アルトくんには会わなかった?」
「え? アル・・・」
「アルト先輩なら、シェリルさんと一緒に、お父さんのお見舞いに行きましたよ」
ベッドを仕切ってたカーテンあけて、ルカくんが現れた。
「・・・シェリルさんと・・・」

だんだん思い出してきて、また胸がどきどきしてくる。夢、じゃなかったの? あんな・・・。
「アルトくんとシェリルさんって、その・・・付き合ってるのかな?」
ルカくんとナナちゃんは気まずそうに顔を見合わせた。
「えっと、アルト先輩からきいてますよね、その、シェリルさんに子供ができたこと」
夢じゃなかったんだ。
「それで、アルト先輩のお父さんが退院したら、結婚するそうです」
「・・・嘘っ」
ずるいよ、シェリルさん。あたしがいないあいだにきっとアルトくんを身体で誘ったんだ。
それでうまいこと妊娠して、アルトくんをしばりつけるなんて、ひどすぎる。
「アルトくんまだ17歳なのに、結婚なんて・・・」
「子供ができたってわかった時、シェリルさんはそう言ったみたいですけど。
ギャラクシーでは事実婚やシングルマザーなんて普通だったんだそうです。
あ、もう二人は一緒に暮らしてましたし、事実婚みたいなものだったんですけど。
でもアルト先輩は、それはいつものあいつの強がりだ、オレはちゃんと家族になりたい、って。
あの大戦の少し前からアルト先輩、変わりましたよ。生き残ったものが引き継いで、
次につなげること考えなきゃいけないって、実家に帰ることも決めたみたいだし」
「そんな・・・」
 どうしたらいいの? あたしもう・・・死んじゃいたいよ・・・。


その後、ブレラお兄ちゃんが迎えに来てくれた。
あたしがあんまりにも元気がないのでお兄ちゃんは心配してくれたけど、
あたしにはもう、平気だよってごまかす元気もなかった。
フラットにも帰りたくなかった。
オズマお兄ちゃんとキャシーさんが幸せそうにしている姿なんて、見たくない。今は特に。
あたしはその晩、SMSの女子隊員部屋に泊めてもらうことした。


次の朝、あたしが食堂で朝ごはんを食べていると、
「ランカ」
「・・・アルトくん!」
ちょっといいか、と言って、アルトくんはあたしの正面に座った。
「昨日は悪かったな。へんなとこ見せちゃって」
「ううん」
あたしは力強く首を横に振った。アルトくんがわざわざ来てくれるなんて。
あたしの気持ちは一気に舞い上る。
やっぱり赤ちゃんはシェリルさんの計算で、アルトくんはただ責任果たそうって思ってる
だけかも・・・なんて。
「実は、ランカに頼みたいことがあるんだ」
「頼みたいこと?」
「ああ。シェリルのことで」
もしかして、あたしと付き合うために、シェリルさんに別れてって言って欲しいとか・・・。
「もうわかってると思うけど、シェリルは妊娠してる。だからランカ、次の惑星探査も
シェリルのかわりに行ってもらいたいんだ」
「・・・へ?」
 ちょっと待って、何なの? それ。
「あの身体で調査隊に入るなんて、ありえないだろ。飛行機だって乗せたくないし」
「え、でも・・・」
「ドクターストップもかかってるんだ。ランカにはあとで正式に次の調査隊の参加要請
が来るはずだけど、その前にオレから言っておきたくてさ。まあ、オレのせいでもあるから」
アルトくんは照れ笑いしながら、視線を逸らした。
「ア、アルトくん、その、嬉しいの? 赤ちゃん・・・」
「ああ。そりゃ最初はびっくりしたけど、嬉しいよ」
アルトくんはすごく優しい顔をして言った。

なんだか切ない・・・。赤ちゃんならあたしだって産めるよ。
あたしはアルトくんを見つめて、心の中でそう言ってみた。

アルトくんは視線を落として、静かに呟いた。ちょっと微笑みながら。
「しかも、好きな女性が産んでくれるだからな」


・・・アーイモ アーイモ ネーデル ルーシェ・・・ 
恋の歌だったんだよね、この歌。
あなた、あなた、かぁ。
あたしは空を見上げて、アルトくんのことを考えた。
ここはアイランド1から遠く離れた、惑星の反対側。
最後にアルトくんに会ったのはもう二ヶ月も前。
こうしてると、辛かった思いもだんだん消えてゆく。
その分、アルトくんに会いたいなって気持ちの方がどんどん強くなっていく。

子供を産むのは女。
子供を産みたいって気持ちが命をつなげてきた。
その中でも”この人の”子供が産みたいって気持ちはものすごいことなんじゃないかな。
とっても強くひかれる何かがあるってことは、それだけ命つなげていく力があるって
ことなんじゃないかなって。
あなた、あなた、あなたが欲しい・・・。

今度アイランド1に帰ったら、あたしもう遠慮なんかしない。
アルトくんが好きって気持ちは本物だもん。
シェリルさんがいたって、子供がいたって、好きだもん。
それに。
今シェリルさんが妊娠中ってことは、アルトくん・・・たまってるよね。
奥さんが妊娠中って、浮気しやすいってよくきくもの。

よおし!
あたしは両手を胸の前で合わせ、ぎゅっと手のひらで手のひら押した。
これやってると、胸が大きくなるんだって。
胸が小さいのは小さいで、なんていうの? 清純な感じもしていいとは思うの。
でも、アピールするには少しはあった方が、ね。
エッチにさえもちこんでしまえば、身体が小さい分、あそこは小さくて、
アルトくんは喜ぶと思うし。
そうよ、まだまだあたし

「負けないもん☆」


 後日談。

その後もシェリルは出産、子育て、第二子妊娠と続き結局惑星探査には参加できず。
「アルトや子供たちと一緒にいられるのは幸せだけど、ランカちゃん一人に惑星探査
お願いしちゃってるのはちょっと申し訳ないわね」
「大丈夫だよ。元気そうにやってるみたいだし、案外天職なんじゃないか?」
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