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macrossf-eparo

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だれでも歓迎! 編集
330 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/21(土) 15:55:09 ID:0OsfIBiy
アルト×シェリルで投下
コスプレエッチでGo!


331 死せる美姫 sage 2008/06/21(土) 15:56:45 ID:0OsfIBiy
映画監督ジョージ山森は、早乙女アルトという役者と出会って、触発されるものがあったらしい。
歌舞伎に復帰したアルトをかきくどき、実験的な短編映画で主演することを承諾させた。
映画のタイトルは『廃都』。

映画は、どことも、いつの時代とも知れぬ荒野を行く旅人のシーンから始まった。
馬に乗り、七弦の楽器をかき鳴らす。
音楽は聞こえるものの歌詞は聞こえず、画面に文字が浮かび上がる。

 ああ、全く、休み場所でもあったらいいに、
 この長旅に終点があったらいいに。
 千万年をへたときに土の中から
 草のように芽をふくのぞみがあったらいいに!

旅人の行く手を遮る砂塵の中から、おぼろげに浮かび上がってくる古代の遺跡。
人間の男の頭、牛の胴体、鷲の翼を背にした奇怪な彫像が二体、互いに向かい合って聳え立つ。
かつての都の大門でもあったろうか。
旅人は好奇心の赴くまま、彫像の間を通って遺跡に足を踏み入れる。
一編の詩が画面に浮かび上がる。

 ああ、掌中の珠も砕けて散ったか。
 血まみれの肺腑は落ちた、死魔の足下。
 あの世から帰った人はなし、きく由もない――
  世の旅人はどこへ行ったか、どうなったか?

大門から通じる都の大路は荒れ果てていたものの、広く、往時の栄華をしのばせるには十分だった。
うずたかく積み上げられた瓦礫。
屋根が落ちて壁だけになった家々。
そうしたものの中をさまよいながら、旅人はいつしか墓地に足を踏み入れていた。
さまざまな形の墓碑に忘れ去られた文字で銘が刻まれている。
旅人は、とある霊廟の前で足を止めた。
白い大理石に繊細な装飾を刻んで作り上げられた霊廟は、その主が女性であることを思わせる。
だが、その表面には葉も花もない、枯れた蔦が執拗に絡み付いていた。
灼熱の太陽も西へと傾き、霊廟の彫刻に陰影を添える。
画面に浮かぶ一編の詩。

 地の表にある一塊の土だっても、
 かつては輝く日の面、星の額であったろう。
 袖の上の埃を払うにも静かにしよう、
 それとても花の乙女の変え姿よ。

旅人の奏でる楽の音に蔦が応じた。
ワサワサと乾いた音を立ててうごめき、霊廟の扉が開く。
中から現れたのは異国の美姫。
染めに織り、技巧の限りを尽くした服をまとい、歩くたびに黄金の装身具がチリチリと涼やかな音を立てる。
切れ長の目元から旅人へと注がれる眼差しは、悲しみの色を帯びている。
美姫は裳裾を翻し、緩やかに舞い始めた。
たたーん、たたーん、舞の足音が独特の拍子を刻む。
画面に浮かぶ一編の詩。

 幽蘭の露
 啼ける眼の如し
 物の同心を結ぶ無く
 煙花は剪るに堪えず
 草は茵の如く
 松は蓋の如し
 風を裳と為し
 水を珮と為す
 油壁の車
 夕ごとに相待つ
 冷ややかなる翠あおき燭
 光彩を労わずらわす
 西陵の下
 風 雨を吹く

霊廟に葬られた貴婦人の魂が顕現したのであろうか。
美姫の舞に合わせるように、旅人の楽器の弦をかきならす。
夕映えに染まった周囲にいくつもの影が現れ、在る者は歌に唱和し、在る者は手にした楽器を弾く。
かつての王宮で開かれた宴が、ひそやかに再現される。
やがて舞が終わると、影は薄れて消え、美姫は優雅に礼をする。
その体に蔦が巻きつき、霊廟へと引き戻していった。
美姫が悲しい一瞥を旅人に与えると、霊廟の扉が閉じる。
後は、冷えて乾いた風が吹きすさぶのみ。

映像はカット割りを廃し、長回しで撮り続ける。
ほとんどアップの無い画面作りは、今の時代の観客には、かえって目新しく感じられたようだ。
プレミアム試写会は、一瞬の沈黙の後、盛大な拍手が沸き起こった。
「これよ!」
目を輝かせているシェリルも拍手を惜しまない。
アルト演じる美姫に心奪われていた。

「と、言うわけでアルト、これを着て。着なさい」
部屋でシェリルは壁にかけた衣装を指差した。
「何が、と言うわけ、なんだよ」
呆れ気味のアルトは、それでも衣装を手に取った。
「これ、映画と同じの…」
「そうよ。アクセまで揃えたんだから」
「凝り性め…」
バングルを手首にはめた。キラキラと輝く歩揺を揺らしてみる。
「ご褒美上げるから、着て、ね」
シェリルはヴェールを手にとって、アルトの頭に被せた。
「なんで仕事でもないのに…」
一応、文句は言ってみたものの、生来、美しい装束には目が無い。衣装を手に取った。
「メイクは?」
アルトが尋ねると、シェリルはにっこりと笑って使い込んだメイクボックスを取り出した。
「オーケイ、着せ替えごっこに付き合ってやるよ」
「ええと、この色かしらね?」
鏡台の前に座ったアルトの顔と、映画雑誌のグラビアページを見比べながら、シェリルはアイラインを引いてゆく。
濃く引かれたラインは、アルトの顔を国籍不明の美女に変えた。
「うふふ、他の人にお化粧するって、楽しい。メイクさんの気分が少しわかったかも」
「そうだな。歌舞伎でも楽屋で顔を拵えていくのは、気分が浮き立つ」
「アルトは自分でもお化粧するのね」
「芝居用だから、普通のメイクとは違うけどな」
「そうね……ええと、後はカラーコンタクトをつけて……完璧っ」
緑の瞳の死せる美姫が再現された。

「踊ってみせて」
ソファに座ったシェリルに向かって、アルトは優美に頭を下げた。
長い裳裾を手に持ち、つま先から床に触れるステップでリズムを刻んだ。
たたーん、たた、たたーん。
動きとともに、アクセサリーが涼し気な音を奏でる。
ヴェールから流れ出た黒髪は細かな真珠のついたチェーンで飾られ、体の動きとわずかにずれて華やかさを強調した。
うっとりと眺めていたシェリルは、舞の終わりにアルトが一礼すると、拍手を送った。
「ここ、来て」
ソファの隣を手のひらでポンと叩く。アルトが座ると、膝を枕にして横になった。
「おとぎ話の王様になったみたい」
ご満悦のシェリル。
その前髪をかきあげて、アルトは額をつついた。
「銀河の妖精はfairy taleの主人公じゃなかったのか?」
シェリルは前髪を手で直した。
「おとぎ話の妖精は、美女をさらってきて侍らしたりしないわ……アルトの存在って、監督さんの創作意欲を刺激するみたいね。次回作のオファーも来ているんでしょう」
「なんで、それを?」
「映画音楽をやらないかって、話が来ているのよ。私の仕事は、やっぱり歌がメインだけど、歌なしの音楽もちょっと面白いかな、って考え始めたところ」
「そうだったのか」
アルトの手がシェリルのストロベリーブロンドを撫でている様子は、どこかおとぎ話めいていた。
シェリルがその手をとって、手のひらに唇を押し当てた。
キスの感触に目を細めるアルト。
「アルト主演なら、作ってみたい」
「お前はスクリーンに出ないのか?」
「私はシェリル・ノームだから。他の誰かを演じるなんてできない」
「じゃあ、シェリル・ノーム役なら出てもいいのか。時々あるだろ? 本人が本人役で出演するの」
「あ、それ面白いわ」
アルトは人差し指と中指を揃えて、シェリルの唇を撫でた。
「ん……イタズラしないの」
シェリルはアルトの手を両手で捕まえると、指先に軽く歯を立てた。
「イテ……ん」
噛んだすぐ後に、シェリルは指先を唇に含むと、吸って、舌で舐めた。
「イタズラなのは誰だよ」
アルトは指を唇から抜くと、濡れた指先でシェリルの首筋を愛撫した。
「は……ぁん」
シェリルの背中が軽くのけぞる。
指先は襟元から滑り、素肌をたどって胸へ。
下着の下へもぐりこむと、乳房の頂を摘んで刺激した。
「ぁ…ぁ…ぁ…」
自分の指を噛んで声をこらえるシェリル。

ソファの上で肌を重ねた。
生まれたままの姿のシェリルと、美姫姿のアルト。
アルトが中に入っていくと、シェリルは熱い吐息を漏らした。
「なにか…あ……すごくイケナイことしてるみたい」
アルトの頬を両の掌で挟んで唇を合わせる。
「イケナイ…って?」
「綺麗なお姫様に抱かれるなんて…ア……」
シェリルの指がクッションを掴んで、強く食い込んだ。

<終>





335 死せる美姫(補足) sage 2008/06/21(土) 16:04:49 ID:0OsfIBiy
話中の詩は下記から引用しました。
オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』(小川亮作訳)
李賀『蘇小小の墓』

映画の筋立ては能『定家』を翻案。





343 死せる美姫・続 sage 2008/06/22(日) 23:28:42 ID:hoSVHyb+
最初の頂が訪れた。
シェリルの意識が白熱して、四肢から力が抜ける。
「あーっ……あ…はぁ」
うっすらと瞼を開くと、見おろしているアルトの顔。上気した肌は女であるシェリルから見ても凄艶で、あるかなしかの頬笑みを乗せた唇は体の熱で潤んでいる。
「アルト……」
シェリルは手を伸ばして抱き寄せた。幸せを感じるが、何か物足りない気もした。
「……どうしたの? 気持ち良く……なかった?」
体の奥でアルトの迸りを受け止めた感覚が無かった。
「良かった……」
アルトは上体を起こして、シェリルにキスした。
「たまにあるんだ……タイミングがズレたみたいなもんかな……」
「そうなの?」
その声は心配そうで、アルトは思わず抱きしめて頭を撫でる。
体を離そうとするアルトにシェリルは声を上げた。
「ん…ダメっ……」
脚をアルトの腰に絡めて引き留める。
「今度は、私が……良くしてあげるから」
狭いソファの上で、体を入れ替え、シェリルが上に。体の中心に収めた男性自身は、まだ固いままで、達したばかりの体に痺れるような衝撃を与える。ふっと力が抜けそうになるのをこらえて、目を開けてアルトを見つめた。
アルトの両手が胸を掴む。揉まれると声が漏れた。
「あ……ダメ、アルト、動かないで……私が……するの」
名残惜しさを感じながら、両手でアルトの手を掴んで胸から引き剥がす。その手をアルトが枕にしているソファに押し付けた。
「ん…ふふっ……今度は、私が綺麗なお姫様を……」
シェリルは自分の言葉で体が高ぶってきたのを感じた。
アルトは顔をそむけた。長い睫に縁取られた目を細く開けて、横目でシェリルを見る。羞恥に襲われた姫君もかくやという繊細な表情。
眼差しを受けて、シェリルは体の奥が潤った。
「ダメよ……そんな顔されたら……もっと激しくしたくなるじゃない……んっ」
アルトの手を拘束したまま、シェリルは体を揺らした。
アルトによって貫かれながら、幻想の中では自分がアルトを貫いている。
「んっ……」
下唇を噛んで声をこらえるアルト。
妖しい高揚を覚えながら、腰を激しく振るシェリル。心理学者が言うように、ひとりの人間の中に男女両性の一部が共存しているなら、今のシェリルの心は男の部分が膨れ上がっている。
つながっている部分がビクビクと震える。
「あ」
体の奥でアルトを受け止めた感覚。
征服欲が満たされた瞬間、シェリルの手足から力が抜けて、アルトの胸に顔を埋めた。
ぐっと力強い腕が、シェリルの手を振りほどいて抱きしめる。
「アルト」
そこにいるのは、美姫ではなくアルト。
立場が倒錯し、新しい官能のスイッチが入った。
アルトは体を起こすと、向かい合う形でソファに座った。
貫いたままのシェリルの体を、力強く突き上げる。
「アルト……ああっ……」
シェリルはアルトの腕の中で背筋をそらした。
アルトの唇が尖って揺れている乳首にむしゃぶりつく。
荒々しい快楽に身を委ねて互いを高めてゆく。

頂を極めた後、しばらくは二人とも息が荒くなって話すことさえままならなかった。
「あ……アルト…しながら、お芝居できるの……?」
「はぁ…はぁ…あ、ああ…ん?」
「だって…ああ……本当に、囚われのお姫様みたいな顔を……」
「着せ替えゴッコに付き合ってやるって言っただろ?」
互いの耳朶に唇を寄せながら、囁きをかわす二人。
「もう……」
シェリルはアルトの耳朶を甘噛みした。
「ドキドキした……初舞台に立つより」
アルトの囁きにシェリルは目を細めた。
「女形は女より女らしいって良く言うけど……実感したような気がするわ。ああ、ミリオンセラーのアルバムが二、三枚できそうなぐらい曲が溢れてきそう」
「すごいな……そのアルバムがご褒美か?」
笑いを含んだ声のアルトに、シェリルはきょとんとする。そして、自分が最初に言った言葉を思い出した。
「そうね、アルバムの収益があがったら、バルキリー買ってあげるわ」
「豪勢だな」
「二人で、銀河のどこにでも行くのよ」
シェリルはアルトの頬にキスして囁いた。
「今、バルキリーのかっこいい使い方思いついた」
「何だ?」
「コンサートでね、アンコールの後、客席の間の花道を通って退場するのよ。その先の扉が開くとバルキリーがスタンバイしてて、乗り込むの。劇的じゃない?」
「劇的だが…」
「何よ?」
「体の良いショーファー(お抱え運転手)をさせられている気がするな」
「ご不満?」
「いや、悪くない」
アルトはシェリルを抱き上げた。ベッドへ向かう。夜明けまで、ゆったりした時間を過ごすつもりだ。

<終>
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